今朝の最低気温は予想ではマイナス3度でしたが、水戸気象台の記録はマイナス1.5度でした。昨日前半までは春が来たかと思うほどで、落差が大きいためか記録以上に寒かったのではと思います。梅の花もマイナス1~2度ではしおれることは無いようだが、今日の偕楽園ではことごとく花が元気がない。こうなるのには記録のマイナス1.5度の気温では起こらないのではないかと思う。他県の記録を見ると、東北地方では軒並み「最も寒い時期を下回る」気温です。また、新潟県の多くの場所ではもっと厳しく「今期最低気温」を記録していました。茨城県以南では山間部などを除いては2月中旬から下旬並みかそれよりも暖かかったのであります。その茨城で「もっとも寒い時期を下回った」のは北茨城、日立、古河、つくばです。水戸は記録の上では2月中旬並みですが、すぐ近くまで「最も寒い時期を下回る」記録があったということを考えると、記録には出ないがその冷たい空気が流れ込んだことが伺えます。水戸地方が一律に記録された気温ではなく、寒気が流れ込んで記録よりも冷えた場所、記録以上に冷えなかった場所などがあるということでしょう。そうでもないと、今日の偕楽園の梅の花の様子を説明できませんね。
ということで、咲き始めの品字梅の花を見て、偕楽園のこの場所では一時的にせよマイナス3~4度にはなったのではないかなと思ったりしています。品字梅はめしべがひとつの花の中に2~3本あることがよくあって、したがって実も一箇所に2個、3個ついていることがあります。この実がラグビーボールのような形をしていまして、1個所に3個ついた様子が、品という字に似ているので品字梅というそうです。この画像は05年のものです。
ところで、偕楽園の公式ホームページの梅図鑑には梅の種類が100種類近く載っていますが、品字梅が載っていません。そこで、品字梅はいかなるものかと、詳しい方にお聞きしましたところ、座論のことを品字梅とも言うとのことでした。私が知っている座論は白花ですが、赤花もあるのですね。そして、座論には花座論と実座論とあって、実座論は白花で立派な実がなるそうです。これは好文亭内にあるそうです。実が熟すころにも好文亭を見学して確かめてみたくなりました。
花座論は赤花で、偕楽園の藤棚の近くにあります。そして、この実がラグビーボールのような果肉の痩せた実をならせ、時に3個くっついていることがあります。3個くっついているとまさしく品の字に見えます。藤棚近くに2本並んで品字梅があり、さらに東門との中間地点にも1本あります。花をよく観察して、めしべが3本あるのをみつけたら、実が熟すころもう一度訪ねて、品の字状の実をご覧になってはいかがでしょうか。偕楽園では6月10日くらいには実を収穫しますので、6月初めまでがチャンスです。
品字梅、六名木、そのほかの梅の木が偕楽園のどこにあるか探すのには、速報偕楽園の梅マップがとても便利です。茨城新聞に今年は寅年ですから、虎の尾が注目されそうだという記事が掲載されたためか、虎の尾はどこにありますかという問い合わせも多いと偕楽園事務所でお聞きしました。この虎の尾も、速報偕楽園の梅マップにはちゃんと載っています。でも、今現在咲いているのは六名木として赤い文字で書かれたものではなくて、御成門左手の杉の木側と東門に近いNエリアの若い木です。 I エリアの虎の尾もまもなく咲きます。