きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「グランドホテル【RED】」

2016年04月17日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)


見比べるとこちらが基本で、
緑組がこれに足したり引いたりしているかんじ。
乱暴に例えると赤組が雪組初演エリザで緑組が星組エリザ。
1回しか見られない人はとりあえず赤組をオススメ。
ただし、草刈さんの歌に耐えて。芝居は悪くないと思うけど。

赤組の方が全般的に皆さんの芝居が濃く、エモーショナル。
相互作用で盛り上がる。
伊礼くんの過剰すぎる演技が草刈さん歌をかなりカバーしている。
恋に浮かれているからあんな音程にもなるさ、と騙されかける気がする。
伊礼くんはプレイボーイぶりが自然すぎるので、侵入の言い訳も納得。
草刈さんの歌は酷いけど(ちぎちゃんとタニちゃんの間ぐらい)、
踊れなくなったダンサー、という説得力はある。

赤組でも思ったけど、スンラさんと草刈さんが芝居しているのがアメージングで慄く。
ミツオさんとスンラさんが絡めばダブル元ユダでさらにアメージングだったんだけどな。
なんかミツオさんはまた大きくなった気がする。
特に横幅が。
一つの嘘から破滅への爆走が、哀しくもありウハウハでもあり。

土居さんは小柄女子の似合わない男装が
己を出さない部分に合っていたと思う。
じゅりぴょんだと、その気になればヤンさんぐらい軽く守れそうなんだよね。
格下ゆえの従順さはあるけど。
真野さんは昆ちゃんより大人っぽいので
社会の底辺の女性が野心を持って、
でも持ちきれなくて、のメリハリがすごく良かった。
這い上がりたいよね、わかるよね。

わたる君の死は、男爵を選ぶ(←最初のルーレットで指差し)、
しかし、死と同時に愛も与えた。
生ける屍のような彼の人生に、
死の代償として、生きる意義を与えた。
死神に選ばれたからこそ得られたものがあった。
そんなかんじ。

20年代の設定はチャールストンに世界恐慌の裏付けぐらい。
緑組にあった冒頭とラストのヒトラーの演説は無かった。

緑組の社長と男爵は薄いけど、
こうして見比べると緑組に過剰さは不要なので、
ヤンさんのバサバサさを含め、
緑組はあの組み合わせがいいんだろうな。
ヤンさんに赤組は似合わない。

赤組は生と死が絡みあっている。
緑組はホテルの回転扉のように交互に出てくる?
生があり死があり生があり、みたいな?
赤組は「生」がテーマで、緑組のテーマが「死」かな。
緑組の「死」には、人だけでなく、
価値観も常識も階級も国家も世界も神も、死ぬのだ、も、
テーマに入っていると思います。

うん、ほんと。
役者間の化学反応が作品の豊かさを増幅する赤組に、
演出家の意図を出すために演技を過剰にする隙を与えない緑組と、
見比べると面白いね。

ただ、緑組を見たのはゲネプロなんで
本公演では熱くなっている可能性はあるかも。
そういった意味で、私の比較は違っているかもだけど、
とりあえず。
時間とお財布に余裕がある方は是非両パターン見てね!!


フォーラム版グルシンスカヤの美波里さんは還暦前ぐらいだったけど、
芝居のためではなく、日常のトレーニングでポアントレッスンをされていたそうで、
当時40歳前のリカちゃんは「そんなキツイこと自分にはもう無理」みたいなことを言っていました。
バレエを長く習っていて、宝塚時代はダンサーだったリカちゃんから
そういう言葉が出るほど、キツイんだと思ったものです。
だから草刈さんが、バーレッスンの場面ではさすがのプロの動きを見せつつも、
引退公演中なのも納得でした。
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「1789 バスティーユの恋人たち」

2016年04月17日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)




徹平くんは確かにべらんめえだけど
ロベスピエール達と違う階級なのがわかりやすい。
アクティブに時代の波に乗り込んでいき
群像劇の中でも主役なのが納得の存在感だった。
エネルギッシュなので小柄なのは全く気にならない。
歌声自体はしっかり出ているし、音程も外れていないけど、
ソロ、特に舞台に一人か二人の状態だと
役が飛んで「小池徹平」を表現しちゃっているような。
歌手は表現するものが違うからなあ。
発声よりそちらが気になった。

沙也加ちゃんはドレスの着こなしが綺麗。
台詞も聞きやすい。
以前のしゃべくりかで沙也加ちゃんが吉野さんの大ファンだと言ってたから
共演できて良かったね。

花ちゃんの女帝ぶりはさすが!の一言です。
ひれ伏す。


アルトワ伯の歌は上げ下げがたくさんあって吉野さんには難しそうだった。
サカケンが出オチなのにオチなくて冷やっとしたけど、
その後の進行役はすんなり。
後半は笑いを取りまくり。
滑らなくて良かった。
今回はおけぴ観劇会。
ラマールのバスティーユ内捜索時にアドリブあり。
「今日のお客さんはおけぴでチケットを取ったんだ」とか。

ソレーヌやペイロールは月組の方がパンチがあるかも。
フェルゼンは王妃比では若過ぎるけど歌はいいよ。
姿勢も声もいいし片膝着きも決まってたんだけど、
最後の別れのところは感情が出すぎかな。

革命家たちはレミゼ風味。
ロベスピエールの衣装が半身色違いなのは、
今は民衆の味方でもいずれ独裁者になり
民衆を弾圧するのを表しているのかな。
古川君は芝居は強めだけど
歌になると声が弱くなるのが残念。
「俺たちは気持ちを一つにした仲間!」と
和気藹々してるけど、
デムーランとその妻リュシル、ダントンを断頭台に送るのは
ロベスピエールなんだよなー。

岡さんは歌い方を変えてきてるけど、
それでもまだ綺麗すぎかなあ。
もうちょいドスをきかせてもいいかなあ。


回り盆は無いけど、
三重構造の舞台は2階後方からだと見やすい。
1階だとどんなかんじになるかな。

三部会の説明が人形劇で、
上手い方法だけど、大人数に見慣れてたから、、、

1幕〆は新曲?印象薄。
民衆が立ち上がる場面に希望に満ち溢れた明るい新曲(?)が来て、
押し出された「武器を取れ」はその前に女性だけの取ってつけたような場面に使われ、
ちょいとナンダカナーだけど、
ヅカ版未見なら自然な流れなのかな。

フランス版からあるのかもしれないし、
そもそも史実としてあるんだけど、
「一部の軍隊が民衆に合流」でやはりオスカル様を思い出し、
あっけなくあっさり死ぬロナンに
「そこは『フランス、ばんざ・・・い』だろう」と思う。
バスティーユに白旗が欲しいなあ。

そんな呪縛は私だけでなくイケコにもあるようで、
ラストの歌い上げの場面で国王は劇中と同じ衣装なのに、
アントワネットは髪を切ったカペー未亡人スタイルだった。
やはりアントワネットをこうしたかったか。
アレだけでヅカファンは「さようならフランス」までが
脳内走馬灯状態だよね。

演奏が録音なのは別にいいけど、
それゆえか時々「前奏待ち」状態が発生し、
「音楽が流れる」と「歌う」の間に、
なんとも手持ち無沙汰な時間が発生するのを
もう少しなんとかして欲しいような、
しかしあれが演者には息を整える必要な時間だから、
客は「来るぞ!」とワクワクして待つべきなのかな。


数回のカテコ。
最後は徹平くん、沙也加ちゃん、ハナちゃんで挨拶。
それまでは徹平くん&沙也加ちゃんが下手捌け、
ハナちゃんが上手捌けだったんで、
逆にしましょうか、いやまず花總さんから、的なやりとりが収拾つかなくなり、
ハナちゃんと沙也加ちゃんが、
徹平くんを残し手を取り合って下手捌け。

そういえば、ボディパーカッションは足を踏み鳴らしていただけでした。
いろいろ事情があるんだろうけど。

いろいろ書いたけど、サイラモナムールはテンション上がるわー!


本日のキャスト
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