本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「僕がアップルで学んだこと」松井博著

2012-07-21 07:09:49 | 本・雑誌、読書
1992年から2009年までアップル社で働いた松井氏が、アップルでの体験を通じて考えたこと、体得したことを書かれた本です。

スティーブ・ジョブズ氏が復帰する前のアップルとその後、ジョブズ氏がトップに就いてからのアップル社内の変貌は、けしてうまくいっていない日本、我が地域、我が組織にもカリスマ的リーダーが現れてくれないかと願ってしまうくらい劇的です。

しかし、ジョブズ氏本人が終始優れたリーダーシップを発揮して、一人で頑張ってたわけではないということもわかりました。

ジョブズ氏復帰前のアップルは、「完全に『船頭のいない船」と化していました。」と書かれています。
それをジョブズ氏復帰前のCEOギルバート・アメリオ氏が組織の改革を始めて、ジョブズ氏が完成させ、腐ったアップルを蘇らせた。
社員が働きたくなる仕組みを取り戻した。

天才的なひらめきを持つジョブス氏がいて、組織もそれに応えた。

天才がいなくても組織さえ蘇れば、アップルほどの成功はなくても、いい仕事を世に出せる組織になるんじゃないかと期待してしまいます。・・組織を蘇らせるところに卓越した発想と強力なリーダーシップが必要なんでしょうけど。。

それはさておき。。

企業の経営方針とかの大きな話だけでなく、製品開発を行う際の思考方法のようなものだとか、社内政治とか上司との付き合い方だとか、組織で働く上で考えるべきがだいたい出ています。いま自分が悩んでいることについても当てはまるところがあって、アップル社(比較するには立派すぎるかもしれませんが・・)と自社の比較をしてみたら、気付きがあるかもしれません。

成功しているモノに共通に感じる「方向性を示してやる気にさせる・・というよりやってもらう」「それを継続させるものを仕組みとして織り込んでいる」がこの本からも感じられました。

若手が松井さんいい経験してよかったよねって読むんじゃなくて、経営者やそれなりに会社を動かせる人が読んで、若手の方々に松井さんと同じような経験をさせてあげて欲しいなって思いました。
単なる経験談として読むか、自組織と自分を変えるヒントを与えてくれる本として読むか。。


コメント
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