庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

夜梅祭 よるうめまつり

2010年03月06日 | 偕楽園公園

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芝生にはキャンドルロードがあって、ライトアップされた好文亭へと続いているかと思われるような光景です。

2010_0306yoruumematsuri0113 偕楽園好例の夜梅祭が本日6日土曜日に行われました。水戸青年会議所の若さと知恵を出して、水戸の梅まつり実行委員会と茨城県観光物産協会が総力をあげての一大イベントです。

2010_0306yoruumematsuri0055 2010_0306yoruumematsuri0059 2010_0306yoruumematsuri0062 大杉の暗い森の中のキャンドルランタンは思い思いの文字を紙に書いてコップのキャンドルランタンに巻きつけて明かりをともします。

鬱蒼とした孟宗竹林のライトアップはとてもすばらしい光景です。2010_0306yoruumematsuri0085

吐玉泉がライトアップされて大勢の見物客が真っ暗な森に集まっていました。2010_0306yoruumematsuri0065

梅林は昼とはまたおもむきの違った美しさです。2010_0306yoruumematsuri0095

千波湖の七色に変わる大噴水を偕楽園の見晴らし広場から堪能できます。

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物産展や夜店も数多く出店されていました。私の梅の師匠のお店も梅祭り期間中は境内に出店しています。梅祭りが終わると、千波湖畔の植木市に移動します。その植木市の隣では映画「桜田門外ノ変」のオープンセットが公開されています。今年の偕楽園公園は例年とは何かが違います。2010_0306yoruumematsuri0120 


梅花の凍死  耐凍温度

2010年02月08日 | 偕楽園公園

今日の偕楽園の梅花は一見して元気がありません。寒さのために花びらがしおれているものがおおいためです。早咲きでかなり咲きそろった八重寒紅の花弁も鮮やかな紅色のものは少なく、薄茶色に変色してしおれているものが多い。他の梅の花がまだ咲かないうちは、きれいだとお客様を喜ばせてくれましたが、これからは、他品種の花が咲き出すと、実にみすぼらしく見えてくるものです。というわけで、八重寒紅の出番はまもなく終わります。

ところで、どんなに花びらがしっかりしていても、めしべが茶色に変色したり、すでになくなっている花が虎の尾などでたくさん見られます。これが凍死した梅花です。めしべはマイナス6℃くらいで凍死するそうです。品種によってもこの温度には差があるようです。柳川枝垂と玉英が並んでいますが、玉英のめしべは害をうけていません。画像は虎の尾です。めしべが凍って枯れてしまい、しおれためしべが残っています。多くの花ではめしべが落ちてしまって花に残っていませんでした。このようにめしべが枯れた花は、どんなにきれいな花びらがあったとしても死んだ花です。

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 ところで、樹木の枝はどのくらいの低温に耐えられるのでしょうか。樹木の種類にもよりますが、同じ固体でも、寒さに耐えるための準備ができているかどうかで違うそうです。夏の成長中の枝は全く準備ができていないので弱いそうです。秋口に耐えられるように変化しますが、この変化の過程によっても、真冬の厳冬期の耐えられる度合いがちがうそうです。つまり、温暖な地方での秋冷を体験されるのと、より寒い地方で体験するのとでは、より寒い地で体験したほうが強いようです。より寒い体験といっても、種類により体験する温度が違いますので、寒すぎる体験ではダメのようで、種類によって決まった温度があるようです。最強は柳などで、マイナス15度くらいの温度にある期間おいて準備させると、耐凍温度がより低くなって液体窒素にも耐えられるそうです。種類により違いがあるが、植物ごとに、ある期間、ある低温を体験することにより、さらに低い温度にでも耐えられるように植物体が変化するようです。つまり夏の成長モードから、準備期間を経て冬の低温にまでは耐えられる冬モードに変わるのですね。人も急に冷え込むと11月の気温でも寒くてやり切れませんが、真冬のいまごろに11月の気温になったら暖かいと感じ、現に1月のマイナス気温に耐えています。人も準備期間を経てより低い温度に耐えられるよう変化しているようですね。

そういえば、長崎から送っていただいた、トラノオスズカケはとても水戸の寒さに耐えられないのではと思いましたが、どうやら寒さの峠を越えたいまでも、屋外で葉を赤紫色にしながらも生きています。これは、水戸の寒さをはじめから体験したので、より低い耐凍温度に絶えられるように植物体が変化したのかもしれません。もしも、真冬になってから長崎から葉が緑色をしたままのを水戸へ連れて来たのだったら、急な寒さのために絶えられずに枯れてしまったかもしれませんね。また、もし水戸よりさらに寒い地方に連れて来られたとしたら、冬モードに変化する暇もないためにやはり枯れてしまったことでしょう。


品字梅

2010年02月03日 | 偕楽園公園

今朝の最低気温は予想ではマイナス3度でしたが、水戸気象台の記録はマイナス1.5度でした。昨日前半までは春が来たかと思うほどで、落差が大きいためか記録以上に寒かったのではと思います。梅の花もマイナス1~2度ではしおれることは無いようだが、今日の偕楽園ではことごとく花が元気がない。こうなるのには記録のマイナス1.5度の気温では起こらないのではないかと思う。他県の記録を見ると、東北地方では軒並み「最も寒い時期を下回る」気温です。また、新潟県の多くの場所ではもっと厳しく「今期最低気温」を記録していました。茨城県以南では山間部などを除いては2月中旬から下旬並みかそれよりも暖かかったのであります。その茨城で「もっとも寒い時期を下回った」のは北茨城、日立、古河、つくばです。水戸は記録の上では2月中旬並みですが、すぐ近くまで「最も寒い時期を下回る」記録があったということを考えると、記録には出ないがその冷たい空気が流れ込んだことが伺えます。水戸地方が一律に記録された気温ではなく、寒気が流れ込んで記録よりも冷えた場所、記録以上に冷えなかった場所などがあるということでしょう。そうでもないと、今日の偕楽園の梅の花の様子を説明できませんね。

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ということで、咲き始めの品字梅の花を見て、偕楽園のこの場所では一時的にせよマイナス3~4度にはなったのではないかなと思ったりしています。品字梅はめしべがひとつの花の中に2~3本あることがよくあって、したがって実も一箇所に2個、3個ついていることがあります。この実がラグビーボールのような形をしていまして、1個所に3個ついた様子が、品という字に似ているので品字梅というそうです。この画像は05年のものです。

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ところで、偕楽園の公式ホームページの梅図鑑には梅の種類が100種類近く載っていますが、品字梅が載っていません。そこで、品字梅はいかなるものかと、詳しい方にお聞きしましたところ、座論のことを品字梅とも言うとのことでした。私が知っている座論は白花ですが、赤花もあるのですね。そして、座論には花座論と実座論とあって、実座論は白花で立派な実がなるそうです。これは好文亭内にあるそうです。実が熟すころにも好文亭を見学して確かめてみたくなりました。

花座論は赤花で、偕楽園の藤棚の近くにあります。そして、この実がラグビーボールのような果肉の痩せた実をならせ、時に3個くっついていることがあります。3個くっついているとまさしく品の字に見えます。藤棚近くに2本並んで品字梅があり、さらに東門との中間地点にも1本あります。花をよく観察して、めしべが3本あるのをみつけたら、実が熟すころもう一度訪ねて、品の字状の実をご覧になってはいかがでしょうか。偕楽園では6月10日くらいには実を収穫しますので、6月初めまでがチャンスです。

品字梅、六名木、そのほかの梅の木が偕楽園のどこにあるか探すのには、速報偕楽園の梅マップがとても便利です。茨城新聞に今年は寅年ですから、虎の尾が注目されそうだという記事が掲載されたためか、虎の尾はどこにありますかという問い合わせも多いと偕楽園事務所でお聞きしました。この虎の尾も、速報偕楽園の梅マップにはちゃんと載っています。でも、今現在咲いているのは六名木として赤い文字で書かれたものではなくて、御成門左手の杉の木側と東門に近いNエリアの若い木です。 I エリアの虎の尾もまもなく咲きます。


月影

2010年01月27日 | 偕楽園公園

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偕楽園の橡門下の月影が咲き始めました。萼片が緑色で、花は月の桂とうりふたつ。完全に開花すると端正な五弁の花で、六名木のひとつです。でも最初に咲いたのは6弁です。おりしも、月がのぼってきていました。花と月のどちらにもピントを合わせるのは難しですね。カメラでは同時に花と月を撮るのには、絞りを大きくすればよいのでしょうか。デジカメには大きな絞りができません。そこで二枚の画像を張り合わせました。目にはこのように見えると思うのですが。


叡山白

2010年01月26日 | 偕楽園公園

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叡山白の名札が見当たらなくなって久しい。もともと名札のついていた木は中央の背の高い老木であった。06年ころかと思うが、画像中央のやや左のT型のつっかい棒の上で切られている太い枝(芯が空洞)が手前のほうに下がってきていて、手の届くところに花が咲いていた。翌年だったか、その枝が強剪定されてしまい、わずかないじけた花しか咲かなかったので心配していたら、その翌年にはこの太い枝全体が枯死してしまった。なにしろ老木を二分する太い枝の一方が枯れてしまったのである。

名札はその垂れ下がった枝についていたのであるが、強剪定された枝が枯死したときはまだあったと記憶している。枯死した翌年に現在のように太い部分から枝が切られるとともに、名札が見当たらなくなったと思います。今日の散策でふととなりの木を見ると、なんとその枝に叡山白の名札がついているではありませんか。この木にはもともと名札がついていなかったので、これまでは品種名がわからない木としてあまり注目していなかったのです。

本当の叡山白はどちらの木なのでしょうか。以前名札がついていた老木のほうではないかと思うのですがどうでしょうか。名札は当時のものとは字体が違うので新しく作ったものと思われます。こう堂々と名札がついていると、後で名札をつけたほうなのかと迷ってしまうのです。花を確認すれば、ある程度はっきりすることですが、老木のほうははるか高いところにしか咲きません。

でも、当時の花の画像が雑草のHPにかろうじて残っていました。梅図鑑の花とよく似ています。新たに名札をつけられた木の花はどんな花が咲くのでしょうか。やはり叡山白に似た花でしょうか。それなら叡山白が2本あるということで喜びひとしおです。咲くのが待ち遠しくなりました。


表門の緋の司

2010年01月23日 | 偕楽園公園

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偕楽園表門の外側の緋の司が咲き始めました。緋の司と命名されただけあってきれいな赤色の花です。この梅の木が観梅客にまず最初にご挨拶いたします。

偕楽園は2月20日からの梅祭りにそなえて、あちこちで工事や木の手入れなどが行われています。表門に通じる市道も工事中です。


香篆梅

2010年01月23日 | 偕楽園公園

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偕楽園の西梅林の江南所無の後ろにある香篆梅が咲き始めました。この木は枝がくねくねと曲がるのが特徴です。でも、曲がった枝は成長が悪く、放っておくと、まっすぐな徒長枝が出てしまうので、曲がった枝は枯れてしまいがちです。この木も例外ではなく、小さな曲がった枝があるだけで、徒長枝が勢いよく伸びています。この木の特徴をよく知った植木屋さんに剪定してもらいたいものです。


出番を待つ三兄弟

2010年01月21日 | 偕楽園公園

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偕楽園の表門を入ってすぐ左に曲がると、梅の苗木畑があります。そこに出番を待つ梅の苗木が植えられています。本園では見られないものもあり、出番が待ち遠しい。残念ながら、この場所は、桜や竹林に覆われて日照時間が少なく成長が遅いようです。また、ムクゲやロウバイの苗が多くなり梅の苗木が少なくなってきました。成長して本園に移されたのもあるからでしょうか。最近は「偕楽園公園を愛する市民の会」が「平成梅林」を作ろうと、好文橋近くに苗木畑をつくり、200種以上でしょうか大々的にやっておりますが、由緒ある本園の梅の木を維持するためにもこの場所をもっと活用していただきたいところです。


月の桂が咲く日を間違えて

2010年01月19日 | 偕楽園公園

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窈窕梅林の月の桂の一番花が咲いていました。厳寒の5日間の間に咲いてしまったようです。花弁が凍って老けてしまったように見えます。梅の花弁は最低気温が少々マイナスになっても傷むことはないが、マイナス5℃もの日が続くと痛みます。蕾は大丈夫です。打撃の大きいのは開ききったもので、半開きのものも程度は小さいが傷みます。おそらくこの花は半開きの状態で寒波に痛めつけられたのでしょう。

月の桂は六名木の月影とうりふたつの端正なはなです。花弁のすきまから萼の緑色が見えています。そのため花底の薄い橙色以外は花が青白くみえますので、木全体も真っ白な花が咲いているようです。他の多くの梅花は萼片が赤茶色をしているので、白い花弁の花でもすき間から赤色が見えたり、花の裏側は赤い部分がありますので、木全体としては花が赤味を帯びて見えます。

月の桂と月影の見分け方は、開花後も苞が残るのが月影とされているということです。で、偕楽園の月影、月の桂を見てみますと、どれも苞が残っているようで、勉強の足らない雑草にはわからないです。


寒さに耐えられない梅花

2010年01月19日 | 偕楽園公園

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偕楽園の梅花は南崖の一部を除いて寒さに耐えられないで花びらがしおれてしまいました。これは南門外側、梅桜橋との中間にある早咲きの八重冬至です。開いてしまった花しおれてしまい、開きかけの蕾は困っています。

水戸の1月の最低気温はプラスが2日あったのみ。これも1℃未満です。もう12日間続けてマイナスです。特に最近5日間は連続してマイナス5℃以下と厳しい寒さです。明日あたりからまたプラスになりそうですが、週末近くはまたマイナス6℃と予想されています。

梅の蕾は最低気温がマイナス1-2℃くらいなら日中の暖かさで膨らんで来るようですが、マイナス5℃以下が連続するととまってしまうようです。そして花びらは枯れてしまいます。

1月の気温が開花時期を大きく左右すると思われますが、果たして今年はどうでしょうか。このところ暖冬気味で開花が早かく、特に昨年は2週間は早かったようです。でも今年は遅めではないでしょうか。先週までは順調に膨らんでいたようだったのですが。


月の桂

2010年01月11日 | 偕楽園公園

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偕楽園の拡張部の猩猩梅林と窈窕梅林では、白難波、水心鏡、紅難波、御所紅などが咲き始めて、穏やかな日には梅の香も楽しむことができるようになりました。春が一足早くきたようです。窈窕橋のすぐ南側には緑色の蕾の月の桂がもう少しで咲きそうです。

普通の梅は蕾のときは赤味をおびているものです。これは蕾のときに花弁を覆っている萼の色が赤茶色をしているために、白梅でも蕾のときは赤っぽく見えるためです。

ところが六名木の月影やこの月の桂は萼の色が緑色です。新しい枝も緑色をしていて、これらを青軸性といいます。花色は緑色の萼が花弁の隙間をふさぐので、まったく赤味のない青白い白で、さらに5弁の花びらがきちんと整って咲きます。

「月影」と「月の桂」は非常によく似ているので私は区別できません。萼片の外側についている苞が開花後も花梗に残っているのが月影とされるということです。


虎の尾

2010年01月08日 | 偕楽園公園

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偕楽園の「虎の尾」が咲き始めました。今年は寅年で偕楽園でもいつもより注目されるのではないでしょうか。六名木のひとつで、本園には竹垣で囲った大きい木があります。古木というほどではないが凛とたっています。咲き出したのは御成門の左手(杉林側)の若木です。樹高1-2mの若木のほうが早く咲く傾向があって、数年前まではもう1本早咲きであったが、今年は大人の仲間入りをしたのかまだ咲く様子はありません。それでも大きな木よりは先に咲くと思われます。下の画像は同じ梅の木ですが昨年のものです。

虎の尾の名の由来についてはよくわかりません。しべの曲がり具合が虎の尾に似ているのかもしれませんし、旗弁を虎の尾に見立てたのかも、あるいは蕾のときの萼の模様か、枝ぶりを虎の尾に見立てたのかもしれません。

桜にも同じ虎の尾という名の桜があって、やはり名前の由来はいろいろあります。会津美里町の虎の尾桜の名前については「樹幹を虎が横たわる姿にたとえる説」と、「花は淡紅色の八重で、オシベの先端だけ花弁化したものから細長い花弁が突き出ている。そのさまを虎の尾に見立てて名づけられたのであるとする説」があります。また「大輪八重咲きの虎の尾は長く伸びた枝に花が密集して咲く様はまるで虎の尾のようだ」ということです。「花は白色で花梗短く枝に咲き縞模様が虎の尾の如く珍しい桜。」というのもあります。そして私がある農学博士からお聞きしたのは、「枝に小枝だ並んで出ている様子を虎の尾に見立てている」とのことでして、梅の木も同じ枝ぶりのものを虎の尾と言うとのことでした。


偕楽園記の碑

2010年01月05日 | 偕楽園公園

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偕楽園の由来や造園の趣旨などについて記された石碑が東門からまっすぐ進んだ突き当りにあります。説明文は次のとおりです。

碑文は、自然の仕組みを重んじて人は仁義礼智の道をひろげ、常に礼法、音楽、書道などを学ぶことが大切であること、また、このすぐれた景勝地を選び梅を植え、好文亭、一遊亭を建てたが、この公園は自分ひとりのものではなく領内の人々が学問や武芸を学んだあとで余暇を利用して休息し、心身を養うところであることを明らかにしています。

偕楽園を作ったのは九代藩主斉昭公で、最後の将軍慶喜のお父さんです。