夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

動かない Canon Auto Zoom 814 Electronic の点検と対策

2019-01-14 16:46:33 | Weblog
息子が\108で買ったAuto Zoom 814 Electronicですが、帰って電池を入れてシャッターを押したら回りませんでした。想定済みの事態です。


このカメラは1972年発売、Canon の中級8ミリカメラです。サウンドフィルム以前のサイレント機ですがO/L機能が無いのとズームが8xですが上位の1014に勝るとも劣らぬ優れもののカメラです。


電池ケースの中が軽く腐食していてダイヤル式のスイッチがRの位置になっていたのが気になったのですが、これは典型的な故障のケースです。写真ではわかりにくいですがケースの中は電池の液漏れでぐちゃぐちゃ。これは電池ケースの端子をきれいにすればいけそうな感じ。定番のトラブルです。


割り箸の先に耐水ペーパーを貼り付けて電極をゴシゴシ。


次にティッシュペーパーにアルコールを浸み込ませて清掃。


ティッシュはこんな状態です。


カバー側も腐食して緑青が出ています。


これも耐水ペーパーで磨きました。


電池ケースの清掃が終わりました。電池を入れてテストです。何事もなかったように動きました!シャッターを押してRL(ランニングロック)。元気に回っています。


写真では動いているのがわかりにくいので駆動目盛り(これの正式名は知りません)をコンデジで撮りました。回っているのがわかるでしょう。


これで正常に動くようになりました。でもひとつ問題があります。当時のカメラはフィルムの種類に応じてフィルターを切り替える必要があるのですがこの頃のCanonはアダプターをねじ込む方式です。
タングステンタイプのフィルムを太陽光で使う場合はここは何もする必要がありませんが、ライトを使って撮影する場合はここにライトを取り付けるかアダプターを入れてアンバーフィルターを解除します。デイライトフィルムの場合もはここにアダプターを入れてフィルターを解除します。本来アダプターはカメラの付属品なのですがこのカメラは欠品です。


アダプターを使わない場合はカメラの底部の穴にねじ込んでおくのですがそこにもありません。


これが私が持っているCanon 1014に付いている正規のアダプターです。


どうしましょう。すぐに使うわけではありませんがこのままでは済ませません。手元に1/4"のボルトはありますがそれ突っ込んだんじゃあ見た目があんまりです。探したらチャチで使い道のない三脚が目に留まりました。このネジを使っちゃえ。


このネジを取り出してEリングを戻して


カメラにねじ込みました。ちょっと不恰好ですがこれで辻褄は合いました。折を見てもっとスマートなネジにするかオリジナルを元に安直な手ですがグルーガンで複製しようかなとまた余計なことを考えています。


いろいろテストしていて気が付いたのですが、1014はフェードアウト/フェードインが電動なのでこれも同じと思ったら手動でした。

最近リサイクルショップに昔の8ミリ機材が多く出回っています。おそらくお爺さんが昔使っていた物でしょう。当時は8ミリ機材は高価で金のかかる趣味でした。私も20代の頃は夢中でフィルムを回したものです。ボーナスが出たら一眼レフを買おうか8ミリにしようかなんていう時代があったんです。昔を知る世代としてはあの頃のカメラが\108っていうのは、なんともいえない気持ちです。ですから、このカメラを息子が買おうとしたのは偉いと思うし買っちゃえとそそのかした自分にもこれは保護しなきゃという義務感みたいな感情がありました。私の家に来て、きっとこのカメラも喜んでいることでしょう。
コメント
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