原作準拠でガウリナSSです。
時系列は二部後くらい?短め。
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「ふうー、大漁大漁!」
宿屋の一室、あたしはその日買い込んだ戦利品をベッドに並べて悦に入っていた。
防具や生活必需品、魔道に入り用な薬等々。店のおっちゃん達との壮絶な値切り交渉によって、相場の半分以下で手に入れた物ばかりである。
「んふふ、あたしってば買い物上手よね~」
後でガウリイにも自慢してやろ。
隣の部屋で休んでいるであろう相棒を思って、あたしはくふふ、と忍び笑いした。彼の事だから、きっとこれらの品の値切る前の値段を聞いたら飛び上がって驚く事だろう。
かく言うガウリイは、途中まであたしの買い物に付き合っていたものの、三件目あたりで音をあげたのだ。
──まったく情けないったら。
「さてさて。まとめる物はまとめちゃってー、と」
ベッドに並べた物を用途別にざっくり分けていく。
その途中で、あたしはその中の一つに目を留めた。
「......あ」
それは、一着のゆったりとした貫頭衣。
普段あたしはあまり服を買わない。買うとしても、必要最低限に留めている。それは、そこそこ長い旅
をする中で、荷物を出来るだけ増やさないようにする為である。
だが、今日のあたしはその服を、完全に衝動買いしてしまったのだ。しかも、これだけは上手く値切る事が出来なかった。
淡いブルーと白い布地に、金色の刺繍が施されたそれ。
あまり、あたしが普段選ばない色合いなのだけれど。......そう、なぜかそれはとても魅力的に見えたのだ。
「なんでかしらね......?」
しばらくそれを見詰めて、鏡の前で自分と合わせて見てから、あたしはそれも他の荷と一緒にまとめて置いた。
「おーい、リナ! そろそろ飯食いに行かないかー?」
「あ、行く行くー!」
廊下から聞こえる声に、あたしは心持ち大きな声で答えてから、寝転んでいたベッドから立ち上がった。
せっかくだから、と買ったばかりの服を頭から被る。
──たまにはお洒落したって別に構うまい。今は仕事は受け付けていないのだし。
「おーリナ。......なんか、いつもと違う感じだな?」
部屋を出て、あたしを見たガウリイの一言。首を傾げる彼のその顔を見て、あたしは衝撃を受けていた。
......別に、ガウリイがあたしの服の違いに気付いた事に驚いた訳ではない。それもちょっと驚いたけど。
驚いたのは、その『色』だ。
金色の髪。淡いブルーの瞳。そして、彼のシャツの白と防具の青。
──......今のあたしの服と、同じじゃないっ!!!
今更、気が付いてしまった。
この服が妙に魅力的に見えた理由って......?
一つの理由に思い至って顔が赤くなる。
「リナ? どーした?」
怪訝そうな顔をするガウリイに、あたしは慌てた。
「が、ガウリイちょっと待って! あ、あたしちょっと着替えてくるっ」
「えー? なんでだ? それ似合ってるのに」
「......っ!!」
「ほら、さっさと行こうぜリナ」
にこりと笑って手を差し出した相棒の顔を、あたしはちゃんと見られないのだった。
時系列は二部後くらい?短め。
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「ふうー、大漁大漁!」
宿屋の一室、あたしはその日買い込んだ戦利品をベッドに並べて悦に入っていた。
防具や生活必需品、魔道に入り用な薬等々。店のおっちゃん達との壮絶な値切り交渉によって、相場の半分以下で手に入れた物ばかりである。
「んふふ、あたしってば買い物上手よね~」
後でガウリイにも自慢してやろ。
隣の部屋で休んでいるであろう相棒を思って、あたしはくふふ、と忍び笑いした。彼の事だから、きっとこれらの品の値切る前の値段を聞いたら飛び上がって驚く事だろう。
かく言うガウリイは、途中まであたしの買い物に付き合っていたものの、三件目あたりで音をあげたのだ。
──まったく情けないったら。
「さてさて。まとめる物はまとめちゃってー、と」
ベッドに並べた物を用途別にざっくり分けていく。
その途中で、あたしはその中の一つに目を留めた。
「......あ」
それは、一着のゆったりとした貫頭衣。
普段あたしはあまり服を買わない。買うとしても、必要最低限に留めている。それは、そこそこ長い旅
をする中で、荷物を出来るだけ増やさないようにする為である。
だが、今日のあたしはその服を、完全に衝動買いしてしまったのだ。しかも、これだけは上手く値切る事が出来なかった。
淡いブルーと白い布地に、金色の刺繍が施されたそれ。
あまり、あたしが普段選ばない色合いなのだけれど。......そう、なぜかそれはとても魅力的に見えたのだ。
「なんでかしらね......?」
しばらくそれを見詰めて、鏡の前で自分と合わせて見てから、あたしはそれも他の荷と一緒にまとめて置いた。
「おーい、リナ! そろそろ飯食いに行かないかー?」
「あ、行く行くー!」
廊下から聞こえる声に、あたしは心持ち大きな声で答えてから、寝転んでいたベッドから立ち上がった。
せっかくだから、と買ったばかりの服を頭から被る。
──たまにはお洒落したって別に構うまい。今は仕事は受け付けていないのだし。
「おーリナ。......なんか、いつもと違う感じだな?」
部屋を出て、あたしを見たガウリイの一言。首を傾げる彼のその顔を見て、あたしは衝撃を受けていた。
......別に、ガウリイがあたしの服の違いに気付いた事に驚いた訳ではない。それもちょっと驚いたけど。
驚いたのは、その『色』だ。
金色の髪。淡いブルーの瞳。そして、彼のシャツの白と防具の青。
──......今のあたしの服と、同じじゃないっ!!!
今更、気が付いてしまった。
この服が妙に魅力的に見えた理由って......?
一つの理由に思い至って顔が赤くなる。
「リナ? どーした?」
怪訝そうな顔をするガウリイに、あたしは慌てた。
「が、ガウリイちょっと待って! あ、あたしちょっと着替えてくるっ」
「えー? なんでだ? それ似合ってるのに」
「......っ!!」
「ほら、さっさと行こうぜリナ」
にこりと笑って手を差し出した相棒の顔を、あたしはちゃんと見られないのだった。
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