1971年収録のシュタイン盤から、2006年収録のムーティ盤まで13セットのDVD盤の視聴が終了したのでまとめてみる。
①格差の激しいDVD盤
21セットのCD盤も玉石混交だったが、DVD盤はそれ以上だった。音質はCDの方が良いのに決まっている(我が家の装置では)ので、DVDに求めるのは、音質はそこそこの範囲で演劇としての舞台装置、歌手達の歌い方や演技などだが、これは使用されている歌劇場によって格差が激しかった。
地方の音楽祭のまるで学芸会みたいな小さな会場から国を代表する歌劇場まで実にピンからキリまであり、舞台装置も歌手達の熟度もその会場のレベルに見事に付随していた。実際に観劇するのならともかくDVD 化して販売するのが非常識と思われる盤も見受けられた。CD盤に比べて随分高価なので要注意である。
例を挙げると、レスキー盤(1999)、トロタン盤(2000)などがそうである。
②パパゲーノの役柄
やや細かい話になるが、CD盤に比べて映像付きのDVD盤になるとパパゲーノ役が魔笛に欠かせないコミカルな役柄として実に印象が深かった。歌唱力はさほど必要とされない(?)役だが、演劇という面からみると主役にはなれないけれども実に重要な役なのだと再認識した。これが映像の持つ説得力だと納得。
③ベストDVD
最後にベストDVD盤だが、デイヴィス盤(2003)とメスト盤(2000年)の二つが抜きんでている。詳細はレポートのとおり。このどちらかがあればCD盤、DVD盤全てを合わせても十分にカバーできると思う。あとのDVD盤は横一線で好みになるが次点として、シュタイン盤(1971)、サバリッシュ盤(1983)、ゲンネンヴァイン盤(1992)といったところだろうか。特にシュタイン盤のザラストロ役ハンス・ゾーティン(バス)の歌唱と映像はこれだけなので実に貴重な盤。
13セットのDVD