きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「英国王のスピーチ」

2011年03月06日 | 映画
「王冠を賭けた恋」の兄の退位によって
英国王となったジョージ6世のお話し。

吃音って最初の言葉が重なるイメージだったんだけど、
こちらは、言葉が出てこないんだね。
喉まで来ているのに、口から出てこない。
コリン・ファースの演技は、とてもリアルだった。

随所に煙草を吸う場面が出てくる。
ジョージ6世の死因のひとつが肺ガンだったのを知っていれば
頷く場面だったんだろうなあ。

教師役・ジェフリー・ラッシュの台詞も
英語がわかれば
「オーストラリア訛」なのもわかったんだろうなあ。
ちょい残念。

国王と教師(正確には言語なんたら)。
反発し、支え合う、奇妙な友情は、
やがて国をも支える。

前後するけど。
(後の)ジョージ6世が戴冠から逃げたがるのも、
逃げられない姿にも涙だった。
個人的にはイヤなことでも、
公人として、王族としての使命は果たす。
兄は捨てて逃げ出しても、
彼は逃げ出さなかった。逃げ出せなかった。
高貴な人の義務は、たいへんなものだな。

ヘレナ・ボナム=カ-ターが
普通の人の役だった。
いや、高貴な身分の役ではあったけど、
人外ではなかったというか。
こういう役も合うよね。

長女エリザベスが、なんちゅーか、
こまっしゃくれた子供だった。
史実でもああいう台詞を言ったのか、
物語として、作ったのか。
どちらにしても「言いそう」だよね。

さまざまな感情、出来事が重なり合い、
ラストへの収束も見事なんだけど、
アカデミー賞、というのはどうなんだろう。
単館ロードショーの珠玉の小品、
の位置が合うと思うんだけどなあ。
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「イップマン -序章-」

2011年03月06日 | 映画
「イップマン -序章-」
先日見た「イップマン -葉問-」の前半部分になります。
葉問が武術のメッカ・佛山で武術を極めていた頃から
佛山に日本軍が侵攻し、彼らと試合をし、
香港に逃れるまでが今作品のエピソード。
「イップマン」は「スパイダーマン」とかの
「××マン」ではなく、
名前の「葉(姓:イップ) 問(名:マン)」の中国語読み。(広東語読み?)
日本風に読むと「よう もん」です。

カンフー映画なので、
強い敵が次々出てきて、
もう勝てないか、と思われる最強との敵と戦って、勝利する、
という王道のストーリーです。

第二次世界大戦頃の話なので
今回の敵役(悪役)は日本軍です。
大将は強くて、でもちょっぴり話が分かる人。
副将は話が通じずひたすら横暴な人。
最後の説明文で「中国が日本に勝利し・・・」とか
いろいろ日本人としてはムム?と思う人もいるかもしれませんが、
そこは映画なので。
むかしの「西側」が描くソビエトとか
西部劇のインディアンとか、と
同じ存在なのでー。

「ありがとう」が「謝謝(シェイシェイ)」ではなく
「多謝(トーチェ)」なので、
ああ、広東語の作品なんだなー、と思ったり。

王道の作品だけに、キャラクターの描き分けもいいです。
元警官、その後日本人の手先になった人も
いろいろ事情があったのが、さりげない映像でわかります。

私は、この人(葉問)についてはよく知らないのですが、
佛山では名家の人だったのかな。
働かなくても、立派な洋館に住んでいるから
お金には不自由せずに、
好きな武術に励んでいたのかな?

ドニーの、穏やかな笑顔はいいなあ。
家族のために働きはするけれど、
本質的にガツガツしない「育ちの良さ」のような雰囲気が
とても良く出ている。
奥さん役の人は、常磐貴子に似ていると思う。

池内さんが、それほど強そうには見えないのが
ちょっぴり残念かな。
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「皇帝と記者」宝塚宙組

2011年03月06日 | 宝塚(宙組)
アーサー・キングは西海岸の名家の遊び人の坊ちゃん。
同じ家格の娘・クリスティとの結婚式をすっぽかし
サンフランシスコへ逃げる。
友人・ダグラスの伝手で新聞記者になろうとする。
新聞社の社長・マークから課せられたのは
最近ちまたを騒がさせている「皇帝」と
歌姫アデレイドの恋のゴシップ。
ホテルのパーティ会場に忍び込み取材をしようとするアーサーは
そこで踊り子のロッタと知り合う。

首尾良く記事を書いたアーサー。
しかし、1面トップを飾ったのは
別な記者の記事で、アーサーは不採用となった。
その記者こそロッタ。
彼女は、自分のありもしないスキャンダルが新聞に載ったため
踊り子を辞め、書く側に回ろうと記者になったのだ。

さて、「皇帝」とは。
「初代合衆国皇帝にしてメキシコの守護者」を自称する
元ホームレスの男。
増え続ける移民に対し不満を述べる彼の言動は
民衆から支持を得ていた。

その人気に目を付けたのが、クリスティの兄・ブライアン。
彼は、サンフランシスコの市長選への出馬を
同じ階級の者達から打診されていたが、
いまの自分では当選は難しい。
そこで、人気者の「皇帝」の「友人」である
元清掃局の職員ダリル・チェンバレンを担ぎ出すことにする。
「皇帝」の人気で当選させ、(←ここ、ちょっと不確か)
自分たちが影から操ろうという目論見だった。
彼が当選すれば政治の実権を手に入れられ、
落選しても自分たちの経歴に傷はつかない。


というところでしょうか。
大野くんのドタバタは
前半はあまりのも拡散しすぎる印象。
今回もそうで、1幕後半は、
もう新しい情報はいらねーよー!って拒否したくなる。
2幕では、いろんなことがちゃんと収束するのですがね。
もうちょっと1幕からまとめて欲しいような。

「権力」、そして「言論の自由」、「思想の自由」など
政治的な主張らしきことも紛れ込みますが
キムシンほど不自然ではありません。
「政治をネタにコメディを作る」ってのは
面白い試みだと思います。
まだ、頭で作っているところがあるかな。
もうちょっと、他人にわかりやすく作ってくれればなあ。
それは、若手演出家全員に言えることだけどね。

芝居に対しての、歌や踊りの絡み方が悪くない。
笑わせつつ、最後は、みんなハッピーの大団円になるのも良い。


みっちゃんの主演作は初めて見た。
上手いけど、真ん中はちょっと厳しい
、というのが正直な感想。
ソツは無いけど。
悪くないけど、コレ、と言った決め手が無いんだよなあ。
まあ、キリヤンだって、昔はそうだったから。
頑張って。
タップは素晴らしく上手かった。

れーれは、ヒロイン芝居は板に付いている。
歌の高音部はキツイけど、
低音部は大丈夫じゃなかろうか。
とにかく可愛い。

最後の二人は色っぽかった。
え、この状況でおしまい??
ドキドキしちゃうよ!

ちーちゃんは、歌はやっぱりアレだけど
華やかだ。
目を惹く。

かちゃの男役芝居は、私はダメだなー。
特権階級が、親から貰った特権を維持するため、
下の階層の者達を踏みつけにする、
それに対して罪悪感がない、
ってのは、彼女に合っているのは気のせいか。
とにかく、舌足らずな台詞回しをなんとかしなきゃね。

まさこちゃんは、背が高く見栄えがする。
しっかりした芝居。

大野くんなので、おっさん大活躍。
ソルーナさんは見事。
ちやこは、以前の雪組のハマコポジション。
台詞も明瞭で芝居も上手いので
今後も重宝されそう。
ハマコほど濃くはないので
いろいろ使えるね。

プログラムを買ってないので
顔と芸名と役名が一致しないんだけど。
クリスティ、ダグラスの恋人のベッキー、アーサーの妹、
ブライアン一味の人達なども良かったよ。
りりこちゃんは判別つく!
歌声、綺麗。
笑顔もチャーミング。


芝居の後のショーがとても良かった。
ここでも、まさこちゃんの踊りに目が行った。


あと、犬!
「忘れ雪」に出てきた犬。
もしかして「ロシアン」にも出てた?
あっちはネコだっけか。
犬、可愛いよ、要チェック。
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