庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

パフィオペディラムがついに満開に 受粉のしくみ

2022年02月21日 | 庭の花たち

パフィオペディラム・ライムドーンがついに5輪とも咲き揃いました。今シーズンはあまりにも寒い氷点下の朝が続いているので、蕾の成長が非常に遅くなりました。部屋の温度があと1度低くなったら蕾のまま枯れていたかもしれない綱渡りの日々でした。
昨シーズンまでとは一番花が咲くまでが35日も遅くなりました。
当初の見込みでは、全部の花が咲きそろうまではせいぜい1週間くらいと思いましたが、
一番花が咲いてから17日も過ぎてから5輪全部が開花しました。

受粉の仕組み
雄しべは咲き始めのころは、周りと同系色なので見えにくいのですが、
一番花の開花から18日後に、雄しべの色が変わって見えるようになってきました。

雄しべは矢印の先です。

でも仮雄ずいの裏側なので、はっきり見ることができません。

斜め横から見ると雄しべが、見えてきます。これ以上は花を分解しないと見えません。

画像処理して、雄しべと雌しべの位置をわかりやすくしてみました。

雄しべのついている位置は赤い矢印の先で、仮雄ずいの裏側です。ここから少しだけみえているのす。
黄色い矢印の先の、仮雄ずいの裏側にめしべがついています。こちらは見えていません。

訪花昆虫は唇弁のスリッパ状の中へ入り、
仮雄ずいと唇弁の間を黄色い矢印の方向へ進みます。
この時訪花昆虫がすでに花粉を体につけていれば、雌しべに花粉がついて受粉します。
そして上の雄しべのところで、この花の花粉を付けて出てゆきます。

次に別の花を訪れて、同じく唇弁と仮雄ずいの間を通って、前の花でつけた花粉を雌しべに付けて受粉し、
雄しべの花粉を体につけて出てゆきます。
これを繰り返して、別の花の花粉を雌しべにつける、他花受粉の仕組みになっています。
仮雄ずいは他花受粉になくてはならない大切な構造物です。

訪花昆虫はこのように、スリッパの中を下から上へと昇ってゆくのですが、滑り落ちてもスリッパの中へ落ちるだけで、花から落ちることはありません。そればかりか、

スリッパの内側には毛があって、滑りにくくなっています。
一度訪れた昆虫に確実に受粉を手伝ってもらえるようにとの知恵のあるスリッパの構造です。

パフィオぺディラムの花のつくりにはそれぞれ大切な役目がありました。
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昨年のパフィオの失敗は貴重な財産に でもこれ以上は無理

2022年02月10日 | 庭の花たち

現在咲いているパフィオ
昨年2021年はせっかく咲かせた花を夜半まで寒い屋外に置いてしまって花が枯れてしまいましたが、にもかかわらず今年は5個も蕾ができて、そのうち3個が現在開花中です。

2021年2月 屋外に夜半まで放置したパフィオ
 このことから、このパフィオはほぼ0℃まで一時的に気温が下がっても大丈夫であるとわかりました。
 パフィオはこの時の試練にもめげずに、株がしっかりしてきて、蕾を5個も付けたのでした。
12月中旬までは比較的暖かく蕾も順調に成長してきました。
これならば、昨年同様に年末か、元日早々には開花するのではと期待が高まりました。

 ところが、そのあとで今冬は「数年に一度の寒さ」と予報されました。果たして12月下旬からは急に寒い日が続き、1月になってからも寒い日が続きました。

1月19日のパフィオ
 元日には咲くと思われた蕾は成長が止まって、1月中旬までは依然としてクリスマスイヴ頃の蕾のままでした。さらに、昨年の屋外にさらした時と同じように枯れてきた葉があり、その時よりもひどい枯れ方です。この時は、もしかしたら咲かずに蕾が枯れてしまうのかと心配していたのでした。

 その後、寒いながらも極端に寒い朝が少なくなってきて、好転の兆しが見えてきたのが、この1月19日の画像です。
これなら1月末ころ、遅くとも節分には一番花が咲くかと希望が出てきたわけです。

1月31日 開き始めた一番花

2月3日 ついに開花した一番花 昨年より35日遅れての開花でした。
ここまでは「パフィオが開花。スリッパの中にインソールが。花の構造と受粉」にも書いたとおりです。


2月5日 3個の花が咲きそろう。まだ蕾が2個残っている。

2月10日 残った蕾も開き始めました。
あと数日で5個の花が咲きそろうようです。実に最後の開花は昨年の開花よりも45日も遅れることになりました。何とか無事に5個咲きそろえてみたいと毎日見守っています。

以上のことから、我が家では今年のような「数年に一度の寒さ」がパフィオ栽培の限界と思います。我が家は暖房を切って就寝しますが、今年の最も寒い日(氷点下5~6度)には部屋の温度は朝方には零度にはなったと思われます。それで蕾の成長が止まり、一部の葉が凍傷になったのでしょう。

 もしも「10年に一度」のさらなる寒い冬が来るならば、最も寒い日(氷点下7~8度)には夜どうし暖房するか、こたつの中にでもパフィオを入れておかなければならないでしょう。

居間のこたつ
幸いにも、居間には足の長いこたつがあります。私が足の短い座りこたつに長い足を付けたものです。   
 冬場は布地を垂れ下げているので、暖房を切ってもこたつの中は氷点下にはならないはずです。

 というわけで、豪華なランなどは我が家には似合わないのですね。それでも、縁あって我が家に来たランを私が必死に管理しているので、ランが好きだと思い違いをされて、いただいてしまうことがあります。これ以上増えたらパニックになりそうです。今年もすでに冒頭の写真の赤い花が来てしまいました。マイクロ胡蝶蘭らしく、パフィオより管理が難しそうです。
 これ以上ランが増えるのも、これ以上寒い冬が来るのも、もう我が家では無理です。何とかランを咲かせようとして咲く蘭(錯乱)しそうです。



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セツブンソウが咲き始めました

2022年02月09日 | 庭の花たち

咲き始めたセツブンソウ

先にキバナセツブンソウがでてきていたので、セツブンソウは出ていないかと毎日確認していたのですが、ようやく今朝初めて見つけました。
この場所は昨日もよくよく見たはずなのに、いきなり白い花弁を付けたセツブンソウが現れました。
朝見たときは2株しか見つからなかったのに、昼にもう一度確認したら4株でした。
ということは昨日は見落としていた可能性が大ですね。

矢印のところに出てきています。

13時過ぎの開花状況です。この場所は午後は陽が陰るので、今日の開花はこの程度まででしょう。
以下は17時の様子です。

夕方5時の様子1番

夕方5時の様子2番

夕方5時の様子3番4番


2月9日の様子
キバナセツブンソウは2月4日に見つけたのに、まだ花弁が見えません。

2月4日に見つけたときの様子 5日も過ぎたのにあまり成長していません。



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パフィオが開花。スリッパの中にインソールが。花の構造と受粉

2022年02月03日 | 庭の花たち
ようやく開花したパフィオ
スリッパ(唇弁)の中のインソール(仮雄ずい)まで見えています。

今回咲いたのは左側の1番です。昨シーズンは12月30日開花ですから、35日遅かったです。
12月15日ころまでの蕾の成長は、昨シーズンとほぼ同じだったので、12月末ころには開花すると思われました。ところが12月下旬になって急に寒くなり、蕾の成長が休止してしまい、一時は咲かないで蕾のまま枯れてしまうかと心配でした。
2番と3番もまもなく開花します。
4番と5番はもうしばらく待つようです。

蘭の花は複雑怪奇です。特にパフィオは特異です。

パフィオの花の構造 1 横向きの花
①花の一番基の葉に似たもの  苞 
②苞の中の茎が膨らんだ部分  子房
③花の下側の葉のようなもの  下萼片
④花の上側の白い部分     背萼片

パフィオの花の構造 2 花の正面
④上の白い部分        背萼片
⑤両横側に開いた黄緑色    側花弁(左右各1計2個)
⑥下のスリッパ状       唇弁

パフィオの花の構造 3 唇弁の中
⑦インソール状のもの     仮雄ずい
⑧仮雄ずいの付け根の両側   花粉塊 雄ずいの裏にほぼ隠れている。咲き始めは同系色で分かりにくい

パフィオの花の構造 4 老けた花の唇弁の中 
⑧仮雄ずいの付け根両側の茶色 花粉塊(2個)
⑨仮雄ずいの裏側       柱頭 仮雄ずい表側の中央付近の突起のあたりで裏側のため見えない。
以上が花の構造です。

訪花昆虫によって受粉する仕組みについて

①訪花昆虫は唇弁と仮雄ずいの間に下側から侵入して、
上側から出るときに花粉塊に接触して花粉を体に付けます。
②花粉を付けた訪花昆虫が別の花の唇弁と仮雄ずいの間に侵入して、
柱頭に花粉を付けます。
⑧花粉管がのびて子房に達して受粉が成立します。
人工的に受粉作業をするためには、
①唇弁を取り去って、
②花の下側から仮雄ずいの裏側にある柱頭に、
③別の花の花粉塊を付着させます。

来シーズンに向けて
今シーズン花が咲いた5株は次の花の時期までには枯れてしまいます。
花が咲くのは新しい芽が出てから2年目になります。
現在新しい株は次の3株が確認できます。

新しい株 1

新しい株 2

新しい株 3
この3株のうち、2年目になる株は1番だけのようです。
もしも、その通りだとすると、
来シーズン花が咲くとすれば一株だけ、つまり花が1個です。
2年目でも咲かない可能性があるので、
来シーズンは花が咲かないこともありです。


パフィオの鉢に植えた覚えのないものが出てきました。
葉は一見エビネのようですが、新しく出てきた芽はエビネではなさそうです。
一体何者なのか?
パフィオを次に植え替えるときに、別の鉢に植えて調べることにします。
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庭の梅「緋の司」がようやく。花たちが異常気象に右往左往

2022年02月01日 | 庭の花たち

2月1日 庭の梅 緋の司がようやく咲きました。
最も早く咲いたのは2016年の元日です。その時から1か月も遅い開花です。

今冬はこのように遅く咲く花もあれば、ツバキのイースターモーンのように早くても3月に咲いていたのが、

今シーズンは12月18日には一番花が咲きました。

その後も続々と咲き続けていますが、寒さのために咲いた花は枯れてしまいます。


パフィオペディラムは昨年より一か月以上遅れてあと数日で咲く見込みです。


クリスマスローズはいまだに蕾が出てきません。今年は咲かない?気配です。

花ばかりではなく、冬枯れないトキワイカリソウの葉が枯れてしまいました。

葉が枯れたトキワイカリソウ

例年ならばこのように花が咲いているときも、昨シーズンの葉が枯れません。


常緑なのに葉がしおれてしまったジュウモンジシダ。

常緑ではない普通のジュウモンジシダは冬はこのように枯れます。

常緑のジュウモンジシダは4月に新葉が大きくなっても、昨シーズンの葉が緑色をしています。


ナンテンの葉がこんなにも真っ赤になったのをはじめてみました。

庭の草花たちが異常気象で右往左往しているようです。
梅の緋の司の一番花の開花が遅れたのは、晩秋までは比較的暖かい日が続いたためと考えられます。
ツバキのイースターモーンが12月と異常に早く咲いたのも晩秋まで比較的暖かい日が続いたためと思います。
暖かいのに早く咲く花と遅く咲く花があるのは、ちょっと理解できませんね。


ツバキのイースターモーンは夏に形成された蕾が、晩秋まで比較的暖かい日が続いたので、成長し続けていたのでしょう。ところがいざ咲き始めたら、今度は寒くなってしまって、次々と咲く花が枯れてしまったと思われます。

 梅は一旦寒くなってから、暖かさが戻ると咲き始めます。偕楽園の早咲き梅は例年ですと11月のうちに氷点下になるような十分な寒い日があってから、その後1週間から10日くらい後に咲きます。今シーズンはこの十分な寒さがあったような、なかったような。はっきりしなかった晩秋で、咲き始めるのが遅くなりましたし、咲いた本数も少なかったのでした。
12月23日「偕楽園の梅の開花状況12月23日 全部で12本」 参照

 
 庭の緋の司は同じように十分な寒さを感じてから、少し暖かい日が続くと1月ころに一番花が咲く品種です。ところが今年は12月19日に十分に寒い日がありました。それで12月末くらいには咲く準備はできたと思ったのですが、12月下旬からは数年に一度の寒さが予報され、その通りに12月26日から朝は連日氷点下になる寒い日が続きました。それが1月いっぱい続きましたので、開花することができなかったようです。


 この数年に一度の寒さは、温室のない我が家では、パフィオの蕾の成長が停止したかのような日々が続いて35日以上も遅い開花になりそうです。あと数日で開花を期待。



 常緑のトキワイカリソウとジュウモンジシダの葉が枯れたのは、この数年に一度の寒さ故であることには違いないようですが、日々の最低気温を見ると、最も寒い日でも氷点下5度台です。これまで、氷点下6度~7度台の朝があった年でも枯れることがなかったのですから説明できません。
比較的暖かい晩秋から、突然真冬の寒さになったので、寒さに対応ができなかったのでしょうか。

庭のすべての植物が見た目には影響を受けているわけではなく、この気候に対応できて、ダメージのわからないものが大半です。芽吹いて花が咲くと影響の全容が見えてくると思うので、これからしばらくは庭の草木から目が離せません。




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