よく見られるイソギクの葉は葉に切れ込みがあります。丸みのある鋸歯などと表現されてもいます。
16イソギク11100003 posted by (C)雑草
一般にはもっと葉の先がとがっている場合もあります。
またほとんど切れ込みのない丸い葉のイソギクもあります。
16イソギク丸葉11100004 posted by (C)雑草
イソギクは千葉県から静岡県にかけての海岸にしか自生していないのに、けっこう広範囲に植栽されとても元気に花を咲かせています。数年前には山形市の郊外で元気なイソギクを見たことがありました。いずれも切れ込みありタイプで、丸い葉のイソギクの植栽をほとんど見たことがありません。この時に北へ行くほど花期が遅いように思いました。
またイソギクは家菊などと交雑しやすく、小さな花弁のあるハナイソギクという交雑種もあります。我が家でも実生のハナイソギクが出てきたことがあります。
サトイソギク? posted by (C)雑草
花弁が黄色のハナイソギクはサトイソギクというそうです。
さて、切れ込みなしの丸葉と切れ込みありイソギクについて、どちらが野生種に近いイソギクかということを考えると、丸葉のほうがより野生に近いイソギクと雑草は考えておりました。生物の先生もそうかもしれないと言われました。
理由としては、今あるイソギクは野生のイソギクと家菊などと交雑したものであるとしたときに、家菊の特徴、葉に切れ込みありによく似ているほうが、野生種のイソギクから遠いのではないか。
家菊にない切れ込みなしの特徴(家菊には切れ込みなしはまずありません)この特徴を持っているとしたら、それがより野生種のイソギクの特徴の可能性があるように思っていました。
またイソギクは自生地が限られた狭い範囲なのに対して、切れ込みありのイソギクは広範囲に植栽されていること。これは野生種に栽培種の耐寒性が加わったもので栽培種により近いのかなと考えたのでした。
これらを野生に近い順に並べると
丸葉のイソギク>切れ込みありイソギク>家菊 という順ということでしょうか。
切れ込みありイソギクは野生に近い丸葉のイソギクと家菊の交雑種ではないかという思いです。
ところが今日はシオギク似のイソギクの紅葉しているのを見ました。
シオギク似1612270015 posted by (C)雑草
このシオギク似の個体については、普段よく見る切れ込みありイソギクによく似ているのですが、どことなくシオギクに似ていると思ったものです。それでその苗を譲っていただき一年前から鉢に植えておいたものです。この個体がシオギクなのか、イソギクなのかははっきりしませんが、少なくともシオギクにより近いイソギクということができそうです。
それで庭の他のイソギクの紅葉度合いはいかにと見ると、
イソギク丸葉と鋸刃1612280026 posted by (C)雑草
イソギク丸葉と鋸刃1612280027 posted by (C)雑草
丸葉のイソギクのほうが、切れ込みありイソギクよりも紅葉が早く、切れ込みありのほうが紅黄葉が遅いことに気づきました。
イソギク丸葉1612270016 posted by (C)雑草
丸葉イソギクの紅葉です。
イソギク丸葉1612280028 posted by (C)雑草
道路にはみ出した丸葉イソギクはすでに枯れかかっていました。
切り込みありイソギクもいずれは枯れるのですが、丸葉イソギクのほうが早めに、つまり耐寒性が少ないと言えます。
イソギク丸葉1612280029 posted by (C)雑草
これは庭の別の場所の丸葉イソギクの様子です。緑があるのは来年花を咲かせる新芽で、花をつけた茎はすでに枯れかかっています。
切れ込みありイソギクもいずれはこのように花のついた茎は枯れて、新芽が緑の葉で越冬します。
これらを耐寒性の順に並べると
切れ込みありイソギク>丸葉のイソギク≒シオギク似のイソギクとなります。
丸葉のイソギクはシオギク似と切れ込みありイソギクの中間というかどちらかというとシオギク似寄りです。
でもこれを交雑?と考えると、ではなぜ切れ込みがなくなってしまったのかが不自然になります。
それで気づいたことは、ハマギクには切れ込みがないということです。
ハマギクの蕾 posted by (C)雑草
切れ込みはなくても鋸歯があります。
切れ込みの無いハマギクは茨城県を南限とするもので、当然耐寒性はありとはいうものの、葉は意外と寒さに弱く、茎は一部木質化します。木質化という点ではイソギクも似ています。
今日はシオギク似のイソギクの紅葉をきっかけにイソギクのルーツを考えることになりました。その結論的なものは
茨城以北のハマギク・・・切れ込みなし、鋸歯あり 耐寒性あり と
近畿以西のシオギク・・・切れ込みあり、鋸歯なし、耐寒性少ないが交雑した結果
切れ込みあり、鋸歯なし、耐寒性は微妙にありとなしの 「切れ込みありのイソギク」が誕生したのではないでしょうか。
また、切れ込みありのイソギクとハマギクの接点地帯では、もう一度ハマギクと交雑して切れ込みなし、鋸歯なし、耐寒性なしの丸葉のイソギクが生まれたという仮説に至りました。
この丸葉のイソギクを発見した地域がハマギクの南限の地とイソギクの北限の地の接点付近でありました。
このことはハマギクと切れ込みのあるイソギクの交雑したものが丸葉のイソギクである可能性を一層確信させてくれるものです。
さらに家菊などと切れ込みありイソギクとの交雑が進み、より広範囲な気候にも適応できる切れ込みありイソギク群になったように考えられました。
さらに時代をさかのぼって、これらイソギクが生まれたのは、切れ込みのないハマギクと切れ込みのあるノジギク等との交雑によってではないかとも考えました。こうして切れ込みのあるイソギク、シオギクなどが生まれ、その後さらにハマギクと切れ込みのあるイソギクとのの交雑によって丸葉のイソギクが生まれたというようなことを想像するにいたると、太平洋側の海岸の北から南までのキクのつながりがみえてくるようで楽しくなりました。
とにかくキクは複雑に交雑していますね。これらを遺伝子分析し、系統的に分類できたらどんな答えが見えてくるのかも楽しみです。
16イソギク11100003 posted by (C)雑草
一般にはもっと葉の先がとがっている場合もあります。
またほとんど切れ込みのない丸い葉のイソギクもあります。
16イソギク丸葉11100004 posted by (C)雑草
イソギクは千葉県から静岡県にかけての海岸にしか自生していないのに、けっこう広範囲に植栽されとても元気に花を咲かせています。数年前には山形市の郊外で元気なイソギクを見たことがありました。いずれも切れ込みありタイプで、丸い葉のイソギクの植栽をほとんど見たことがありません。この時に北へ行くほど花期が遅いように思いました。
またイソギクは家菊などと交雑しやすく、小さな花弁のあるハナイソギクという交雑種もあります。我が家でも実生のハナイソギクが出てきたことがあります。
サトイソギク? posted by (C)雑草
花弁が黄色のハナイソギクはサトイソギクというそうです。
さて、切れ込みなしの丸葉と切れ込みありイソギクについて、どちらが野生種に近いイソギクかということを考えると、丸葉のほうがより野生に近いイソギクと雑草は考えておりました。生物の先生もそうかもしれないと言われました。
理由としては、今あるイソギクは野生のイソギクと家菊などと交雑したものであるとしたときに、家菊の特徴、葉に切れ込みありによく似ているほうが、野生種のイソギクから遠いのではないか。
家菊にない切れ込みなしの特徴(家菊には切れ込みなしはまずありません)この特徴を持っているとしたら、それがより野生種のイソギクの特徴の可能性があるように思っていました。
またイソギクは自生地が限られた狭い範囲なのに対して、切れ込みありのイソギクは広範囲に植栽されていること。これは野生種に栽培種の耐寒性が加わったもので栽培種により近いのかなと考えたのでした。
これらを野生に近い順に並べると
丸葉のイソギク>切れ込みありイソギク>家菊 という順ということでしょうか。
切れ込みありイソギクは野生に近い丸葉のイソギクと家菊の交雑種ではないかという思いです。
ところが今日はシオギク似のイソギクの紅葉しているのを見ました。
シオギク似1612270015 posted by (C)雑草
このシオギク似の個体については、普段よく見る切れ込みありイソギクによく似ているのですが、どことなくシオギクに似ていると思ったものです。それでその苗を譲っていただき一年前から鉢に植えておいたものです。この個体がシオギクなのか、イソギクなのかははっきりしませんが、少なくともシオギクにより近いイソギクということができそうです。
それで庭の他のイソギクの紅葉度合いはいかにと見ると、
イソギク丸葉と鋸刃1612280026 posted by (C)雑草
イソギク丸葉と鋸刃1612280027 posted by (C)雑草
丸葉のイソギクのほうが、切れ込みありイソギクよりも紅葉が早く、切れ込みありのほうが紅黄葉が遅いことに気づきました。
イソギク丸葉1612270016 posted by (C)雑草
丸葉イソギクの紅葉です。
イソギク丸葉1612280028 posted by (C)雑草
道路にはみ出した丸葉イソギクはすでに枯れかかっていました。
切り込みありイソギクもいずれは枯れるのですが、丸葉イソギクのほうが早めに、つまり耐寒性が少ないと言えます。
イソギク丸葉1612280029 posted by (C)雑草
これは庭の別の場所の丸葉イソギクの様子です。緑があるのは来年花を咲かせる新芽で、花をつけた茎はすでに枯れかかっています。
切れ込みありイソギクもいずれはこのように花のついた茎は枯れて、新芽が緑の葉で越冬します。
これらを耐寒性の順に並べると
切れ込みありイソギク>丸葉のイソギク≒シオギク似のイソギクとなります。
丸葉のイソギクはシオギク似と切れ込みありイソギクの中間というかどちらかというとシオギク似寄りです。
でもこれを交雑?と考えると、ではなぜ切れ込みがなくなってしまったのかが不自然になります。
それで気づいたことは、ハマギクには切れ込みがないということです。
ハマギクの蕾 posted by (C)雑草
切れ込みはなくても鋸歯があります。
切れ込みの無いハマギクは茨城県を南限とするもので、当然耐寒性はありとはいうものの、葉は意外と寒さに弱く、茎は一部木質化します。木質化という点ではイソギクも似ています。
今日はシオギク似のイソギクの紅葉をきっかけにイソギクのルーツを考えることになりました。その結論的なものは
茨城以北のハマギク・・・切れ込みなし、鋸歯あり 耐寒性あり と
近畿以西のシオギク・・・切れ込みあり、鋸歯なし、耐寒性少ないが交雑した結果
切れ込みあり、鋸歯なし、耐寒性は微妙にありとなしの 「切れ込みありのイソギク」が誕生したのではないでしょうか。
また、切れ込みありのイソギクとハマギクの接点地帯では、もう一度ハマギクと交雑して切れ込みなし、鋸歯なし、耐寒性なしの丸葉のイソギクが生まれたという仮説に至りました。
この丸葉のイソギクを発見した地域がハマギクの南限の地とイソギクの北限の地の接点付近でありました。
このことはハマギクと切れ込みのあるイソギクの交雑したものが丸葉のイソギクである可能性を一層確信させてくれるものです。
さらに家菊などと切れ込みありイソギクとの交雑が進み、より広範囲な気候にも適応できる切れ込みありイソギク群になったように考えられました。
さらに時代をさかのぼって、これらイソギクが生まれたのは、切れ込みのないハマギクと切れ込みのあるノジギク等との交雑によってではないかとも考えました。こうして切れ込みのあるイソギク、シオギクなどが生まれ、その後さらにハマギクと切れ込みのあるイソギクとのの交雑によって丸葉のイソギクが生まれたというようなことを想像するにいたると、太平洋側の海岸の北から南までのキクのつながりがみえてくるようで楽しくなりました。
とにかくキクは複雑に交雑していますね。これらを遺伝子分析し、系統的に分類できたらどんな答えが見えてくるのかも楽しみです。