ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

ロンボク島ランタン村の村長さんと意見交換しました in Lombok

2019年06月19日 | ★2019年度(ロンボク)

6月中旬に、中部ロンボクのランタン村にでかけて、村長さんとディスカッションしてきました。

Yui-Tool telah bertemu dan diskusi dengan pak Kades desa Lantan, Lombok tengah.

(半年前に選挙で選ばれたエルワンディ村長)

こういう活動(村での情報収集など)はとても地味で、ブログにアップするには写真も少なく、正直どうしようかと思いましたが、ロンボク島のひとつの村がどんなふうにごみ問題をとらえているのか、実際に聞いたことをきちんと報告することが大切だと考えたので、載せることにしました。

本当は、小規模ごみ処理場を設置するプログラムの予算がついて、その話を進めるために打ち合わせしたかったのですが、残念ながら予算は通らず、それでも村の計画を知りたいと思ったので、ランタン村でゆいツールと協働しているBale Lantan(村ツーリズムを担当している若者グループ)のオパンに調整してもらい村長さんと会いました。

オパンはこの日参加できなかったのですが、同じくゆいツールのボランティア、サムス―ルが来てくれて一緒に話を聞きました。

サムス―ルは、日本で働いていたことがあるため、日本語が少しできます。

Pak Samsul dari Tim Dulkadi bisa bantu saya untuk diskusi..

ランタン村では、2017年からプラスチックボトルやプラスチックカップなどを専用に集めるアシュローごみ銀行(ただし、集めたごみの売り上げは貧しい子供たちへ還元される)が廃品回収をしていて、村長はそこと協力してごみを仕分けしたり、コンポストを作ったりする場所を作りたいと考えているところでした。(ちょうど、ゆいツールが予算をとってやりたいと思っていたことと合致しました)

ゆいツールは、アシュローごみ銀行の活動のことは知っていましたが、まだ訪問したことはありません。

その代わり、ランタン村の各家でプラスチックボトルやカップが集められているのを今まで何度も確認していました。

もう2年も続いているので、住民たちもプラスチックボトルやカップを分別することは慣れてきた様子です。

インドネシアでは、この「ごみを分別することに慣れる」とは、大事なポイントです。

村長さんは、まず各集落のあちこちに「ごみ捨て場」を設置して、そのごみを毎日回収するところから始めたいと言っていました。回収するのはカイサール(バイクの後ろに荷台がついているもの)で、ひとまず一台は村から提供され、ガソリン代も村から出るそうです。今後、予算を見ながら10台くらいに増やしていきたいそうです。
 
ごみを分別する場所を、将来的にはもうひとつ増やして、各家からのごみを回収することを目指したい、ということでした。
 
私が、中央政府(中部ロンボク環境局)は、各村でできるだけごみを減らしてもらうことを望んでいる、という話を伝えたのと、村で大きなコンテナを購入すれば環境局がごみ収集に来てくれる、という話をすると「コンテナは高すぎてとても買えない。カイサールを買うのがせいぜい」と言っていました。なるほど、それが現実か、と思いました。
 
私とサムス―ルは、ごみを集めるならまずは分別することを教えないとたいへんではないか、とアドバイスしましたが、村長は「まずはごみをごみ捨て場に捨てること」を第一ステップとしたいようでした。
 
村長は、外からの支援がなくても、村としてイニシアティブをとってごみ問題に取り組んでいきたい、と言っていました。
 
村では次の日曜日に、村として初めての試み(各学校の先生や子供たちを集めて、村の清掃活動をする)を実施するそうで、私たちからは、できるだけそれをルーティンでやっていくといいですね、と言いました。
 
今回、ごみ処理場を作るプログラムに予算はつかなかったけれど、ランタン村はゆいツールがやりたいと思っていたことを自分たちの力でまずはやろうとしていることがわかったので、予算はないながらも村の事業を見守り、手伝えるところ(住民への環境教育やコンポストづくり指導など)は手伝っていきたいと思いました。
(山)

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バリ・ウブドにあるリサイクルセンターを見学! in Bali

2019年06月17日 | ★2019年度(ロンボク)

先日、ロンボクからバリへ移動し、まずはバリ州環境局を訪問しました。

(↑ インドネシア語の上に、ヒンドゥ語が併記されています。)

事前に、訪問依頼書を2回も送っていたにも関わらず、たいした歓迎はされませんでした。(誰からの紹介もなくアポをとったせいもあります)

これがロンボクなら、あちこちの環境局に知っている人がいて、快く受け入れてもらえるのに、と思いながらいくつか質問をしました。

バリでは、(一般的な話として)毎月一回清掃活動(役所で?)があり、各家でごみを分別して、コンポストを作ったりごみ銀行へもっていったりしている、という話でした。ごみ埋め立て地(最終処分場)を見に行きたい、と言うと、許可がなければ入れない。とにべもなく断られました。

得られた有益な情報は、ウブド地区パダン・テガル村がごみに関しては進んでいるから訪問したらいい、ということでした。さっそく、関係者の連絡先を教えてもらい電話して訪問することにしました。リサイクルセンター(コンポストの家)に来るように言われ、向かうと、そこはなんとバリで有名は「モンキーセンター」の入り口の目の前にありました。

(下はごみを回収しているトラック)

対応してくれたのは、「コンポストの家」のスタッフ カデ・ジョイスさんです。

Yui-Tool wawancara sama Pak Kadek Jois Yana yang staff Rumah Kompos, desa Padang tegal kecamatan Ubud kabupaten Gianyar, Bali.

この村では、2012年からごみの分別と回収活動を始めた、という話でした。住民の活動が村の活動になったようです。

この村のごみは、各家で「オーガニック(主に葉っぱやバリ人のお祈りで使う花など)のごみ」と「それ以外のごみ(非オーガニックごみ)」を仕分けて、配布されているごみ箱に入れ毎晩家の外に出しておくと、夜のうちに2種類のごみの回収が別々にされるそうです。オーガニックに、台所のごみは入らないのか聞くと、それらは住民が肥料液を作るのにつかわれている、という話でした。(下が、住民のお宅のごみ箱です。)

「コンポストの家」では、その名のとおりコンポスト(肥料)が作られています。

発酵液などは使わず、水だけを与えて、定期的に切り返しを行って3か月で肥料になるそうです。

肥料は、近隣のホテルやお店などが購入するそうです。

「コンポストの家」の外には、こんなものがありました。

 

なんだろう?と思ったら、この下に川があって、そこのごみを集める装置だそうです。

実は、コンポストづくりをする広い場所が設置されたばかりだそうで、案内してもらいました。

「モンキーセンター」の駐車場の横に施設が建てられていました。

国のお金で造られたようです。(村の今までの活動が実った形です)

中に入ると、コンポストを作る場所がずらりと並んでいます。

できた肥料を細かくするための機械です。

いろんな設備が揃っています。

外から持ってきたごみを分別するベルトコンベアーもありました。

施設が稼働するのは、今度の月曜日からという話でした。

動いているときに、また見に来たいと思いました。

さてこちらは、街中に設置してあるごみ箱です。住民の家に配られているものと同じですが、説明がついています。

 

この村の人たちは、ごみを2種類に分別する習慣はついているそうです。

元々は観光地だからごみをきれいにしよう、という住民主体の取り組みが村の事業になって発展してきた形です。

日本人から見たら、それくらいのことはできて当たり前かもしれません。

でも、ロンボク島ではここまで徹底したごみ分別&回収とコンポストづくりをしている村はありません。(しかも村が主体で)

(もっと小さな集落単位でがんばっている人たちはいますが)

聞いてみたら、モンキーセンターも村の運営だそうです。村の住民が雇われて働いているとのことでした。

有名な観光地を村が抱え、ごみ問題も村が責任を持って管理しているところに、住民の心意気を感じます。

ウブドには外国人観光客がとても多くいて、観光収入も多いのだろうと想像できます。

今回は、ウブド地区のごみ処分場に足を伸ばす時間がありませんでしたが(こちらは、見に行きたいと言えばすぐに行けそうでした)、また出直してロンボクの若者たちを連れてスタディツアーをやりたいと思いました。

次回のブログは、中部ロンボクのランタン村で村長さんと話をして得られた情報をアップしたいと思います。

(山)

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ブウン・スジャティ村で、プラスチック空袋を活用したクラフトづくり講習会を行いました in Lombok

2019年06月15日 | ★2019年度(ロンボク)

先日、西ロンボクのブウン・スジャティ村で、女性たちを集めて「プラスチックの空袋を活用したクラフトづくり講習会」を実施しました。

Yui-Tool telah membuat pelatihan mengenai bikin kerajinan dari sampah plastik di desa Buwun sejati, Lombok barat.

以前、ごみ銀行の支援のプログラムをやっていたときは、頻繁に村で講習会を開いていましたが、今では年に一回くらいの頻度になっています。

この講習会は、この村のガイドのマデくんが女性たちに声をかけて、クカイ・ブルスリごみ銀行のパイズルさん夫妻に来てもらって実施しました。

講習会を始める前に時間があったので、パイズルさん夫妻とマデくん、ゆいツールの現地アシスタントに、ゆいツールが開発した「ごみについて学ぶプログラム」を体験してもらいました。

パイズルさんは、このプログラムセットが欲しい!と言っていました。

また作ることもできるのですが、今度ロンボクに来るのは多分10月。

(予算が通らなかったため、ロンボクに来る回数を減らさなければいけなくなりました)

できるだけごみ銀行の力になりたいのに、もどかしいところです。

さて、村の女性が集まってきました。

ごみ銀行の商品を置いておいたら、お母さんたちがずいぶん興味を持っていました。ふむふむ、良い兆候です。

最初は、プログラムセットの中の一部の写真を見せて、ごみについて伝えます。

普段、見ないようにしている問題について、堂々と指摘されると考えざるを得なくなりますね。

さて、クラフトづくりがスタートしました。

村で女性たちを集めると、本当ににぎやかです。

ブウン・スジャティ村は、バリ人(ヒンドゥー教徒)とササック人(ムスリム)が混じって暮らしています。

今回は全員がバリ人でした。考えてみたら、バリ人の女性たちに講習会を実施したのは初めてでした。

でも、ムスリムもバリ人も特に違いはありませんでした。上手にできる人もいれば、何度教えてもうまくできない人がいたり。

さてマデくんは、今、村でごみ銀行を作りたいと考えています。

12月のスタディツアーでパイズルさんのごみ銀行に連れて行ってから、若者たちの中で彼だけがずいぶんと足しげくそのごみ銀行に通っています。

ブウン・スジャティ村は、スンギギでクリーン活動をしているドイツ人のサキナさんも最近2回訪れてくれて、村の人たちと一緒にゴトンロヨン(協働活動)でごみ拾いをしたい、と申し出てくれています。

これからゆいツールは、マデくんと一緒にブウン・スジャティ村でのクリーン活動について、準備していこうと考えています。

サキナさん曰く、ゴトンロヨンのごみ拾いはルーティンで行うのが大切だ、とのことです。

習慣づけること。一回限りにしないこと。運営側にとっても継続させることは、なかなかたいへんだと思います。

ゆいツールは出来る限り、サポートしていきたいと考えています。(山)

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トラッシュ・ヒーロー・メノと打ち合わせ~7月8月の活動に向けて~ in Lombok

2019年06月13日 | ★2019年度(ロンボク)

ギリ・メノ島の浜辺のクリーン活動に参加した翌日、トラッシュ・ヒーロー・メノのリーダー スルマンさんと打ち合わせをしました。

Yui-Tool dan Tim Dulkadi diskusi dengan ketua Trash Hero Meno tentang workshop yang akan mengadakan di Meno.

これは、7月8月にメノで、トラッシュ・ヒーローと一緒にワークショップを実施するための準備です。

トラッシュ・ヒーローは、地域の子供たちやツーリスト向けに時々ワークショップ(廃材を利用した工作教室)を開いていて、今回はゆいツールが育てている若者自身が工作するものを準備して実施する、という内容です。

こちらは、先日トラッシュ・ヒーローのワークショップで作ったキーホルダーです。

今回、私たちが作りたいのはこちら。(写真下)

ジュースやコーヒーの空き袋を利用して、サイコロ状のキーホルダーを作ります。

(↑ 作り方を見せる現地スタッフ)

スルマンさんに見せると、「こういうのはまだ作ったことがない。ぜひやって欲しい」ということでした。

地域の子供向けと、ツーリスト向けに実施してほしい、とお願いしました。

あとは、若者たちがクカイ・ブルスリごみ銀行に行ってキーホルダーの作り方を教えてもらい、ごみ銀行に材料を用意してもらって、ワークショップの日を調整して実施するだけです。

こういう一連の活動を、今はゆいツールがいちいち指示をして若者たちが動いていますが、できれば一回やった後は、自分たちでアイデアを考えて別の場所でやったり、他の仲間を誘って活動を拡げて行って欲しい、というのがゆいツールの望みです。

ゆいツールは、最初のアイデアを提供したり、他のグループ(ごみ銀行やトラッシュ・ヒーローやサキナさんなど)と協力する手助けをするだけです。

さて、話は変わって、いつも泊まっているギリ・メノ島のディアナ・バンガローで不思議なものを見つけました。

昨年の地震でたくさん出た廃材で作ったランプです。

材料はこちら。

ヒックスさんは、捨てられそうになっているものに目をつけて、何か作れないか?と考えてあれこれやってみたそうです。

明るいところで見ると、なんだこれは?といった感じですが、夜になって明かりを灯せばまさにオリジナルのランプです。

色々な形があります。まさに自由自在。奔放な想像力です。

これらのランプは、欲しいという人がいて、1,000,000ルピア(8,000円くらい)かそれ以上で売っているそうです。

インドネシア・ロンボク島にも、プラスチックごみを減らしたいと願って活動している人たちがちゃんといます。

ゆいツールは、若者たちを育てながら、そういう人たちと一緒にロンボク島のごみを減らしていきたいと考えています。

(山)

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ロンボク島で若者たちを連れて清掃活動に参加 in Lombok

2019年06月12日 | ★2019年度(ロンボク)

6月9日(日)、ロンボク島のふたつの場所で、若者を連れてごみ拾いに参加しました。

Yui-Tool dan Tim Dulkadi telah mengikuti kegiatan kebersihan di pantai yang 2 tempat.

最初の場所は、ロンボク島の観光地スンギギエリアの浜辺です。

この清掃活動は、スンギギにレストランを持つドイツ人のサキナさん(写真下左)が呼びかけて、今年の4月から毎週日曜日の朝行われているものです。

(↑ 前日の打ち合わせの様子)

サキナさんとは、3月にこのレストランを訪れたときに偶然知り合いました。

ゆいツールが育成している若者たちは、1か月前にもこの清掃活動に参加していました。

呼びかけ人がサキナさんのため、参加しているのは在住や旅行中の欧米人が中心でした。あとは、ごみ銀行の関係者などもいました。

この日は、浜辺を中心にごみを拾いました。

(↑ 波打ち際のごみたち)

途中から、欧米の人たちの一部は海の中に入ってシュノーケリングしながらごみを集めてくれました。

(↑ 集めたごみの一部)

私は、集まったごみの中から主にストローやプラスチックのスプーン・フォークを選んで袋に入れてみました。

今、世界で使い捨てのプラスチックストローを使わないようにする取り組みが広がっていますが、これを見るとたかがストローくらい、という気はしなくなりますね。

次の場所は、北ロンボクのバンサールの港からパブリックボートで30分ほどのギリ・メノ島です。

ゆいツールがいつも、ツアーのお客さんを連れて行く島です。

ここでは、トラッシュ・ヒーロー・メノの活動に参加しました。(1年前に参加した時の様子はこちら

この活動は子供たちのもので、日本の夏休みのラジオ体操のように出席すると5ポイントがもらえる仕組みです。ポイントが多く貯まると、プレゼントがもらえます。

さて、ごみ拾いスタートです。観光地なので、在住や旅行中の欧米人がたくさん参加しています。

ゆいツールが連れて行った若者たちも、旅行者と交流しながらごみを拾います。

今回は、ごみの少ない浜辺エリアを歩いたので、1時間半で終了しました。長い時には2時間半かかるときもあるそうです。

集めたごみは、チドモ(馬車)に載せます。この島では、バイクや自動車などガソリンで走るものは乗り入れ禁止になっています。

お疲れさまでした。

こういった清掃活動が、ルーティーンで続いているのは本当にすごいことだと思います。

私も小学生のころ、学校の行事でよく地域のごみ拾いをしたことを覚えています。

翌日は、トラッシュ・ヒーロー・メノのスルマンさんと、7月8月に行うワークショップのことでディスカッションをしました。(続く)

(山)

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バリのマングローブ林を調査 in Bali

2019年06月07日 | ★2019年度(ロンボク)

5月末と6月頭にバリ島で2か所のマングローブ林を訪れました。

目的はいろいろあります。

ひとつは、バリ島のマングローブ林が環境教育の場として機能しているのかどうか、知りたかったということ。

また、マングローブ林でのプラスチックごみの状況を知りたかった、というのもあります。

今までロンボク島で活動してきて、隣のバリ島のことはあまり関心をはらっていなかったのですが、観光客が集中しているバリ島の方が、環境政策が進んでいるかもしれない、と思い、情報収集をすることにしたのです。

最初に訪れたのは、デンパサールのスウン・カウというところにある、マングローブ林でした。(写真上)

ここには環境局の支所があり、以前は「マングローブインフォメーションセンター」という名前だったらしいのですが、今は「気候変動と森林火災対策センター」という、名前に変わったそうです。突然訪問したにも関わらず、スタッフ(クトゥット・グデさん)は快く私たちを迎えてくれました。

Pak I. Ketut Gede Santi Budi yang staff Dinas Lingkungan Hidup dan Kehutanan Provinsi Bali..

ここのマングローブ林は、1992年からJICAが現地の森林省と協働で、リハビリテーションプロジェクトを行ったそうです。

1373.5hのマングローブがあり、中には天然林もあって、今では植林木も天然木と見分けがつかなくなっています。

JICAが植林プロジェクトを始める前は、マングローブ林は住民によって塩づくりの薪にするために伐採されたり、エビを養殖するために切られたりしていたそうです。

2001年にマングローブインフォメーションセンターができマングローブ林が育ってきて、住民はその恩恵にあずかるようになりました。

恩恵とは何か、聞いたところ、「井戸の水が飲めるようになった。(以前は塩っぽくて飲めなかった)」「海からの風が遮られるようになった」「潮が上がってこなくなった」「鳥がたくさん生息して、害虫を食べてくれるようになった」「エビやカニ、魚が増えた」「マングローブ林にプラスチックごみがひっかかって、海に直接流れて行かないようになった」という答えが返ってきました。

ごみと言えば、センターに入る前に川とマングローブ林の境目のところに溜まっていたプラスチックごみがありました。

JICAは植林をしただけでなく、住民の教育を行い、マングローブの生態・機能などについて伝えたそうです。

センターの中には、マングローブインフォメーションセンターのなごりで、見ごたえのある展示が並んでいました。

(マングローブの呼吸根)

インドネシアにはめずらしいパネル展示です。(こういう施設が全般的に整っていないため、展示を見て学ぶという機会が圧倒的に少ないインドネシアです)

展示物は、英語とインドネシア語が併記してあります。さすがJICA(つまり日本人)が監修しただけあります。

バリ島のどこにマングローブ林があるか、示した地図です。緑色になっているところがマングローブ林があるところで、思ったより少しでした。

翌日は、レンボンガン島(上の地図の右下の丸い形をした島の左上にある、なめくじのような形をした大きいほうの島)にでかけました。

バリ島の、サヌールの港からスピードボートで40分くらいでしょうか。波が高くボートが跳ねて進んで、あやうく気分が悪くなるところでした。レンボンガン島の港に着いて、バイクでマングローブがあるところまで向かいます。

たどり着いて、カヌーに乗ろうとしましたが、ボートの方が船頭さんにいろいろ質問できるから、ということで急きょ変更。

目の前を、団体さんが通り過ぎていきます。観光地ですね。

マングローブ林の中を進みながら、船頭さんにいろいろと質問をします。

聞いてみると、ここのマングローブは天然のものだそうです。船頭さんが子供のときからあったそう。

昔は伐採もしていたけど、今は国の管理になり伐採は禁止されて、住民はマングローブ林を観光に活用している、ということでした。

プラスチックごみが見当たらないなあ、と思って川のことをたずねると、この島に川はないよ、ということでした。

なるほど。川がないから、川から流れてくるごみがひっかかることはないのか、と思いました。

逆に海の方から漂ってきそうな気もしましたが、見たところごみは見当たりませんでした。

それにしても、ずいぶん立派なマングローブです。

ここでは、植林などはしたことはない、と船頭さんは言っていました。

さて、港に帰る前に休憩です。

飲み物を頼むと、太いストローと共に出されました。ん?(奥は、具合が悪くなった現地スタッフのお腹です)

なんとこれは、バンブー(竹)ストローではないですか!

店の奥さんをつかまえて話を聞いてみると、もう6年前からこのストローを使っている、とのこと。

数回は洗って使っているそうです。ほほぅ。

店から出るごみのことを質問してみます。

Q「ごみ回収はありますか?」⇒A「以前はあったけど、今はなくなってしまった。なくなったというか、料金が跳ね上がってとても利用できないから、自分で捨てに行っている」

Q「どこに捨てに行っているのですか?ごみ埋め立て地(最終処分場)?」⇒A「そう。ごみ埋め立て地までバイクで片道20分。片手にごみ袋を持っていくから、疲れて途中で休憩するの」

往復40分かけてごみを捨てにいくなんて。そんなに良心的な人ばかりではないでしょう。

いったいこの島のごみの管理はどうなっているのか、と思いました。

実は、今回バリ島では5月末にバリ州環境局に行く予定でした。デンパサールのごみ埋め立て地も訪問させてほしい、とお願いの文書も送っていました。ところが、数日前に確認すると、その日から事務所はイドゥル・フィトゥリ(イスラムの断食明けのお祭り)の休暇に入る、と言われました。

訪問の1か月前に、現地スタッフが事務所を訪問して直接お願いしたときは、そんなことは言っていなかったのに。

依頼文書を送って、スタッフが事務所に電話をしたときには、「かけ間違いよ」と3回くらい電話にでた女性に言われたそうですが、公式なレターに書かれた電話番号が間違っている、ということがあるのでしょうか。

しかし、そんなことでめげてはいけません。

日本に帰る前に、再チャレンジ(事務所訪問等)をする予定です。

(山)

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