庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

梅のふりをしているサクラ(偽客)

2018年03月26日 | 梅を訪ねて

お客さん  「これは梅ですよね。」
雑草    「はい。これは梅のふりをしているサクラです。」 とすまし顔。
お客さん  「???・・・ 」   ちょっと間をおいてニッコリ。


東門近くの二季咲桜は梅の木に囲まれているので、お客様が梅と勘違いしがちです。
 1月探梅のころ、梅の花がまだほんの少しの時に、かなりたくさん花をつけているこの桜の木に近寄って写真を撮られるお客さんの中には、この木を梅の木と思っておられることがあります。
まだほんの少ししか梅が咲いていないのに、もうたくさん咲いていたとお客さんが言っていたと聞くことがあります。そんな時はこの二季咲桜のことのようです。

 また、3月下旬送梅の時期になりますと、梅の花が終盤をむかえて、みすぼらしくなってきます。
そんな梅に囲まれてこの桜だけが元気に咲き始めるので、元気な梅の花見つけたとばかりに、この桜の木に近寄ってこられるお客さんがいらっしゃいます。

昨日も、「これは梅ですよね。」と、でも花の様子が梅とちょっと違うので、疑問に思われてか、確認されてきたお客さんがいらっしゃいました。そんな時には、「はい。梅のふりをしているサクラです。」とお答えしますと、急に和やかな雰囲気になることがあります。
 この時のサクラは桜ではなくて、おとり、つまり梅のふりをして、梅まつりを盛り上げてよい雰囲気を作り出してくれる二季咲桜です。

ウィキペデアには
サクラとは、公演主催者や販売店に雇われて客の中に紛れ込み、特定の場面や公演全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を作り出したりする者を指す隠語。当て字で偽客とも書く。とあります。

二季咲桜は偽客になって、梅まつりの最後をもりあげているのですね。

偕楽園には二季咲桜が、このほかに3カ所あります。

梅大使さんと記念撮影ができる東門からの大通りの奥のほうにあります。この木は大株ですが、花のつき方をみると三種類あります。




こちらは、左近の桜の近くです。


もう一本は好文亭内です。

これらの二季咲桜は、ソメイヨシノの咲き始めるころに本格的に咲きます。また秋10月頃から2月にかけて、2度目の花を咲かせます。


 
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水戸の偕楽園から生中継 6日のNHK昼ブラ 殿様気分で新ルート

2018年03月08日 | 梅を訪ねて
 好文亭
 息子からメールがありました。明日6日のNHK昼ブラは水戸の偕楽園から生中継するらしいと。
TVの番組表に「殿様気分で梅を満喫」とあります。これは必見です。
 公式の案内パンフレットでは好文亭へお客様をご案内する順路は表門から一の木戸、竹林を経て好文亭へ。初めに陰、そして陽の世界へというのが、偕楽園の公式案内に書いてあります。
 でも、ちょっとへそ曲がりの雑草の推理は、御成門から梅林をまっしぐらに好文亭へが御成門が新設されてからの高貴な賓客の正式ルートではないかと。
 なぜなら、御成門は昭憲皇太后(明治天皇皇后)をお迎えするために新たにつくられた門ですから、一般のお客様よりさらに高貴なスペシャルゲストへのサプライズがあると思うのです。
  満月
御成門を入ると最初に出迎えるのは満月の古木が両側にあります。この木は御成門を入った直後の左側の満月です。
では右側はどこに? それは大きな案内板の後ろ側です。
賓客を歓迎する満月を隠してしまったとはちょっと残念な設置でした。
 そして、右側の満月の次には、花香美という品種があります。この梅の木については「昔、後水尾天皇が花も香も良く、実もよいとの意味で花香実と名をつけられ、一部では‘花香美’、あるいは‘花香味’ともいわれているという、天皇家ゆかりの梅の木です。今は名札落ちしたのか、枯れたのかみあたりません。また翁というめでたい名の梅の木があるなど、まさに高貴なお客様をお迎えするのにふさわしい御門となっています。

 さて、この御成門からからは好文亭への一直線園路があります。酈懸梅など珍しい梅の木があるのですが、今では詳しい案内がされることはあまりありません。
 園路の中間まで進むと十字路があります。
 十字路の冬至
 この十字路には園内でも屈指の早咲き梅が十字路の四方にあります。上の画像は十字路から御成門方向を見ています。御成門からいらっしゃる賓客には右側になります。ここに偕楽園でも最初に開花する(開花順番が片手に入る)冬至梅があります。
 反対側、十字路手前の左側には八重冬至が。十字路の向こう側左手には冬至梅、右手には八重野梅が。
御成門からこの十字路まではなぜか白梅が多いですね。
 さてこの十字路にさしかかると、かつてはここに簾の内枝垂(みすのうちしだれ)がありました。今は枯れてしまいましたが、白梅の多い園路を進んでくると、それはそれは感動する梅の木でした。
 簾の内枝垂
 ここで賓客は梅に強く興味をもたれて、案内の者に、「この梅は何という名か」とか初めて口を開かれることでしょう。
それで、ここから好文亭まではもうわずかな道のりですが、名花と言われる梅の木が次々と植えられています。
 烈公梅、月影、月の桂、道知辺、茶青花、紅千鳥などなど。それからねじれた太い古木、その風格ある幹は尊厳をこめて鉄幹ともよばれるものです。
 そして梅林の出口、茶店の手前にさしかかると左に江南にくらぶるものなしと言われた美しいい梅、水戸の六名木のひとつ江南所無、右は紅難波。こうして賓客は梅にすっかり満足されて、好文亭へ向かわれるのです。
 さらに芝前門を通り、殿様の名をいただいた烈公梅、御所紅がお出迎え。さらにさらに白滝枝垂、そしてここにも簾の内枝垂が。さらに輪違い、高砂枝垂れなどがご到着まで続きます。
 
 たしかに、高貴な賓客を表門から陰の世界に引き込むとは恐れ多いことです。御成門から清楚な白梅と天皇家ゆかりの花香美や老大木でお出迎えして、半ばを過ぎるころには目を見張る美しい花をご覧いただき、賓客にはこれから行く好文亭ではどんなにかわくわくさせるサプライズがあるだろうかと大きな期待を持っていただくという仕掛けがあるのかなと考えます。

 この大胆な雑草の推理いかがでしょうか。これこそスペシャルゲストをお迎えするのにふさわしいルートで、まさに「殿様気分で梅を満喫」ルートと思いますが。
 明日の昼ブラが楽しみですね。

以上は2月5日の投稿と一部追記


追記 2月8日他
 6日の昼ブラでは上記とほぼ同じ場所での中継となりました。
十字路少し手前から中継が始まり、数種の名花を愛でた後に、偕楽園の梅の管理者根本氏が古木の説明をしました。そのあとで苗木畑からの梅の管理の説明をはさんで、好文亭へと移動しました。
 この新しいスタイルの梅の見学ルートはいかがでしょうか。そのためには十字路にもう一度「簾の内枝垂」に匹敵する名花を植えたいものですね。

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小石川後楽園の梅林

2018年02月13日 | 梅を訪ねて
 光圀
12日にフォト蔵仲間と水戸黄門ゆかりの名園 小石川後楽園 の梅を見てきました。冒頭の写真は光圀という名の梅です。


偕楽園から里帰りした梅「佐橋紅」はまだ咲いていませんでした。偕楽園と弘道館には花形が若干違う佐橋紅があるので、どの木が里帰りしたのか知りたかったのですが、早すぎてまだ咲いていませんでした。次の機会にまた会いに来ましょう。


最初に出迎えてくれる梅は道知辺です。咲き始めの花は花弁のひとつひとつがスプーンのように、あるいは味噌汁をすくうお玉のようにまるくなっています。花全体では人を抱える両腕のようにもみえます。それで、このような咲き方を抱え咲といいます。
仲睦まじいご夫婦が支え合うようにして見入っていました。


中ほどに入ってきますと美しい枝垂梅、呉服枝垂(くれはしだれ)です。呉服とは中国呉の時代にもたらされた美しい織物、呉はたおりから名付けられたものと思われます。反対側には背の高い白滝枝垂が白い花をつけておりました。


林床にはフクジュソウ。


冒頭にもアップしました光圀梅が盛んに咲いていました。小石川後楽園で最初にさいたとか。


園路の反対側には虎の尾も咲いていました。
おや?この虎の尾は一重咲きです。偕楽園の虎の尾は八重咲きですし、ネットで見ると偕楽園以外は数少ないですが、やはり八重咲きのようです。

この虎の尾の名札がついた梅花は光圀梅にも似ているように思えました。


小梅の花が真っ盛りでした。

八重寒紅もきれいに咲いています。


一段ときれいな花。名札は見当たりませんが、藤牡丹枝垂でしょうか。真っ赤な鹿児島紅や大盃も目を引きました。


遺伝子に赤成分がないとか。萼の色が緑色の青軸梅です。


見上げると梢にかわいい花 蝶千鳥です。


月宮殿も咲き始めていました。


今日目当ての花 八重旭です。


ふっくらとしたピンクの八重旭。


本当にきれいな花です。この八重旭は。
偕楽園の吐玉泉下にも八重旭の名札のついたとってもきれいな花がありますが、若干花に疑問がありましたので、本当の八重旭を見てみたいものと思っていました。これが本当の八重旭なのでしょう。


最後は浜千鳥です。道知辺とは反対側の入り口に有りました。

今、小石川後楽園は梅まつり期間中です。







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