「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

音楽談義~歌曲集「冬の旅」~

2011年05月29日 | 音楽談義

読書でも音楽でも、そしてオーディオでもおよそ趣味と名がつく世界では微細な点まで他人と「好み」が一致することはまず”ない”というのが自分の経験則。

したがって、他人の意見は「参考にすれどもとらわれず」を堅持しているつもりだが、プロの音楽家が推奨する曲目ばかりは一度聴いてみたいという誘惑にかられることがしばしばある。

「鶴我裕子」(つるが ひろこ)さんが書かれたエッセイ集
「バイオリニストは目が赤い」を読んだときもそうだった。

             

鶴我さんは福岡県生まれで、東京芸大卒。1975年(昭和35年)にNHK交響楽団に入団され、第一バイオリン奏者を32年間務められた。

この本(新潮文庫)の50頁に、(鶴我さんは
「腹心のレコード」を2枚持っていて、愛聴し始めて20年、雨の日も風の日もこの2枚で心の支えを得ているという行(くだり)があった。

その2枚の内訳はフィッシャー=ディースカウの「シュトラウス歌曲集」と、もう一枚は「フリッツ・クライスラーの小品集」

ディースカウは今さらの話だが、確実に後世に名前が残る大歌手(バリトン)だし、クライスラーは1930年代頃を中心に活躍した名バイオリニスト。

さっそく、ネットで購入しようと
検索したところ両方ともに該当盤なし、仕方なくオークションを覗いたところディースカウは無かったが、クライスラーのがあった。

どんなに当時の録音が悪くてもクライスラーの演奏だけは「別格」と聞かされているので迷うことなく入札に参加し、スンナリ落札。

「フリッツ・クライスラーの芸術10CD」「高音質復刻盤・オーパス蔵”クライスラー ヴァイオリン小品集”」。

ディースカウの「(リヒャルト)シュトラウス」歌曲集はピアノ伴奏がムーアのものだが、これはよほどのことがない限り、もう手に入りそうにない予感がする。

仕方なく間に合わせのつもりで、手元にある「冬の旅」(シューベルト)を引っ張り出して聴いてみた。ピアノ伴奏はイェルク・デムス。

ディースカウは生涯に亘ってこの歌曲集を7回録音しているが、巷間ではムーアの伴奏によるものが一番評価が高いようだ。

          

この曲には少しばかりの想い出がある。

たしか40歳代の頃だったが、当時、大分市にお住まいのK先生(医師)宅にしょっちゅう出入りしていた。

ある地区の御三家と称された大病院の院長さんで、ご高齢のため今はもう亡くなられたが、広くて天井の高い専用のオーディオルームでタンノイのオートグラフを「TVA1」(M&オースティン)という真空管アンプ(KT88のプッシュプル)で駆動されていた。

今となってはオートグラフの音質は自分の求める方向とは違うと分かっているものの、当時は深々とした音色に大いに感心し憧れたものだった。

そのK先生が愛聴されていたのが「冬の旅」だった。

「疎ましい冬の季節に旅をするなんて誰もが嫌がるものだが、あえてそういう時期を選んで旅をする。

人間はそういう困難な環境を厭わずに身をさらす気概が必要なんだ。医学生の頃に友だちと一緒にこの曲をよく聴いたものだよ」ということだった。

「冬の旅」というタイトルのほんとうの意味は決してそうではなかったのだが、当時は知る由もなかった。

近年ではごく稀に聴く程度だったが久しぶりにじっくり腰を落ち着けて試聴してみる気になった。

短い生涯に600曲にものぼる歌曲を書いてドイツ・リート(芸術歌曲)の花を咲かせたシューベルトの集大成となるのがこの「冬の旅」。

亡くなる前の年に作曲されたもので、暗い幻想に満ちた24曲があまねく網羅されている。あの有名な「菩提樹」は5曲目。

28日の土曜日の物静かでヒンヤリとした午後、外は降りしきる雨という中での鑑賞だったが暗いというか、沈痛に満ちた70分あまりの時間だった。

試聴後の印象は、(以前と同様に)シューベルトの薄幸の生涯を全体的に象徴しているかのようだったが、こういう曲目を愛好する人は一体どういう心境の持ち主なんだろうとつい考えてしまった。

少なくとも叙情的な接し方をはるかに超越した、根っからのクラシックファンには違いない。

最晩年は宗教曲ばかり聴かれていたK先生のイメージと、つい折り重なってしまった。


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オーディオ談義~「気楽に愉しめるオーディオ」~

2011年05月27日 | オーディオ談義

「いらん世話!」と言われそうだが、丁度2年ほど前に「オーディオの衰退とその行く末」というタイトルでブログに記事を登載したことがある。

まあ、内容についてはタイトルどおりのもので、ここ20年ほどのオーディオの衰退は目に余るものがあるのでその理由を列挙したもの。

とはいっても、年齢的には今の30~40歳代以前の方にはピンと来ないかもしれない。

今から30年ほど前には、それはそれは日本のオーディオ業界はたいへんな活況を呈していた。

次から次に新製品が誕生し、売れ行きも順調だったし、何よりもメーカーが工夫をこらし、力を傾注していたので製品の質が高かった。

自分などは今でも、当時の製品(ケンウッド「01ーA」:電源が別筐体で非磁性体アンプ)をパワーアンプに改造してもらい大切に使っているほど。

それがいつのまにか現在のようにオーディオ業界が「尻すぼみ」の一途をたどることになってしまったのはほんとうに淋しい限り。

「CD(レコード)にこんな微妙な音が入っていたのか」、「同じ音楽がオーディオ装置によってこれほど違う印象を受けるのか」という素直な驚きは「オーディオの究極の愉しみ」とも言うべきもの。

こんな素晴らしいオーディオ文化が衰退しているというのはひとりの熱心な愛好家として大変残念な話で、そもそもこの原因は一体何だろうか?

というわけで、当時(2年前のブログで)次の5つの理由を挙げておいた。

1 高価すぎるオーディオ製品

2 未成熟なオーディオ関係者

3 素敵なオーディオ装置に巡り会う機会に恵まれない

4 正しい音楽鑑賞とは

5 「音楽とオーディオ」が両立した啓蒙家の不在

もちろん、これらは自分勝手な独断によるものなので見当違いもあるだろうが、(オーディオ衰退の)第一の原因は何といっても「高価すぎるオーディオ製品」ではないかと今でも推察している。

改めてこの部分を再掲させてもらうと、


オーディオはマイナーな趣味なので大量生産というわけにもいかず、総じていい製品になると開発費も関係して値段の方も高くなる。

高くても「いい音であれば構わない」のが愛好家というものだろうが、
「音楽は好きだし、オーディオにもある程度興味はあるがそれほどまでして”のめり込む”のはどうも」
という入り口付近に佇む大多数の人にとってはそのコストと満足感のバランスが大きな問題で、ちょっと製品価格が高すぎて門戸が狭すぎるんではなかろうか。

この不況の時代、それに昨今の新聞には高級車にも興味を示さない草食系男子の記事が載っていたが、CDトランスポート、DAコンバーター、プリアンプ、パワーアンプ、スピーカー、洒落たケーブルなどの一式をそろえて、”そこそこ”の音質で音楽を聴こうと思えばまず100万円程度の出費は覚悟しなければならないが、こういうまとまった出費に抵抗感を覚える人が多いのは容易に想像できる。

「開発費はかかるし大量に売れないので安価に供給できないメーカー側」「高価すぎて購入しない消費者側」「中途半端な製品を購入してオーディオとはこんなものかと失望する消費者側」「オーディオ離れにより沈没する良心的な中小メーカー」の嘆かわしい負のスパイラルをどこかで断ち切らなければいけない。

ソニー、パナソニックあたりの大メーカーが赤字覚悟で良質の製品を作ってくれるといいのだが。

と、最後の結論ではたいへん”虫のいい”ことを期待していたわけだが、「こんなに面白いオーディオを”特殊な層の趣味”だけに留めておくのは勿体ない。もっと手軽に、そして気楽に愉しめないものか」という気持ちは今でも変わらない。

たいへん僭越だが、こうしてブログを公開する機会に恵まれている以上、質が良くてリーズナブルな値段の製品を紹介するのも一つの役目とも思うのである。

ただし、読者に信用してもらえるかどうかは別問題~。

そして、ようやく最近になって理想的なメーカーを発掘することができた。

メーカーといっても個人の方で仮に「H」さんとしておくが、つい最近オークションで落札した製品を使ってみると実に精緻を極めた”つくり”で性能も圧倒的に良かった。それに信じられないほどリーズナブルな価格。

すぐにメールや電話でやりとりをしたところ、Hさんの「ハンダ付け」へのこだわりが大いに印象に残った。

「オーディオはハンダ付けに始まって、ハンダ付けに終わる」とは、自分の勝手な造語だが、Hさんは独特の圧着方法を採られていて「ハンダ付けは錆止めという意味でやってます。」と明言されるので感心してしまった。

残念なことに「ブログには固有名詞の記載をご遠慮ください」と、釘をさされているので具体的な製品名の紹介を控えるが、まだまだオーディオの世界にも「儲け主義」とは縁遠い方がいることに大いに感激~。

つい調子に乗って長年の課題だった真空管式のチャンネルデバイダー(通称、「チャンデバ」)をお願いしたところ、「ひとつ返事」でこれも信じられないような価格で作っていただくことになった。

周波数帯域を200ヘルツ付近でクロス、肩落ちのスロープを12db、2ウェイ仕様で使う真空管は6DJ8(ECC88)3本と整流管1本、コンデンサーはスプラグ。

この真空管はたしか往年のブランド「カウンターポイント」社のプリアンプの名器「SA5000」に使ってあったはず。

この待望の「チャンデバ」があと1週間もすると我が家にやってくる~!


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オーディオ談義~「羽毛の吸音材づくり」~

2011年05月24日 | オーディオ談義

オーディオの楽しみ方というのは”人それぞれ”で、いろいろあると思うが、(自分が)今のところ”はまっている”のが「羽毛の吸音材づくり」。

何せ、お金は無いけれど「熱意と時間」はたっぷりあるので、テレビを観たり音楽を聴きながら手軽に取り組めるところがいい。

「羽根枕」を買ってきて、それをバラし、中にぎっしり詰まった「羽毛」を木綿の袋に入れ替える作業をせっせと続けている。

         

用途として考えているのは、これから自作する予定のSPボックスの中に容れるのと、もう一つは部屋の音響改善のため。

「羽毛を使った吸音材」の絶大な効果は既に実証済み。

気の遠くなるような時間をかけて進化してきた鳥の「羽毛」は吸音材として最高の素材ではないかと思う。

遠く離れた大陸の間を雨とか強風などをものともせずに疲労なく飛行できるように、柔らかさと、軽さと、強度を兼ね備えた「羽毛」は顕微鏡で見ないとわからないほどの無数の穴が空いている。

この穴や密着した羽毛の間の空気の層がSPユニットの背後から放出される逆相の音を見事に吸収してくれて「聴きやすい音」になるというわけ。

何といっても軽くて圧縮しやすいので取り扱いが容易なのが大きな魅力。

「アキシオム80」とフォステクスの「SLE-20W」3発が入った密閉のボックスの中にぎゅうぎゅう詰に押し込んだところ音質が一変した。

       

「羽毛の吸音材」を使えば、SPボックスの自作は「失敗無し」との自信を大いに深めた。

そして、現在3番目のシステムとして考えているのがアルテックの「403A」ユニット(口径18cm)3発を入れたSPボックスの作成でこの中にも「羽毛」をぎゅうぎゅう押し込んでやろうという魂胆。

この「403A」ユニット3発は当初は「アキシオム80」の低域に使う予定だったが、あまりに個性が強すぎてアキシオムの良さが死んでしまうようなので単独で使うことにした。

「ネットワークとはまったく無縁」のフルレンジのユニット3発からどういう音が出るか非常に楽しみ~。

今さらの話だが念のため、この「ネットワークとはまったく無縁」についてのメリットを詳らかにしておこう。

市販のSPはほとんどが始めから3ウェイとか2ウェイ方式に分かれている。

3ウェイとは低音と中音と高音のユニットを分けたものであり、タンノイの同軸ユニットのように周波数帯域の1000ヘルツ付近で低域ユニットと中高域ユニットをクロスさせている2ウェイ方式もある。

そこで音質上の問題点になるが、このユニット同士が出す音が交差するクロスオーバー付近で、どうしても違うユニットの音が重なり合ってしまうため濁りが生じてしまうのが難点。

言い尽くされたことだが、この辺が大方のオーディオマニアにとって常に悩みのタネになっている。

さらに帯域を分けるために使用される部品のコイルとかコンデンサーが”善きつけ悪しきつけ”、音にクセをつけるので、こういう部品を使わないに越したことはない。

その点、フルレンジのSPユニットは帯域を分けてないのでこういう問題から完全に解放されており、とても自然な音がして聴きやすい。

しかし1本だけだと量感が物足りないので、それを補うために3本のユニットをまとめて使おうというわけ。

さて、その吸音材づくりだが羽毛を容れる木綿の袋の調達が先決。

当初は薄い木綿の布切れを購入して適当な大きさに裁断し、カミさんにミシンで縫ってもらっていたのを使用していたが、ふと思いついたのが不要になったハンカチ。

これを二つに折りたたんで「針と糸」で不器用ながら縫い合わせたところ丁度頃合の木綿袋が出来上がった。

これにせっせと羽毛を詰め込んで出来上がったのが次の写真。

              

何と作りも作ったり、その数25個!

これだけあれば充分だろう。

SP用は別として、あとはオーディオ・ルームの音響改善にどういう使い方をするかということになるが、とても軽いので応用範囲が広い。

たとえば天井から吊るしてみたり、横や後方の壁に貼り付けたり、いいろいろと方法がありそう。

ただし、これをやると「お客さんが来たときに体裁が悪い」とカミさんから猛烈に顰蹙(ひんしゅく)を買うのが難点!


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音楽談義~「生涯に亘って好きな曲」~

2011年05月20日 | 音楽談義

音楽好きの方なら誰しも生涯に亘って愛聴する曲目というのがあると思う。

いくらクラシックといっても通常は一ヶ月ほども続けて聴くと飽いてしまうものだが、それこそ何度聴いても聴くたびに興趣が尽きず、コンコンと泉が湧いて出てくるような音楽。

自分にとってそういう曲目は何かと問われたら、まず咄嗟に出てくるのがモーツァルトの
「ピアノ・ソナタ第14番K.457」。

この曲ばかりはもう「永遠の恋人」のような存在で、何か辛いことや不愉快なことがあってもこの曲を聴くと不思議に心が落ち着く。

音楽でも、オーディオでも「好み」というのは”人それぞれ”で滅多に一致することはないものだが、この曲に関してはコラムニストの
「石堂淑郎」氏
が次のように述べられいる。

 「モーツァルトを聴く~私のベスト1~」(1994年、リテレール誌) 

                             

「一生の間、間断なく固執して作曲したジャンルに作曲家の本質が顕現している。ベートーベンは9つの交響曲、32のピアノ・ソナタ、15の弦楽カルテットに生涯の足跡を刻み込んだ。

モーツァルトの真髄はオペラとピアノ協奏曲にありで同じく生涯に亘って作曲されたピアノ・ソナタは弟子の訓練用に作られたことから、やや軽いという憾みを残す」

と述懐されながらも
「モーツァルトのベスト1」として挙げられたのがこの
「ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457」。

「湧き出る欲求の赴くままに報酬の当てもなく作られた故か不思議な光芒を放って深夜の空に浮かんでいる」。

嘆息するばかりの(石堂氏の)筆力だが、自分もわずか21分かそこらの小品、特に第二楽章(9分前後)の中に、それこそ果てしない宇宙の中に佇んでいるような感慨にとらわれることがある。

しかし、問題は演奏者である。モーツァルトのピアノソナタは物凄く演奏が難しい。

これに関してピアニストの
「久元祐子」
さんは次の著作の中でこう述べられている。

「モーツァルトはどう弾いたか」(H12.丸善(株)刊)    

                               

「モーツァルトの音楽は素晴らしいが弾くことはとても恐ろしい。リストやラフマニノフの超難曲で鮮やかなテクニックを披露できるピアニストがモーツァルトの小品一つを弾いたばかりに馬脚をあらわし「なんだ、下手だったのか」となることがときどきある。

~粗さ、無骨さ、不自然さ、バランスの悪さ~そのような欠点が少しでも出れば音楽全体が台無しになってしまう恐ろしい音楽である」。

オペラ「魔笛」(2時間半)を大河小説にたとえれば、このピアノ・ソナタはまるで俳句のような存在だが、それだけにたった一つの「音符=♪」の演奏のミスさえも許してくれない研ぎ澄まされた音楽。

しかもモーツァルトの音楽はどんなに美しくて悲しみに満ちた旋律が展開されても、演奏が終わった途端に
”な~んちゃって”と、後ろを向いてペロリと舌を出す、まあ
一種の「深刻さの裏返しの照れ」みたいな様子が(自分の目には)垣間見えるが、これら一連のピアノ・ソナタに限ってはそういう印象をまったく受けないのが不思議。 

つまり作為性が感じられないということになるが、結局、これらの作品はモーツァルトの「独り言」みたいな存在なのだろうと勝手に言い聞かせている。

さて、若い時分から30年近く親しんできたこの曲だけにいろんな演奏家を聴いてきた。

グレン・グールド、マリア・ジョアオ・ピリス、内田光子、ワルター・ギーゼキングそしてクラウディオ・アラウ。

いずれも甲乙つけがたいほどの名演ばかりで「知力、気力、体力、技量」がそろったハイレベルのピアニストでなければこのピアノ・ソナタのデリケートなニュアンスはとても引き出せないが、やはり昔も今も一番のお気に入りはグールド。

この魔力に取り憑かれるともうダメ~。逃れる術はない。

待ち遠しいのがロシアのピアニスト「エフゲニー・キーシン」。早くモーツァルトのピアノソナタ全曲を録音してくれないものか。

首を長くして待っているが、簡単に録音しないところをみると、限りなく落し穴の多いこのソナタにさすがのキーシン(1971年10月10日生まれで当年39歳)も随分と慎重になっているようだ。

先日、福岡から我が家にみえた同じくキーシン・ファンのプロの音楽家のO君にこの件をズバリ訊ねてみても、「一流の演奏家になるほど録音には慎重になるからなあ~。モーツァルトのピアノソナタは初見で弾くのが一番で、考え込むとダメだという話をよく聞くよ」と言ってたが、まあ将来の楽しみとして大切にとっておこう。


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独り言~「新しいデジカメ」~

2011年05月13日 | 独り言

メル友でカメラ狂のSさん(千葉県)に強く背中を押されて購入したカシオの新しいデジカメ「エクスリムEX-H15」。

ネットで注文してから数日して8日(日)の午後に到着。

早速、「取説」にざっと目を通したところ撮影した画像を保存するためには内臓メモリーだけでは不十分のようで「市販のメモリーカードを用意してください」とある。

さらに、この機種に使用できる型番も限定されていてWebサイトに紹介してあるとのことで、すぐにパソコンを起動して「メモリーカード適合一覧表」をコピー。

翌日の月曜日にこのコピーを持って近くの電気店に行ってみた。適合するメモリーカードがすぐに見つかったのはいいが意外と高価なのに驚いた。

容量によりけりだが「8GB」で5000円オーバー。何とカメラ代の半分にもなる!

「液晶保護フィルム」も併せて購入した。

午後から「ブログ」にうまく取り込めるかどうか、被写体を1枚撮ったうえで実験開始。

デジカメ購入の第一目的は何といってもブログに使うためなのでスンナリいけばこの上ないが、パソコン音痴なのでやや不安。

実を言うと、ずっと新しいデジカメの購入をためらっていたのもこの点が気にかかっていたから。

「取説」に沿って付属のUSBケーブルでパソコンと接続したところ、画面に表示された説明が実に分かりやすく、これなら「取説」は不要に思えるほど。

選択した画像を「マイドキュメント」→「マイピクチャー」→「オーディオ機器Ⅳ」(自分用ファイル)に無事取り込むことができた。

こうなればブログの画像に取り込むのは簡単と胸を撫で下ろしたところ、そうはうまく問屋が卸さなかった。

何度やっても、ブログの画像に取り込めない。「おかしいなあ」と首をひねりながら(パソコン)画面をよく見てみると「画像サイズが大き過ぎて取り込めません」とある。

急いでカメラの「画質設定」→「サイズ」を「3×2」から最小の「UGA」(Eメールサイズ)に落として1枚撮影して試したところ今度はうまく取り込めてほっと胸を撫で下ろし。

よ~し、これからはジャンジャン写真を撮りまくってブログに載せるぞ~。こんなことなら早いとこ購入すればよかった。

    
  
参考までに、左の写真が新しいカシオのデジカメで撮影したソニーのデジカメで当時(10年以上前)の画素数が180万。

右がソニーのデジカメで撮ったカシオの「エクスリム」で1410万画素。画素数の圧倒的な差ほどには、画質に顕著な違いは見られないと思うがどうだろうか。

話は変わって、今月2日(月)に大阪から帰省してゆっくりと6連休を過ごした後、8日(日)に戻って行った「娘」。

連休中、請われるままに再三再四パソコンを貸してあげたが「お父さん、このパソコンはスピードが遅いね~。もうそろそろ買い換えたほうがいいんじゃない」と言う。

たしか2006年の7月に購入したデスクトップ型でもう5年近くになるがいまだに忠実に稼動してくれているものの、ここ1~2年めっきりスピードが落ちてきた。

たとえば、起動してから画面が出るのにあまりにも時間がかかるため、常に「麻雀ゲーム」をしながら待っている始末。娘が言うようにそろそろ買い換える時期になったのかもしれない。

「メモリーカード」購入のために行った電気店で、ついでにいろんな機種のパソコンを見学。

「IT」の5年間というのは「日進月歩」”そのもの”のようで、当時は分離していたハードディスク部分と液晶画面が現在では一体型になっていて随分と使いやすそう。コンパクトなので場所もとらない。

値段も手の届かない範囲では無さそうなので、近くにいた店員さんから細かく事情聴取。

その結果、あと2週間ほどすると夏モデルが発売されるとのことで、これから春モデルは値引き合戦になる見込みとのこと。

さ~て、どうしようか。

昨年6月に迷惑メール処理対策のために来宅してくれたパソコンの巡回マンが「ウィンドウズのヴィスタはダメでしたけど、今回のセブンはいいようです。もし購入されるのなら”i7”(アイセブン)をお薦めします」と言って帰ったのを覚えている。

しかし、「i7」搭載は値段がひときわ高いようで新型ともなるとそれなりの価格は必至で、当然のごとく「懐」には相当の痛手となる。

ただでさえ「オーディオ」でフーフーいっているのにこの上、パソコンまで触手を伸ばすとなると、ちょっとね~。

お金の工面となると出所は「カミさん」か「娘」しかいないが、毎日顔を突き合わせているカミさんの”しかめっ面”を見るのはあまり気分がいいものではない。それに7月には車検も控えている。

残る選択肢は「娘」ということになるが今や我が家では「最高の稼ぎ頭」になっており、相当「溜め込んでいる」に違いないとひそかに睨んでいる。

全額は無理としても、せめて半分くらいは出してくれると助かるのだが。

さ~て、どうやって攻略しようか・・・・。

 


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オーディオ談義~ヒートシンク~

2011年05月10日 | オーディオ談義

現在使っているバッファー・アンプ(以下、「バッファー」)には大いに助かっている。

           

DAコンバーターとPX25真空管アンプの間に入れて、SPユニット「アキシオム80」の中高域専用として使っているが、電源回路の改造とマイカ・コンデンサーの使用により惚れ惚れするような音質。

もう、これが無くては自分のオーディオが崩壊するほどの大切な存在だが、残念なことに低域部分の再生が貧弱なので中高域部分しか使えない。

唯一の気になる点は、長時間使うとアルミケースがかなり熱を持つこと。これから夏に向かうとさらに加速しそう。

たった2本のミニチュア真空管「6FQ7」を使用したシンプルな構成なのに真空管の放熱はバカにならない。

周知のとおりオーディオ装置にとって熱は大敵である。

取り分け、ダイオードは熱に弱く故障や劣化の原因になったりするし、ほかの部品にしても痛むのが目に見えているので遅まきながら「放熱対策」を講じることにした。

このバッファー以外にも(放熱対策の)対象になる機種が2つあって、この際まとめて面倒を見ることにした。

☆ DAコンバーター(ワディア)

            

使い出して10年以上になるが故障は8年目くらいに電源トランスがイカれただけで、丈夫の一言だが、欠点は電源スイッチが無いため24時間ずっと電気を入れっぱなしという、完全に省エネに逆行するタイプ。

(節電対策が声高に叫ばれている関東辺りでは使うのにちょっと気が引ける代物!)

そのせいでケースの上が手が付けられないほど熱くなる。冬は暖房代わりのつもりでいいのだが、春から夏にかけては悲劇的な存在。

まあ、エアコンを入れれば室内は涼しくなるものの何といっても内部の部品が劣化して性能が充分発揮できなくなるのが怖い。

☆ 真空管アンプ

          

この「VV52B」というパワー管を使ったアンプの使用遍歴も10年以上になるがシステムの中でレギュラーになれる存在ではなく、これまで使ったり、休ませたりの状況。

音質は近代管にしては”まずまず”だが、イマイチ食い足りない。

しかし、ときどき使ってやらないとコンデンサーなどが劣化するので久しぶりに倉庫から引っ張り出して第二システムのウェストミンスター(テレビ視聴用)に使うことにしたものの、このアンプにも難点がある。

写真中央の電源トランスが電源を入れて1時間もすると滅茶苦茶に熱くなる。これはもうDAコンバーターとは比較にならないくらいほどで、冬なら立派に暖房器具として通用する。

以前、このアンプを使用するときには扇風機を回して風を送っていたが、何せ扇風機の風切音が気になるのが欠点。

クラシックの場合ピアニシモの部分が一番の聴き所であり、感動の「源」になるのだが、そういうときに風切音が気になるので何とも始末が悪い。

これら3つの機器の放熱対策をどうしたらいいか、まったくの素人考えだが思いついたのがパソコン用に使われている「ヒートシンク」。

ご存知の方も多いだろうが、ウィキペディアにはこうある。

ヒートシンク (heat sink) とは、発熱する機械・電気部品に取り付けて、熱の放散によって温度を下げることを目的にした部品である。日本語では放熱器(ほうねつき)、板状のものは放熱板(ほうねつばん)と呼ぶ。

主に、熱が伝導しやすいアルミや銅などの金属が材料として用いられることが多い。その用途により、大きさ、形状も、千差万別である。

ヒートシンクの性能は、熱抵抗によって表され、熱抵抗が小さいものほど性能が高い。熱抵抗は、ヒートシンクの材質、大きさ、形状などによって決まり、ヒートシンクの性能を上げるために表面積が広くなるような形状(一般的にはフィンと呼ばれる板や棒の生えた剣山状や蛇腹状)に整形されることが多い。

材料としては「銅」を使うのが一番いいのだろうが、ネットで調べてみると非常に高価なので、「アルミ」を使うことにした。

とりあえず何種類かゲットして、まだ注文中のものもあるが今のところ次のとおり。


                 

それぞれの機器のケースの上に、このヒートシンクを設置し、さらにその上に釣り用などのクーラーボックスに容れる「保冷材」を置いてみようかと考えている。

(結露を吸収しやすいように木綿袋に容れたうえで8時間おきの交換が必要)。

はてさて、どのくらい効果があることやら。

 


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独り言~メル友はありがたい!~

2011年05月06日 | 独り言

先日のブログに登載したように、素晴らしい性能を持つ「マイカ・コンデンサー」。

参考のために記しておくと、マイカとは「雲母」のことで、「耐熱性で電気を通しにくい性質を持ち、絶縁体として使用される」(ウィキペディア)とある。

             

この自然素材である雲母を使った(マイカ)コンデンサーをアンプの回路やネットワークに使用すると抜群に音が良くなると分かったのが近年の最大の収穫。

60年以上も前に作られたウェスタン社のアンプが「なぜあんなにいい音がするのか」、それは「マイカ・コンデンサーを使っているから」なんて噂もちらほら。

既に2ペア購入して愛用しているが、もっと追加して購入しようと思っていたところ、湯布院のAさんから「最近、急にマイカ・コンデンサーの売れ行きが好調で、現在、品切れの状態ですと店主がこぼしていましたよ」と連絡が入った。

このマイカ・コンデンサーはいずれもヴィンテージもので現在、生産していないため売り切れると、そこであっさりお仕舞い。

「あれ~、何だか肩透かしを食らったようで、困りました」とメル友の奈良県のMさんに愚痴をこぼしたところ、すぐに海外のオークションに出品されているサンガモ(メーカー)の「マイカ・コンデンサー」を紹介してくれた。

オークションは得意中の得意(?)だが、海外での取引となるとちょっと二の足を踏む。何といっても英語力が大きな課題。

Mさんに「英語が不安なので諦めざるを得ません。」と返信。まるで、「ご馳走を目の前にして指をくわえて眺めている心境」だがこればかりはどうしようもない。

ところが「ちゃんと日本語版がありますよ。」と、URLつきでうれしいメールが戻ってきた。

すぐに飛びついて、オークションの取引が出来るように住所、氏名、カード決済の手続きなどを済ませ、間髪をいれず目的の商品名を検索で捜し出し、即決をクリックして落札!

安い、実に安い。日本での価格のおよそ5割以下の印象で15%の手数料に海外からの送料が加わっても充分に引きあう。

ついでに行きがけの駄賃とばかり、SPユニットのアルテックの「403A」を見つけたので落札。これも日本での価格の1/4程度だった。

もう、笑いが止らない~。

そして、お目当てのマイカ・コンデンサーが国際宅急便で到着したのが5月5日(木)の11時ごろ。落札してから丁度2週間ぐらい経ってのことだった。税関通過手数料を取られたが微々たるものだった。

         

当面の使い道は決まってないものの、いろんな局面で役立ちそうでこれは随分重宝しそうだ。

まったく、「メル友はありがたい!」

なお、最近「ECC81」(12AT7)と間違えて購入したマラードの真空管「EBC81」(6本)をまとめて引き取ってもらい、その代わりに新品のシーメンスとナショナルの「12AT7」をいただき、まるで「海老で鯛を釣ったような気分」にさせてくれたのもこのMさんだった。

さらに、メル友といえば、千葉県のSさんからも貴重な情報をいただいた。

このSさんはオーディオ専門誌「無線と実験」(月刊)の「部品交換」欄を通じてアキシオム80(ペア)を予備用として破格の安い値段で譲ってもらって以来のお付合い。もう3年~4年ほど前になろうか。

オーディオ・マニアはカメラにも興味を持つ人が実に多いが、このSさんも将来「カメラ博物館」を開くのが夢と言われるほどのカメラ狂。


丁度、現在、デジカメを物色中なので相談してみることにした。

現在使用しているデジタル・カメラはソニー製で購入してから10年近い代物。このブログの中でも”しょっちゅう”利用し、充分「元」は取った勘定だが最近スイッチが磨耗してスンナリ入らず、ストレスがたまる一方。

そろそろ新しいデジカメを購入しようかとネットで売れ筋ランキング(2011.4.25~5.1)を調べてみると1位がキャノンの「IXY30S」、2位がニコンの「COOLPIX P300」。

「キャノンとニコンとどちらがいいですかね」とSさんに相談したところ次のようなメールが返ってきた。

「カメラのことですが、キャノンもニコンもトップメーカーですが、僕はカシオのエクスリムを推します。

高速エンジンで一度に3枚露出の異なる写真を撮り、瞬時に合成して最適な写真に仕上げるというもので、まったく失敗がありません。

そんな描写は現実には無いわけですが、デジタルならではの技術だと思います。

他のメーカーも追随していますが、価格、携帯性からも納得できると思います。

エクスリムシリーズは幾つか機能の異なる機種をエントリーしていますが、エンジンは同じです。

参考にしていただければ幸いです。」

Sさんご推奨のカシオのデジカメは「EXILIM HiーZOOM EX-H15」が売れ筋でキャノン、ニコンに続く堂々3位となっており、値段も一番手ごろ。

すぐに(ネットで)注文したのはいうまでもないが、ようやくこれからはデジカメでイライラしなくて済みそうだ。

 


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オーディオ談義~「災い転じて福?」~

2011年05月03日 | オーディオ談義

振り返ってみると、およそ40年ほどになるオーディオ人生。

幸い、いろんな方のご協力のおかげで、ようやく満足のいく音になってきたが、あとはもう少し低域のボンつきが改善し、分解能が上がってくれれば言うことなし。

オーディオ・マニアとは、とにかく限りなく欲深い人種である。

4月27日(水)、夕食を終えて一服していたときのこと、ふと突然、
低域のユニットを「フォステクス」から「アルテック」に替えてみようかと思い立ち、フラフラとスピーカー・ボックスに近づいた。

本年の年頭所感にも述べたとおり、これは積年の宿題となっていて、そのため3年ほどかけてコツコツとユニットや補助バッフルなどの材料集めをし、ようやく準備万端の状況にあるところ。

しかし、言葉にするとあっけないが簡単に済む作業ではない。

スピーカーの裏蓋を開けて低域用のユニット(フォステクスのSLEー20W)を取り外してアルテックの403A(口径20cm)を取り付けるというわけだが、そのユニットがそれぞれ3本もあるのでたいへん。

19時ごろからとりかかっったので、その日の作業は22時ごろに中断して眠りについたものの、さすがにチョッピリ興奮して熟眠というわけにはいかず、翌朝の早朝3時半にいきなり目が醒めるとすぐに作業続行。

スピーカーを倒して裏返しにし、裏蓋のネジを15本緩めて旧ユニットの取り付けネジ(各4個)を外し、結線をすべて取り外して、新しいユニットの取り付け完了。

       

一つだけならまだしも、これが左右両チャンネルだからひと苦労。その次にSPコードをプラス、マイナスを間違えないように半田付け。

その後に、吸音材として10個ぐらいに小分けした羽毛の木綿袋をぎゅうぎゅう詰めに押し込んだ。

この吸音材は「聴きやすい音質」になるかどうかの命運を左右する程の大切な存在だが、
この辺は市販のスピーカーを購入して”ただ鳴らす”だけの人には到底味わえない奥深さが存在する。

       

さて、裏蓋を締め、重たいスピーカーをやっとこさ持ち上げて起き上がらせると、早速音出し。

オーディオ・マニアならお分かりのとおり、「果たしてどういう音が出てくれるのか」と、このときが至福の瞬間である。

しかし、思うようにいかないのが人生でありオーディオの世界。

あれっ、右チャンネルの下から二番目のユニットからまったく音が出てこない。おまけに左チャンネルの同位置のユニットからは「ビビリ音」がする。

「あ~あ」と、慨嘆!

3セットともオークションで購入したユニットだが、どうやらそのうちの1セットだけ不良品をつかまされたようである。

ひどい出品者もいるものだが、購入したときにすぐに確認しなかった自分も悪い。

相当の日数も経っており出品者も定かでないので、クレーム処理は無理なのですぐに修繕に出すことにしたが、またもや作業が振り出しに戻るのが何とも残念で億劫極りない。

”やれやれ”である。「オーディオは根気」と無理矢理、自分に言い聞かせた。

この1月に心臓の手術をしたばかりで「力仕事」はなるべく避けたほうがいいのだが、まあ大好きなオーディオで命を縮めても仕方がないか~。

早朝8時を待って岡山のSP修理専門店に電話したところ、「ひとまずアルテックを送ってください」という返事だったが連休前の仕上がりは請け負いかねるという冷たい返事。

さ~て、この目前のクライシスをどう乗り越えようかとしばし思案投げ首。選択肢は二つ。

 このまま作業を中断してアルテックの修理が終わるまで待つ

 当面、アルテックのユニットを二つにして聴きながら待つ

そして「窮すれば通ず」突然、三つ目の案が浮上した。

アルテックのユニットを一つにして、フォステクスのユニットを二つ使うとどういう音になるんだろう?

科学のプロセスとは観察から生まれた疑問を説明する仮説を作り、その仮説を実験的に検証する作業といわれている。

納得できる結論を得られるまで仮説の検証を繰り返し、失望と興奮を味わいつつ充分に練られた仮説であれば検証の結果、否定されても何らかの充実感を覚えられようというもの。

ちょっと大げさな物言いになったが「オ
ーディオの愉しみ」とは、この「仮説と検証」が簡単に実験出来ることにあるのではなかろうか。

そして、うまくいけば「音楽芸術」を高い次元で手に入れることが出来る!

この場合の仮説とは、SPユニット「アキシオム80」とやや反応が鈍い「フォステクスのユニット」との間のつながりを良くするために、コーン紙が軽くて(音声信号への)反応が早い「アルテック」を1本、その間に挟んでやればいいという推論。

その結果、次の右の写真のようになった。(左は旧)

       

早速、音出し。う~む、これはなかなかいける!

早速、湯布院のAさんに連絡をとって来てもらい試聴してもらったところ、「アルテックの個性が強すぎてアキシオムの良さを殺しているような気がします。以前の音の方が自分は好きです。」とやや否定的。

そう言われてみると、ジャズやボーカルなどは抜群にいいのだがクラシックとなるとアキシオム特有のふっくらとした上品な響きが削がれている印象を受ける。

しかし、アルッテクの音量さえ絞り込めればこの問題は解決しそうな気がする。正直言って、この着想は簡単に捨てる気になれない。

Aさんが帰られた後で何か方法は無いものかと考えた挙句、一つだけ思いついた。それはアルテックの音声コードをアキシオムと同じように「バッファーアンプ」から引っ張ってくること。

この辺を細かく説明すると”込み入ってくる”ので省略するが、この接続で試してみると明らかに効果ありでアルテックが随分おとなしくなり、アキシオムの良さが引き立ってきて一件落着。


今回の改造劇はアルテックの1ペアが故障したおかげで思わぬ展開となり、「災い転じて福?」の気がするのだが、まあ1ヶ月ほどこれでじっくりと聴いてみることにした。

そのうちアルテックの負傷が癒えて還ってきたら、再度「アルテック3本」に挑戦してみてもいい。


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