ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

スマトラの森の若者たち in Sumatera

2013年01月25日 | 8. スマトラでの活動

スマトラの森に住む10代のインドラくんは、とてもおしゃれ。

9月の活動のときに連れて行った日本の女子学生が「彼、超カッコイイ!」と言ったほど。

携帯を持ち(森の中は電波は通じないので、たまに森を出て電話を使う)、

髪形も街の子みたいで、なんかチャラチャラしてる?と思った私でしたが、

12月の活動で訪れたときには彼の別の面を発見しました。

私たちは、森の中の村から村へ移動するのに小舟や筏を使って川を下ります。

今回は、村の人に筏を作ってもらいました。写真は、筏を製作中のインドラくん。

炎天下、黙々と仕事をする彼は、チャラチャラどころか「超カッコイイ」若者でした。

街にあこがれて、村のスタイリストといわれるほどおしゃれな彼も、

村で必要な技術をちゃんと受け継いでいるんだな、と感心しました。

 

もう1枚の写真は、家の屋根を作っている同じく10代の若者です。

この村では、伝統的な家の屋根はこのように長細い葉を細い竹の棒に取りつけて作ります。
村には、トタン屋根の家も出現してきていますが、まだまだ自然素材を使った家が主流です。

こういう仕事を、当たり前のようにこなす村の若者たちがいました。

 

森が失われたら、彼らの技術も共に失われてしまう・・・と私は危惧しています。
今この村にも近代化の波が押し寄せています。
この若者たちが、技術を受け継ぐ最後の後継者になって欲しくない!と願っています。

(山)

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9月の活動報告:村の若者にワークショップ開催! in Sumatera

2012年11月05日 | 8. スマトラでの活動

前回のブログに引き続いて、今回は、ブキッ・ティガプル国立公園内の村の若者向けに行った、エコツーリズム教育のワークショップの様子を報告します!

このワークショップを行った理由は、村の若者たちに、村にツーリストがやってくる理由を知ってもらいたかったから。そして、エコツーリズムという考え方を紹介したかったからです。

 

ワークショップは、3つのグループをつくり、

  ①「ツーリストが村で体験して楽しいと思うこと」
   「ツーリストが森に来て困ること(トイレ・水浴び)」

  ②「ツーリストが村に来ることによる、メリット・デメリットは?」
   「街の暮らしと村(森)の暮らしの違いは?」

  ③「ツーリストが村に来て、すごい!と思うこと」
   「エコツーリズムと森を守ること」

の3つの構成で実施しました。①と③は、実際に私達が村で撮った写真をカードにして、各グループに見てもらいました。

 

グループごとに実施したので、たくさんの若者に発言してもらえたのはよかったです。それでも女性は恥ずかしがりやで、なかなか本音をみんなの前で話すのは難しそうでした。

実は②が一番重要で、彼らが本当はなにを考えているのか、私は耳をそばだてて聞きましたが、まだワークショップ初回ということで、彼らの本音を聞きだすところまではいかなかったように感じました。

それでも若者だけで集まってワイワイ話をする場を作れたこと、少しでも彼らの意見を聞けたことは、ゆいツールにとってよい機会となりました。

現在村では、ツーリストを受け入れるグループが作られ始めたところです。ゆいツールと一緒に活動している現地のNGOが村に入り、数人の若者で構成するグループを作り、これから彼らが主体となってツーリズムを発展させていく予定です。

村の若者たちは、街に対してとても強い憧れを持っています。どんなにツーリストが、「森がすばらしい! 昔からの知恵はすばらしい!」と言っても、今はともかく近代的な暮らしに目を奪われています。

そんな彼らと一緒に、これからの未来をどう選択していくか考えていかなければいけないな、と思っています。

(山)

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9月の活動報告:村の大人にプログラム実施! in Sumatera

2012年10月14日 | 8. スマトラでの活動

今回は、ゆいツールが開発したインドネシア版環境学習プログラム「いきもの・いろいろ~熱帯林バージョン」を、スマトラ島のブキッ・ティガプル国立公園内の村で大人たちに実施したときの様子をお伝えします!
プログラムのPart1を、NGOスタッフに実施してもらいました。

プログラムの最後で、「もし、この森がアブラヤシプランテーションやゴム園ばかりになってしまったら、生き物たちはどうなるでしょう?」と問いかけると、村人は口々に、どの生き物も同じように(ゴム園でも)生きられる、と発言して、実施側の私たちはとても困惑しました。

彼らが営むゴム園はいろいろな樹種が混じっていて、周りには豊かな森林が残っているので、すべてがゴム園になる想像ができないのかもしれないと、私は思いました。

また、「焼畑を荒らす生き物なんていなくたっていい」という発言に、みんながそうだ!そうだ!と言う場面もあり、日本で農作物を荒らすサルやイノシシなどが嫌われるのと、構図は同じだと感じました。
どうやって共存していったらよいのか、村人と一緒に考えていかないと、国立公園の森や豊かな生物多様性もいつか失われてしまうかもしれません。

 

 

今回開発したプログラムは、これから現地のNGOによって、ブキッ・ティガプル国立公園内のいくつかの村の子供たちに実施していくことになります。

子供たちが、自分たちの暮らす森が特別な場所であると気づくこと。
それこそが、森を守る第一歩となるはずです。

 

次回は、村の若者にエコツーリズムについて考えてもらうワークショップを実施したときの様子をお伝えします!

(山)

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9月の活動報告:現地NGOの先生をトレーニング! in Sumatera

2012年10月05日 | 8. スマトラでの活動

ゆいツールが開発したインドネシア版環境学習プログラム「いきもの・いろいろ~熱帯林バージョン」(Part1~3)のうち、Part1とPart2を、9月にスマトラ島に持っていきました。

そして、ブキッ・ティガプル国立公園内の村で、識字教育を行っているNGOの先生やスタッフを集め、使い方トレーニングを実施してきました。

 

Part1は、インドネシアの森や村の様子が描かれた大きな風景画の上に、熱帯林に暮らす生き物のイラストカードを置いていきます。カードを使って生き物にまつわるカルタを楽しんだり、たくさんの生き物が森の中で一緒に生きられる理由を考えたりします。
そして、もし森が一面の「ゴム園」や「アブラヤシのプランテーション」になってしまったら、たくさんの生き物たちはどうなってしまうだろうか? と問いかける内容になっています。

 


Part2は、自分が見たことのある生き物を、紙に絵で描いてもらい、それを風景画に置いたあと、生き物同士の「つながり」について考えます。
どの生き物が、どの生き物とつながっているか? 生き物カードを使い、主に食物連鎖を意識しながら生き物同士をつなげてみます。
このつながりが切れてしまったら(もしくはある生き物が絶滅してしまったら)どうなるだろう?と考えてもらいます。

 

インドネシアの村の学校などでは、慢性的に予算が不足していて、子供たちへの教育のための教材を充分に用意することができないこと。また、先生への給与支払いも遅れがちで、結果的に先生が村の学校で教える頻度が減ってしまっていることなど、難しい問題があることを知りました。
そんな中、なんとかゆいツールの教材(プログラムツール)を活用して、教育活動を行っている現地のNGOを少しでも支援できたら、と考えています。

 

次回は、「いきもの・いろいろ~熱帯林バージョン」を村の大人たちに向けて実施したときの様子を報告します!

(山)

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【現地報告】森の人々の暮らし in Sumatera

2012年06月27日 | 8. スマトラでの活動

現地報告Part.2は、スマトラの森に暮らす人々の営みを少し紹介したいと思います。

私が何度か訪問しているブキッティガプル国立公園の中には、先住民タラン・ママッ人が暮らしています。彼らは、ゴムの木から樹液を採ってそれを売って生計を立てています。

木に傷をつけると、白い樹液がしみだしてきて傷をつけた溝を伝わり、下に置いたココナツの殻に滴ります。

10年前は、テレビも携帯もバイクもなく、電気もありませんでした。
今彼らは、テレビや携帯を持ち始め、クレジ ットでバイクを買い、お金を消費する生活になじみつつあります。テレビを見るために発電機で電気を起こしていて、発電用の油を買うためにも、ゴムの収穫が重要となっています。

 

焼畑をしたあと、彼らはゴムの木を植えてまた別の土地を開きます。

 

伝統的な暮らしをする限り、 国立公園内で暮らすことを許可されている彼らですが、ゴム園が広がりつつあることが国立公園事務所にとって、頭の痛い問題であるようです。

 

いっぽう、長く森に暮らしてきた彼らは、日本の私たちには簡単に真似できない技術をたくさん持っています。

今回村を訪れて、小さな舟を作っている現場を見せてもらうことができました。

1本の木を切って中をくりぬいた後、炭火で少し離したところから焼いていました。そうすると、舟の形が整って丈夫になるそうです。

舟を作る職人がふたりと、彼らからやり方を教わっている人がふたり。そしてその家族が一緒に仕事をしていました。

いつか彼らがボートを購入するようになり、森に舟を作れるほどの太い木がなくなったら、彼らの技術は永遠に失われてしまうでしょう。

 

彼らが長く森の中に暮らしてきて、そしてその森が今まで残ってきたということは、その暮らしは本来持続可能であったはずです。

彼らと一緒に、これからの「持続可能な発展」の方法を探っていきたいと思うゆいツールでした。

(山)

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【現地報告】スマトラ環境教育プロジェクト始動! in Sumatera

2012年06月19日 | 8. スマトラでの活動

ゆいツールは現在、熱帯雨林の生き物の多様性や貴重さに気づくためのプログラム「いきもの・いろいろ~熱帯林バージョン~」を開発中です。
ただいまメンバーがスマトラに渡航し、その準備を進めています!

 

今回スマトラに、試作中のプログラムを持参して、NGO関係者、大学の先生、国立公園のレンジャー等に体験してもらいました。今後、彼らとともにプログラムをブラッシュアップし、インドネシアで使いやすいツールを作っていこうとしています。

また、村の子どもたちにも試しに体験してもらい、手ごたえを感じました。

 

開発したプログラムは、スマトラのNGOのスタッフに使い方を伝授し、村の子どもたちへ実施してもらう予定です。

また、今後彼ら自身が改良・発展させていけるように、私たちのツール作りのノウハウも伝えていくつもりです。

 

現地の子どもたちへ環境教育を行うことで、彼らが未来を選ぶときに、森林のことも考えに入れて、
少しでも地球環境保全につながる道を選んでくれたらと願います。

それから、現在進行中の森林をめぐる問題について、森に暮らす先住民や地域住民と、行政担当者、NGOなどが話し合う場(ラウンドテーブル)をいつか作れたら、とも考えています。

村の経済が持続的に発展するように、どんな取り組みが必要か、現地のNGOと共にいろいろな道を探っていきたいと思っています。

 

今回スマトラを訪問する中で、スマトラの森に暮らす人々と、日本に暮らす私たちの間には、もしかしたらいくつも共通点があるのかもしれない・・・?!と思えてきました。

現地報告は次回も続きます!

(山)

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