4月上旬にゆいツールはロンボクで活動してきました。
今回も、現地のJICA協力隊員(環境教育部門)にコーディネートしてもらいながら、充実した活動となりました。
今回は、開発したごみについて学ぶオリジナルプログラムを中学生や関係者に体験してもらったり、ロンボクのごみの現状を見学したり、自然に親しむ公園を訪れたりしました。
ごみの現状は、マタラム市の清掃局を訪れて話を聞いたり、市がごみを埋め立てている場所(TPA)を見学したり、サーフィンスポットの海に浮かぶごみをボートに乗って見に行ったり、さまざまな角度から深く知ることができました。
まずはこの写真から。(ごみの埋め立て地:TPA)
インドネシアでは、行政が集めたごみは焼却されないで、そのまま埋め立てられます。
ごみを拾って生計を立てている人たちが、この場所だけでも70人くらいいるそうです。
ゆいツールが開発したばかりのプログラムを、プラヤ市にある中学校で試してみました。
「今日、なにかごみを捨てた?」
「捨てた」
「どんなごみ?」
「プラスチック!」
「プラスチックのどんなごみ?」
そんなやりとりから始まり、ごみには「土に入れるといずれは消えてしまうごみ(オーガニック)」と「土に入れてもいつまでも消えないごみ(ノンオーガニック)」があることをコンポスト写真で確認してから、ごみ分けゲームを行いました。
子供たちは、ごみを2種類に分けることができても、実際には学校のごみは未分別で捨てられているそうです。
それは行政側の対応が追いついていないから。
プログラムを広めることと併せて、ごみの分別処理を進めていかなければ、ロンボクのごみを減らすことはできないと思いました。
こちらはロンボクの海。
そして、ごみ・・・。
グルプックというサーフィンポイントの町に住む日本人夫妻に、ボートを出してもらい海のごみの様子を見学しました。
ここ1年くらいで、急に波間を漂うごみの量が増えた、と夫妻はおっしゃっていました。
あまりに海が汚くなるので、ボートを出すたびにごみを拾って帰るそうです。
グルプックでは、行政のごみ収集の手が回らず、過去には民間団体によってごみ箱の設置とごみの回収が試みられたこともあったようですが、今は機能していません。
どんどん汚れていく海を、悲しそうに見つめる夫妻の様子が心に残りました。
そしてメインの活動は、行政担当者(環境局や教育局のスタッフ)、学校の先生、NGOスタッフを対象としたワークショップの開催です。
1月に引き続いて集まっていただいたみなさんに、開発したばかりのプログラムを体験してもらい、どんな場所で使えるか、どんな改善が必要かグループで意見交換をしてもらいました。
プログラムそのものは、みなさん好意的に受け止めてくれました。
小学校・中学校で使える、という声が最も多く、あとは字の読めない人たちにごみの捨て方を説明するときに使える、という声や、主婦対象でもできる、という意見もありました。
ワークショップの終盤で、参加者同士の意見交換が一部エキサイトし(ネガティブ思考の行政担当者と、ポジティブ思考でごみ商品を開発しているNGOスタッフの意見が対立し)、ロンボクでのごみ問題をめぐる現実の一端を垣間見た気がしました。
ゆいツールは、8月にまた現地を訪れ、プログラムの使い方トレーニングを各地で行っていく予定です。
それと同時に、ロンボクでも一部始まっている≪ごみ銀行≫を発展させてごみ問題の解決に、一歩でも近づきたいと考えています。
次回のブログは、≪ごみ銀行≫についてです。
(山)
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