きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「椿姫」デュポン&モロー/パリ・オペラ座バレエ団

2014年03月20日 | バレエ・ダンス
美しくすぎて溜め息しか出ない。

1幕は出会いと情熱的な恋の踊り、
2幕は穏やかで甘やかな踊りが未来の絶望を予感させ、
アルマン父の懇願でマルグリットが実を引く。
3幕は激情の黒のパ・ド・ドゥ。
香気漂う舞台にクラクラした。
チケット代があまりにも高くてかなり悩んだけど、
やっぱり行って良かった。

モローはすごくパリオペ臭い。
こういう一種のエグ味(エスプリともいう)のあるダンサーは少なくなったなあ。
オーレリーももちろん美しい。
モローは正面顔より横顔の方が美しいな。
難しいリフトがすごく流麗。
アニエスとペッシュだったかの時は
「ペッシュ頑張れ」強く思ったもんだわ。

ミカエル・ドナールのアルマン父も素晴らしかった。
マルグリットをさり気なく、でも強く拒んでいたのに
彼女の真実の気持ちを汲み取り、頭を撫でるところで涙。
その暖かい気持ちを受け取ったから
マルグリットはアルマンと別れる決心をしたんだな。

ただ、黒のパ・ド・ドゥがとてもドラマチックで盛り上がるので、
その後はえらく蛇足な印象。
劇中劇のマノンは運命を暗示する効果は低いんじゃ?
ロミジュリで成功したからこっちも的な?
ただ彼らが踊る時間がないと主演ダンサーが死んでしまうな。

マルグリットは高級娼婦なんで蔑まれるけど、
アルマンの誘いにホイホイのる貴族のお嬢様だって
似たようなもんじゃんかー。ねー。

パケット降板の時の2幕からの代役シャイエも確認。
見た目は真風っぽいる
そう思うのは、劇団押しがありありとわかる面長な(←ここ重要)若手だからか。

コラサントのクッキリとした踊りは好印象。

私が見たエスパーダのデュケンヌは
暗がりで踊ってばかりで、
シャイエのガストンより出番が少ないけど、
役の番手は上みたいだね。
揉み上げは無かった。
エスパーダは付けてたか。
なんとなくフレンチなガリムーリンだね。

それにしても、ピアノの音が耳から鱗だった。
正しい音はこれなのかと。
ノイマイヤーの指示だろうから
生ピアノじゃないといけないんだろうけど、
NBS公演に限ってはテープ演奏での上演を認めてほしいなあ。


【配役等】
マルグリット:オレリー・デュポン
アルマン:エルヴェ・モロー
デュヴァル氏(アルマンの父):ミカエル・ドナール(ゲスト・エトワール)

マノン・レスコー:エヴ・グリンツテイン
デ・グリュー:クリストフ・デュケンヌ

プリュダンス:ヴァランティーヌ・コラサント
ガストン:ヴァンサン・シャイエ
オランプ:レオノール・ボラック
公爵:ローラン・ノヴィ
N伯爵:シモン・ヴァラストロ
ナニーナ(マルグリットの侍女):クリスティーヌ・ペルツェー

演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮:ジェームズ・タグル
ピアノ:エマニュエル・ストロセール、フレデリック・ヴェス=クニテール

音楽:フレデリック・ショパン
振付・演出:ジョン・ノイマイヤー(1978年)
美術・衣装:ユルゲン・ローゼ
照明:ロルフ・ヴァルター


第1幕 18:30 - 19:20
【 休憩 20分】
第2幕 19:40 - 20:20
【休憩 20分】
第3幕 20:40 - 21:25
コメント
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