本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「デフレの正体」藻谷浩介著

2012-09-23 18:21:47 | 本・雑誌、読書
ちょっと前のベストセラーで、既に評価が固まっているようですが、最近、職場の幹部職員研修の講師をされ、受講生の聴講態度が悪いと講演を中断して、ほとんどが年上の受講生全員に苦言を呈せられたという話を聞いて、本棚の中に読まずに置いていた本を引き出して読んでみました。

ちなみに参加必須の研修で居眠りをしていたり、途中退席をしてしまう方は非常に問題で、やむをえない事情があった方が仕方ないとして、幹部がそれ?っていう我が組織も情けないですし、講師に対して大変失礼でそれはお詫びすべきことでしょう。

しかし、熱心に聴いていたものもいたでしょうから、講演を中断するっているのは、全国区で活躍している方であれば、地域の名もない職員、しかし組織の中では重要な地位を担っている、しかも年上の者に対して、許されるのかな~ってちょっと疑問を感じるところです。。

なによりも・・私もいろいろな講演を聴いていますが、おもしろい講演だと、講演に惹きつけられて、息もつけないくらい集中するけど・・(笑)

さて、内容について、以上のような先入観があるじゃないと思いますが、主張がどうこうの前に非常に不愉快。

全体を通した主張は、「日本経済の問題は、生産年齢人口の減少に問題がある。」ということだけれど、随所に高齢者人口激増の問題も語られていて、高齢者はお金を使わない、内需に貢献しない・・。それで高齢者から若い世代への所得の移転・・などという話が多く、それは他でもよく聞く話ですが、この本の場合、それが非常に極端で、高齢者世代にはまったく期待していなくって、まるで高齢者は邪魔者。

そもそも話の中心は”内需拡大”。前半部分でGDPが拡大しても個人が豊かさを感じなかったと話していながら、結局内需拡大の話になるんですか?・・内需が拡大すれは若い世代の所得が増えて・・消費が増えて・・・いまの日本でそういうことが起こるのかなあ~

前半、中盤でデータの見方が違うとか、処方箋が違うと言いつつ、

では対策はとなると

高齢富裕層から若者への所得移転、女性の就労と社会参加、外国人観光客・短期定住者の受入・・もう言い古されたことでは?

それじゃその具体的対策は?となると・・ 

総論でこれをやればいいとわかっているけれど、各論に入るといろんな障害が多くてそれができない。

そこがいまの問題で・・

高みの見物、上から目線の本でした。


コメント
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