きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「涙するまで、生きる」

2015年12月24日 | 映画
2本立てで先に見た映画があまり話がなかったせいか、
こちらはしっかり作られたように感じられ、
安心して見ることができました。

こちらも「世界の端」のような場所で生きる男の話。
囚人を送り届ける旅ものかと思ったら、
それだけではなく、アルジェリアの独立運動を絡めている。
新しい国を作るため命を賭ける人々の暮らしの中には
血で血を償う旧い習慣が根付いている。
一方では、フランス植民地に移住してきたスペイン人の両親から産まれ
世界大戦ではフランス人としてイタリアと戦い、
その後は植民地の小学校の教師となり、
教育で世界を変えようとする男がいる。

様々な価値観を大自然が一度洗い流す、そんなお話。
こちらも大自然の風景が美しかった。
強い風が吹く、日差しの強い、荒涼とした大地。
歩く彼らの他にはなにも存在していないかのよう。

ピシッとした身だしなみの
人の良さそうな小学校の先生が
旅が進むに連れ野性的になっていくけど、
その方が彼の本来の姿をなんだろうな。

女がどうたらの話は、
箸休め的なものかと思ったら
終盤にちゃんと繋げてきた。
「生きる。生き続ける。」
そのための生命力を確認する、ってことなんだろうな。

ビジュアルは1本目の「約束の地」の方が
髪を振り乱したお髭ちゃんで美味しいんだけど、
こちらは首を傾げて眉毛をあげる例の表情が何度も出てきて
ウハハハーッ!でした!
ヴィゴは!これが!素敵なの!!
ああ、もう、お髭のかしげちゃんが可愛くてたまらんかったわ!

それにしても、
1本目はパタゴニアでスペイン人を指導するデンマーク人、
2本目はアラビア語を話せるフランス人で、
ヴィゴは実に4ヶ国語を話していました。
すごいな~。

2本目は根無し草の男の話だったけど、
囚人の方も含めて、
「どちらの言語も話せる」というのが、
どこにも所属できない感を増幅させるよね。
でも、どこでもないからこそ、
どこをも選べるんだよね。
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「約束の地」

2015年12月24日 | 映画
ありがたいことに、見損ねていたヴィゴ主演映画が
新文芸坐で2本立てで上映されました!


1本目はアルゼンチン兵士と駆け落ちした娘を探す父親の話、
が、基本らしいけど、
話はかなり見えなかった。

状況説明を含め、台詞がとても少ないので
いつ、どこで、誰と、誰に、なにが、起こっているのか
ものすごくわかりづらい。
ヴィゴと娘はデンマーク人らしいけど
兵士達はスペイン語を話している、
しかし風景はオットセイらしき動物が見え、
南極に近い気がする。
必要な場面の前後の動きもダラダラと繋げるので
どういう物語が掴めず前半は少し寝てしまったので
娘がどうして駆け落ちしたのかは不明。
娘がいなくなったとの知らせを受け
父は大自然の中を彷徨う。

単純な人捜しなのかな、と思っていたら
後半にいきなり話が動き出し、
これは現実では無く、父の心象風景なのかな?
と思い始める。
同じ景色のはずなのに、緑が多いときもあれば
ごつごつした岩だらけのときもある。
話を追う必要が無いのだ、と悟って気が楽になった後に
まさかのオチが来た。

結局、犬だったのかなあ。

そのオチより、
娘ちゃんが、タンクトップにTバックにカーディガンで
ぷりぷりなお尻をチラ見せしながら家の外に行く方が驚いた。

ほぼ正方形の画面の中の景色は美しいし、
美しい大自然の中で
乱れ髪で取り乱すヴィゴは美味しい。

音楽もヴィゴなんだね。
いかにも低予算のアーティスト志向の作品で
ヴィゴはこういう作品が好きそうだよね、と思いました。
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