新しい斑入り葉の芽接ぎの芽から葉が開いてきました。葉の色合いからこれまでにない新しい斑入りの梅が期待されます。
斑入りの梅の葉といえば、翁や塒出錦の葉です。
翁の斑入りは緑色の葉に白色の斑が入っています。
塒出錦では黄色い斑が入った美しい葉になります。
また塒出錦は実も美しく、枝にも葉にも斑が入り、花もみな美しいという梅の逸品です。
これら既存の斑入りの葉に比べて、今回の斑いり葉には新しい特徴があります。
新しい斑入り葉の特徴は、葉の白い部分と緑の部分がはっきりと直線的に分離していることです。
この新しい斑入り葉を見つけたのは、昨年2018年5月でした。新梢に筋があって、その筋の部分についている葉が斑入り葉になっていました。
枝の筋から外れたところにある葉には斑がなくて、少しだけ枝の筋に触れている場合は斑入りも少ないものです。
枝の先端のまだ若い葉は、斑がまだ白くはなく赤味を帯びていました。
2018年5月にこの新しい斑入り葉を発見したのですが、まもなくこの枝が折れてしまうという緊急事態になりました。
接木が非常に難しい時期だったのですが、急遽斑入り葉の部分を芽接ぎしました。
枝の筋上にある芽5個を5本の穂木に切り分けて、5か所に芽接ぎをして、穂木からの発芽を待っていました。
2週間も過ぎれば芽吹くものと待っていましたが、夏を過ぎても芽吹かないばかりか、4か所は穂木が枯れてしまいました。
残る1か所も秋には芽吹くものと期待しましたが、冬になっても一向に芽吹く様子がありませんで今回も諦めなければならないかと残念に思っていました。でも、穂木が緑色なので春には芽吹くのではと望みは捨てませんでした。
実はこの新しい斑入り葉を発見したのは3度目になります。
最初は2013年7月でした。
2度目は2015年でした。
いずれも枝が古くて細いなど慎重に見守っているうちに枝が枯れるなどして消えてしまい残念な思いをしました。
そして今回2018年は前2回とは別の梅の木の太い徒長枝に新しい斑入り葉を発見したわけです。
これならば接木も容易で、間違いなく新しい斑入り葉の梅の木が誕生かと大いに期待したのですが、上記のように緊急事態になり、芽接ぎの結果もままならない状況になってしまったのでした。
そして芽接ぎをしてから10か月後に、ようやく芽接ぎをした芽から葉が出てきたのです。
出てきた葉をよくよく見ると真ん中の葉が左側と右側で色が違います。この葉が大きくなるときっと新しい斑入り葉に変わるはずです。6年目にしてようやく新しい斑入り葉の梅の木の誕生にこぎつけられました。
枝の筋入は弘道館にもありますが、葉には斑が現れません。このような新しい斑入り葉の梅の木はこれまで図鑑でも見たことが無いもので、新しい斑入り葉の梅の木誕生に大いに期待しています。