ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

持続可能な観光について考えよう!ワークショップ開催 in Lombok

2022年01月30日 | ★2021年度(ロンボク)

1月上旬に、東ロンボクのギリ・ランプという観光の村で、マングローブ林の持続可能な観光利用について考えるワークショップを開催しました。

この村では、すでに2回コンポストづくり講習会を実施しています。(9月の講習会12月の講習会

ワークショップの様子はこちら(YouTube:ただしインドネシア語)。

(ビデオの最後では、ギリ・ランプのマングローブ林観光地の様子を紹介しています)

★他の場所でのワークショップの様子(バゲッ・クンバール南レンバール村

WORKSHOP PARIWISATA MANGROVE BERKELANJUTAN GILI LAMPU OLEH YUI TOOL ⇒Video kegiatan

(ディスカッション1の共有の様子)

これは、ロンボクのマングローブ林の保全と持続可能な観光利用について、村の人たちと一緒に取り組んでいく第一歩として開催しました。

参加者は、KPPL(Komite Pengelolaan Perikanan dan Laut←観光管理グループや漁業組合などの住民組織の集合体のようなもの)のメンバーやガイド、漁師など19名でした。

ワークショップの構成は以下の通りです。

ファシリテート(司会)は、ボランティアのティウィが担当しました。

「持続可能な観光について考えよう!」

1月14日(金)14:00~16:30

1.「持続可能な観光ってなんだろう?」プレゼンテーション(ティウィより)

・ツーリズムとは?

・マングローブ林は観光地に最適!

・多くの村人が考えるマングローブ観光とは

・紹介:日本のマングローブ観光の発展→西表島の事例と沖縄東村やんばる自然塾の事例

・マングローブ観光の失敗事例(ロンボク)

・観光地によくある問題(インドネシア)

・観光をサステイナブルにするということ

2.「マングローブ林観光を持続可能に発展させるために必要なことは?」

 【ディスカッション1】

 Q1.「あなたの村の近くのマングローブ林に、観光客を呼ぶためにできることはなんですか?それらは、次の誰ができますか?」

 地方自治体や州政府、村役場、民間企業・民間団体、地域住民・子供たち、旅行者…

 ●マングローブ林環境教育の好事例(沖縄)の紹介

 オリジナルビデオ教材「マングローブ・トレッキング」「マングローブ・カヌー」(ビデオはインドネシア語の字幕つき)

 【ディスカッション2】

 Q2.「ビデオから学べたことはなんですか?」

1月15日(土)9:30~11:30

3. サステイナブル・ツーリズム(持続可能な観光)の国際基準の紹介(ティウィより)

 【ディスカッション3】

 Q3. 「次のテーマについて、持続可能な観光として発展させるにはどうしたらいいか考えてみよう」

  • カフェやレストラン
  • カヌープログラム、トレッキングプログラム
  • 管理団体の設置

ワークショップの冒頭で、KPPL代表のスヤントさんがあいさつをしました。(写真上、青いシャツの男性)

最初のティウィのプレゼンが終わると、スヤントさんからいくつかの質問やギリ・ランプ観光地の課題について提示がありました。

マングローブの植栽方法について、マングローブの活用方法について、観光客が食べ物を持参して観光を楽しんだ後ごみを投げ捨てて帰ることや、行政によるごみ収集のサービスの欠陥についてなど。

いくつかの質問は、ゆいツールのボランティアには答えることのできないものでしたが、それでも今までゆいツールの活動の中で学んだことを思い出しながら、参加者に情報を提供しました。

次に、3つのグループに分かれてディスカッションを行いました。

Q1.「あなたの村の近くのマングローブ林に、観光客を呼ぶためにできることはなんですか?それらは、次の誰ができますか?」

地方自治体や州政府、村役場、民間企業・民間団体、地域住民・子供たち、旅行者…

(ワークシートへの記入の仕方を教えるオパン。中央帽子の男性)

ディスカッション後、女性のグループからは、観光の発展に必要なのは、マングローブをもっと植栽し管理することと既存の施設の改善、ソーシャルメディアの促進、パンフレットの作成、そしてお土産などの商品販売に関するトレーニングであるという意見が出ました。(村役場、地域住民、子供たちが関わる)子供たちはマングローブの植林をしたり、マングローブの生態について学んだりしてほしい、と女性たちは考えていました。

次のグループは、ルディというガイドが発表しました(冒頭の写真)。内容は、マングローブの手入れが必要だということ、水上レストランの建設やレストランへ海岸線からトレイル(道)を引くことで観光客を引きつけられるということなどです。(村役場や地域住民が関わる) 

ルディさんの発表はとても面白かったので、みんなが楽しく笑いました。

最後のグループはダウドさんが発表しました。トレッキング、カヌー、ショップ、養殖池(エビや魚、貝などを養殖)などをツアーパッケージとして提供すること。(政府、投資家、地域住民、その他の機関からの協力が必要) また、自然学校などを作って、環境保護のあり方を児童に教える必要があるということ。 ダウドさんはまた、持続可能な観光のために、すべての地域住民の意識改革が必要であると訴えました。

(発表するDaudさん)

さて、ディスカッション1の後は、ゆいツールが制作したオリジナルビデオ教材(「マングローブ・トレッキング」「マングローブ・カヌー」)を鑑賞しました。

これは、10月に沖縄を訪問した時に体験した、やんばる自然塾のマングローブ・トレッキングと、マングローブ・カヌーの様子を字幕付きで紹介したものです。

私は、どうしても良質な日本の環境教育プログラムをロンボクの人たちに紹介したかったのです。

ビデオを見て、女性グループのエルナさんとデウィさん(写真上の中央のふたり)からは、ガイドがマングローブやその生態系などについて豊富な知識を持っていることが重要だと気づいた、と発表がありました。

ルディさんのグループからは、「沖縄のマングローブとギリ・ランプの観光を比較して、ギリ・ランプの方がサンゴ礁もあって観光のポテンシャルは高い。でも、ギリ・ランプのマングローブ観光にはマングローブ林へのアクセスの点で欠点がある。(ボートで海を渡らなければ見られない)そして学校の子供たちの関与はない」と発表がありました。

ダウドさんのグループからは、「沖縄のツアーガイドのように、マングローブについて説明できるようになるためのトレーニングが必要である」という意見がありました。

その後、スヤントさんが「マングローブ・トレッキングを提供したいが、コンクリートを使うと自然にダメージを与えるのではないかと心配している。沖縄のように海水に強いトレッキングルートを作るには丈夫な木材が必要だ。」「ギリ・ランプには、ツアーガイドトレーニングが必要である」と述べました。

1日目はこうして終わりました。

2日目は、サステイナブル・ツーリズムの国際基準を紹介し、ディスカッション3を実施しました。

細かなことはここでは省略します。

(ディスカッション3の様子。赤い帽子はマデ)

(グループに入ってディスカッションするスヤントさん。中央)

(サステイナブル・ツーリズム国際基準の資料をスヤントさんに渡すティウィ)

今回、持続可能な観光について村の人たちと一緒に考える中で、ゆいツールのボランティアたちにとっても様々な学びがありました。

いくつかの小さな失敗や準備不足があったにせよ、今回は思った以上にスムーズにワークショップを開催できました。

それはひとえに、KPPLのメンバーの真面目さと、わりと整った施設のおかげだったのでは、と私は感じています。

もちろん、ファシリテーターを務めたティウィと、それをサポートしたトゥリスナの優秀さにも助けられました。

そして、何度も現地に行って調整したマデとルス。当日いろいろな準備やグループワークを手伝ったオパン、コマン、パティ。

7人が力を合わせて2日間のワークショップをやり遂げました。

この活動は、来年度へ続きます。

また、2月上旬には、西ロンボクで同じワークショップを開催する予定です。

1回目の経験を、2回目のワークショップに生かせるよう、ボランティアたちに期待しています。

(山)

(全員集合!)

※今回、報告書(原文)は8ページにわたるので、掲載は省略します。

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