ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

西スマトラ州での手工芸品作りの研修 in Sumatera

2014年02月09日 | 8. スマトラでの活動

2014年1月に、サダン村の活動とは別に、ブキッ・ティガプル国立公園(以下、TNBT)内の女性を連れて、3泊4日でパンダンという葉で小物を作る研修に参加しました。

 

(なお、2013年12月の活動についてはこちらをご覧ください!
→エコツアースポット開拓 

http://blog.goo.ne.jp/yui-tool/e/450bf875bd8aca9531d228cb76da588b

→有機肥料を使った野菜栽培・クラフト素材製作 

http://blog.goo.ne.jp/yui-tool/e/b9fe33f2ff899dcbab138e3eaa4f1843 )

 

↓着色したパンダンの葉は、竹でなめして加工しやすくします。
 

きっかけは、2013年夏の渡航時、現地カウンターパートとの情報交換のなかで、「となりの西スマトラ州で、工芸品づくりの技術を学びたい人を訓練してくれる場所がある」という情報を知ったことからです。 

パンダンは彼らには身近な植物で、切除してもすぐにまた別の葉が伸びてくるという特徴を生かして、手工芸品などに使われます。
 
私達一行の受け入れと指導をしてくださったアニーさん(写真の黄色い服の女性)は、西スマトラ州のパダン郊外で手工芸品作りをする女性達数名のグループのリーダー。厳しいながらも丁寧、かつユーモアを交えた指導をしていただき、TNBTから派遣された女性達は、初めは人見知りな様子で遠慮がちに接していましたが、短い日程の間に、定規やのりの使い方も覚え、自分達で初めてのティッシュボックスを作りあげました。


 

 

小物作りを終えるころ、アニーさんのグループの女性が集まってくれ、ディスカッションをする時間もありました。
ディスカッションで は、1人で手工芸をする場合とグループを組んだ場合、後者では互いに助け合いや教え合うことが容易にできるため、製品の質の向上も早いなどメリットとなる点を笑顔で語ってくれたのが印象的でした。
広報活動をしても、なかなか買い手がつかないという話や、ホテル向けにスリッパを売買契約し、納品後、未払いが発生しているなど私からすると信じられないような実状も聞くことができました。

 

↓彼女達のグループのプロフィールや製品等を紹介しているパンフレット。しっかりした作り。 


今回、初めて研修型学習を行って感じたのは、今後、村の工芸品作りの核となる人を育成する一つの方法に充分なりうるだろうということでした。(金)

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有機肥料を使った野菜作り実験と工芸品開発 in Sumatera

2014年01月26日 | 8. スマトラでの活動
スマトラ島のブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)内の村で、有機肥料を使った野菜作りに挑戦中です。
 
昨年6月にサダン村に入った時に、「あそこに畑を作ろうと思うんだ」とカウンターパートのNGO/SERAIのディレクターのリキさんに指差された土地は、バナナの木が適当に植わっている未使用の場所でした。
 
9月にサダン村に入ると、邪魔な樹木が切られて、だいぶ整備されていました。
 
そして12月。畑はこんな様子でした。
 
トウガラシやナス、カンクン(空芯菜)、トウモロコシが植えられていましたが、トウモロコシはサルに食べられてしまったそうです。
周りに柵を巡らせていないので、それもしょうがありません。
問題は、村人が有機肥料を作る必要性をあまり感じていない、ということでした。
 
というのも、彼らは代々焼畑をして暮らしてきて、木を切って焼き払ってその灰を養分に陸稲や野菜を育て、2,3年もすると別の場所へ移動してしまうので、土に栄養がなくなる、という経験がないのです。
今畑を作っている土地も、1年目なので当然まだ土に養分が残っています。
肥料を買ってきてあげる、ということも経験ありません。もともと化学肥料を使っていたところが、有機肥料に切り替えるというのとは違って、もともと肥料をあげていなかった人たちが、有機肥料を使うようになる、というのは思ったよりも意識の改革が必要なことのようです。
 
現在この畑は、見本畑としてSERAIが雇った村の男性が管理しています。
12月には、ゆいツールの金子がこの村に長期滞在(2週間程度)をする予定でしたが、さまざまな事情で取りやめました。
代わりに、12月中旬と下旬の2回、村を訪れて畑の様子を確認しました。
 
またその時に、ゆいツール(金子)の指導で葉っぱを使ったクラフト素材づくりを行いました。
これは、村の女性たちによる工芸品開発の一部で、村人の生活向上のためにSERAIが支援しています。たくさんのママたちが集まって、がやがや楽しく作業を行いました。
(写真は、葉脈に絵をかく練習を葉っぱの形の紙に行っているところ)
 
野菜づくりと工芸品開発、どちらの活動もすぐに村人の生活向上に結びつくわけではありません。
それでも少しづつ村人の意識を変えて、地道に働くことで収入がアップすることを理解し、
同時に森があることの重要性を伝えていくことが、ゆいツールやSERAIの目指すところです。
はるか長い道のりに感じますが、あきらめないで進もうと思います。
(山)

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スマトラ島のエコツアースポットを開拓中!!

2014年01月22日 | 8. スマトラでの活動
12月に、スマトラ島(リアウ州)で活動してきました。
(写真は、トラを守るNGO/PKHSのパトロール隊の若者と)
今回の目的は大きく3つあって、ひとつは「インドネシア人学生を対象としたエコツアーの実施」です。
ふたつめは「有機肥料を使った野菜作り実験の確認と村での工芸品開発」、
みっつめは「インドネシア式の有機農業の勉強と工芸品づくりの研究」でした。
 
ブログでの報告も、この3つに分けて行おうと思います。
 
12月のエコツアーは、リアウ州のルンガットという田舎町にある大学の環境サークル
「OASIS」メンバーをOJTで育成する(活動の中でトレーニングを積む)目的で、
メンバーをふたり呼んでいました。
それから、ブキッ・ティガプル国立公園でNGOの村ガイドとしての経験を持つ
Mardiyus(マルディウス)さんも受け入れ側のスタッフとして同行しました。
 
日本からスマトラ入りするときには、参加者は6名いると聞いていました。 
エコツアー前日に受け入れ側のメンバーがプカンバル(州都)に集まり、
エコツアー当日さて出発、となったときに驚くべきことが判明しました。
6人の参加者全員が、それぞれツアーをキャンセルしてきたというのです。
理由は、大学の試験のため・・・。
 
参加者を集めたカウンターパートのNGO(SERAI)の連絡が悪かったのか、
インドネシア人というものはそういうものなのか、当日の朝になって参加者ゼロ、
の現実にはびっくりしました。
 
それでも、OASISの学生2名、それからブキッ・ティガプル国立公園のレンジャーの
Andi(アンディ)さんもいたので、予定通りツアーを実施しました。
 
今回は、リンバンバリンの森(リアウ州西部)を訪れることが大きな目的でした。
この森は国立公園ではないのですが、地域住民によって豊かな森が残され、
WWFインドネシアが昨年土地を買ってログハウスを建て、
エコツアーの拠点として開拓しようとしているところで、
ツアー客を受け入れる観光チームもまだできたてほやほやでした。
 
OASISのメンバーに、ゆいツールが開発したプログラムを実施してもらいました。
リンバンバリンの観光チームと、アンディさんが参加しました。
ここの地域住民は、学校教育を受けているためか、
観光チームのメンバーに、住民が森を残している(守っている)理由を聞くと、
未来の子どもたちのために、という返事が返ってきたのが印象的でした。
 
リンバンバリンの森のあとは、ブキッ・ティガプル国立公園の観光拠点
「グラニット・キャンプ」へ向かいました。
ここでは、国立公園内のスマトラトラを守る活動をしているNGO、PKHS(ペーカーハーエス)の
パトロール隊の活動に同行させてもらいました。
彼らは、国立公園内にカメラトラップを設置し、データを解析してトラの数を調査しているのですが、
このカメラのデータ交換の作業を見学させてもらうことができました。
カメラが設置してある場所への道すがら、マレーバクの足跡やふん、えさを探したところなどを
見ることができたり、ヤマアラシがトラなどに食べられた残骸を見つけたり、
カメレオンのような生き物と遭遇したり、森を散策する醍醐味を味わいました。
 
残念ながら、正規の参加者はいませんでしたが、新しいエコツアースポットを開拓でき、
OASISの学生にとっては貴重な体験となりました。
 
今後、スマトラ島でのエコツアーをどう展開させていくか、考えながら活動を続けていきたいと思います。
(山)

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村での畑しごと&クラフトづくり in Sumatera

2013年11月25日 | 8. スマトラでの活動

ゆいツール(金子)は12月初旬より、有機肥料を使った畑作りを始めた、国立公園内のサダン村へ2週間ほど滞在してきます。

 

農作物を育てるとなると、できるだけ長い時間をじっくりと村の人と過ごせるのはありがたいこと。意識的に野菜を育てる初めての時間となる今回、村の人も私も思いもかけないことに遭遇すると思います。

というのも、この村の人は普通の農家のように野菜だけを集約的に 育てた経験がないのです。

 

だから、言葉だけで伝えるよりも、いっしょに種を植えて、発芽確認し、さあ、どうなるか? …という、”畑が育っていくプロセス”の大事な初期段階をぜひ一緒に見守りたい。

これは、 意欲的に畑作りを始める村の人たちにとっても、熱帯雨林での畑作りのサポートを始める私にとっても、今後につなげていくかけがえのない時間になると思っています。

 

日本では冬となるこの時期、スマトラ島は雨季です。

 もしかしたら畑に出ることが困難な日があるかもしれません。

そのため、以前から考えていたハンドクラフトづくりの実験も並行して行います。

 

前回渡航した時、スマトラの都会の大型ショッピングモールでふと見かけた手芸用品コーナーにあったのは 、葉脈をカラフルに染めた商品。(写真)

「これなら、村にあるものでも作れるかも!」というひらめきから、このひと月ほど、時間を見つけてキッチンで試しに葉脈を取り出したり、アクセサリーに仕立ててみたりということを試してきました。(写真)

 

こちらは屋外でできるだけ多くの村の人を巻き込んで、葉っぱ狩りから細かい作業までをワイワイおこなえるような方法を考えています。 

また、村の女性達の中にはパンダンという名の葉等で器用に小物を編むことのできる人がいます。 村に伝わる技術も教えてもらいながら、楽しく作業をできる場作りを考えていきたいと思っています。現地からのレポートをお楽しみに!(金)

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ゆいツールのパートナー団体の紹介 in Sumatera

2013年11月22日 | 8. スマトラでの活動

ゆいツールがスマトラ(リアウ州)で活動するにあたり、現地での活動をサポートしてくれているNGO団体について紹介したいと思います。

SERAI 〔スライ〕 (スマトラの自然の調和を目指す団体)
PKHS 〔ペーカーハーエス〕 (スマトラトラの救助と保護を行う団体)


SERAIのディレクターのRiki(リキ)さん(写真右端)と、スタッフのMia(ミア)さん(写真左から2番目)は、ブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)の森に暮らす人たちに対して、〔教育〕がとても大切だ、と考えて活動しています。とくにミアさんは児童心理学の専門で、若いのに教えるのがとても上手です。
ゆいツールのオリジナルプログラムも、しっかりとポイントを押さえて実施してくれます。
そして、NGOの先生たちやOASIS(大学生の環境サークル)のメンバーに使い方を指導してくれています。
リキさんは、ゆいツールの現地のパートナーとして、あれこれと要望に応えて動いてくれます。
今年度は、TNBT内のサダン村というところで、SERAIが雇った村の若者が、有機肥料を使った野菜作 りを進めてくれています。

PKHSは、ブキッ・ティガプル国立公園でスマトラトラを守る活動を行っています。
10人前後のパトロール隊の若者がいて、公園のあちこちに設置してあるカメラトラップのデータを集めたり、密猟者がしかけたトラの罠を除去したり、トラの足跡や糞などを記録したり、国立公園の境界線に印をつけたり・・・。
またそのほかに、サダン村に先生を派遣して、子どもたちへの教育も行っています。
以前は、タラン・ママッ人(先住民)の住むダタイ村にも先生を派遣していました。
パトロール隊の若者を束ねているマネージャーのRahmad(ラフマッド)さん(写真右から3番目)は、森やトラやそこに暮らす人々に対して、とても深い愛情を持っています。

ゆいツールは、リキさんやラフマッドさんや、そのほかTNBTのレンジャーのAndi(アンディ)さんなど、多くの仲間とともに、活動しています。
TNBTの森を守りたい、そしてそこに暮らす人々と一緒に、森を守りながら豊かになる方法を探りたい、と思いながら。

ゆいツールは12月後半に、スマトラ島でエコツアーを実施します。
今回は、インドネシア人の学生を誘っています。
日本からも参加者がいると、お互いに学ぶことができます。
くわしくはこちらをご覧ください。(チラシへ)

PKHSが村の人と建てた、サダン村の学校の子どもたちと…


(山)

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スタディツアー参加者が感じたこと in Sumatera

2013年10月22日 | 8. スマトラでの活動

前回のスタディツアーの報告に続いて、今回はツアー最終日におこなったプログラム体験とふりかえりの様子をお伝えします。

 

6日間のスタディツアーもいよいよ最終日。この日は、昨年度ゆいツールが開発した「生物多様性を学ぶプログラム」を参加者に体験してもらうところから始まりました。

ゆいツールのカウンターパートであるSERAIのスタッフ、ミアさんがツールを使って流暢に実施してくれました。

彼らが住んでいる森の絵の上に、参加者自身が生き物のカードを配置しながら、どんな生き物がどんなところに住んでいるか考えます。そのあと生き物同士のつながりを実感するために、クリップとひもを使ってカードを繋ぎ、「食べる」「食べられる」の関係を表しました。

この森にはたくさんの種類の生き物がいること、それらがつながりあっていること、森が失われれば生き物たちは住みかを失うということを、ツアー参加者は実感した様子でした。

 

その後、ツアーで訪れた場所で何が印象に残ったか、自分の村で何を試したいと思ったか、などをひとりひとり発表しました。

多くの参加者が、ブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)の森がとても豊かであることに気づきました。同時に、ちゃんと守られていない、とも感じたようでした。それは、きちんと守られた森(Rumbioの森)を見学した影響かもしれません。

また、整備されたゴム園や有機肥料を使った野菜づくりなどは、自分たちにもできそうだ、と感じた様子です。

 

SERAIのディレクターのリキさんは、なにより「住民グループ」を作ることを真っ先に支援したい、と話していました。住民グループがあれば、地方政府からいろいろな支援が受けられるのですが、今までそのことを住民に伝えて、サポートしようとした団体はいませんでした。
国立公園の管理事務所には住民を支援するための部署があるようですが、彼らでさえお金がないことを理由に率先して村に行こうとはしてこなかったのです。

 

実際のところ、ツアー参加者がこのツアーに参加したことで急に目覚め、熱心にゴム園を整備したり野菜作りを行ったりはしないだろう、と私は思います。それを行うには、まだまだサポートが必要です。

まずは、サダン村で今年度ゆいツールが実験する有機肥料を使った野菜農園を、他の村の人が見に来たり話を聞いたりして、興味を持ってくれたらいいなと思っています。

 

次回は、ゆいツールの活動を現地でサポートしてくれているSERAI(スライ)とPKHS(ペーカーハーエス)という団体について紹介しようと思います!

(山)

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住民対象のスタディツアーを実施しました in Sumatera

2013年10月10日 | 8. スマトラでの活動

9月後半に、新スタッフの金子とともに、スマトラ島で活動してきました。

今回は、ブキッ・ティガプル国立公園(TNBT)内の村人10人をともなうスタディツアーと、サダン村での有機肥料作りのデモンストレーションなどが主な目的です。

 

(テッソ・ニロ国立公園で)

 

今回は、スタディツアーについて報告します。
以前のブログにも書きましたが、村の人たちは旅に出るお金がなく、他の地域のよい事例を学びに行く機会がありません。ゆいツールは、これから村で「森を守りながら暮らしを発展させていく方法」を村人達と一緒に考えるにあたり、熱心な村人10人をいくつかの場所に連れ出しました。

 

ひとつめの目的地は「テッソ・ニロ国立公園」。ちょうど私たちが訪れる1週間ほど前に、アメリカの映画俳優ハリソン・フォードが訪れて、インドネシアの森林破壊の現状に激怒したそうです。

(子ゾウに乗るダタイ村村長)

 

この国立公園は、いまや公園内の森林面積の半分が、すでに住民によって畑に変えられてしまったとのこと・・・。ハリソン・フォードが去って、私たちが訪れる間に、地域住民と、警察やそこで活動するWWFインドネシアとの間で、土地をめぐる衝突が起きたりもしています。

私たちはここで、住民による観光チームと天然はちみつチームの話を聞きました。
これらのグループは、WWFインドネシアがサポートして立ち上げ、今では地元の若者がリーダーとなって活動しています。

 

ふたつめの目的地は「ルンビオの森」。リアウ州の州都プカンバルからほど近いところにあり、貴重な水源地として村のグループが管理しているところです。ここでは森を散策したあと、整備されたゴム園を見学し、大きな川で行われている魚の養殖を見学したり、300年前から建っている木造のモスクを観光したりしました。

(ゴム園管理について話を聞く参加者たち)

 

みっつめの 目的地は、場所というより目的の“人”で、6月にも有機肥料作りをデモンストレーションしてくれたサイフルさんです。

サイフルさんが関わっている、有機農業を実践している農園を2箇所見学させてもらいました。

TNBT内の村人は、手をかけて野菜を育てた経験がありません。焼き畑に適当にタネをまいて適当に実った野菜を収穫するだけで、肥料をあげたり支柱を立てたりひもで結んだり…なんてことは未経験です。

 

ツアー参加者は、とくに「ゴム園」と「野菜づくり」に興味をひかれたようでした。自分たちにも経験があるけど、だいぶやり方が違う、というのが見学した彼らの率直な感想だと思います。

広い面積の森を切り開いて焼き畑(⇒ゴム園)にしなくても、もっと効率よくゴム や野菜を育てられるのではないか。そのヒントが得られた旅になりました。

 

次回は、スタディツアー終了後に行ったプログラム体験と旅のふりかえりの様子をお伝えします。(山)

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インドネシアの学生さんと一緒に! in Sumatera

2013年07月26日 | 8. スマトラでの活動

ゆいツールは今年度、インドネシアの学生(環境サークルのメンバー)たちとも協働で活動を行っています。

彼らは、ブキッ・ティガプル国立公園(以下TNBT)のある地域の大学生たち。

TNBTの森が破壊されると、彼らの住む街ルンガットを流れる川が氾濫を起こすので、
森を守ることは大切だ、という認識を持っています。
いわゆる、川の上流と下流のつながりです。

 

OASIS(環境サークルの名称)メンバーとは、2012年12月の活動のときに出会いました。

ゆいツールがエコツアーを実施しようとして、リアウ大学(リアウ州州都プカンバルにある国立大学)の学生さんに声をかけていたのですが実現せず、その代わりに地元の大学生が参加してくれた、というわけです。

ルンガットという街は、州都プカンバルから車で4~5時間ほど離れたところにあり、日本人の私たちから見れば田舎なのですが、そんな街に暮らす彼らも携帯やスマホを持ち、パソコンもあやつる今どきの若者です。

(2013年6月に彼らを森へ誘いました)

 

ゆいツールは、そんな彼らを森の中に連れて行き、エコツアーの担い手として育てたいと考えています。

また、森の中に暮らす先住民/地域住民とともに、森を守りながら彼らの生活を向上させていく方法を、一緒に考えていきたいとも思っています。

 

9月に行う、TNBT内の先住民/地域住民向けのスタディツアーにも、メンバーに同行してもらい、12月のリアウ大学の学生向けエコツアーでは、都会の若者を迎える立場として活躍してもらおうと計画中!

彼らが学び成長していくことが、TNBTの森とそこに暮らす人々の暮らしを守ることにつながってほしい、と願っています。

(山)

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スマトラ島で有機肥料づくりにチャレンジ! in Sumatera

2013年07月15日 | 8. スマトラでの活動

6月下旬にスマトラ島リアウ州を訪れ、有機肥料作りのデモンストレーションを行いました。
といっても、ゆいツールにはそうした経験がないため、現地の地方農業省の職員で、
趣味で有機農法を実践しているサイフルさんに指導していただきました。

 

マラリアに罹って薬を飲んでいるというサイフルさん。
デモンストレーションの前の晩に村に到着し、

簡易な建物で宿泊する私たちと一緒に寝ると言って聞きません。

そしてパワフル! 話し出すと止まりません。
趣味の家庭菜園の写真を見せてもらいましたが、きれいで立派なこと!

 

翌日、村で準備できる材料を、村ガイドのマルディウスさんが駆け回って集めてくれて、デモンストレーションがスタート!

まずは「ぼかし」づくり。サイフルさんの口から「Bokashi」という言葉が出たときは驚きました。
サイフルさんはEM4を持参していましたが、毎回EMを買わなくて済むように、自分で「ぼかし」を作る方法を村人に指導してくれました。

(EMのメカニズムについてはこちら

 

午後は、EMを使ったぼかしで堆肥づくりを行いました。

EM4を水で薄め、グラメラという赤い砂糖を刻んで混ぜてできあがり。

竹の囲いの中に、おがくず、バナナの木の幹の部分を小さく切ったもの、草を短く刻んだものなどを積み上げながら、そのEM水をふりかけていきます。

 

肥料作りなんてしたことのない村人が、サイフルさんの言葉でてきぱき動いて学ぶ姿は、印象的です。

今年は、サダン村というところで有機肥料を使った野菜づくりを行っていく予定。

少しずついい事例を作って、国立公園内のほかの村にも広めていけたらと思います。

 

実は今回アクシデントで、急遽活動に参加できなくなってしまった金子さん・・・。

9月にはぜひ一緒に行って、野菜づくりをサポートしてもらいたいと思います!

(山)

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スマトラ島へ行ってきます!

2013年06月06日 | 8. スマトラでの活動

今年度も、昨年度に引き続き、スマトラ島へ通います。

(プタイという豆の一種。インドネシアの森に自生していて食べられます)

第1回目は今月の後半に出発です。メンバーは、スタッフ山本のほか、心強い助っ人が!
昨年度12月のエコツアーに参加してくれた、ボランティアの金子さんです。

 

今回は、村での有機肥料作り実験をスタートさせるので、

農業経験のある金子さんにそのサポートをお願いする予定なのです。

肥料作りのデモンストレーションは、現地の大学の先生などにお願いしますが、

金子さんにはそのあと、村人と一緒に肥料作り・野菜作りをしていってもらおうと考えています。

 

国立公園の中に暮らす先住民/地域住民のみなさんは、

農業といえば焼畑(とゴム園)しか経験がありません。

焼畑は、木を切って焼き払い、その灰を肥料として陸稲(りくとう)や野菜が育つ、
というものなので、わざわざ肥料を与えて作物を育てるという経験がないのです。
もちろん、その伝統的なやり方で、彼らは長い間森の中で暮らしてきて、

森はずっと守られてきたわけなので、そのやり方が悪いということではないと思います。

ただ、近年現金収入を得るために焼き畑後にゴムの木を植える村人が増えてきて、
そのために焼き畑をスピードアップし、拡大させていることが問題になっているのです。

ゴムは植えたあと30年くらい樹液が取れるので、その間その場所を焼畑にはできないからです。

 

そこで、もう少し狭い土地でも収量をアップする農業というものを試してみてもいいのでは、

と考え、有機肥料を使って野菜を作る実験を始めようとしています。

 

うまくいくかどうかまだわかりませんが、村人と一緒にチャレンジしていきます!(山)

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