クチバシの変形したキジバトはまもなく姿を見せなくなりました。一緒にいた常連はちと寂しそうでした。せっかくカップルになれたのですから、それはショックが大きいのでしょう。 それでも、庭に来ては餌を食べていました。しばらくして、今から一週間ほど前になりますが、別のキジバトが常連について庭の木に来ました。まえのクチバシ曲がりかと思いましたら、正常なクチバシをもったキジバトです。
はじめは、遠慮がちに、そして常連が近づくと逃げてしまいます。はじめは、常連が縄張りを主張して、男やもめ同士の鬼ごっこで、ここは俺の餌場だ、あっちへ行けと追い払っているのだともみえました。それでも来ていた新入りが、だんだんと餌をたべるようになりました。はじめは庭の反対側に撒いた餌を食べていました。数日でついに同じ場所で食べ始めました。どうもライバルではなさそうです。
そして、その次の日に不思議なことが起こりました。後から来たほうがせっせと餌を食べています。常連は、そのまわりをうろうろと歩いています。何か、いっぱい食べなさいと言っているようです。こちらも食事中だったので、サッシを閉めて、4畳半のコタツで食べていると、常連がサッシの外側を行ったり来たりしています。何か用があるの?とサッシをあけて、3尺の縁側に少々餌をまくと、入ってきて食べながら、私たちを見ています。目つきというか様子からして、何かを訴えているようでした。
何か言いたいことがあるのかい?。それではと敷居の上に餌を置いたら、これを食べながら、またまた私たちを見ていますので、じゃあ、もっと近くに来たらと、畳の上に餌を撒きましたら、なんと畳の上にまで来て食べました。そして食べ終えてからゆっくりと外へ出て行きました。(このへんの画像数枚はzasouで登録したマイ天気に載せてあります。)
こうなると、外へ行ったキジバトの様子が気になってみてみますと、もう一匹とともにブロック塀の上に飛び上がって、そこで、なんと交尾したではありませんか。そうか。常連はこのことを知らせたくて今日は窓の外を行ったり来たりして、中に入り報告したかったのだ。常連は素敵な相手が見つかって本当に嬉しくてしかたがなかったのだと合点がいったのです。私たち結婚しました。これからは二匹分の餌をよろしく。ということです。
それから、二匹は連れ添って庭に来るようになりました。常連は相変わらずまわりをうろうろしながら撒かれた餌を食べます。縁台の上にも来て餌を探しまわります。新入りにたくさん食べさせようとの気配りがうかがえます。そしてここ二三日のことですが、餌を縁台の上に撒くと二匹とも縁台に上がり、さらにサッシの内側の縁側にも二匹とも来るようになりました。今日はさらに、畳の上に餌を撒いたら、常連は敷居を越えてきて畳の上にまで来て食べました。新入りも、ちょっと恐れながらも敷居に足をかけました。
野生のキジバトにこんな風に餌をやってはいけないのでしょうが、庭でたびたび野良猫に襲われるのを見かけるので、安全な場所で餌を食べらせてやりたいと思ってしまいます。そして子育てが終わるまで生き残ってほしいと思います。