夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

今日はHL-79Eを再整備

2019-01-02 15:52:10 | Weblog
工房の放送用カメラのうち曲がりなりにも使える古ーい3管カメラを一台づつ電源を入れて動作確認をしました。HL-83は昨日改造したレンズを装着して簡単にレジ調整しましたが今日改めて調整してOK。HL-79D(某社から寄贈された物)はレジがしっかり合っていてきれいな映像が出ることを確認。次は昨年Rchの調子が悪くて撮像管を交換したIkegami HL-79Eです。まあまあの絵は出るのですが、Rchが甘いのは改善されていませんでした。あのときはこんなものだろうとそれ以上追求しませんでしたがもっと改善できないかといろいろやってみました。このカメラは撮像管独特の映像が得られるのでどうしても使いたいんです。昔、日テレの全日本プロレス中継でHL-79D/Eが使われていました。ジャイアント馬場の全盛期です。

もしかしたら光学系に不具合があるんじゃないかとRchの撮像管ユニットを取り外してプリズムの表面をチェック。症状は画面全体にモヤがかかった感じです。

撮像管ユニットの取り外しは簡単です

観察すると一見きれいでしたがレンズクリーニング液と綿棒で拭いてクリーニングペーパーで仕上げました。

これで良くなればいいけど

この後撮像管ユニットを元に戻したのですがプリアンプを締め付けると画面が真っ暗になったりノイズの乗った映像になったりして不安定。撮像管を去年まで入っていた物と交換したりプリアンプを入れ替えてもダメ。
外した撮像管ユニットを老眼鏡をかけて見たら、なんとプリアンプと接続する4本のピンが曲がっていました。位置を確認しないで突っ込んだからじゃ。もうひとつのプリアンプもピンが曲がっていて、直そうとしたら折れちゃいました!

折れるかもと思ったらやはり

これがプリアンプのメス側。せっかく金メッキされているのに。そうだ、マニュアルの撮像管交換の項にピンを曲げないように注意って書いてあったような。

そういえば取り付けるときプリアンプが素直に収まらなかったなあ

でもあわてることはありません。部品取りの79Eから持ってくれば解決。部品取りを確保するのは旧車レストアと同じですね。ここで一息入れて考えました。HL-79EはR,G,B3本の撮像管が使われていますがHL-95と違って同じ型番です。ガラクタ箱から元のカメラでGchに使われていた撮像管ユニットを持ってきてこれを取り付けました。型番が同じなら大丈夫でしょう。もちろん今度はプリアンプのピンを慎重に入れました。

仮組みして電源を入れたらRchの映像は整備前より良さそう。コネクタを確認して撮像管ユニットも締め付けて完了。

とりあえずカラーバーを

撮像管ユニットは物理的に軸方向と回転方向の調整が必要なのでロックネジを緩めて調整。センタリングも大まかに調整。

いろいろ並行して作業を進めます

レンズに向かって右の側板を外すと様々な調整用半固定抵抗があります。本来ならマニュアルに従って調整する必要がありますが専用機材が必要なのであくまでも見た目で納得するまで調整します。聞くところ、池上でも今では3管カメラのレジ調整ができる技術者はいないそうです。

違うChをうっかりいじると収集がつかなくなります 経験あり

ここは何度も調整した経験があるので大体の手順はわかります。っていうか、自己流ですが。

正確に合わせるにはクロスパターンを重乗して云々ですが

この写真ではわかりにくいでしょうが可能な限りレジを追い込んだ結果です。

意外と楽しい作業です

今まで手をかけた内容は側板の内側にラベルで記録を残してあります。

記録を残すにはこれが一番

試しに外の風景にカメラを向けたら十分実用に耐える絵でした。やはりプリズムが汚れていたんでしょうか。プリズムだとしたらGchとBchは元から鮮明で問題ないのはどうして? もしかするとRchの撮像管は下にあるのでプリズムとの間に湿気がこもるのでしょうか、わかりません。念のため後で内部の隙間に乾燥剤を入れましょう。→夕食の後で百斤の除湿シート(中身はシリカゲル)を詰め込みました。
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