庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

新しい斑入り葉梅の誕生に期待が高まる。

2019年03月29日 | 水戸の梅

新しい斑入り葉の芽接ぎの芽から葉が開いてきました。葉の色合いからこれまでにない新しい斑入りの梅が期待されます。

斑入りの梅の葉といえば、翁や塒出錦の葉です。

翁の斑入りは緑色の葉に白色の斑が入っています。

塒出錦では黄色い斑が入った美しい葉になります。

また塒出錦は実も美しく、枝にも葉にも斑が入り、花もみな美しいという梅の逸品です。

これら既存の斑入りの葉に比べて、今回の斑いり葉には新しい特徴があります。

新しい斑入り葉の特徴は、葉の白い部分と緑の部分がはっきりと直線的に分離していることです。

この新しい斑入り葉を見つけたのは、昨年2018年5月でした。新梢に筋があって、その筋の部分についている葉が斑入り葉になっていました。

枝の筋から外れたところにある葉には斑がなくて、少しだけ枝の筋に触れている場合は斑入りも少ないものです。

枝の先端のまだ若い葉は、斑がまだ白くはなく赤味を帯びていました。
2018年5月にこの新しい斑入り葉を発見したのですが、まもなくこの枝が折れてしまうという緊急事態になりました。
接木が非常に難しい時期だったのですが、急遽斑入り葉の部分を芽接ぎしました。

枝の筋上にある芽5個を5本の穂木に切り分けて、5か所に芽接ぎをして、穂木からの発芽を待っていました。
2週間も過ぎれば芽吹くものと待っていましたが、夏を過ぎても芽吹かないばかりか、4か所は穂木が枯れてしまいました。

残る1か所も秋には芽吹くものと期待しましたが、冬になっても一向に芽吹く様子がありませんで今回も諦めなければならないかと残念に思っていました。でも、穂木が緑色なので春には芽吹くのではと望みは捨てませんでした。

実はこの新しい斑入り葉を発見したのは3度目になります。

最初は2013年7月でした。

2度目は2015年でした。
いずれも枝が古くて細いなど慎重に見守っているうちに枝が枯れるなどして消えてしまい残念な思いをしました。

そして今回2018年は前2回とは別の梅の木の太い徒長枝に新しい斑入り葉を発見したわけです。
これならば接木も容易で、間違いなく新しい斑入り葉の梅の木が誕生かと大いに期待したのですが、上記のように緊急事態になり、芽接ぎの結果もままならない状況になってしまったのでした。

そして芽接ぎをしてから10か月後に、ようやく芽接ぎをした芽から葉が出てきたのです。

出てきた葉をよくよく見ると真ん中の葉が左側と右側で色が違います。この葉が大きくなるときっと新しい斑入り葉に変わるはずです。6年目にしてようやく新しい斑入り葉の梅の木の誕生にこぎつけられました。
枝の筋入は弘道館にもありますが、葉には斑が現れません。このような新しい斑入り葉の梅の木はこれまで図鑑でも見たことが無いもので、新しい斑入り葉の梅の木誕生に大いに期待しています。

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ダイオウショウとテーダマツ?の発芽苗を比較する

2019年03月22日 | 庭の花たち

これはテーダマツの発芽苗なのか? それともダイオウショウの発芽苗なのか?

徳川ミュージアムのダイオウショウとテーダマツの種を拾って蒔いたものの中から発芽したものであるが、どちらであるか判断に窮しているものです。


種を拾ったときの状況は以下の通りです。
1 ダイオウショウは種が盛んに落ちてきていたので、間違いなくダイオウショウの種のはずである。
2 テーダマツの種と思われるものは落ちていなかったので、芝生やクマザサの中を丹念に探して、落ちてくるダイオウショウの種より小さいものを一応テーダマツの種とした。これはダイオウショウの種の可能性を排除できないものである。この種は落ちてからかなりの日数が経過しているので発芽の可能性はかなり低い。
3 また落ちていたテーダマツのマツカサから種を採りだした。これは発芽の可能性がほとんどない。

上と下がダイオウショウの種でふくらみがある。
中段がマツカサから採ったテーダマツの種でふくらみがなく発芽は期待薄。


テーダマツの種。ほとんどが発芽を期待できない。

拾った種の中でテーダマツかもしれないと思われた種。発芽期待少しあるが、ダイオウショウの可能性がある。


種蒔きと発芽確認の状況は下記の通りです。
鉢1 ダイオウショウとテーダマツ  約1週間後にダイオウショウのみ4本発芽
鉢2 ダイオウショウ        約1週間後にダイオウショウのみ2本発芽
鉢3 ダイオウショウ        3月14日に発芽確認。  
鉢4 テーダマツ          2月9日に発芽確認。

鉢1~3は11月22日に蒔いたもの。
鉢4は12月7日 再度テーダマツの種のみを拾いに行ったもの。ダイオウショウの種より小さめめの種であるが、ダイオウショウの可能性もあるものです。


発芽時の苗の比較
↓ 鉢1と鉢2 ダイオウショウ

↓ 鉢3    ダイオウショウ?

↓ 鉢4    テーダマツ?


上記の発芽時、子葉と茎を見比べると
鉢4は明らかに鉢1とは異なると思われたので、鉢4はテーダマツとの確信を強くした。
 見た目の違いは鉢1は茎が太い、茎の地上部が短い。 鉢4は茎が細い、茎の地上部が長い。

ところが鉢3の発芽苗が出て来てビックリ。鉢3はダイオウショウのはずなのに鉢4のほうに似ているのです。
鉢3の種はダイオウショウと確信していたのに。


次に初生葉が見えてきたときの比較です。子葉がばらけて、初生葉が見えるようになった時のものです。

↑ 鉢1のダイオウショウの発芽苗。

↑ 鉢3のダイオウショウ?の発芽苗

↑ 鉢4のテーダマツ?の発芽苗

上記の発芽苗の初生葉が見え始めたときを見比べると
鉢1ダイオウショウと鉢3ダイオウショウ?の初生葉は子葉がばらけてきた時点ではほんの小さなものである点が似ています。
鉢4テーダマツ?の初生葉は子葉がばらけてきた時点ですでによく見えるほどに長くなっています。

ということで、初生葉の初期の様子からは次の結論が導き出される。すなわち冒頭の画像(鉢4)はテーダマツであることが濃厚。
鉢1鉢2ダイオウショウと鉢3ダイオウショウ?がよく似ている。
鉢4テーダマツ?だけが別物と思われる。 

以上が本日までの仮の結論です。
この後に尋常葉がそれぞれに確認されたときには、どのような結論になるかが楽しみです。
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ニホンムラサキの発芽状況 低温処理をしなくても発芽はするようだが発芽率を高めるには

2019年03月20日 | 庭の花たち

ネット友人のうーちゃんから半分分けていただいたムラサキ(ニホンムラサキ)の種の発芽状況です。
早いものはすでに本葉が出てきました。(種を蒔いた鉢を厳冬期に屋外に置いて後、日向で保温したもの)


ムラサキを発芽させるためには、種を低温に曝さなければ発芽しないことがネットに説明されていまして、難しそうな感じがしましたので、緊張しました。
生物の先生にお話ししたところ、昔日立市の高台で生えているのを見たことがあったそうです。自然に自生していたのなら、自然に蒔いても発芽しそうなものと考えました。
そこで、次の3通りの方法で種を蒔いてみました。
1 ネットの説明に準じた低温処理をしてから種を蒔いた鉢にガラスで蓋をして日向に置く。
2 種を蒔いた鉢を厳冬期に屋外に置いて後、鉢にガラスで蓋をして日向に置く。
3 常温のまま保管した種を蒔いて日向に置く。

1 のネットの低温処理では面倒なので、チルド室に1月いっぱい保管して、2月に鉢に蒔いて、ガラス板で蓋をして日向に置きました。

教科書に準じた方法で種蒔きしたムラサキの発芽状況です。

本葉も出始めました。まずまずの発芽状況です。

2 の種蒔きした鉢を1月初めに、屋外で午前中はわずかな木漏れ日、午後は日陰になる場所に置いたのちに、2月に入ったら鉢を日向に移して、ガラスで蓋をしておきました。



種を蒔いて、屋外の低温にさらしてのちに、鉢をガラスで蓋をして日向に置いたムラサキの発芽状況です。
1とほぼ同時タイミングで、低温から保温に転じました。1よりやや早く芽が動き出しています。

1よりも本葉がやや大きく育っているようです。

以上のことから、チルド室での低温処理と種蒔き後に屋外暴露したものを比較すると、ほぼ同じ結果で、一斉に発芽しています。


これはチルド室で低温処理した種を蒔いたものを、保温しないで日向に置いたものの発芽状況です。

保温しなかったので、発芽が遅れていますが、一斉に発芽に向けて種が動き出したようです。

3 の種を常温のまま室内に保管したものを蒔いた鉢を日向に置いたものです。



一部発芽に向けて動き出した種があります。でも発芽の足並みがそろっていないようです。


以上が低温処理方法に違いがあるが低温処理をしたものと、低温処理しない場合の発芽状況です。
低温処理(チルド室または屋外暴露)することによって、一斉に発芽するようです。
また、特に人工的な低温処理をしなくても、厳寒期に屋外に置いておくだけで充分であるとも言えそうです。

低温処理後に保温することにより、早期発芽させて、成長を促進することができます。
また、保温処理しなくても、低温処理した種は一斉に発芽すると思われます。

種を常温保管した場合にも、発芽はするようです。でも、種が一斉に発芽するのか、発芽しないものもあるのかは今後の観察が必要です。
低温に曝すことが発芽条件にあるなら、低温処理をしない場合は、できるだけ寒いうちに蒔くことによって発芽率が高くなり、温かくなってから蒔くことにより発芽率が落ちると考えられます。
このことは自然界においては、気象条件によっては発芽が翌年に繰り越されることがあることを示唆しているように思われます。



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三段咲きフクジュソウ今年も咲きました。

2019年03月20日 | 庭の花たち

三段咲きのフクジュソウ
外側から黄色ー緑色ー中心の黄色と三段咲きです。

午後になると緑色がうすれて黄色が多くなります。
2016年ころ梅の師匠の店からお連れしたもので、今年は少し小型になりましたがきれいに咲いてくれました。


もう一つの花は中心の黄色が小さくて、中間の緑が非常に濃い花です。特に午前中は緑が濃いです。

午後になると緑色がやや薄く黄色を多く感じるようになりました。


フクジュソウは太陽の花です。陽が傾くと閉じてしまいます。
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椿イースターモーン開花 イースターの日に合わせようとする健気さ

2019年03月12日 | 庭の花たち

 庭の椿イースターモーンが3月11日に開花しました。
1966年にカルフォルニア州サクラメント市のMr.carleton C.Wrightが作出し、1971年にmargarete Hertorichi賞を受賞した大輪で薄桃色の花弁と黄色の葯がある大変美しい花です。

 イースターモーンとは復活祭の朝という意味のようです。
2014年から庭に植えたイースターモーンの開花日の記録見ると、イースターが遅い年にはそれなりに遅く開花し、イースターが早い年はそれなりに早く咲いていました。名前の通りこの椿は開花日をイースターに合わせようと努力しているのかと思うほどでした。ところが今年はイースターが4月21日と遅いのに、これまでで最も早い開花になってしまいました。どうしたの?と聞いても返事が返ってくることは有りません。

 開花した花は葉っぱの陰に隠れるようにしていました。イースターの日にちを間違えて開花してしまったので恥ずかしくて物陰に隠れているようです。そのためにか、私が開花に気づいたのは翌日の12日になってしまいました。

イースターの日にちの決め方は、
「春分後の最初の満月の次の日曜日」です。年ごとにほぼ1カ月の間で変動します。
それで最も早いイースターは3月22日、最も遅いイースターは4月25日となるそうです。

 今年の満月は3月21日で、春分と重なります。この時はそれぞれの時刻を比較するのでしょうか。どうするかはわかりませんが、とにかく3月21日より後の満月4月19日の次の日曜日4月21日がイースターです。

 もし、満月が1日遅いか、春分が1日早かったとしたなら、今年のイースターは3月24日になるところだったのです。これは庭にイースターモーンが花を咲かせるようになってから最も早いイースターとなるところでした。もしかしてイースターモーンは春分か満月日を勘違いして最も早く開花してしまったので、顔を隠していたのでしょうか。
もしそうだったら、開花日をイースターに合わせるはずだと勝手な邪推をしたことを申し訳なく思います。


期待された時期に咲こうとして、まだ寒いうちに蕾から花弁を出したために、花弁が傷んだ蕾もあります。
 

これからはイースターモーン自身の咲きたい時に咲いて、最も美しい花を堂々と咲かせ続けてもらいたいと思います。






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遅咲きの梅が咲き始め梅まつりも佳境に入る。 豊後、入日の海、黒田、江南所無に続き白牡丹、滄溟の月、海運もまもなく

2019年03月10日 | 水戸の梅

庭の豊後が咲きました。この豊後は娘が地元の病院へ転勤になったので、市から転入記念に頂いたものです。
市は転入記念のほか、出生、古希にと記念樹を配布しています。

庭の豊後
豊後はアンズ性の梅で、萼の色が赤く、花弁は薄いピンクがあるものの、純白と言ってもよいほどで、萼の赤と花弁の白の対比がとても美しい花です。
また開花すると萼が花弁から離れて、反り返ります。これはアンズに見られる特徴で、豊後はアンズの性質を強く持っているためです。


偕楽園の泰平


入日の海
偕楽園でも豊後によく似た泰平や入日の海が咲きました。
これら遅咲きの梅が咲き始めると、いよいよ梅祭も佳境に入り、終盤に差し掛かります。


黒田
偕楽園で黒田の一番花は吐玉泉下です。今年も手の届くところで美しい花を咲かせました。

黒田は花弁数が多い八重咲です。今まさに開かんとする蕾はバラの蕾のようです。黒田を楽しむのはやはりこの花弁の多さに着目して蕾が多くあるこの時期に鑑賞するのが最高です。


南門近くでは江南所無が咲き始めています。

江南所無の蕾は真っ赤です。どんなにか赤い花が咲くのかと思いきや、開花すると花の中は赤色がかなり白っぽくなって、この赤とピンクの混じった色合いが本当にきれいです。さすがは六名木に選ばれた梅です。

江南に比べるものがないほどきれいな梅の花ですと、北に住む人に贈ったのが名前になったようです。
江南所無は日本にはかなり古くからあったようです。
傳史跡難波の梅という碑が難波熊野神社にあるそうです。仁徳天皇が皇子のころ なにわ津に香り高い梅があって、江南所無は梅の名であるというような内容が書いてあるそうです。(ネットによる)

偕楽園ではこれから白牡丹、滄溟の月、海運など見ごたえのある花が咲きます。そしてまだ梅林にデビュウしていませんが超遅咲きの碑前紅の花が咲くのを楽しみにしています。

碑前紅 2017年4月6日撮影
この碑前紅が来シーズンは梅の見本園で見られることを期待しています。

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まもなく50年になるローマンヒアシンス

2019年03月08日 | 庭の花たち

庭にはまもなく50年のお付き合いになる草木がふたつあります。ひとつはこのローマンヒアシンスと思われるヒアシンスです。もう一つは斑入りのマサキです。

その昔、日立市で最初に入居したアパートの軒下に芽を出してきたのがこのヒアシンスでした。先にここに住んでおられた方が植えられたものらしい。斑入りのマサキは菜園の垣になっていたものを挿し木したものです。

以来このふたつは引っ越しても必ず連れてきて、まもなく50年になろうというものです。
今ヒアシンスは庭の3か所にあります。

今年はいつもより元気に花を咲かせてくれたように思います。
このヒアシンスはこれまで寒さには敏感だったように思っていました。ということは今冬は寒さによるダメージが少なかったのでしょうか。今年は寒かったのに何故?
それは最低気温がマイナス5度以下になるような極端に寒い朝が少なかったことかと思います。このため地中の球根の傷みが少なかったようです。それでも人の体感では寒い冬と思いました。それは日中の気温が上がりにくい日が多かったためのようです。
ヒアシンスにとっては日中の気温が上がらないことよりも、朝方の気温が極端に下がらないことのほうが重要なことなのでしょう。


このヒアシンスは園芸店で売られているような花数の多い豪華なヒアシンスではないので、もしかして品種が違うのではと調べたところ、どうやらローマンヒアシンスらしいことがわかってきました。
 園芸店でよく見るダッチ系ヒアシンスは自然に分球して球根が増えることはほとんどないが、ローマン系ヒヤシンスは自然に増える。ダッチ系ヒヤシンスよりも耐寒性が弱いが、冬場は十分に寒さに当てないとヒヤシンスは花が咲かないので、寒冷地では敷き藁をするなどの寒さ対策が必要。などとネットで説明されているので、ローマン系ではないかと思った次第です。




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偕楽園で世田谷区の「土と農の交流園 樹木コース」の皆様との交流会 梅の見本園と秋篠宮殿下記念樹の紅冬至・紅千鳥 内裏など

2019年03月08日 | 水戸の梅

田鶴鳴梅林の内裏

3月7日は世田谷区の「土と農の交流園 樹木コース」の皆様が偕楽園に来てくださいました。
昨シーズンに樹木コースの皆様の中で羽根木公園の梅に深く興味を持たれた方たちと出会いまして、交流を重ねてきました。そして今日3月7日には、交流の一環として偕楽園に来ていただきました。なんと樹木コースの講師の樹木医新井孝次朗先生もきてくださり、偕楽園の梅以外の樹木についてお話を聞くこともできました。

 見学コースは表門から好文亭。本園の東西梅林と苗木畑を見ていただき、さらに吐玉泉から猩々梅林、窈窕梅林、さらには梅の見本園から四季の原、田鶴鳴梅林までと偕楽園公園のほぼ全域に足を運んでいただきました。

四季の原の秋篠宮殿下ご来臨記念の紅冬至と紅千鳥

秋篠宮妃殿下記念の紅千鳥

秋篠宮殿下記念の紅冬至


田鶴鳴梅林の内裏をご覧になる「土と農の交流園 樹木コース」の皆様


偕楽園で今最もきれいに咲いている田鶴鳴梅林の内裏に見入る「土と農の交流園 樹木コース」の皆様です。

田鶴鳴梅林の内裏はちょうど見頃です。

内裏は蕾が開き始めたときに、花弁の裏側・外側が見えますが、これが紅色をしています。裏紅といいます。
開花した時に表側・内側から見ると、花弁は白色かわずかにピンク色で、裏側の紅がほんのりと透けて見える様子が何ともいえぬ美しさです。





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茶青について 本来の茶青とは

2019年03月06日 | 水戸の梅

偕楽園の茶青(A2-138と思われる)
茶青については不勉強でいまだにこれぞ茶青という花がどれなのか迷っています。
このたび羽根木公園の小嶋ボランテアさんと知り合いになったことが縁で、小嶋さんが撮影された茶青の花の写真からこれぞ茶青と思い管理事務所にお願いして枝をいただてきました。

羽根木公園の茶青:雑草撮影

羽根木公園の茶青の徒長枝:雑草撮影
え。っと思ったのは、萼が緑一色で枝も緑一色。まるで青軸でした。


先日、府中郷土の森の新茶青を見てきました。これも青軸のようでした。
詳細は見比べていませんが、ちょっと見たところ、羽根木公園の茶青と府中郷土の森の新茶青が似ているようです。


これは神代植物園の一重茶青です。萼は緑一色ですが、枝は青軸のようではなかったように思います。
いずれがまことの茶青なのかいまひとつ判然としません。


これは梅図鑑の茶青の画像です。
花の後ろの蕾の萼は茶色で、緑色の部分も見えます。
以下はこの図鑑の説明です。
  青白の極大輪。大抱え咲きで芳香が強い。花形は極めて端正であり品格が高い。茶青花は青軸性の青軸では なく野梅性に入っている。茶 の花に似ているところから名づけられたという仮説もあるが、東京の群芳園に は、愛好家の平尾彦太郎氏から受け継がれたという茶青花が ある。茶青花にはこの他八重咲もある。開花期 は2月下旬から3月中旬。
この説明で、茶青花は青軸性の青軸ではなく、野梅性に入っている。とわざわざ断っているのは、青軸性で茶青と名乗っているものが出回っていることへの言及とも思われます。
または、萼が緑一色なので、青軸と思いがちだが青軸ではない。と言っているのでしょうか。

次に江戸時代の梅図鑑 韻勝園梅譜です。

これは韻勝園梅譜の茶青梅のページです。右端の絵が茶青梅です。これは原本ではなく、書き写された複製で、神代植物園所蔵本が記念誌に載ったものを撮影したものです。
ということで、絵は必ずしも正確とは言えないかもしれません。説明は次のようです。(現代訳)
  茶青梅は一重の大輪で澄んだ白色である。へた(がく)は青色と茶色が混ざり、花ごとに下をむく。茶の花 によく似ている。花糸は他の花より短い。白梅の絶品といえる。香気もまた少なくない。桃の台木に接ぐと長 持ちしにくい。梅の台木に接げば大輪となり木もまた栄える。

韻勝園梅譜の説明文に照らして偕楽園の茶青を見てみると。

確かに萼は青色と茶色が混じっています。花も下向き傾向にあるようです。
花糸の長さは他の花と比べて短いとは言いにくいようですが、長いほうではなさそうです。
偕楽園と弘道館には何本かずつ茶青がありますので、以上のような観点から、これぞ茶青と思われる木を茶青の保存品種に撰んではいかがかと考えます。

最有力候補は偕楽園の東梅林の茶青花と思いますが、保存品種に決定するには詳細な比較が必要です。
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香爐峰の雪は簾をかかげてみる 公園の白梅は窓にかざしてみる

2019年03月05日 | 水戸の梅

公園センタの白滝枝垂が満開です。
会議室の窓枠を額縁に見立てて白梅を見るのは、香爐峰の雪を簾をかかげて見るのにも似て風情のある景色です。
白居易の漢詩に
 遺愛寺鐘欹枕聽  遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き
 香爐峰雪撥簾看  香爐峰の雪は簾をかかげてみる
というのがありました。学生の時に諳んじたもので、今もその光景とともに思い出します。


 香爐峰雪撥簾看  香爐峰の雪は簾をかかげてみ
 公園白梅翳窓観  公園の白梅は窓にかざしてみる
じっと見ていると、梅の花の咲いた枝がその香りとともに室内に入ってくるような錯覚でしょうか、現実でしょうか。


現実には窓の向こうにあるはずなのに。


手が届くほど近くに花が咲いているのです。



 
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古典的な梅黄金梅と酈懸梅 花弁のついている酈懸梅の花を探す

2019年03月03日 | 水戸の梅

黄金梅 水戸市植物公園
黄金梅は花弁が細く、雄しべの黄色が目立つ花です。酈懸梅に似ています。
 
 鎌倉の瑞泉寺に黄梅という鎌倉市特別天然記念物に指定された梅があります。
瑞泉寺の立て札には次のように説明されています。
    鎌倉市特別記念物 黄梅 オウバイ
  「 江戸時代から知られた梅の品種で花弁はやや退化して帯黄色 この木により牧野富太郎博士はオウバイの学名を付けられた。」
この黄梅は江戸時代の梅図鑑「韻勝園梅譜」の黄金梅と同じではないかと思います。

これは韻勝園梅譜の中の黄金梅です。
説明(現代訳)は次の通りです。
「一重の黄色で小輪である。花弁はもっとも細い。花は多くは付かない。枝を切ると大きく傷む。育て上げて古木になると花つきがよくなる。その姿を黄金揃えにたとえてこの名をつけた。また黄香梅ともいう。」
 園芸家はかつては一時期、鎌倉黄金としていたようです。というのは、現在のひたちなか市で作出された勝田黄金という梅があったそうです。この勝田黄金は今は見ることができませんので、鎌倉黄金を黄金梅と言っていると思います。
偕楽園では水戸市植物公園の黄金梅を接木したものが苗木畑にあると思います。数年後には見ることができると思います。


偕楽園の酈懸梅
 黄金梅によく似ている酈懸梅は偕楽園と弘道館に合計20本以上あります。この時期は満開の木や咲き始めた木がたくさんあります。
酈懸梅も江戸時代にはよく知られた梅で、韻勝園梅譜に記載があり、神代植物公園の梅林に説明板が設置されていました。

これはその説明板の写真です。韻勝園梅譜に描かれているのは右側で白い花弁がついています。左は現在の梅林の花で、花弁がついていません。
韻勝園梅譜の説明は下記のとおりです。(現代訳)
「酈懸梅は黄金梅に似て、はなびらは黄色で、いたって小さな白弁がすこし出る。これも奇品である。」
この韻勝園梅譜の説明通りに、小さな白弁が出た花を偕楽園で発見しました。

酈懸梅の花弁は咲く時期が遅いほど花弁は出やすいようです。花弁の出ている酈懸梅の花を探して回るのも探梅のひとつと言えそうですね。






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