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生きるために人は夢を見る。 |
クリエーター情報なし | |
A-Works |
「写真って、撮影した人の魂が入るよね」。
友達が言ったのか、私自身が言ったことだったかは忘れてしまいましたが、写真を見ていて、本当にそう感じることがあります。
「魂」というと少し大げさかもしれませんが、「いいな」と思う写真には、撮影した人の気持ちが写っていると思います。
「生きるために人は夢を見る」(写真:林健次、文:林健次、伊藤史織、発行:A-Works)は、ボクサーとその周囲にいる家族、友人、関係者たちを捉えた写真と言葉の本です。
ボクシングというと、男っぽい、熱い、激しいというイメージが沸きますが、この本を読んで感じたのは、人の温かさ。
ボクシングを1つのスポーツを介して、つながっている人と人の姿が見えます。
互いに寄せ合う思いが見えます。
私が好きなのは、「ターニングポイント」として収められている話。
同じ世界を見ていても、これまでと違った世界に見え始めるような、視界をぐぐっと開かれるような、人と人の素敵な出会い、ふれあいがあります。
気持ちの「気」が入った写真と文章。
対象に真剣に向き合い、感じたことを飾らずに表現すると、こういう作品になるのかもしれません。