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【希望 行動する人々】希望はどこにある?

2009-08-15 22:04:58 | Weblog
希望―行動する人々 (文春文庫)
スタッズ ターケル
文藝春秋

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【希望 行動する人々】希望はどこにある?

「希望 行動する人々」(文春文庫)は、ピューリッツア賞受賞したスタッズ・ターケル氏の「HOPE Dies Last」の翻訳書である。

タイトルを直訳すると「希望が死ぬのは最後」。「どんな状況でも、希望は最後まで死なない」という強いメッセージが伝わってくる。

この本は、ターケル氏が、米国でさまざまな活動をおこなっている人に会って、インタビューしたものをまとめている。例えば、ホームレスの支援者、上院議員、大学労働者の地位向上の活動家、米国に政治亡命した人、元アルコール依存症患者などなど。彼らは、自らの生い立ちや、活動を始めたきっかけ、活動の内容、そして希望について語る。

「希望とは、何か?」というターケル氏の問いに、それぞれが自身の考えを話している。

なかでも、私が興味をひかれたのは、食糧問題専門家のフランシス・ムーア・ラッペ氏の言葉だ。

『私たちが旅の途上で出会った人々は、世界中で最も希望に満ちた人々です。でも、それは、その人たちが「もちろん私たちは自分たちがこの闘争に勝利を収めることを確信している」と言うからではないのです。そうではなく、きわめて不利な状況に挑んで毎日行動を続けることで、彼らは希望を実感しているのです。彼ら自身が希望なのです。彼らは希望を探しているのではなく、希望はそこにあるのです。』

希望は、少し先の将来に存在して、人々がそこまでたどり着くまで待っていてくれるものではない。

希望は、問題や困難のある環境のなかで、それらを少しでも改善しようと動き出す人々がその手に持っているということだ。

「希望がない」などと言うのは、自分が行動を起こさないことを、第三者に責任転嫁したり、言い訳しているだけなのだろう。

さて、私自身は希望を持っているだろうか?と考えてみる。
大きな声でアピールするような事柄はしていないが、まったく何も行動していないというわけでもない。小さな事柄でも行動を積み重ねて、希望を膨らませていけるだろうか。
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