不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Johann Vaaler

2005-03-18 11:33:46 | うんちく・小ネタ
clip

ペーパークリップ。
これがないと、仕事が片付かない人もわりに多いのでは?
*写真は現在市場に出回っているもの。

いまだデジタル化の遅れているイタリアでは
なにかにつけて提出書類が多い。
「紙の山」と格闘する羽目になる。
そして、同じ書類を何度も提出させられることもあるので
そのたびにコピーをする。
となると、ステップラー(つまりホチキス)で
パチンパチンとしてしまうわけにもいかない。
となると、単純なワイヤーを曲げただけのペーパークリップって便利。

これを発明した人はノルウェーの人で
Joann Vaalerというのだそうです。
実際発明されたのは1899年か1890年。
オリジナルは細いワイヤーを折り曲げてつくった
二つの舌を持つ三角形もしくは四角形だったようですが、
画像が見つからず良くわからない…。
これをドイツで1899年に
1901年にはアメリカでも特許申請をしているというので
もう100年以上も前の話ですね。
しかし、ワイヤーを折り曲げてあんなものを作るというのは
どういうところから生まれた発想なのでしょう?
そういうセンスのない凡人には理解不能です。

彼の発明したものよりも使いやすいクリップが
イギリスで発売され始めていたこともあって
彼の発明自体が商品化されることはなかったようですが
不完全ではありながらクリップの原型ということで。
同じような時期に同じものが発明されるのはよくあることだし
そうしたものが色々改良されて
別の形で特許申請されることもあるし、
発明者が誰かというのには諸説があるわけです。
ノルウェーの人がこのヴァアレルとその発明品を
誇りに思っているのは確かで
ナチズム占領下では「国家意識」の象徴として
このクリップを洋服にもつけていたのですよね。

イタリアの雑誌では
3月15日に発明(特許申請)と書かれていたのですが、
なんとなく彼の誕生日が3月15日という気もしないでもない…。
調べてみたら彼の誕生日は1866年3月15日。

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