マネックスグループ代表取締役社長CEOの松本大氏と経営共創基盤代表取締役CEOの冨山和彦氏の共著です。
産業再生機構での冨山氏の活動を紹介したドキュメンタリーか何かを見て感動して、著書「会社は頭から腐る」を読んでまた感動して、福岡銀行が主催した講演を聴いて、著作と変わらぬ考え方とアグレッシブ&ふてぶてしい(いい意味で表現したいけど単語が思い当たらない)お人柄に、日本の現状をこの人が変えてくれるのではないかと期待をしたりしております。→「会社は頭から腐る」を再読しようとして部屋を探したけど。。ない。。いよいよ本の収納が臨界に達してます。
その方と松本大氏の共著ということで読んでみました。
一番残ったことは団塊の世代(というよりいまの40代後半以降かな)が若者のインセンティブを奪っているということ。非常に給料が高くて何をしているかわからないという人がいて、その人たちの職を守るために若者の職場が失われているというのは、たしかにそうだなあと思います。
そういう人たちは組織の意思決定をできる立場にいるから、自分たちを切るようなことはしないし、労働組合だって正規職員に辞めてもらいましょうなんてことは言いだしにくい。構造的に解決できない状況になっています。
しかし、この世代を十把一絡げにするのは抵抗があります。
何をやっているかわからなくてそれを疑問にも思っていない人と現場で黙々と地道に働いている人を年代だけで同じように括って議論はできないと思います。
確かに事務も製造の現場もOA化が進んで、いままでの業務は人がいらなくなっているので、先に就職した者勝ちというのは若者にとってはつまらない状況だと思います。
で、将来を考えると既得権を得ている人たちから権益を取り上げて、機会が与えられない人に機会を移していくというのはしなければいけないことだろうけど、いま一生懸命働いている人の意欲をそぐような議論は好ましくないのではないか。
議論はしなくてはいけないけれど、配慮は必要じゃないかなと思います。
自分なりに今の状況を考えると確かに既得権の話は大きな問題だけれど、その前提として一人ひとりの想像力が減ってきているのがもっと問題じゃないかと感じてます。
既得権を持っている人だっていつまでも権利があるわけではない。会社を退職したらすぐにでもなくなってしまうかもしれない。
それならちょっと想像力を働かして、自分たちに続く世代をしっかり育てていかなければならない。それでは何をするか。。。っといかなければいけないはずなのに、とりあえず今の生活のことだけを見てて考えることをしない。
みんなが今だけを考えていたら、今いい奴は良くて、今駄目な状況の奴はだめなまま。
一人ひとりがもっともっと考えていたら、そして行動したら今の状況は変わるんじゃないかなあと思っています。
それは人助けなんかじゃなく、将来の自分のためのこと。自分の将来像を想像できたら、危機感を持たざるを得ないのではないかなあ。
「情けは人の為ならず」・・「情け」っていうのはちょっと違うけど、人に何かをしていることが自分に返ってくるんだって思って、行動を起こしてもいいんじゃないかな。。みんな博愛主義になれるわけないし、自分のためって思えば何かできるんじゃ。。。
それでは何をするか。。人を育てることだと思います。たいそうなことではない、自分の経験で学びとったこと、自分が人よりちょっとでも優れていることがあったらそれを伝えること、自分以外の人に良くなってもらおうと何かをすることが今必要なんじゃないかなあと思うんですけど。
このことは、自分が何をできるかも含めて、じっくりと考えていきたいと思います。
本の話ではなくなったけど、この本のような話はお二人と同じような年代の方々がよく書いておられて(最近の傾向かなあ)、やはり日本のことを考えると何か発信しないといけないと思われているのかなあと感じてます。