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一日一書 30 遠ざかるほど

2013-03-15 21:03:55 | 一日一書

 

半紙

 

遠ざかるほど匂う少女たちの夢

 

 

ぼくが20代のころ書いた詩の一部です。

横浜港まつりの、国際仮装行列での

少女たちの鼓笛隊とバトントワリングの印象を書いたもの。

港まつりは、よく雨が降ったものです。

ぼくの家の前を行列が通るのですが

いつもあんまり面白くてなくて退屈でした。

でも、少女たちの鼓笛隊や、バトントワリング

そして、アメリカ海兵隊のブラスバンドは

素晴らしかった。

この詩は

拙い表現ですが、どこか清潔なエロチシズムが感じられていいと

勝手に思っていて

自分では気に入っているもののひとつ。

全文は以下のとおりです。

 

 

雨のパレード

 

雨のしぶき光に濡れる

まっ白なブーツのつま先が

黒光りするアスファルトにそり返る

柔らかいわきの下の外側で

激しく収縮する筋肉と

灰色の空

小太鼓の連打つづき

少女のふくらんだ胸に

まき散らされる金のビブラート!

紅潮した頬を

つめたく截る銀のフルート!

雨のしぶき髪に濡れる空に

いっせいに蹴りあげられる

百の若い脚

 

遠ざかるほど匂う少女たちの夢

 

 

 

自分の言葉を書くべきか

それとも、有名な詩人や作家の言葉を書くべきかという議論も

書の世界にはあるようですが

ぼくは、どちらも魅力的だと思っています。

今は、詩をまったく書きませんが

昔書いたものを、書にするのもいいかもしれないと、ちょっと思っています。

今回は、そういう意味での試作です。

 

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