庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

ナガサキギボウシが咲きました。さっそくダイミョウセセリが吸蜜に来ました。

2017年08月28日 | みんなの花図鑑

今年もナガサキギボウシが咲きました。

ナガサキギボウシは名前の通り長崎で発見されたギボウシです。

コバギボウシに似ているようですが、庭のナガサキギボウシはコバギボウシよりも
1 葉の色が黄緑色っぽい。コバギボウシは緑色。
2 花茎はコバギボウシより細く、弓なりに曲がっていて時間とともに(太陽の向きととともに?)方向を変えます。コバギボウシの花茎は太目で直立しています。
3 花茎が分枝することがあります。コバギボウシも分枝するものがあるということですが、ごくまれなのかまだ見たことがありません。
4 花期はコバギボウシの花が盛りを過ぎた、当地では8月末から咲きはじめます。
などなど違いが確認されます。なお、コバギボウシは変異が多く見られるので、これは庭にあるナガサキギボウシとコバギボウシの比較です。


今朝咲いたばかりの花にさっそくダイミョウセセリがやってきました。


もう一羽もすかさずやってきてとまりました。初めに来たダイミョウセセリが花の中をのぞいています。


吸蜜管が花底に届かないのか、羽をたたむようにして奥へはいってゆきます。


吸蜜中でしょう。
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シマサルスベリが咲いています。 シマサルスベリの紅葉する気象条件を考える

2017年08月27日 | 庭の花たち
2010年ころに送っていただいたシマサルスベリの種からの発芽苗に初めて花が咲いているのを確認しました。
シマサルスベリ1708260005シマサルスベリ1708260005 posted by (C)雑草
長い間種を播いた鉢のままだったので、成長が遅れたために開花までに年数がかかったと思われます。2015年に鉢から地植えに切り替えて成長が早くなり現在は樹高が3mを超えました。

シマサルスベリ1708260001シマサルスベリ1708260001 posted by (C)雑草
サルスベリに比べるとシマサルスベリは花のつき方が疎です。

シマサルスベリ交雑種?1708260009シマサルスベリ交雑種?1708260009 posted by (C)雑草
こちらは同じ種から発芽したのに赤い花を咲かせました。シマサルスベリには赤花もあるようですが、この木は幹や葉の様子がサルスベリとシマサルスベリの中間であり、むしろサルスベリとシマサルスベリの交雑種と見た方がよさそうです。

サルスベリ葉1708260014サルスベリ葉1708260014 posted by (C)雑草
これはサルスベリの葉です。サルスベリの葉は厚く、丸くて先がほとんどとがりません。

シマサルスベリ葉1708260012シマサルスベリ葉1708260012 posted by (C)雑草
シマサルスベリの葉は薄く、先が尖っています。

シマサルスベリ交雑種?シマサルスベリ交雑種? posted by (C)雑草
交雑種と思われるのは、葉がやや厚く、先が尖っています。葉はサルスベリより小さいかも。

シマサルスベリ幹中央茶色と両側サルスベリ1708260015シマサルスベリ幹中央茶色と両側サルスベリ1708260015 posted by (C)雑草
木肌を比較すると、シマサルスベリは茶色です。(中央)
サルスベリは白っぽく緑色の模様が見えます。サルスベリは毎年木肌が剥がれて新しくなります。(右側と左側)

シマサルスベリ幹茶色と交雑種右側1708260016シマサルスベリ幹茶色と交雑種右側1708260016 posted by (C)雑草
交雑種と思われる赤花の木肌はシマサルスベリより白っぽいです。(右側)
シマサルスベリの木肌は茶色です。(左側)

シマサルスベリの葉の紅葉は真っ赤で非常にきれいです。
紅葉したシマサルスベリ紅葉したシマサルスベリ posted by (C)雑草
紅葉したシマサルスベリ紅葉したシマサルスベリ posted by (C)雑草
このような真っ赤な発色は自生地九州では見られないとか。じつは水戸でも2014年に見ただけで、2015年、2016年は葉が紅葉せずにしおれてしまいました。
そこで今年はぜひ紅葉を見てみたいものと想い、シマサルスベリが紅葉する条件を考えました。
紅葉した2014年の紅葉前の1カ月の気温の推移を調べました。
a2014年10月気温水戸気象台mma2014年10月気温水戸気象台mm posted by (C)雑草
これは2014年真っ赤に紅葉した年の10月の水戸気象台の気温の推移です。順調に気温が下がって行きます。
a2014年11月気温水戸気象台mma2014年11月気温水戸気象台mm posted by (C)雑草
11月になっても気温が下がって行き、16日と19日に0.8度を記録しました。
それ以降は気温が上昇して氷点下にはなりませんでした。そして上の写真のようにシマサルスベリの葉は真っ赤に紅葉しました。

b2015年12月気温水戸気象台mmb2015年12月気温水戸気象台mm posted by (C)雑草
2015年は11月になっても気温の高い日が続いてシマサルスベリの葉は12月になっても青いまゝでした。
12月9日に氷点下0.6度となりました。紅葉の予感がしたのでしたが、18・19・20日と氷点下の朝が続き、シマサルスベリの葉は紅葉せずにしおれ枯れてしまいました。

シマサルスベリ

シマサルスベリ

c2016年11月気温水戸気象台mmc2016年11月気温水戸気象台mm posted by (C)雑草
2016年はよく黄葉した2014年と似て、10月から11月にかけて順調に気温が下がってきました。
11月10日に0.4度と紅葉にはもっとも理想的な気温で、この日からわずかながら紅葉が始まっていたようです。
ところが、24・25日と氷点下で1.2度を記録して、葉がしおれてしまいました。

シマサルスベリの紅葉が見られると期待していたのですが、11月25日の氷点下1.2度で葉がしおれてしまいました。
以上のことからシマサルスベリが真っ赤に紅葉するためには、秋になってから気温が順調に下がり続けること。
そして気温が零度近くまで下がること。でも紅葉するまでは氷点下にならないこと。
以上の条件が満たされることが必要と考えられます。
ナンキンハゼも葉が紅葉しないで寒さにしおれてしまいます。カエデほどには耐寒性のない、暖地の植物がきれいに紅葉するためには紅葉するまでは氷点下にならないこと、でも零度に限りなく近づくことが必要のようです。
果たして今年は紅葉が見られるでしょうか。紅葉を見るために霜よけなどをすると効果があるのかもしれませんね。



20211109 フォト蔵リンクの写真が表示されていなかったので3枚入れ替える。





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みんなの花図鑑からインポートとフォト蔵写真データ消滅による画像欠落(NO PHOTO)

2017年08月25日 | みんなの花図鑑
 みんなの花図鑑からのインポートについて
2012年12月17日から2016年9月26日までみんなの花図鑑に投稿していた画像を当ブログにインポートしました。
インポートした記事数は845個です。花の品種ごとに1記事ですから、全部で845品種と言うわけなのですが、実際は同じ品種が何回もあります。確認はしていないのですが、全部では100品種~200品種くらいでしょうかね。
カテゴリー みんなの花図鑑をクリックすると、これらを連続でご覧になることができます。お暇なときに気が向きましたらご覧ください。


 フォト蔵写真データ消滅による画像欠落(NO PHOTO)について
このブログの大半の画像はフォト蔵に投稿したものを引用しています。引用した画像には、画像の下に「・・・ posted by (C)雑草」とあります。この場合画像をクリックすると、フォト蔵の画像に移動します。さらにフォト蔵に移動してから画像をクリックすると画像が拡大されます(長辺が1024で約79万画素)。 さらに元画像をクリックすると長辺が2048で約315万画素の画像を見ることができます。

 ところが、一部の画像を全く見ることができなくなりました。フォト蔵さんがメンテナンスの時にミスってしまったのか、画像を消滅させてしまったようです。
 最近のものについては、フォト蔵に再度画像をアップロードして、当ブログでも画像を復活しようと考えていますが、いつまでにどこまでできるかわかりません。もし、消滅した画像の中にご覧になりたい画像がありましたら、お知らせいただけましたら、復活したいと考えています。ご遠慮なくお知らせください。

 フォト蔵さんの説明は以下です。
「この度は、長期のフォト蔵データ障害におきまして、多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。現在のデータ障害に関する復旧作業状況と今後の対応に関してご案内させて頂きます。 《データ障害の原因および状況(2017/08/25/現在)》 弊社運営の、画像データ管理サーバーにおきまして、一部画像データの閲覧が出来ない状況が発生しております。(2017/08/25現在) 閲覧不能な保存データは約10TBです。すでにアーカイブとして保存されている障害となりますので、新規画像データ作成につきましては、この障害の影響はございません。」


ナガサキギボウシの蕾が伸びてきました。今年もまた首振り運動や花茎の分枝が見られるでしょうか。楽しみです。
ナガサキギボウシ1708230002
ナガサキギボウシ1708230002 posted by (C)雑草
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シンテッポウユリの自家受粉のメカニズムを考える

2017年08月23日 | たのしい自然観察
シンテッポウユリ1開花6日目07時落花雌蕊1708220026
シンテッポウユリ1開花6日目07時落花雌蕊1708220026 posted by (C)雑草

シンテッポウユリの花が散って、残った雌しべには花粉が大量についていました。タカサゴユリは自家受粉するとのことで、このシンテッポウユリも自家受粉するようです。それにしても大量の花粉が柱頭につきましたね。

シンテッポウユリ1開花6日目07時落花花冠雄蕊1708220027
シンテッポウユリ1開花6日目07時落花花冠雄蕊1708220027 posted by (C)雑草
落ちた花冠と雄しべは花の形を保ったまま落ちていました。
カノコユリなどは花弁が1枚ずつ分かれて落ちる、いわばサザンカの散り方に似ているのです。ところがシンテッポウユリは花の形のまま散ります。ツバキの散り方に似ています。この散り方が自家受粉を確実にするための自然の知恵ではないかと考えました。

シンテッポウユリ開花4日目1708210005
シンテッポウユリ開花4日目1708210005 posted by (C)雑草
シンテッポウユリが散る日より2日前の花の様子です。花粉が葯からこぼれ始めました。
シンテッポウユリ開花5日目1708210004
シンテッポウユリ開花5日目1708210004 posted by (C)雑草
シンテッポウユリが散る1日前・前日の夕方の様子です。この後夜間にはおそらく散ったと思われます。(早朝にはすでに散っていた)
この散る直前には葯から大量の花粉がこぼれて、花柱や花弁に花粉がついていました。
柱頭についている花粉は人工的につけてしまったものです。
この後で花が散って、柱頭にたくさん花粉が付いた状態が、冒頭の雌しべの写真です。

シンテッポウユリ3開花5日目07時1708220024
シンテッポウユリ3開花5日目07時1708220024 posted by (C)雑草
別の3番花の落花6~7時間前の様子です。花粉がこぼれています。また葯が花柱に寄り添うように集まっています。
雌しべについている花粉は前日に人工授粉したもので、それ以外はまだほとんどついては居ませんでした。

シンテッポウユリ3開花5日目14時落花花冠雄蕊1708220045
シンテッポウユリ3開花5日目14時落花花冠雄蕊1708220045 posted by (C)雑草
落花した花冠と雄しべの様子です。花弁にたくさんの花粉がついています。
花弁に花粉がついたということは落花するときには、大きく開いていた花弁が縮まって葯と花柱を密着させるような動きがあったのではと推定できます。このことは未確認なので次年には散り際を観察する必要がありますが、ネットでは「タカサゴユリは花が枯れると花弁が巻き込み自家受粉もする」と説明されたものがありました。

シンテッポウユリ3開花5日目14時落花雌蕊1708220044
シンテッポウユリ3開花5日目14時落花雌蕊1708220044 posted by (C)雑草
なるほど、柱頭付近にたくさん花粉がついていました。それもかなりまんべんなく花粉がついています。かなり丁寧に花粉がつけられていますね。落ちた花弁を見ると、花弁を巻き込んだのであれば、花弁がまた咲いているときのように戻ったのでしょうか。ちょっと疑問。
それでさらに花粉を柱頭にまんべんなくつけるメカニズムが働いたのではないかと考えました。

ひとつは花が散るときの花の角度です。
カノコユリとシンテッポウユリ1708020051
カノコユリとシンテッポウユリ1708020051 posted by (C)雑草
まだ蕾が若いころはシンテッポウユリの蕾はほぼ真上を向いています。
シンテッポウユリ1708080012
シンテッポウユリ1708080012 posted by (C)雑草
それから1時期真下をむきます。
シンテッポウユリ開花1708170003
シンテッポウユリ開花1708170003 posted by (C)雑草

シンテッポウユリ開花1708170048
シンテッポウユリ開花1708170048 posted by (C)雑草
花が咲き始めるころは花冠をやや下向きか、ほぼ水平に近い状態です。
この角度で花が散り始めると、花托から花冠が切り離され、頭のほうがガクンと下がり、花柱と葯が強く触れ合ったりして花粉が花柱についたり、花冠が落ち始めると花冠がスライドしながら茎も揺れて、柱頭にも花粉が着くはずです。

さらに花冠がスライドしてついには花冠が落ちることになります。
シンテッポウユリ3番花落花側面1708220004
シンテッポウユリ3番花落花側面1708220004 posted by (C)雑草
花冠が花冠の自重でスライドすると、柱頭がこの徐々に細くなってゆく花冠の中を通り過ぎるわけです。

シンテッポウユリ3番花落花花底1708220001
シンテッポウユリ3番花落花花底1708220001 posted by (C)雑草
花柱が最後に抜け出すのはこんなにも狭いところです。

シンテッポウユリ3番花落花側面解体1708220006
シンテッポウユリ3番花落花側面解体1708220006 posted by (C)雑草
組み合わさっている花冠を開いてみると、花粉のついている葯の部分以外は、花弁と花糸にはほとんど花粉がついていません。
柱頭以外は花粉が付きにくく、ネバネバした花柱にのみ花粉が大量につくようになっているようです。
 6枚の花被片と6本の花糸はあたかも糊で仮付したかのように互いに軽く密着しています。そのために柱頭についた花粉は、この狭い場所を通り抜けるときに、まんべんなく柱頭になすりつけられるのではないでしょうか。
こうして確実に自家受粉することがでる仕組みになっていると考えられす。

このシンテッポウユリは長崎から球根をいただいて、初めて庭で観察したものです。もう一度来年も散り際を観察して、自家受粉のメカニズムをさらに詳しく確認したいものです。

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金剛寺の青梅と 足利学校の西階の不断梅

2017年08月21日 | たのしい自然観察

一か月ぶりの更新になってしまいました。
今日うれしいおたよりをいただきました。

「ふと思い出して、金剛寺に行ってきました。我が家のは、とっくにおちちゃいましたが、確かに青いまゝ、いくつか木についていました。」
青梅市のmuさんから、金剛寺の青梅の写真を送っていただきました。
金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210001金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210001 posted by (C)雑草
 muさんは、今年の2月28日に花兄さんと金剛寺に青梅の花を見に行ったときに、梅の木の前で出会った地元のお方です。金剛寺の青梅のお話をした時に、梅の実が夏になってもなっている様子を見たいと言ったところ、その様子をお知らせしてくださると言われて、お約束通りに写真を送ってくださいました。

金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210013金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210013 posted by (C)雑草
たしかに8月19日でも梅の実がまだ熟し切れずに青いまゝなっています。普通の梅はもう木に実がなっていることはまずないと思います。我が家ではすでに梅ジュースになってしまって、おいしくいただきました。

金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210015金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210015 posted by (C)雑草
この梅の木は平将門が挿した梅の枝という伝説があります。また、梅の実がいつまでも青いまゝ木になっているので、青梅の地名はこの木がもとになったということで、青梅市にとってはとても大切な木です。

金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210016
金剛寺青梅8月19日muさん撮影1708210016 posted by (C)雑草

金剛寺にはタカサゴユリとムクゲの美しい花も咲いているようです。春には桜と梅、マンサクなども咲いていました。きっと秋にはまた秋らしい花が咲くことでしょう。muさんうれしいおたよりありがとうございました。

8月2日には足利学校の西階の不断梅の実の様子を見てきました。金剛寺の青梅同様に、夏になっても実が青いままついていました。


足利学校の西階の不断梅は秋になっても実が落ちずに、黒くなって木枯らしが吹くころまでついているそうです。
もしかすると金剛寺の青梅も秋になっても実がなっているかもしれませんね。

秋になったら金剛寺と足利学校をまた訪ねてみたいと思っています。

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