ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

貴方の青は(ガウリナ)

2016-03-06 21:21:18 | スレイヤーズ二次創作
ワンライ作品より再掲。
短いガウリナです~。※アメリア視点!

--------------------------------------

「――あのさ、青は青でも色々あるわよね」
 ふと、まるで何でもない事のように。たった今思いだした、とでも言うように。リナは今までの会話と関係の無い話題を、ぽろりとわたしに投げかけた。
 宿屋のおばさんが淹れてくれた紅茶にミルクを注いでいたわたしは、その突拍子の無いリナの発言に思わず首を傾げた。
「はあ?」
 夜、宿屋の食堂で寝る前に一杯、という時間である。一杯と言ってもお酒ではなく、わたしは紅茶でリナはココア。
 さっきまで明日以降の旅の予定を話し合っていたはずなのに。――それがどうして急に色の話?

 しかし、わたしの疑問に答えるような説明はなく、リナは話を続ける。
「いや、だから。海の青とか、空の青とか。海の青も碧がかってるのとか色々あるし」
 わたしはエメラルドブルーに輝く南の海を想像した。対して、北の海はさめざめと蒼い。
「そうねえ。……でも、赤だってそうじゃない? 夕焼けの赤とか、ルビーの赤とかあるし」
 そう指摘すれば、リナは考え込むように口元に手を当てた。
「んん、確かにそうね」
 ――一体どうしたと言うのだろう。

「……で、どうしていきなりそんな話?」
 尋ねれば、リナはココアに口を付けながら小さく笑った。
「いやあね、今日朝から暇だったからぼんやり考えてたんだけど」
「うん」
「ガウリイの瞳の色って、何の青かなーって……」
 明るいブルーだけど、単純に空色とも言えないわよね、なんて。ごく普通のトーンで問われて、わたしは目を丸くした。
 それから、声を上げて笑ってしまいそうになるのを必死で堪えた。
「……ふうーん」
「……なによ、その顔は」
「いいええ、別に? 暇だからって朝から一日ガウリイさんの事考えてるなんて、なんて愛情の深さかしら~、なんて思ってないわよ?」
 言って、にやりと笑ってみせれば、リナは目に見えて赤くなった。
「なっ…! べ、べつに深い意味はないのであって、なんとなく気になって……っ!」
 慌てて否定しようとするのがなんとも分かりやすくて、おかしい。――まったく、リナってばこういう所はお子様なのよね。
「はいはい分かってます分かってます」
「絶対わかってないでしょアメリアーっ!」
 わたしはムキになって騒ぐリナを宥めながら、わたしの瞳だって青なのに、なんて子供じみた事は言わないでおこうと決めたのだった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿