本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「ルポ貧困大国アメリカ2」堤未果著

2010-05-02 10:02:34 | 本・雑誌、読書
勢いで第2弾も読んでみました。
第2弾はオバマ政権下でアメリカが変わっているかどうかを検証する意味があったのでしょう。

オバマ政権下でも状況がほとんど変わっていないこと、そのため「チェンジ」を求めた国民の間に失望が拡がっているという内容でした。

はっきり言って二匹目のどじょうを狙った本だなあと・・

他の本ならともかく大企業を批判する内容を書いていながら、大手の岩波、それも一般人が手に取りやすい新書版で続編を出すというやり方が本の価値を殺してしまったと思います。

最初の本を読んで、きめ細かな取材から見えてくるアメリカの現実にショックを覚えて、
どうすればこの状況を変えられるか、自分にでもできることがあるのかと思っていたのに、

問題を提起した著者はちょっと追加取材をした第二弾でお金を稼いでいる。

結局最初の著作も有名になるためのステップに過ぎなかったのね・・なんて感じてしまうのです。

世界中、どの国でも信じられない出来事が起こっています。
例えば普通の人が平和に暮らしている日本だって、餓死をする人がいたり、信じられない労働条件で働いている人がいたり・・

それを誇張して、この国はシステムがうまくいっていないんだと主張しても何の解決にもならない。

有史以来、理想の国は存在していないとはよく言われることですが、我々がやっていることは、それがわかっていても少しでも理想の社会に近づく努力ではないかなあと思うのです。

そんな時に、悪い面を大きく取り上げて危機感ばかり煽り、じゃ何をするのかを提案もせずに、自分だけさっさと安全なところに逃げ込む人が如何に多いか。

分析や批判はもういいよ、じゃあどう動くの? 
あなたは何をするの? 
私はこうしようと思うけど、あなたと組めるかな?

崩れゆく社会を傍観するのではなく、自分でできることに着手するために、その勇気やヒントを与えてくれるもの。

自分が求めているものはそんな本なんですが、残念ながら自分にとってこの本はそんな本になりませんでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする