ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

ロンボクでの活動~コンポストバック普及編~ in Lombok

2022年08月15日 | ★2022年度(ロンボク)

7月の活動報告です。

今回は、コンポストバックの普及に向けた活動について。

ゆいツールは昨年度、西ロンボクにあるマンディリ・スジャテラごみ銀行のインドラさんと協働で、コンポストバックを開発しました。

日本で普及しているコンポストバックを参考にしました。

ただし、中身は高倉式コンポスト(インドネシア用に日本で開発されたコンポスト)です。

「Jalita Lombok Recycle(ジャリタ・ロンボク・リサイクル)タカクラ・コンポストバック」(以前のブログ)

Yui-Tool mengembangkan tas kompos Takakura di Lombok.

(高倉式コンポストの作り方を紹介するポスター、コンポストバックのマニュアル本、フライヤー)

7月には、協働相手のマンディリ・スジャテラごみ銀行のインドラさんと打ち合わせを行いました。

参加したのは、ゆいツールボランティア兼SAMALASメンバーのコマン、マデ、そしてトゥリスナ(リモート参加)でした。

(打ち合わせの様子)

(SAMALAS代表のコマン)

この日は、7月上旬に開催した「コンポストバック普及のための講習会」のふりかえりと、作成したフライヤーやマニュアル本について、プロモーションの戦略などを話し合いました。

講習会については、多くの反省点がありました。(詳しくは、講習会の報告のブログで)

プロモーションの戦略については、大学関係者、環境森林局などの行政、議員などに対して重点的にプロモーションをしていく必要がある、ということを確認しました。

そして、別の日。私は、スンギギ(マタラム市にほど近いロンボクの観光地)でレストランを経営するドイツ人のサキナさんのところへ出かけました。現地スタッフのパティが同行しました。

サキナさんは、ちょうど5年くらい前から環境活動(主に、スンギギの海のクリーンアップ活動)を始めました。

日本の学生さんと一緒にクリーンアップ活動に参加:2020年1月

普通のコンポスト作りの経験はある、とのことでしたが、今回はコンポストバックを使ってみませんか?と提案しました。

「この中でコンポストができるの?」と半信半疑のサキナさん。

ちなみにサキナさん。ロンボク在住は数10年のため、インドネシア語が流暢。

ドイツ人と日本人ですが、インドネシア語で会話をします。

「OK。コンポストバック、ちょっと使ってみましょう」

この後、8月1日に新しいコンポストバックを届けて、サキナさんのコンポストバック生活がスタートしました。

が。発酵が進まない、温かくならない、砂糖水を入れたら今度はアリが入ってきた、などトラブルが発生したため、11日にコマンとパティが様子を見に行き、いったんバックを預かり、ごみ銀行のパイズルさんのところで中身を新しくして、13日に再びバックを届けました。

生ごみを入れて、数日は温かくならなくても焦って砂糖水を足さなくていい、ということ。

毎日、生ごみを入れる前に、バックの底の方からかき混ぜるようにすること(空気に触れさせることが大事)。

バックは、床に直接置かず、下から空気が入るようなカゴや台の上に置くこと。などをアドバイスをしました。

Jalita Lombok Recycle(ジャリタ・ロンボク・リサイクル)のタカクラ・コンポストバック、まだまだ前途多難です。(山)

サキナさんと一緒に。

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マングローブ林のある村で打ち合わせと現状確認(南レンバール村)in Lombok

2022年08月11日 | ★2022年度(ロンボク)

7月の活動報告です。

7月12日に、マングローブ林での持続可能な観光開発プログラムを進めるために、西ロンボクの南レンバール村に行きました。

(他のマングローブ林での打ち合わせの様子はこちら。西ロンボクのバゲッ・クンバール東ロンボクのギリ・ランプ

Yui-Tool telah pergi ke kantor desa Lembar selatan, Lombok barat, untuk diskusi dengan Pak Beny Basuki(kepala desa) dan pak Foazan.

(左から南レンバールの村長さん、私、村のコンサルタントのファオザンさん、ティウィ)

南レンバール村のマングローブ林には、以前よく日本の学生さんなどを案内しました。

(まだ、トレイルが壊れていなかった頃。2017年10月)

南レンバール村は、マングローブ林沿いのトレイルが設置からわずか5年で壊れてしまいました。

昨年度、南レンバール村のリテラシ・プシシル(ファオザンさんが指導する若者グループ)の無料塾の子供たちへ、何度かプログラムを実施しました。

「ごみについて考えるプログラム」の実施とクリーンアップ活動(2021年6月)

「エコブリック作りワークショップ」(2021年10月)

「マングローブ林環境教育プログラム」の実施(2022年2月)

今回は、村長のバスキさんと、ゆいツールボランティア兼SAMALASメンバーのコマン、ティウィ、マデと一緒に打ち合わせをしました。

(左から、バスキ村長、ティウィ、私、マデ)

(バスキ村長とコマン)

南レンバール村役場は、マングローブ林の観光アトラクション、料理、お土産センターを含むツアーパッケージを開発したいと考えています。現在住民等と共に、マングローブ・エコツーリズムエリアの開発のための作業計画を作成しているそうです。(ドイツ政府に向けた提案)
そして、マングローブ樹種の同定を含む科学的研究が実施されています。

以下は、マングローブの樹種のリストです。(これはとても欲しかったデータでした!)

ゆいツールは、昨年度「マングローブ林環境教育プログラム」を開発し、その中でロンボクでよく見られるマングローブの樹種のリストを作成しました。

今回、このリストの中にはない樹種を2種類発見しました。もしメジャーなものであれば、いずれリストに追加したいな、と思っています。

村長さんと打ち合わせが終わった後、外で住民向けワークショップを実施していたファオザンさん(村のコンサルタント)と少し話しました。

その後、南レンバールのマングローブ林の状況を確認しに行きました。

(南レンバールのマングローブ林)

舟を出してくれた船頭さんに、以前PLN(インドネシア国有電力公社)が植林したマングローブはどうなっているか確認したい、と言ってみたのですが、確かな情報はわからず。「ほとんど流された」と言われて、その辺りを指さされても、私の記憶とは違う場所のような気もして、看板があったはず、と写真を見せてると「看板も倒れて流された」と言われました。

2020年1月に訪れた時の様子

あちこち舟で回ってもらいましたが、看板は見当たらなかったので、本当に流されたのだろうと思いました。

同時に「マングローブの苗を植林した後、フォローアップはしないのか?」と聞くと、「植えっぱなしだ」という返事がありました。

お金をかけて植林をしても、きちんと育たなかったから無駄になるのに、企業(日本もインドネシアも)は植えることしか考えないことが多いのだろうと思います。

同じ西ロンボクのバゲッ・クンバールでは、政府が育苗場を持っていて、植林した苗の管理を行う住民グループも存在しています。

(すっかり壊れたトレイル)

バゲッ・クンバールも南レンバール村も、観光利用できるマングローブ林は豊富にありますが、設備が整っていないため、ツーリストがアクセスできる場所や方法が限られていることがネックだな、と訪問して感じました。

(山)

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マングローブ観光地での打ち合わせ(ギリ・ランプ)in Lombok

2022年08月03日 | ★2022年度(ロンボク)

7月の活動報告です。

7月7日に、マングローブ林での持続可能な観光開発プログラムを進めるために、東ロンボクのギリ・ランプに行きました。

(他のマングローブ林での打ち合わせの様子はこちら。西ロンボクのバゲッ・クンバール南レンバール村

Yui-Tool telah pergi ke Gili Lampu, Lombok timur, untuk diskusi.

(住民グループKPPLの代表スヤントさん:右奥の男性との打ち合わせ)

ギリ・ランプには、2020年1月に日本人の学生さんを案内した時に行きましたが、KPPLのメンバーと直接会ったのはこれが初めてです。

これまでのギリ・ランプでの主な活動。

コンポストづくりワークショップ(1回目)2021年9月

コンポストづくりワークショップ(2回目)2021年12月

マングローブ林環境教育プログラムの実施 2022年3月

ギリ・ランプに一緒に行ったのは、マデ、オパン、そしてルスです。

リーダーのスヤントさんは、ずいぶん昔にジャワ島から移住してきて、何もなかったところから、少しづつギリ・ランプの観光地を整備してきた人物です。今は、KPPL(※)の代表をしています。

※KPPL:Komite Pengelolaan Perikanan dan Laut(直訳すると水産海洋管理委員会、となりますが、観光管理グループや漁業組合などの住民組織の集合体のようなもののようです)

ギリ・ランプのマングローブ林は、離れ島に生育しているため、観光客はボートを借りないと見に行くことができません。

(2020年1月に訪れたマングローブ林とボート)

さて、今回日本から持っていった書籍「マングローブ林生態系探検図鑑(監修/馬場繁幸 琉球大学名誉教授・国際マングローブ生態系協会理事長)」を、スヤントさんメンバーに紹介しました。

インドネシアには、こんなに質のいい教材はないので、興味深そうに見ていました。生き物を指さして「これは、ここにもいるよ」と教えてくれたり。

今年度、ゆいツールは3つの観光地で、ガイド研修をやりたいと考えています。

ひとつは「マングローブ林の基礎知識」。専門家を招いて、マングローブの樹種の特徴などを学び、ツアー客に説明できるようにしたいと思っています。ふたつめは「インタープリテーションの方法と例示」。こちらは、セオリー(theory)よりも、具体的な例示が重要だな、と思っています。みっつめは「(ゆいツールが開発した)マングローブ林環境教育プログラムの使い方講座」。

①「マングローブ林の基礎知識」

②「インタープリテーションの方法と例示」

③「(ゆいツールが開発した)マングローブ林環境教育プログラムの使い方講座」

研修については、まだまだ考え中です。

さて、ギリ・ランプでは、KPPLが作ってきちんとパックされているコンポスト(高倉式コンポストとグリーンコンポスト、液体コンポスト)を確認できました。

試しに3種類購入して、ルスの家で使ってみることにしました。

現在もコンポスト作りは継続中ということで、3種類のコンポストの確認もしました。

(高倉式コンポスト。台所から出る生ごみから作ります。少しプラスチックが混じっていました)

(グリーンコンポスト。木の葉や家畜の糞などから作ります)

(液体コンポスト。果物系の生ごみなどを入れるとよいそう。匂いはきつめです)

そして、KPPLの活動を見学させてもらいました。

プラスチックごみをペットボトルに入れて、エコブリックを作っているよ、と見せてくれたのですが、中身がスカスカ。

これはもっと中身を詰めて、固くするんだよ、とマデやルスが教えます。

ルスは、東ロンボク出身なので、他のメンバーよりもギリ・ランプに近いところに住んでいます。

以前から、ギリ・ランプはルスの担当ね、と言っていたのですが、今回KPPLが作っているコンポストを見回り、グループの女性たちの活動を見て、今まできちんとアドバイスなどをしたことがあるのか?とルスを問いただしました。

例えば、コンポストにプラスチックが混じっていたらどうするのか?そもそも、活動やその他の用事でギリ・ランプに来たときに、コンポストを気にしたことがあったか?KPPLがプラスチックごみを再利用しようと工夫しているのを、サポートしようとしたか?

ルスには何度もミーティングで、あるいはチャットなどでコミュニケーションをとって、活動をサポートするように言ってきましたが、私がその場でコンポストからプラスチックを取り除いたり、女性たちと話をして「プラスチックごみでポーチを作る方法を知りたい」という声を聞き出したりして、「こういう風にきちんと寄り添ってサポートしなければいけない」と例示を示して初めて、「サポートするとはどういうことか」ルスにも理解できた様子です。

何か、人や場所に対してアクションをした後、フォローアップをしないことほど、私が嫌いなことはありません。

フォローアップをしないのなら、何もしないほうがましです。

インドネシア人と話すと、行政や民間団体などが何か住民に講習会などを開いたり、催し物などを開催したりした後、なんのフォローアップもない、とよく話すのですが、自分が活動をする側になったときに、果たしてきちんとフォローアップできているのか、常に自答する必要があります。

ギリ・ランプには、ローカルの観光客がよく訪れます。そのため、こんな光景がよく見られます。

浜辺に落ちているカップラーメンのカップなどのプラスチックごみ・・・。

KPPLのメンバーが毎朝ごみをきれいにしても、食べ物を持ち込んだ観光客は、ごみ箱には目もくれず食べた後ごみを散らかして帰ります。

スヤントさんは、あるアイデアを熱心に話してくれました。

小さなボート(両側に足があるタイプ)に網をくくりつけて、波間に浮かぶプラスチックを回収したいのだ。

泳いでいる観光客の近くを通って、彼らが海に捨てたごみを回収しているところを見せたいのだ、と。

ギリ・ランプでは、私は観光客向けの立て看板を設置したいと前から考えています。

例えば、インドネシア人向けには「プラスチックごみは海を殺す」とか「きれいな環境を自分の手で守りましょう」とか。

外国人向けには、「KEEP GREEN」など。

ごみをポイ捨てしているのはローカルの人たちなので、彼らに自分が捨てるごみについて意識を向けてもらうような言葉はどんなものがよいか、KPPLのメンバーと一緒に考えたいと思っています。

そういうひとつひとつのワークショップを、頻繁に実施できたら一番よいのですが、予算と時間が限られているので、悩みます。

(山)

(KPPLメンバーと。右からルス、スヤントさん、マデ、そして私)

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マングローブ植林地で打ち合わせ(バゲッ・クンバール)in Lombok

2022年07月30日 | ★2022年度(ロンボク)

7月の活動報告です。

7月6日に、マングローブ林での持続可能な観光開発プログラムを進めるために、西ロンボクのバゲッ・クンバールに行きました。

(他のマングローブ林での打ち合わせの様子はこちら。東ロンボクのギリ・ランプ)、南レンバール村

Yui-Tool telah pergi ke Bagek kembar, Sekotong, Lombok barat, untuk diskusi.

昨年度から何度も活動をしているバゲッ・クンバールですが、私がここを訪れるのは初めてでした。

ゆいツールボランティアによるマングローブ植林体験(2021年11月)

子供たちへの環境教育プログラム(ごみについて考えるプログラム実施)(2021年12月)

マングローブ林環境教育プログラムの試行と植林体験(2022年2月

バゲッ・クンバールは、インドネシア政府直轄のマングローブの植林地(&マングローブ観光地)です。

WISATA MANGROVE(マングローブ観光)の文字の下には、Kementerian Kelautan dan Perikanan(海洋・漁業省)の文字が。

今回は、海洋・漁業省スタッフのスサンティさんが関わるBetter Together Indonesia(BTI)のフアットさんと、バゲッ・クンバールで観光グループを率いるアグスさんと、ディスカッションをしました。

ゆいツールからは私山本と、ボランティア兼SAMALASメンバーのコマン、パティ、マデが参加しました。

(右から、フアットさん、アグスさん、SAMALAS代表のコマン)

ゆいツールからは、昨年度3ヶ所で実施した「持続可能な観光について考えるワークショップ」について成果を伝えたり、今後の計画として、ガイド向け研修の必要性を伝えたり、開発したコンポストバックのPRをしたりしました。

フアットさんは、ゆいツールが開発した「マングローブ林環境教育プログラム」をデジタル教材にしたい、と言っていましたが、ゆいツールからは、まずはリアルな教材をアグスさんなどが使えるようになってから考えたい、と答えました。

フアットさんがよく行くドイツでは、子供たちが自然の中でタブレットを操作して、生き物の名前や生態を学ぶ学習があるそうです。

ちょっとそういうのは参考にならないな、と内心思いました。

コンポストバックについて話しているときに、フアットさんからムハンマディア大学(マタラム市)を紹介されました。

ムハンマディアというイスラムの団体が運営している大学で、大学だけでなく幼稚園や小学校、中学校、高校などもあるそうで、グリーンな活動に取り組んでいるので、一度話をしてみたら、ということでした。(⇒後日、訪問しました)

打ち合わせの後、周囲を散策しました。

かわいいヤツを発見。

他にも・・・。  

植えられたマングローブが整然とならんでいます。

こちらは、2月にゆいツールの活動で植栽した苗木たち。

バゲッ・クンバールでは、学校の子供たちの植林体験活動が時々行われています。

が、きちんと整備されている部分が少なく、ここで本当に子供たちが活動をしているのか?と疑問に感じる場所もありました。

(塩作りをしている小屋の裏。ごみだらけ。)

そして、植林する際のマングローブ林へのアクセスも、危険なところだらけでした。

観光地としては、ほぼ未完成な場所だと言うことがわかりました。

ちなみに、塩作りの小屋を見て気づいたのですが、まさに塩を作るため海水を薪でくべるその行為が、マングローブ林を伐採し、適当に開けてしまったところが国によって植林地に指定されたのだろう、ということでした。

今も塩作りは続いているので、薪はどこから調達しているのか、確認してみようと思います。

(山)

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2年半ぶりのロンボク島!若者たちとプログラム練習、そしてディスカッションなど in Lombok

2022年07月26日 | ★2022年度(ロンボク)

2022年7月5日。ゆいツールはインドネシア・ロンボク島で、ボランティアたちと集合しました。

場所は、西ロンボクのブウン・スジャティ村。ボランティアのマデくんの村です。

Untuk pertama kalinya dalam dua setengah tahun, Yui-Tool bertemu dengan relawa Yui-Tool ( anggota SAMALAS) di Lombok.

(昨年度開発した、マングローブ林環境教育プログラムツールの使い方をおさらい)

2020年1月にインドネシアから帰国してから、実に2年半ぶりのロンボク島でした。

7名のボランティアたちとは、週に一回のZOOMミーティングで顔を合わせていたので久しぶり感はなかったですが、リアルで顔を見たときはやはりうれしかったです。

最初に私が話したことは、「マイボトルを持っているか?」「エコバックを使っているか?」ということです。

誰も持っていません。昨年マレーシアの留学から帰ったティウィとトゥリスナは、「マレーシアでは無料の給水所があちこちにあって、マイボトルを持ち歩きやすかった。でも、インドネシアでは、途中でボトルの飲み物がなくなったら、ペットボトルの水を買ってマイボトルへ入れ替えることになって意味がないからやっていない」と言っていました。「エコバックもたくさん家にあるけど、(買い物のときにはめんどうで)使っていない」とのこと。

ゆいツールのボランティアは、環境教育を実施しているのに、ボランティア自身がまだ本当には環境について気にかけてはいない、ということを私から指摘しました。これは、ゆいツールの活動がまだ全然実を結んでいないことだ、と私は思っています。

「無料の給水所があれば、マイボトルを持ち歩きやすくなる」ということなら、私たちは行政担当者や大手企業などにそのことを提案できるのだ、ということも伝えました。今回私が泊まったホテルは、部屋にペットボトルの水がありませんでした。その代わり、廊下に給水場所があり、そこから熱いお湯も冷たい水も給水することができました。

若者たちには、そういった視点も持ってゆいツールの活動に参加して欲しい、と思っています。

さてこの日は、まずマングローブ林環境教育プログラムのやり方をおさらいしました。

「この木はどんなところに生えているかな?」プロローグの写真を見せながら、問いかけます。

「デトリタスってなんだ?」の絵本を読みます。

生き物の体や排泄物、マングローブの葉っぱは、小さく砕けてデトリタスになって、微生物に分解されて水に溶けた栄養素になった後、またマングローブの根に吸収されたり、植物プランクトンに食べられていくよ、と伝えます。

私が手本を見せた後、若者たちが実践しました。

(トゥリスナとティウィ)

(マデ)

そして、プログラムのこの部分ではどこまで説明するべきなのか、話し合ったり、マングローブに生息する生き物についてまだ知識が足りないことを確認したりしました。

お昼を挟んで、今度はゆいツールボランティアが立ち上げた団体「SAMALAS TRESNE GUMI(通称サマラス)」の運営の方法や、7月上旬に実施したばかりの「コンポストバック講習会」のふり返りを行いました。

ディスカッションの後、集合写真を撮って、ブウン・スジャティ村の新しい遊びのスポットを見学に行きました。

ここは、村の人たちが開発した水遊び場です。この地域は水が豊富にあるため、天然の水を使っています。

いつ、誰がどのように開発したのか、少しだけ話を聞きました。

見回ると、ずいぶん奥に注意看板がありました。

【禁止事項】

1. せっけんなどを使うこと

2. 植物を捕ること

3. ごみのポイ捨て

4. 先の尖ったものの所持

5. アルコールの所持

6. プールエリア内での食事

遊んでいた若者に声をかけて、(今食べているものの)ごみはその後どこに捨てるの?と聞くと、「ゴミ箱に」と言っていました。

立て看板はあっても目立つところに立てていないし、管理している村人はそんなに厳しく注意をしないため、インドネシアではこういう場所でカップラーメンなどを食べ(そもそもそれを提供している店がある)、ごみをほったらかして帰るのがある意味常識のようになっています。

この場所は、ほとんどローカルしかまだ利用していないようですが、以前外国人が来たときに、英語ができるスタッフがいなくて、ビキニのような露出度の高い水着を注意できなかった、と管理している若者は言っていました。

イスラム教徒の多いロンボク島では、高級ホテルのビーチサイドといった特定の場所を除いて、露出度の高い服装をすることは嫌がられます。

ゆいツールは昨年度から、マングローブ林の持続可能な観光利用を考えていますが、ローカル向けの観光と外国人向けの観光で目的や対応が少し変わります。ローカルに合わせすぎると安っぽくなるし、外国人に照準を合わせると今度はローカルが置いてけぼりになるので、難しいところです。

こんな小さな観光スポットからも、学べることはたくさんありますが、一緒に行ったメンバーたちはどこまでそれを理解しているかどうか。

SAMALAS(サマラス)は、まだまだ前途多難です。(山)

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