本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「美しく怒れ」岡本太郎著、岡本敏子編

2011-09-17 10:34:33 | 本・雑誌、読書
秀逸の芸術作品を残された岡本太郎氏が1990年代までに書かれた文章を新書化したもの。

天は二物を与えずというけれど、精緻で、しかし妖艶な美しい日本語が並んでいて、美術に優れた岡本さんの卓越した文才を感じます。

いまの日本人が忘れかけているものを鮮やかに描き出しています。
日本人であって良かったと思い、日本人であることに責任を感じさせてくれます。

しかし、逆に世界の中の日本=世界の国々があっての日本であること、国に優劣はなく、どの国に対してもまずその国の良さを見ていくべきとも思われてくれます。

違いを違いとして理解し、その価値を認めるながら、自分が生まれた国について客観的に、時には主観的に考える時間を持ちたいなあなどと感じたりして・・

「怒り」というキーワードでいまあるべき私たちの姿を考えさせてくれるこの本は、「誇り」とか「強い」とかいう言葉で日本を表現している最近よくある本の薄っぺらさを感じさせます。

会う人ごとに「読んでみて!!」と勧めたくなっています。

嬉しいことに
ビジネスブックマラソンを主催される土井英司さんが早くも「ビジネスブックマラソンメルマガ」取りあげておられ、本屋のたくさんの本の中でこの本を取った自分、たくさん読んだ本の中で残しておきたい本だなと思っている自分の感性もまあ間違っていないかなと思ったりもしています。

土井英司さんプロフィールページ

ビジネスブックマラソンをちょっと引用させていただいて・・

『いわく「憤り、己れをつらぬき、表現することこそ、最も純粋な人間の証しである」。

著者はまえがきでさらに、こう説いています。

「私は今日、憤るという純粋さを失い、怒るべきときに怒らないことによって、すくみ合い、妥協し、堕落している一般的なずるさと
倦怠が腹立たしい。世の中が怒りを失っていることに、憤りを感じるのだ」

確かに、最近の社会を見ていると、言うべきことを言わず人間性を失っている例がどれほどあることか。

ネットが普及し、叩かれることを恐れることで、ますます人々が萎縮し、積極的な活動が妨げられていると感じています。

それがビジネスであれ、芸術であれ、新しいことを始める時は、決まって「憤り」が原動力になっているもの。

政府への不満、現状のサービスへの不満、商品への不満…こうしたものが社会を発展させるとしたら、憤りを失った社会が勢いを失っても仕方ないのかもしれません。

仮に社会が受け入れなくても、自分だけは静かに燃えている人間になりたい。
そんな起業家精神あふれる人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。』

特に私がおおっと感じるのは、

この本が人全般のこと語っているにも関わらず、「起業家」・・何か新しいことを始める人が読むべき本だと私も感じたこと。

土井さんメルマガの最後あたりを読んで、ああやっぱり同じように感じるんだなあっと・・

このブログを作成中はまだレビューが掲載されていませんでしたが、もうすぐ載ると思います。

「ビジネスブックマラソンのバックナンバーズ」2011年9月16日です。
「ビジネスブックマラソン レビュー」


コメント
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