ゆるい感じで。

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困惑のサイラーグ【21】(ゼロシル)

2013-11-24 15:58:52 | 困惑のサイラーグ(ゼロシル/完)
注意!こちらはゼロス×シルフィールのカップリング小説です。妄想と捏造に溢れておりますので、苦手な方はお戻りください。
(`・ω・´)<最終回です!!
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──気付いた時には、全てが終わっていた。
魔族はいなくなり、荒野に一人残された私は、どくどくと鳴る心臓の音に、命が助かったことをぼんやりと実感していた。

「これで......終わりなのかしら?」
あまりにもあっさりと、彼は行ってしまった。最後まで飄々と。
──またどこかで。

「会いたくなんて、無いですわ......」
ふう。ため息が自然に漏れる。

座り込んでいた私は、土埃を足やお尻から払って立ち上がった。
街の方へ行かなくては。もしかしたら、人々が危険な目に遭っているかもしれない。

何年か前にコピーレゾと戦い、その後冥王フィブリゾによって占拠されたグラウンド・ゼロ地点。
気が付けば私はその中心に立っていた。
......この地はもう、魔族によって呪われてしまったのかもしれない。
──でも。
「サイラーグは、私がいる限り必ず守ります......お父様」
殺風景な荒野に呟くように誓うと、私は足早にその場を立った。

****************

「シルフィール殿っ!ご無事だったか」
魔道士協会に顔を出すと、サリマンさんが慌てた様子で出迎えてくれた。
「サリマンさん、何かあったのですか?」
「野盗じゃ。ここ最近街を荒らす輩が増えておる......今夜もまた何組か。腕に覚えのある者が迎え撃ちに行ったのじゃが...」
心配げに顔を曇らせたサリマンさんに、嫌な予感がした。
「それじゃあ早く私も行かないと......っ」
ゼロスとの話は後回しだ。街へ駆け出そうとした私を、サリマンさんが引き留めた。
「待つんじゃ。わしはそれよりも、もう一つ心配な事があるんじゃ」
「?」
サリマンさんに向き合うと、彼はさっきよりさらに深刻な顔をした。

「今日街の飯屋が商品全部食い尽くされる事があってな......見た目にも実に怪しい二人組が相手というので、戒厳令が出たのじゃ。魔族の仲間ではないかとな」
「魔族の、仲間...?」
ゼロスの仲間だろうか。しかし、彼はいつも一人で行動していたはず...。
「どんな二人組なんですか?」
「みょーちきりんな装束を着た背の低い魔道士の娘と、金髪の剣士の二人組じゃ。特に娘の方の人相が悪くて......シルフィール殿もお気をつけなされ」
冷や汗をかきながらそう続けたサリマンさんに、私は言葉を失った。

そして。
「......うふっ」
思わず笑い出しそうになって、私は口元を手で隠した。
笑いがこみ上げてくる。その中に、鼻の奥がつんとするような、熱い何かが混じっている。

「シルフィール殿?」
訝しげに尋ねてくるサリマンさんに、微笑みかけた。
「......その二人なら、たぶん大丈夫ですわ。それに、野盗の事も」

──リナさん、ガウリイ様。

彼らが来たのなら、きっと大丈夫。
そんな風に思えてしまうのが、自分でも不思議だ。

「何か知って......?」
彼の質問に答える前に、魔道士協会に若い男が飛び込んで来た。
「大変ですっ!野盗相手に若い娘と男が大立ち回りしてますっ」
「なんじゃとっ」
「それが昼間のあの二人組で......娘が火炎球やら魔法使って、色々壊れて大変なんです!」
「......」
私はサリマンさんと目を見合わせた。──ほら、言った通りでしょう?

話の続きを聞かずに、私は走り出していた。

希望が胸に溢れ出す。
「......当分、絶望なんてしませんわ」
──魔族、ゼロス。次会った時には覚悟してなさい!

きっと二人がいるであろう、街の騒ぎの中心に向かって、私は全速力で走ったのだった。


終わり

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更新ほんと遅くてすみませんでした<(_ _)>
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます!
もし少しでも面白いと思って頂けたら幸いです。
ではではまた次回!

次回はあとがき的なものか番外編が書けたらいいかな……?


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