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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

若者世代が受けてきた憲法教育~ある大学生の場合~ 

2013-08-04 18:19:55 | 集会案内

「改憲」が叫ばれる今、学校教育の中で憲法問題をどのように取り上げていけばいいのでしょうか?憲法観って、どうも世代によってかなり違っているようです。世代が違うと、どうも通じない、そういう時、「年寄り」は、「ったく、今の若者は?」なんて言いがちです。しかし、その距離を縮め、この問題を共有する接点を見出さない限り、いつまで経っても話し合うことはできません。

実行委員会で提起した、「今の若者は、小学校や中学校、また高校で、憲法について、どのように習っているのか興味がある」が採用され、しかも一人の大学生がクラスメートからアンケートまで取って、その結果も含めて報告してくれます。これは学校の先生方、ぜひともそこから学んでください。ひょっとしたら、「すれ違い」ぶりを把握するヒントになるかもしれません。

ポスターセッションのラインナップの紹介と共に、特別に、ほんの少し、「大学生アンケート結果」をお知らせしましょう。

学校で憲法を語るつどい

8月5日(月)17:00~19:30

京都テルサ(JR京都駅より徒歩10分)会議室)

☆参加費☆ 1000円     (学生500円)

 <報告ラインナップ>

A:憲法96条をもとに教室で模擬国会(高校教師)

 96条をめぐって生徒の議論が盛り上がる その仕掛け 生徒は何を考えたのか 憲法教育の意味を考える

B:法言語教育として憲法を国語で扱う(高校教師) 

国語で憲法を扱った授業を紹介する。内容は、憲法に関連して多彩なゲストを招いての授業、生存権の25条を自分のことばで書き換える授業、憲法をテーマに誰かにインタビューして1人称書きでその内容をまとめる課題などである。

C:憲法を守らねばならないのはだれだ?~教師と授業を行った若手弁護士からの報告   (弁護士)

弁護士と教師が“コラボ”で「立憲主義の趣旨から国民の憲法擁護義務の有無を考えた」実践。そもそも国民には憲法を守る義務がある?ない? さて、生徒の答えは?

D:生徒会活動は“生徒主権”なのか?!(高校教師) 

形の上では「民主的」なはずの生徒会。その活動は民主主義を実践的に学ぶ格好の材料のはず。ところが、実際には、形がい化する役員選挙、行事の下請け機関化・・・生徒会顧問が日常の指導の中からチョイスした論点を通じ、生徒会活動が“生徒主権”となる方途を考えます。

E:「一人暮らし調査」生存権と労働権の授業(高校教師)

この授業は、労働権と生存権をつなげるものです。このポスターを見に来てくれるお客さんには、わかりやすいようにプレゼンします。

F:憲法改正の授業、失敗に終わりました (高校教師) 

 「憲法を守るのは、天皇・首相・国会議員・公務員」ということについては、生徒はわかりました。でも、「憲法改正」にすすむと・・・「わけわからん」・・・なぜ、どうして?

G:若者世代が受けてきた憲法教育~ある大学生の場合~(大学生) 

 社会の授業で憲法を扱われたことはありますか?どんな授業でしたか?何を習いましたか?社会以外の科目であるますか?・・・。学生が周囲の学生のアンケートを実施。若者世代が受けてきた憲法教育の実態が浮き彫りになる。若者たちは学校で憲法をどう学んでいるのだろうか・・・その実態が授業を受けた若者の手で明らかになる。

H:「予習─授業─復習」サイクルと「調べ─考え─議論する」スタイルを重視した憲法教育の実践 (短大准教授)

 160人を5人程度の班に分け、共同で学習することを前提とする。 毎回の授業にあたって、予習課題を与え、それについて予習[自分で調べる]→[自分で考える]→[班の友人と議論する]→[その成果を持って授業に臨む]・・・大学での憲法教育の実践。



※大学生「突然ケンポウアンケート」結果発表。

一例〔質問2〕

社会の授業で憲法を扱ったことはありますか?ある場合はどのような授業でしたか?また、どのようなことを習いましたか?

● ある…27人
・覚えさせられた。
・第9条にふれるなど、有名なところだけ。
・第9条を覚えさせられた。
・ちょっと読むだけ。
・穴埋めの授業。
・重要な条文の解説と暗記
・裁判員制度の仕組みを習う際に憲法の授業をした。
・政治経済の授業。
・条文にアンダーラインを引いて覚えた。
・25条はテストに出るので、覚えた。
・「憲法はみんなが生きるのに大切なもの」みたいな感じで習った。
・入試に出るところだけ。
・憲法用語の説明と憲法の説明。
・平和主義や戦争放棄について習った。

● ない…5人

 次代を担う(というか、一番「被害を受ける」)年代として言いたいことを、教師相手に「教えて」くれ、これらをもとに、参加する教師や保護者、弁護士さんたちで、「じゃあ学校でどう語ればいいのだろう?」を考えあいます。

どうぞ申し込みは、 

http://kokucheese.com/event/index/104331/ から。

詳細は→ http://kokucheese.com/event/index/104331/ 


教科書排斥問題:神奈川県の場合

2013-08-04 17:25:45 | 渡部通信

渡部秀清さんから昨夜、横浜で開かれた緊急集会のもようを報告いただきました。

昨日(8月3日)、オスプレイ2機が普天間基地に追加配備された。(残る10機は5日に配備?)

 
あれだけ大きな沖縄県民の声を全く無視し、座り込む市民らを警官が暴力的に排除し、逮捕者まで出しながらの配備である。この間の「日の丸・君が代」強制しかり、原発再稼働しかり、日本政府とそれに連なる権力者たちは、多くの人々の声には全く耳を傾けないどころか、暴力的に彼らの政策を強行している。
 
こうした中、昨夜横浜で、【子どもたちにふさわしい教科書を!公正な採択を求める県民集会】が緊急に持たれた。<主催>・公正な教科書を求める県民の会・「日の丸・君が代」強制に反対し、学校に「思想・良心の自由」を実現する会
 
7月30日に決まった緊急集会ではあったが、80数名の参加者で会場は超満員となった。
 
集会で報告されたこの間の経過と今後の動きは以下の通りである。
 
神奈川県では、7月10日までが高校の「学校希望教科書」の提出期限であった。
ところが、7月16日、「教育を良くする神奈川県民の会・A氏」から実教出版教科書採択を「慎重に」という<請願>が出された。
 
それを受けて神奈川県教委は、7月23日、臨時教育委員会を開催し、そこでA氏が意見陳述した。<請願>は継続審議になったが、その後に開かれた「教育委員協議会」(非公式の学習会)で、藤井教育長らは、学校が希望しても不採択になる可能性が高いと判断し、学校側に使用希望教科書の見直しを求めることを決定、6委員全員が了解した。
要するに非公式の場の決定である。)
 
そして翌24日に開かれた「県立学校・学校経営研究協議会」終了後、該当28校の校長を残させ、「公開の教育委員会で不採択になる可能性もあり、学校名が公になって混乱を招く」
として、右翼による街宣活動の可能性も説明しながら、「再考」を強要することになった。(再提出期限は7月31日)まさに麻生副総理ではないが、騒がれる前に権力的に決着をつけようとしたのである。
 
(ちなみに、教科書検定見直しを検討している自民党の部会は、5月28日には、「東京書籍」・「実教出版」・「教育出版」の社長や編集責任者らを呼び、圧力をかけており、6月25日には、教科書の記述や検定制度の在り方を包括的に示す『教科書法』(仮)の制定を盛り込んだ「中間まとめ」を提言している。)
 
それを受け、翌25日、各校で校長が、社会科教員に「お願い」をはじめ、受け入れないと、一方的に書き換えをはじめた。それに対し、26日以降、多くのところから抗議の声が上げられ、
これまで<請願(4件)>も上げられている。
 
今後 ・8月6日に開かれる県教委定例会で、それらの<請願(4件)>の陳述、
     ・8月20日の臨時教育委員会で教科書採択の予定である。
したがって、8月6日に開かれる県教委定例会が重要になってきている。
 
しかし、その時点ではすでに「再提出」は終わっており、東京都の例
 <都の「見解」に、反対する陳情(73件)、反対する意見(70件)
  賛成する意見(3件)にもかかわらず、都教委は定例会で議論もなく押し切った>
を見ても、彼らは権力を背景に押し切る可能性が高い。
 
それでも、このような姑息な事までして、子どもたちを危険な方向に導こうとしている県教委に対し強い反対の意思表示をすることが重要である。
 
集会では、「県教委による各学校への介入とその情況について」という資料が配布され、現場からの報告が多く出された。それによると、多くの高校で職員から反対の声が上がった。
 
たとえばある高校では次のようだったようである。校長より、実教出版の日本史の教科書を変更せよと県教委から言われたとのこと。職員会議で、社会科の教師を含めた多くの教師から、
「変更することは納得できない。実教出版はうちの生徒に相応しい内容で分かりやすい良い教科書である。変える必要はない。」との声が出された。
しかし、校長は、「よくあるが、周りから変えなかったとき、保護者からもあるかもしれない。学校が難しい立場になり、外圧を避けたい。何故、うちの学校だけか、と言われる。最後に、管理職で考える。2番手の教科書を挙げて考える。」との発言があり、県教委の言うとおりにしなければならないと言っている。社会科からは、反対であるとの意思表示が出された。
 
別の高校では次のようだった。社会科は反対し、7月26日から毎日、議論してきた。教科書調査委員会でどうなるのかわからないのに、校長は、「7月31日までに変更しろ」と言っていた。
多くの反対があるにもかかわらず、校長は、7月31日の職員会議で、最終的に変更することを宣言した。校長同士が相互に連絡し合っている。
 
ところで、今回の実教出版教科書排除について、都教委はその「見解」の中で、最高裁判決(2012年1月16日)の彼らに都合のいい部分(職務命令は合憲)という部分を持ち出しているが、神奈川県教委も同じようなことを言っている。
 
それは7月30日、「実現する会」+自由法曹団で県教委高校教育指導課に抗議・要請に行った時のことである。K副課長は次のように述べている。
 
春に(個人情報保護の氏名収集裁判の)最高裁の判決が出て最終的に私どもの姿勢が認められたものと考えております。そうした中で、私ども従来から言っているのは国旗掲揚・国歌斉唱に際して起立することというのは、当然それを子供たちに指導する教員にとって責務である、といったところで、(実教出版の)ああいう「強制」という表現を使われるのは、私どもの考えと合わない、ということです。どこの、とは確かに書かれていないが、少なくとも神奈川では、
神奈川でやっていることを「強制」と書かれるのは相容れないと、(実教出版は神奈川県のことをかいているんだと、)そう取る人がいるんじゃないかと。神奈川県のことを書いているとは断定しておりません。神奈川県の方針とは相容れない。最高裁の方でいうと、不起立の問題、氏名収集の問題、いろいろありましたけれでも、基本的にはこちらの主張が認められたのかなと。
 
前々回のメールでも書きましたが、ここに来て最高裁が「日の丸・君が代」強制による処分や氏名収集を合憲としたことの重大さが、明らかになってきたと言える。たとえ最高裁が「減給」以上は違法とし、「一部自治体の強制」を批判したとしても、権力者たちはそんなことにはお構いなくどんどん強制を強め、今回の実教出版教科書排除に到っている。
 
要するに子どもたちから、政府や権力がやることに対する反対意見を覆い隠し、戦前同様、子どもたちを「愛国心」あふれる人間に洗脳しようとしているのである。だから彼らは、子どもたちに本当の事を知られるのが一番怖いのである。
 
これに反撃するには、人々の中(とくに若者たち)に、現在起きていることの問題点を広く宣伝し、その危険性を訴える、全国的な大衆運動を作り上げていくことであろう。
 
また、第三次教科書裁判が起きれば良いとも思う。