不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Eyes Wide Shut

2005-03-08 04:53:35 | 映画
85m

1999年の映画
当時、世間を相当騒がせたキューブリック作品。
既にイタリアにいた私は映画館で観た記憶があるけれど、
はっきりいって、ほとんど何も覚えていなかった。
もう一度観たいなと思いながらずっとそのまま。
昨夜テレビで放映されていたので、
ようやく見直す機会に恵まれた。

観始めて驚いた。
トム・クルーズ、若すぎ!(笑)
トム・クルーズの吹き替え声優が別人だった!(驚)
6年前は別人がやっていたのか、吹き替え。
これについてはこちらも参照。

そして観終わって驚いた。
ニコール・キッドマンもトム・クルーズも
あの頃に比べると着実に伸びているなぁ。
6年前の私は何もわかっちゃいなかった。
6年前の私のイタリア語力って大したことなかった。
いやぁ。
これ、あと5年して見直したら
今の自分のイタリア語力って大したことないと思うのかもね。
たぶん6年前あんまりわかってなくて
何も覚えてなかったのは
自分が若かったせいもあるけど
イタリア語力が足りなかったせいなんだとつくづく。

この映画も賛否両論ですが、私は好き。
自分を見失うことって誰にもあるし、
その彷徨い方がビルの場合ああいう形であったわけで
それをトム・クルーズが演じるとああなるわけで。
確かに、あの頃のトム・クルーズは
まだ爽やかさいっぱいで、
ちょっとその辺が役不足といわれても仕方ないし
映画全体に亘って違和感があるけれど。
二人が信じていた「完璧な家庭」なんて
もろくも崩れ落ちるモノだっていうことも
非常に日常的なテーマであると思うし。
もちろんそうしたテーマの奥の深いところを読むためには
見る側も大人じゃなくちゃいけないのだけれど。
きっと年を重ねて見直すと違う部分が見える映画。



イタリア語の映画解説
日本語


Festa della donna

2005-03-08 04:08:50 | 日記・エッセイ・コラム
3月8日は「女性の日」。
昨日ふらっと立ち寄ったバールでは
「明日は大事な日だぞ。
レストランの予約して、花束でも用意しろよ。
忘れると怖いぞ。」と
おじさんたちが冗談を言い合ってました。

この時期にはミモザの黄色い花が街中に溢れて
どこに行っても「女性である」というだけで
ミモザの花をひと房もらったりするのですが
花粉症の私には実はありがた迷惑な話。
ところが、今年は先週の強烈な寒さのせいか
あまりミモザが出回っていない気がするのですけど。
気のせいかな?

この「女性の日」の起源が
とある悲劇に由来することは最近では有名。
1908年3月8日の数日前から
ニューヨークの綿工場で働く女性工員が
その労働条件の改善を求めてストライキに突入。
そこまでは「女性の権利運動」としても意義のあることで
きっとストに参加している女性も
意気揚々としていたことでしょう。
しかし、3月8日、
長引くストライキに憤慨した工場主・ジョンソン氏が
工場のすべての扉を封鎖。
そして不運なことに工場内で火事が起こり
129人の女性工員が建物内に閉じ込められたまま焼死。
この事件を契機に毎年3月8日は
国際的に女性の権利のために闘う日になったわけです。

日本ではあまりメジャーでない日ですが
イタリアでは様々な団体がイベントを企画したりして
女性にとって重要な一日とされています。
フェミニストたちがある程度力をもっているので。
私自身はフェミニズムの活動って
賛同できない部分も多々あるのですけど。
まぁ、それはおいとくとして。

しかし昨今ではこの日の本当の意義とは別に
女性が女性同士で出かけたり、
普段とは違った一日を過ごすという意味合いで
待ち望まれている感じ。
なんとなく「女性が男性らしく振舞ってみる日」に
なりつつある気がしないでもないのですけど…。