戦争や暴力では問題は解決しないと思います。また、同じようなことをくり返す理由は、先日、朝日新聞が、”オランダで集団暴行 イスラエル人標的か サッカーの試合後 5人負傷”と題する下記のような記事を掲載したからです(全文)。
”オランダの首都アムステルダムで7日夜、サッカーの試合後にイスラエル人を狙ったとみられる集団暴行が起き、英BBCなどによると5人が負傷し、病院に搬送された。イスラエル政府は「反ユダヤ主義的な攻撃」と批判し、オランダ政府に現地ユダヤ人コミュニティーの保護を求めた。
暴行は、アムステルダムで行われたオランダのアヤックスと、イスラエルのマッカビ・テルアビブの試合後に起きた。SNSで拡散された動画には、「パレスチナに自由を」などと叫びながら何者かが集団で男性らを暴行する様子などが映っている。
BBCによると、試合前からマッカビ・テルアビブのサポーターと親パレスチナの抗議者との間でトラブルがあり、地元警察がこれまで62人を逮捕した。マッカビ・テルアビブはサポーターらに対し、イスラエルやユダヤを示すものを身につけないよう注意を促した。
イスラエル政府によると、ネタニヤフ首相はオランダのスホーフ首相との協議で、負傷者を含めた全てのイスラエル人の安全確保を要求し、スホーフ氏も応じたという。ネタニヤフ氏は、自国民保護のための救援便の運航を指示した。
イスラエルのベングビール国家安全保障相はX(旧ツイッター)で、「サッカーを見に行って反ユダヤ主義に遭遇し、ユダヤ人やイスラエル人であるだけで残酷な攻撃を受けた」と非難した。”
この事件でも、ガザにおけるイスラエル軍によるジェノサイドが背景にあることは、”「パレスチナに自由を」などと叫びながら…”暴行に至ったという文章で分かります。
また”、試合前からマッカビ・テルアビブのサポーターと親パレスチナの抗議者との間でトラブルがあり” という指摘も見逃してはならないことだと思います。
そういうことを踏まえると、イスラエルのベングビール国家安全保障相のX(旧ツイッター)での、非難は一方的で、問題の根本的解決にはつながらないものだと思います。
かつてユダヤ人は、世界中で「血の中傷事件」やポグロム、ホロコーストなどの被害者として、惨酷な仕打ちにあってきたと思います。でも、ガザにおけるジェノサイドをやめ、パレスチナ人に対する差別的な攻撃姿勢をあらためないと、テロや集団暴行のような悲劇がくり返されると思います。それは、歴史が証明しているのではないかと思います。
BBCは、下記のように、オランダの国王が、反ユダヤ主義に目をつぶってはいけない、とイスラエルのサッカーファンへの攻撃後に語ったと伝えていますが、私は、「反ユダヤ主義」の背景や事件の経緯にも目をつぶってはいけないと思うのです。
イスラエル人(ユダヤ人)が、パレスチナ人と、どのように理解を深め合うかという視点がないと「反ユダヤ主義」を非難しても、テロや集団暴行は続くように思います。パレスチナ人を「二本足で歩く獣」などと言って、人間扱いせず、平気で人権を無視し、戦争犯罪とされる攻撃をくり返している限り、テロや集団暴行のような悲劇は終わらないと思います。
集団暴行は、イスラエルのサポーターが会場のパレスチナ国旗を剥いで燃やしたり、タクシーを襲撃したりしたトラブルに端を発したものだったと現地の警察署長、ホラ(Police chief Peter Holla)が認めていることも見逃せないことだと思います。
”Police chief Peter Holla confirmed there had been incidents "on both sides". Israeli supporters had removed a Palestinian flag from a wall and set it alight and attacked a taxi, although there had been no further trouble until the following night, he said.”
イスラエルのベングビール国家安全保障相のみならず、バイデン大統領をはじめ、西側諸国の首脳が、アムスエルダムの「反ユダヤ主義」を非難したようですが、それだけではいけないと思うのです。
”バイデンはXへの投稿で、米国はイスラエルとオランダの当局者と連絡を取っていると述べた。「反主義がどこに現れようとも、私たちは容赦なく戦わなければなりません」と彼は言った。”
と報道されていますが、公平ではなく偏った主張だと思います。
現地の警察署長が認めている客観的事実を無視し、「反ユダヤ主義」だけを非難するのは、差別的だと思います。
テルアビブのマッカビ支持者が木曜日の夜の試合前に反アラブのスローガンを唱える様子が映っているといういくつかの映像もあるといいます。
仲間の国を擁護し、客観的な事実に目をつぶる西側諸国の差別的世界支配は終わりにしないと、世界平和は達成できないと思います。
大事なことは、どのように理解を深め合うのかということであり、「反ユダヤ主義」的な人を抹殺することではないと思います。
ガザにおけるジェノサイドを黙認し、「反ユダヤ主義」を非難するだけの西側諸国の戦略に与しては、世界平和は永遠に達成できないと思います。
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