「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

今年からメモ魔に変身!

2014年02月27日 | オーディオ談義

2月中旬に日本列島を不意打ちした大雪は南国の地、九州にも容赦なく襲いかかった。

島崎藤村の名作「夜明け前」のあまりにも有名な書き出し「木曽路はすべて山の中である。」をつい連想してしまうが、別府~湯布院~阿蘇を結ぶ「九州横断道路」(通称“やまなみハイウェイ”)は「すべて山の中」にあり、チェーン装着車以外は通行止めの規制が長く続いた。

その間、湯布院在住のオーディオ仲間のAさんからいっさいの”音沙汰”がなかったので、「お互いに冬籠りの積もりで雪解けを待ちましょう」との“暗黙の了解”のもと、こちらからもあえて連絡をしなかったところ、ようやく雪解けの気配漂う22日(土)の午後になって「今日はご在宅ですか?」とのご一報があった。

「いやあ、お久しぶりです。お元気でしたか?どうぞ、どうぞ。お待ちしてますよ~。」

「それでは30分後にお伺いします。」

前回Aさんがお見えになったのはいつだったかなと、日記を繰ってみたら2月4日(火)だったのでおよそ半月ぶりのご来訪となる。ちなみに、日記というよりもメモという表現が正確だが、こまめにつけ出したのは今年に入ってからで、こういう時に非常に役に立つ。何といってもブログを書くときの“行間つぶ”しの材料になるので大助かり(笑)。

昨年末に「3年日記」を購入して本当に良かった。今年からメモ魔に変身!

                              

さて、Aさんが顔を見せられなかったこの18日間で我が家のオーディオ・システムの“どこを、どういじった”か、これまた日記に詳細にメモしているのでちょっと拾ってみよう。

2月 5日(水)  「自作エンクロージャー入りのAXIOM80」と「オリジナル・エンクロージャ入りのAXIOM80」との設置
           位置を入れ替え。両者の音の開きが大きいため平準化を図ったもので、前者を聴取位置から見てベ 
           ストの位置に据えつけた。

2月 6日(木)  JBL375ドライバーとJBL075ツィーターのSPコードをともに直径4mmの細~い銅線に交換。

2月11日(火)  オークションでアンペレックスのメイド・イン・HOLLAND製「6922」(6DJ8の高信頼管)を12本落札

2月15日(土)  到着した「6922」をさっそくプリアンプに装着、音が随分変わった!

            

2月16日(日)  15日の結果に基づいて真空管アンプの整流管の大移動。WE300BアンプにはCV378(コッサー)
           を、PX25・1号機にはWE422A(1952年製)を、PX25・2号機には5R4GY(STC)を配置。

2月17日(月)  「AXIOM80」(オリジナル・エンクロージャー)を駆動している「PX25真空管アンプ・1号機」の初段管
           ECC82(12AU7)を「ムラード」から「テレフンケン」に交換。狙いは“気分転換”!?(笑)。

以上のとおりだが、ドラスティックな変更はなかったもののプリアンプの真空管を変えたのは特筆すべき事項で、メイド・イン・HOLLAND製「6922」の威力をとくと味わっていただくのに絶好の機会でやけに心が弾む!

ただちに、各機器をスイッチ・オンして戦闘態勢(ウォーミングアップ)に入った(笑)。

以下、続く。 


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「間違いだらけのクルマ選び2014年版」

2014年02月25日 | 独り言

先日のブログ「我が家に新車が来ました!」に記載したハイブリッド車「アクア」に家内が乗り始めてから今日(2月25日)で10日が経過した。

家内に乗り心地を訊いてみると「交差点での出足や坂道を駆け上がる馬力がイスト(以前乗っていたクルマ)とは段違い。ガソリンも喰わないし、静かだし、ハンドルの取り回しもいいし100%満足」とのこと。

「交差点グランプリ」で他車と遜色がないとは、そりゃ、よござんしたねえ!

「どれどれ、そんなにいいなら俺にもちょっと運転させてみろ。」というわけで、日曜日の午後、家の近くをグルリと一周。実に運転しやすくて坂道も結構な勢いで登ってくれるし、まったくパワー不足を感じなかった。排気量1500cc+電気モーターに加えて軽量のボディーが利いている。
値段の割になかなかよくできたクルマとの印象を強く受けた。

折しも、21日(金)に立ち寄った地元の図書館で永遠のベストセラーシリーズ「間違いだらけのクルマ選び2014年版」をたまたま借りることが出来た。巻末に2013年12月20日に第一刷発行とあるから、こちらも新刊ホヤホヤで現在の市場で販売されているクルマの最新情報が満載である。

                         

このシリーズは今から38年前の1976年に刊行されており随分と息が長い。自然淘汰の激しい出版界の中でこの長寿命振りは、本書が読者の二ーズにある程度的確に応えてきたことの証左だろう。テレビ番組でいえば「お宝何でも鑑定団」みたいなものかな(笑)。

さて、さっそく本書の中の「アクア」についての評価を読んでみたが抜粋すると次のとおり(95頁)。

「人気も燃費も1位、しかも実力もある。」との見出しのもとに、こう続く。

「プリウスを凌ぐ燃費というのは相当インパクトが大きいが魅力はそれだけに留まらない。まずはスタイリングが個性があっていい。前面投影面積を減らすために上すぼまりのフォルムは機能が形になっているのが気持ち良いし、低重心感も強調されている。そして走りっぷりも、これが悪くないのだ。ボディの剛性感は高いしシャシーもうまくセットアップされていて、コンパクトカーらしからぬカッチリとした乗り味に仕上がっている。動力性能も強力。」といった具合。

全体的に極めて辛口のクルマ評が続く中での、高評価は特筆すべきことだろう。

ちなみに、巻末の個別のクルマごとの採点表では10点満点(総合評価)のうち9点も取っている。参考までに高得点のクルマを掲げておくと、最高の10点を獲得したのが「VWゴルフ」と「マツダ・ロードスター」のたったの2車だけ。

9点を獲得したアクア以外の他車は「メルセデス・ベンツSクラス」をはじめ高級車ばかり11車なので、その魅力度が推し量られようというもの。

また、冒頭にあるブログでボロクソに書いた現行クラウンのフロントグリルの件だが、本書でも同様の書き振りで、自分の感性がけっして異常でなかったことに安堵した。

「世界で最も長い歴史を持つクラウンだが、その出来栄えにはガッカリしている。全体のフォルムは悪くないと思うが、いただけないのはフロントマスクだ。アスリ-トのフロントグリルは、オーナーからも自嘲気味にイナズマグリルなんて呼ばれていたりするが目も当てられないようなカタチになっている。いや、意匠そのものは好き嫌いの話でもいい。問題はそのカタチの背景に何のストーリーも無いことだ。」(160頁)

いやはや(笑)。

最後に、「VWゴルフ」の仕上がりぶりは数ある車の中でも「一頭地を抜いている」ようで、強く印象に残った。55頁にある寸評にはこうある。

「ゴルフⅦの良さは追随する他車が気の毒に思えるほどだ。静粛性の鬼と言えばクラウンだが、ゴルフの静粛性はそれとはまったく別のものだ。クラウンの静かさは真綿でグルグル巻きにされるような、少々お節介とも思える静かさだが、ゴルフのそれはありとあらゆる機械的な部分の芯を研ぎすませた氷のような静かさであった。」

自動車部品の総点数はおよそ10万点にのぼるという。それぞれの部品の狂いのない工作精度からそれらを組み立てる技術まで、自動車工業のレベルはその国の技術力の象徴的存在といっていい。


現在においても「マザーマシンはドイツ製」という言葉を聞くが、ドイツ工業のレベルは技術大国を標榜する日本にとってもまだ一目置く存在との感を深くした。
 


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何となく気になるオークション

2014年02月23日 | オーディオ談義

クラシック音楽を少しでも“いい音”で聴きたいと、熱心に取り組んできたオーディオだが、周知のとおりこの世界は天井知らずなのでどの辺のレベルに留めるか、こればかりはまったく本人の意思次第。

「欲を言えばきりがないし、ボチボチこの辺で終わりにしようかな~」という昨今だが、何となく気になるのがオーディオ機器のオークション。

「昔、欲しくて欲しくてたまらなかったのにどうしても手が出なかった憧れの機器がもしかして手に入るかもしれない」という期待と欲望はいくつになっても無くならない。もうこればかりは執念というか怨念と言おうか(笑)。

実は現在でも大いに気になっている機器がある。それはカウンター・ポイントのプリアンプ「SAー5000」で、落札日は明日24日(月)の22時38分。

            

オークションの説明では「本体までは通電しますがメインのシステムには通電していないようで、パネルのランプが点かず、また入出力が出来ません。」とのことで「ジャンク品」扱い。

そういうハンディはあるものの、むしろ修理先の心当たりさえあればとんでもない掘り出し物(安価で性能が飛びっきりいい製品)に化ける可能性を大いに秘めている状況ともいえる。

このプリアンプは電源部が別筐体となっており、トランジスターと真空管(6DJ8)の“いいとこ取り”をしたハイブリッドアンプである。発売当時軽く100万円を超えていた逸品で音が良かったことでも有名で、当時「いつかは手に入れたい」と胸を躍らせた方もさぞや多かったことだろう。もちろん自分もその一人だった。

実はこのアンプ、先々週あたりにも出品(中古品専門店)されていて、たしか高値(20万円前後)でどなたかが落札されたはずだが、またもや再出品されているのが不思議の巻。

その経緯を知りたいと思ったので該当オークションの質問欄で「この製品は先日オークションに出品の上、どなたかに落札されたように記憶してますが、今回、再度の出品となっております。よろしかったら、その間の事情をお知らせ願いたいのですが。」と投げかけてみた。

即座に次の回答が寄せられた。

「お問い合わせ頂き有り難うございます。前落札者様のキャンセルにより再度出品させて頂いております。再度ご検討の方宜しくお願い致します。」

落札者のキャンセルなんてのは分かりきっている!

知りたかったのは落札者がキャンセルした理由だったが、そんなことを訊く方がむしろアホなのかもしれない(笑)。出品者側として営業上、不利なことは答えないほうがいいに決まっているのでこれ以上深追いしないことにした。

何といってもお互いに顔の見えない人間同士の取引だから、当たりもハズレも両方覚悟しておかねばならないのがオークションで、まあ、半分は博打だと割り切っておいた方がいい。「ハイリスク ハイリターン」。

実は第1回目のオークションのときに本気で落札しようといろいろ調べてみた。先ずネットでググってみると次のようなヤフーの質疑応答があった。

「質問」

カウンターポイントSA5000を知人から不動品を購入しました。知り合いのアンプ修理店に修理して貰いましたが、回路図がないので手に追えずほとほと困ってます。助けてください。

近所に修理を出したのですが残留ノイズが気になるので、ノアに出しましたが純正品と違うモノを交換してるので修理受付さえしてくれません。かといって回路図は提供してくれないので、こちらでは手に追えず、宙ぶらりんの状況です。

カウンターポイントのアンプに詳しく助言を頂けると助かります。またこのような状態でも修理を受付て貰える所があれば教えてください。

「ベストアンサーに選ばれた回答」

SA5000は何台か整備しましたが、不動の場合の原因は、電源部のケミコンが真空管の隣にあり、熱による劣化で容量抜け、が早く起こっているとおもいます。それとノイズの原因は、ヴォリュームの劣化が原因だと思います。

純正部品での整備が行われていないとの事ですが、私感ですが、電源部のケミコンでもオーディオ用は使われていませんし、内部のカップリングコンデンサーも音質的には?と思います。どうして、あんな値段がするのか、不思議でした。

音質的にもっと伸びる要素は何点かありますので、オーナー様の要望で、交換しましたが満足を頂いています。よほどの変な回路のアンプでない限り、回路図が無いと整備出来ないと言うのはスキルが不足していると思います。ノイズの原因はヴォリュームに有ると思います、又ロータリーSWの清掃で直る場合もありますね!」

以上のとおりだが、「回路図がないと整備できないというのはスキルが不足している」との指摘は、身の回りにはそういう該当者はいっさい居ないことを申し添えておくが、さぞや耳の痛い“ご仁”もおられるかも(笑)。

さて、ネット以外にもオーディオ仲間にいろいろ相談させてもらった。そのうち、真空管に関することなら何でも知っているKさん(福岡)によると、

「音がいいので有名なプリアンプですが、電源部の故障が非常に多いみたいです。あるベテランの方から聞いた話ですが、分解して調べてみたところ、目に見えるところには立派な部品が使ってありますが、隠れた部分には秋葉原で二束三文で売っているような部品が使ってあったそうです。そんな部品を使ってどうしてあんなにいい音がするのか不思議でたまらないとのことでした。現在、カウンターポイントのプリはSA3.1を持ってますが、ボリュームを交換したらメチャ音が良くなりましたよ。」

第1回目のオークションのときは散々迷った挙句、入札価格が折り合わなかったので見送る結果になったわけだが、2回目となる今回の「出戻り」さんのアンプ、はたしてどう始末をつけようか?

2月23日(日)午前4時現在の入札価格は81,700円。

タイムリミットは前述したように明日24日(月)の22時38分!


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「よろずのことに気をつけよ」

2014年02月21日 | 読書コーナー

一昨年(2012)の8月に福岡に行ったときに娘から買ってもらった「よろずのことに気をつけよ」だが、図書館から借りた本を読むのに忙しくてずっと読む機会がなかったが、このほどようやくおよそ1日がかりで読破した。

                         

さすがに「第57回江戸川乱歩賞受賞作」(2012年)だけあって、面白かった。これまで乱歩賞受賞作はすべてと言っていいくらい読破してきたが、本書は間違いなく自信を持ってAクラスとして推挙できるので、ミステリーファンにはぜひ一度目を通していただきたいほど。

こういう小説に「種明かし」は厳禁なので詳しいことは読んでのお楽しみだがミステリに必要な“おどろおどろしい”怪奇性、謎解きへの興味、登場人物の魅力、文章のテンポの巧みさなどが見事に備わっている。

ちなみに、乱歩賞選考委員会の中で重鎮とされる2氏のコメントを列挙しておこう。

内田 康夫氏(うちだ やすお:浅見光彦シリーズの著者)

「面白く読めた。四国地方のある地域に呪術師あるいは呪術師の集団があるというのは、研究書もあり単なる「絵空事」ではない。過度に専門知識を振り回すこともしていないので、素人の読者でもついてゆける。文章は今風で軽い筆法だが、なかなか巧み。会話のリズムもテンポよく飽きさせず、先へ先へと興味を繋いでゆく。」

今野 敏氏(こんの さとし:隠蔽捜査などの警察小説の著者、現日本推理作家協会理事長)

「今年は減点法で選り分けるのではなく、ファンを獲得できる作家であるか、という基準で作品を見ることにした。それは、つまり、私自身がファンになり得るかという観点でもある。この作品は読者を惹きつける魅力にあふれていると感じた。書きすぎず、隠しすぎずというバランス感覚が優れていると思う。」

最後に、2月8日~11日にかけての飛び石連休で帰省した娘が持って帰ってきた「このミステリーがすごい!2014年版」から昨年度のベスト10「国内編、海外編」を紹介しておこう。それぞれ上位3位までを図書館用ネットで検索してみたがいずれも貸出し中で、急いで予約したが10日ほど経ってもメールで“うんともすんとも”連絡なし(笑)。

                           

国内編(2013年)

1位 「ノックス・マシン」(法月綸太郎) 2位 「教場」(長岡弘樹) 3位 「ブラックライダー」(東山章良) 4位 「アリス殺し」(小林泰三) 5位 「死神の浮力」(伊坂幸太郎) 6位 「リバーサイド・チルドレン」(梓崎 優) 7位 「リカーシブル」(米澤穂積) 8位 「検察側の罪人」(雫井脩介) 9位「星籠の海(上・下)」(島田荘司) 10位「ロスト・ケア」(葉真中顕) 10位(同時受賞) 「祈りの幕が下りる時」

海外編(2013年)

1位 「11/22/63(上・下)」(スティーブン・キング) 2位 「遮断地区」(ミネット・ウォルターズ) 3位 「冬のフロスト(上・下)」(R.Dウィングフィールド) 4位「シスターズ・ブラザーズ」(P・デウィット) 5位 「夜に生きる」(D・ルヘイン) 6位 「ポーカー・レッスン」(J・ディーバー) 7位 「イン・ザ・ブラッド」(J・カーリー) 8位 「終わりの感覚」(J・バーンズ) 9位 「ゴーン・ガール」(G・フリン) 10位 「緑衣の女」 (A・インドリダソン)

海外編で1位に輝いた「11/22/63」の表題の意味は1963年11月22日のこと。言わずと知れたアメリカの歴史を塗り替えたと言っても過言ではない「ケネディ大統領暗殺の日」である。本書はSFの世界を駆使して「時間旅行者が過去に遡ってケネディ大統領の暗殺を阻止する」といった内容らしい。

S・キングの久々の快作で絶賛を博しているようだ。抜粋すると、

「読み終えたときの周囲の光景まで記憶に残る本が数年に1冊あるが、本書はその1冊です」

「本書はキングが約40年のキャリアで培った小説作法のありったけを駆使して“読者をとことん楽しませること”に挑戦したことの輝かしい成果です」

「とんでもなく分厚いし、値段も安くない。でもそれに見合う価値は十分すぎるほどだと断言させていただきます。長い物語だけが僕たちにもたらしてくれる感動と充実。ぜひそれを体験ください。」

というわけで、万一図書館などで本書を見かけられたときは見逃す手はないようですよ。

さて、これまでミステリーと名のつくものは手当たり次第に読んできたが、現役生活から脱け出て時間の余裕がたっぷりできたときに秘かに思ったのが「自分にもミステリーが書けないものか?」

大まかなプロットは、稀代の作曲家モーツァルトにまだこの世に知られていないオペラの楽譜が秘かに残されており、暗号を解き明かしながら発見に至るというもの。しかも、特定のオーディオ・システムでないとその音楽が聴けないという、音楽&オーディオを絡めたミステリー(笑)。

それもこれも、35歳という若さで逝ったモーツァルトがあと少しでも長生きしてくれたら、僕らは「魔笛」以上のオペラを享受できたのにという願望が成せる業である。

ああモーツァルトよ、もう一度生き返ってくれ~。
 


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我が家に新車が来ました!

2014年02月18日 | 独り言

ずっと先のことかと思っていたら、あと1か月半ほどに迫った消費税の増税。

実際に目に見える範囲での駆け込み需要がすさまじい。現在住んでいるエリアの区画は150ほどあるが、近年にない新築ラッシュであちらこちらの空き地で5軒が足並みをそろえて建築中でウォーキングをするたびに進捗状況を見学している。

そして車の買い替えも頻繁で、車庫に入れてあるいかにも旧式そうな車が軒並み新車に入れ替わっていく。

実は我が家もその例に漏れない。

都会と違って地方では地下鉄もないし、電車の駅は遠いし、バスの便もよくないので1人1台が当たり前の生活スタイル。とりわけ我が家は小高い山の上の不便なところに位置しているので下駄代わりとしてクルマは必需品。

自分が乗っているのは2代前の旧型のゼロ・クラウン(白色)だが、走行距離がまだ10万キロ前後だし、まったくの故障知らずなので買い替える気は毛頭なし。ちなみに、その前に乗っていた3代前のクラウンは20万km以上乗ったところで釣りの帰りに信号無視の車にぶつけられてあえなくオシャカになった。もう4年半ほど前の出来事になる。

さて、一方の家内のクルマはトヨタの「イスト」という小型車で、仕事にも使っているので走行距離が15万キロ前後に達しており、今のところ全く不具合はないが出張先で故障したら困るというので先手を打って買い替えることにした。

どうせ買い替えるなら「ハイブリッド」というわけで、昨年の12月初旬にディーラーに行ったところ、最終的に候補に残ったのは「プリウス」と「アクア」。

「プリウスの車体の後部デザインがイヤ」との家内の意見でアクアに決定。しかし、燃費が1リットルあたり38kmがセールス・ポイントの超人気車なので、注文が殺到しており納車が2月末頃とのことだった。
折しも、昨日(2月17日)のネットには「自動車 増税前の”駆け込み顧客”争奪戦 人気HV車 納入遅れ続出」という記事が掲載中だった。

「燃費が38kmと言ってるけど、実際の市内走行だとどのくらいですか?」と馴染みのセールスさんに訊くと「実際に購入した方に伺ってみますと29kmいけば上等のようです。」

現在乗っている「イスト」は1リットルあたり14km前後だそうで、結局ガソリン代が半分程度になる計算。な~んだ、大した違いはない。車両価格からすると、18年ほど乗らないと引き合わない計算になるが、地球環境の保全や資源の無駄遣いという観点からすると意義があるのだろう。

そして待つこと2カ月半ほどで、ようやく一昨日の16日(日)の10時にディーラーの販売店で新旧のクルマの引き渡し式の運びとなった。初めての運転で怖いので助手席に乗って欲しいとの要望があったので、仕方なく付き合ってやった。

こんな風に頼りにされるのは、いったい何年ぶりのことだろう(笑)。

セールスさんに「ここはヘルメットを売ってないでしょうかね。用心のために被って乗りたいのですが」と、真面目な顔してジョークを飛ばすと、腹を抱えて笑っていた。

クルマの基本的操作はイストとまったく一緒だったようで、まったく危なげなく10分ほどで我が家に帰り着いた。

        

色はライム ホワイト パール。丁度、車庫入れのときにお隣の奥様とバッタリ。「あれっ、クルマを買い替えたんですか。うちもカローラを下取りに出してアクアを購入します。4月に納車の予定です。」どうやら皆さん、考えることは一緒のようで。

「音は静かだし、乗り心地もいいし、なかなかいいなあ。」自分も今度買い替えるときはアクアあたりにしようかな。

以前はベンツやBMWに乗りたかった時期もあったが今やそういう気はまったくなし。一言でいって「勿体ない」(笑)。いい意味でも、悪い意味でもこれが「歳をとった」ということなのだろう。

ところで、これは余談になるが現行のクラウンについて一言。

現在のフロント・グリルは何だかとても仰々しい。軽量化や衝突時の衝撃分散という効果があるのかもしれないが、トヨタにしては非常にデザイン的に趣味が悪すぎるように思う。

いかにも「そこのけ、そこのけ、クラウン様がお通りだ。」といった印象を受けるのは自分だけだろうか。ステータス気取りがちょっと鼻に付くのだ。

タダでくれるというなら別だが、とてもお金を出しまで乗ろうとは思わない。とはいえ、「お前が勝手にそう思うだけだ」と言われればそれまでの話だが。

なお、これはけっして買えない人間の僻みで言っているのではありませんからね~。その気になれば購入できるんですよ~(笑)。


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落札した真空管の到着

2014年02月16日 | オーディオ談義

先日(11日)、信じられない安値で落札したアンペレックスの真空管「6922」だが、これは6DJ8の高信頼管でありれっきとした「メイド・イン・HOLLAND」製。

           

出品者の気が変わらないうちに(笑)、すぐに指定の口座に代金を振り込むと、発送が13日、我が家への到着は15日(土)の日程となった。「小人閑居して不善を為す」わけでもないが、タイムラグがあるとつい余計なことを考えてしまう。

とうとう良き相談相手のオーディオ仲間のKさん(福岡)にご注進に及んだ。

「大丈夫でしょうかね?悪質な〇〇製だと、管壁の印刷までそっくりコピーすると聞いたことがありますし、写真で見る限り12本とも白箱というのも気になります。何だか悪徳商法に引っかったのではないでしょうか。そもそも、まっさらの新品としてデッドストックされていた経緯がまったくわかりませんし、ちょっと話がうますぎる気がして不安なのですが・・。」

すると、次のような返事があった。

「〇〇製だとプレートに不自然な艶がありますが、写真でみる限り大丈夫です。実は自分も以前そっくり同じ赤字印刷のものを4本持っていたのですが、カウンターポイントのプリアンプを使っている連中に貸しているうちに行方不明になってしまいました。それにしても随分安い価格(1本当たり2650円)で手に入れましたね。出品者は早くお金が欲しかったのでしょう。稀少品ですから逐次2本セットでオークションに出せば軽く1万円は下らない値段で売れたと思いますよ。」

疑念が晴れてひとまず安心したが、やはり実際に聴いてみないとね。我が家のシステムとの相性もあるし~(笑)。

昨日(15日)は朝早くから首を長くして待つことしばし。10時ごろに「宅配です」と玄関のチャイムがピンポ~ン。着きました!

            

さっそくプリアンプに挿し込んでいた「アンペレックスのPQ(メイド・イン・USA)」(以下「PQ」)と入れ替えて祈るような気持ちで試聴してみた。

「ウ~ン、素晴らしい!何という自然な響きなのだろう。」あのPQさえもがまったく色褪せたように聴こえるから不思議(笑)。

これまで沢山の真空管を試聴してきたが、経験上、自分なりに「本物と“まがい物”」の差を瞬時に聞き分ける峻別方法を一つだけ持っている。

それは「音の重心が下がるか否か」。本物の場合は音の重心がぐっと下がって、変に上ずったところがない。これはエージング以前の問題としてどのテストの場合でも通用する。

今回の場合は、音の重心が下がるというよりも、周波数特性が完璧にフラットの状態のような印象を受けた。出過ぎたところもないし、引っ込んだところもない。

そういえば、この音はオランダの「フィリップス・レーベル」の音にそっくりだ!

レコードもそうだが、CDもレーベルによって随分音の傾向が異なるのはマニアならご承知のことだろう。いろんなレーベルを聴いてきた中で個人的には、透明感、レンジの広さ、クセのなさなどから「フィリップス・レーベル」に指を屈すると思っている。

内田光子さんの録音はすべてフィリップスだし、いまだにベスト盤として愛聴している昨年4月に亡くなったコリン・デイヴィス指揮の「魔笛」がフィリップス・レーベルだった。

大喜びでKさんに電話してみた。

「いやあ、想像以上にいい音で驚きましたよ!これまで6DJ8を何種類も試してきましたが、今回のメイド・イン・HOLLANDがベスト中のベストです。おかげさまでいい買い物ができました。」

「そうでしょうね。10年に一度あるかないかの出物だと思いますよ。最初に電話でお伺いしたときに、正直言って“失敗った、自分も入札に参加したかったのに”と思いました。松下の7308もいいのですが、最高域にちょっとキツイところがありますからね~。エージングをあと1か月ほど重ねると、もっと良くなりますよ。実はようやく仕事が一段落しましたのでお伺いするつもりでしたが、ここ2~3日の大雪のせいで断念したところです。天候がよくなったら、またご連絡します。」

今回の落札はまったくの僥倖だったが、自分の口から言うのもおかしいが日頃の努力が実を結んだともいえるかもしれない。実を言うと、ここ1年ほどの間に「6DJ8」系をしこたま仕入れて、折にふれテストを繰り返してきた経緯がある。

この際、自分用の備忘録として整理しておくと、

「6DJ8」(ECC88)    

ザイレックス、松下、東芝、シルヴァニア
、ロシア、テレフンケン、RCA   計22本

「6922」 
フィリップス・USA 計6本  「M3624」 東芝  計2本  「7308」 テスラ、松下(NHK仕様)  計9本

合計すると39本の真空管を試してきたことになる。そして今回のベスト管12本を加えると総数51本。

         

さあ、不要になった真空管をどうやって処理していこうかな(笑)。


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またもや故障のおかげで

2014年02月14日 | オーディオ談義

現在愛用中のプリアンプに使っている真空管はミニチュア管の「6DJ8」(ECC88)。

12AU7(ECC82)や12AX7(ECC83)に比べるとあまりポピュラーな球ではないが、華やかさがあって切れ味の良いところが大いに気に入っている。ただし、当たり外れが多いのが難点の一つで、2本セットで購入しても片方からサーノイズが目立ったりしてなかなか良いモノに巡り合
えない。確率からするとおよそ2/3といったところ。

ここ3日ほどにかけても、どうやらいつものクセが出てきたようで無音時に左チャンネルからガサゴソと何やらノイズらしき音がする。あまり気にしないでいいほどの“ごく”わずかな音だがそれでも何となく気になるのがオーディオマニアの常。

はじめはパワーアンプの初段管を疑ったのだが、アンプを代えて試聴しても左チャンネルから同じ症状が出るので犯人は決まり~。

プリアンプの真空管を2本とも入れ替えてやると、すっかり症状が治まった。そこまではいいのだが、入れ替えたのに伴いあまりの音の違いにビックリ仰天。入れ替えた方が断然好みで2枚も3枚もベールが剥がれた印象がする。

これまで使ってきた真空管はザイレックスの「6DJ8」だが、「ザイレックス・ブランドに駄球なし」の定評どおり、例によってイギリス調の渋くて上品な音だったのでこれはこれで満足していた。

そして今回入れ替えたのはアンペレックスの「6922」の「PQ」(Premium Quality:金足)。さすがに「6DJ8」の高信頼管とされる「6922」、しかも「PQ」とくると、レベルが違う。

こんなにいいのなら同じ種類の球をストックしておくに限ると、オークションを覗いたところ「6922」の出品がありました!

しかし、同じ6922のアンペレックス・ブランドでも「USA」ロゴ(9本組)と「HOLLAND」ロゴ(12本組)の2つのタイプが出品中。





いったいどちらを選んだらいいのだろう?

こういう時に一番頼りになるのがオーディオ仲間のKさん(福岡)である。同じ「AXIOM80」を愛用している「盟友」だが、とにかく真空管に関して知らないことはまずないと言っていいほど詳しい方。

さっそく訊いてみた。「6922をオークションで調達する予定ですが、“メイド・イン・USA”と“メイド・イン・HOLLAND”の2つのタイプが出品されてますが、どちらを選んだらいいんでしょう?今日(11日)の夜が落札なので切羽詰ってますが。」

「ちょっとオークションを覗いてみましょう。(その結果)メイド・イン・USAの方はオランダ・フィリップスがニューヨークの工場を買収して作ったものです。メイド・イン・HOLLANDの方はオランダ・フィリップスの正統派の流れを汲んでますから、落札するのであればぜひHOLLANDタイプをお薦めします。12本セットで現在14800円ですが、まっさらの新品(デッドストック)なのでかなりの値上がりを覚悟した方がいいですね。」

これまでKさんに相談するたびに「これは駄目ですよ~」と一言のもとに却下されるのが常だったので、こういうことは実に珍しい(笑)。

よ~し、本腰を入れてチャレンジすることに決めた。1本5000円として12本なので6万円、プラスして愛嬌で1000円、計61000円で入札していつものように夜8時ごろにバタンキューと就寝。これで落札できなかったときは縁がなかったものとして潔く諦めよう。

そして翌日、ガバッと跳ね起きるなりパソコンを開いてメールを見ると「あなたが落札者です」にニッコリ。しかも落札価格は予想外の31000円なり。

いやあ、想像以上に安価で手に入った。これもザイレックスの真空管がたまたま不調だったお蔭で、まったく「禍福はあざなえる縄のごとし」。前日の電子辞書に続いて、またもや故障のおかげでいい目を見た(笑)。

それにしてもメイド・イン・USAの方を見てみると意外と人気がなくてもっと安価だった。「入札に参加する人たちは皆、メイド・イン・HOLLANNDの方がいいことを知っていた」ことに驚いた。

とにかく、午前9時過ぎになってKさんにお礼の意味を込めて結果報告。

すると「(開口一番)おめでとうございました。落札の経過を注視してましたよ。最後まで張り合っている方が1名おりましたが、3万円の線で諦めたご様子でした。4本程度ならともかく12本まとめて購入となると、そんなに要らないということかもしれませんね。ところで、ご相談ですが12本のうち何本か譲っていただけないでしょうか?」

「もちろんです。12本も要りませんからはじめから何本か差し上げるつもりでしたよ~」。

6DJ8に関しては、「6922」からさらに高信頼管となる「7308」に至るまで良質の球を豊富に在庫しておられるKさんだが、今回はどうやら非常に食指をそそる球だったようで思わずニンマリ。

これで我が家のプリアンプは完璧なバックアップ体制のもとで稼働できることになった。

とにかくプリアンプの真空管の交換によって得られる音の違いは想像以上のものがあり、出力管の交換と比べても“どっこい、どっこい”でどんなに投資しても惜しくないくらいの価値がある。

愛用中の「AXIOM80」がことのほかその辺がシビアなので、頼もしくもあり、恨めしくもあり~(笑)。


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まさか「東京大雪」の影響がこんなところにも

2014年02月10日 | 独り言

2月8日(土)の夜に「音泉タウン JAZZ LIVE IN BEPPU」が開催された。

         

             

温泉どころ別府にちなんで「音泉タウン」なんてなかなか面白い。「良質な音の泉」がこんこんと湧き出てくれればいいのだが(笑)。

実はこういうコンサートがあるなんて前日までまったく知らなかった
のだが、家内の親友の子どもさんが地元の市役所に勤務しており、後援している関係上「チケットを買ってくれませんか」との依頼があって、やむなくお付き合いで出かけたもの。今回の4日間の飛び石連休で娘が帰省していたため、家族3人での鑑賞となった。

18時からの開演なので、どうせならいい席をとろうと5時頃に到着。まだ閑散としていたので中央の前から8席目を獲得。

ここまではよかったのだが、5時半ごろに場内放送があって「東京が大雪のため出演者の到着が遅れています。開会を30分延期して18時半からにします。」

あれあれ、東京の大雪なんてまったく他人事と思っていたら、こんな身近なところにも影響が出てくるなんて!

思わずピンときて娘と話したことだった。「おそらく開演は19時ごろになるよ。いきなり1時間も伸ばすと言うとお客にショックを与えるだろうから、小出しにするつもりだ。18時半頃になったらあと30分待ってくださいと案内があると思うよ。」

娘も「そうねえ、お父さんは鋭い。」と感心してくれた(笑)。

そして、18時20分ごろになって場内放送。

「ただいま、電車がようやく別府駅に到着しましたので迎えに行ってます。18時45分頃から開演の予定です」

どうやら予想が半分的中した模様。飛行機から新幹線に乗り換えたそうで、今回のコンサートの仕上がりぶりが今から目に見えるようだ。

なんといっても事前のセッションもなく、移動で疲れ切った体で「ぶっつけ本番」なんだから。

おまけに肝心のヴォーカルが急に交替とのこと。いったい、どうなってるんだ!

当初に予定されていた「森 郁」(もり いく)さんはパンフによると「父は元中日ドラゴンズの“森 徹”」とある。この選手を覚えている方はきっと少ないに違いないが、自分はよく覚えている。巨人の長嶋と同世代の選手で早大出身のスラッガーだった。

ズングリむっくりの腕っ節が強い長距離砲で打球が実に早かった。選手生命が短かったので記録に残る成績は残せなかったが記憶には残る選手だった。

さて、コンサートの結果だが生の楽器の音を大いに期待していたのだが、楽器のすぐそばにマイクが置いてあるものだから壁に設置してあるスピーカーの音がやたらに大きすぎてガッカリ。これなら我が家で聴く音の方がいい(笑)。

演奏についても欲を言えばきりがないが、とりあえずお上手だったと言っておこう。とにかくこんなコンディションのもとでご苦労様~。

さて、翌日の日曜日の朝の「TBSサンデー・モーニング」を何気なく見ていたら「森 徹」さん死去のニュースがあった。肝臓がんで6日(木)に亡くなられたとのこと。

道理で、ご息女の「森 郁」さんが別府に来れなかったわけがよ~く分かりました。

大雪の影響やら、ご家族の御不幸やら、とんだ災難に見舞われた別府の夜のコンサートだった。
 


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たまには故障もいい

2014年02月08日 | 独り言

ブログをやっていると、どうしても手放せないのが電子辞書。はたして使っている漢字の意味が正確なのか、四字熟語の使い方が間違っていないか、常に座右において確認している。

万一、勘違いの熟語などをあてがいでもすると「一事が万事」で教養を疑われてしまい、記事の内容まで信憑性を疑われそうな気がする(笑)。それでも、浅学菲才の身なのでおそらく間違いが散見されていることだろう。

さて、7年以上も使ってきたその大切な電子辞書がこのほどダウンしてしまった。スイッチを入れてもまったく反応なし、電池を入れ替えても同じ状況なのでどうやら寿命が来たようだ。

仕方がないので買い替えようと「電子辞書~売れ行きナンバー1~」でググってみた中から、手頃な価格と大きさ、機能を勘案してシャープの電子辞書に狙いを定め手続き開始、最後に「代引き着払い」をクリックしてあっという間に申し込み完了。

3日目に現物が手元に届いた。

           

写真右側がそれで、さっそく使ってみると非常にコンパクトな図体なのに最新の広辞苑(第六版)をはじめ、英和、和英辞典は言うに及ばず、「類語新辞典」「漢字源」など豊富な機能に驚いた。

今回、手持ちの電子辞書が壊れでもしない限りこういう便利な電子辞書に巡り会えなかったわけなので、こういうことなら嫌な「故障」も大歓迎。

通常であれば電化製品の故障は困るという先入観があるし、コマーシャルでも「丈夫で長持ち」を謳い文句にしている例が多いが、物によっては一定期間で故障して使い物にならなくなった方がいいのかもしれないと思った次第。

たとえば1日中通電している冷蔵庫などは近年の電力事情で省エネタイプが普及しているので、たとえ一昔前の製品が故障して買い替えたとしても電気代の差で数年で元をとれるケースがきっとあるに違いない。

ただし、何も故障しなくても適時買い替えをすればいいようなものだが、根が貧乏性のせいか故障するまで徹底的に使い込むという祖先からの哀しいDNAが深~く刻み込まれているのが何とも“うらめしい”(笑)。

それはともかく、使っている電気製品の中で「買い代えることで機能も増大する可能性がある機器」というのはいったいどういうものがあるんだろう、と改めて身の回りを見直してみた。

「パソコン」を筆頭に「携帯」「デジカメ」「髭剃り」「麻雀ゲーム機」といった小物から重量級のオーディオ機器まで様々だが、前者はすべて新品に代えた方が機能が向上しそうだ。とはいえ、故障でもしない限りわざわざ買い代えるほどのことはない。

次にオーディオ機器に目を転じてみよう。

実は、前述の「電子辞書」ではないが「故障してくれて良かった」と思える候補生が居るのである(笑)。

それは、CDトランスポートとDAコンバーター(いずれもワディア)。

両者ともデジタル機器の代表みたいな存在だがもう使い出してから軽く10年以上になる。いつ故障してもおかしくないし、日進月歩のデジタルの世界においてはもはや時代遅れの感は否めない。

明らかに買い代えの時期に当面しているのだが、長年愛用してきたので愛着もありそう簡単には割り切れない。、

もっとも、デジタル機器の入れ替えと出力管WE300B(オールド)などの入れ替えとを比較して、いったいどちらが音質向上効果が大きいのだろうかという根源的な問いももちろん横たわっている。デジタル機器による音の変化は些末だとして、まったく投資意欲のないオーディオ仲間をいくらでも知っている。

いずれにしろ、これらのデジタル機器は物理的要因としての故障だけが買い替えの後押しをする要素となっているのが実情だが、万一そのときは「修理するか」、「一気に入れ替えるか」さぞや悩むことだろう。

残りの増幅系のアンプ群(すべて真空管式)や変換系のスピーカー群については100点満点の状態なので、故障してもいっさいメリットなしと断言できる。

先日試聴にお見えになったオーディオ仲間のAさん(湯布院)も、「まったくアンプの心配をしなくていいレベルになりましたね。音楽が分かる方(奈良のMさん)が調整したアンプはやはり表現力のツボを押さえていますよ。」と、絶賛されていた。

問題は出力管で「1950年代製の真空管」ばかりは代替が利かないので、こればかりは話は別。ただし、所詮は消耗品なので故障しなくてもいつかは寿命が尽きることは間違いない。

「あの時に聴いた音は実に素晴らしかった!」思い出の中にずっと生き続けてくれればそれでもいい。

そもそも「音と音楽」は空中に放出されると、二度と戻ってこない宿命を背負っているのだから・・・。
 


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鉄は熱いうちに

2014年02月06日 | オーディオ談義

「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるので、前回のブログ「秘密兵器」の余韻冷めやらぬうちに関連記事をアップしておこう。

                   

全国のどんなマニアでも直径わずか0.6mmの細い銅線(再掲)のSPコードを使っている人はおそらくおるまいと、豪語(?)したわけだが、目敏くこの記事を見つけられたオーディオ仲間のMさん(奈良)からさっそく次の様なメールが届いた。

「本日のブログの細線の件ですが、0.4mm説が 47研で述べられています。ラインケーブルにも良さそうですね!参考になればと思いご紹介致します。既にご存知でしょうか。ユニークなスピーカーシステムを作った富士通テンも細線を推奨しています。Model 4708 Input Audio cable kit “OTA kit” | AudioLabo 47研究所「http://www.47labs.co.jp/4708.html かっぽう着を着て、色々と試してください。」

ウ~ン、負けた!何と、自分よりももっと上手(うわて)がいて直径0.4mmの単線を推奨しているオーディオ・ケーブル・メーカーがいたのである。

なお、「小保方」女史になぞらえて「かっぽう着を着て」とは、いつものことながらMさんの巧まざるユーモアに思わず吹き出してしまった(笑)。

とにかく、すぐにこのウェブサイトを開いて読んでみると実に興味のある事柄が記載されていた。40年以上に亘って数知れない失敗を繰り返してきた我がオーディオ経験に照らし合わせてみても納得の一言なので、忘却の彼方に飛んで行かないように印象に残った部分を抜粋して記録してみた。(ただし、
興味のある方は直接サイトをご覧ください。)

もちろん内容を、信じる、信じないは読者の自由なので念のため。

☆ ケーブルについての基本的なポリシー

 当社はおそらくどのメーカーよりもケーブルに対して醒めた目を持っている。オーディオシステムに置かれたケーブルは必要悪以外の何物でもなく、その存在を小さくする努力にしか進化を認めらない。当社にとってケーブルの進化とは「消滅へのプロセス」であり、(当社が製作した)〇〇〇〇は自らの存在を極限まで矮小化したケーブルシステムだ。

☆ ケーブル自重

ケーブル自重は当社にとって重要なファクターだ。ケーブルは自重によって自らを振動体(床、壁)に押しつけ、重いケーブルほど芯線が受け止める振動の衝撃は大きくなる。芯線を振動からアイソレートするべきダンピング材がケーブル自重の増加に一役買うので、意図したほどのダンピング効果が得られないばかりか、ダンピング材に蓄えられた振動エネルギーの解放を、これまたダンピング材が妨げるため、音楽のダイナミクスの変化がケーブルに吸収され、リズムが立たない。この悪循環を断ち切るにはケーブル自重を軽くする意外に有効な手立てはない。

☆ 芯線直径

「太い芯線は重低音が出る」というのは本当だ。ただし、その重低音がソース(CDやレコード)に含まれるものかどうかは疑わしい。太いケーブルを使って重低音が出たとしても、その先にはウーファー(低域用ユニット)の“か細い”ボイスコイルが繋がっている。したがって、その重低音がソースに含まれるものであれば、ボイスコイルと同じ線径のケーブルを使っても再生されるはずだ。つまり、ケーブルによる低音の差とは固有振動数の異なるケーブルの音色の差でしかない。

太い芯線は振動エネルギーの蓄積が大きく、エネルギーの解放が遅れるため、音楽のダイナミクスの細かな変化に追従できない。いったん振動すると止まりにくく、振動(鳴き)を止めるために芯線を締め上げると逆にストレスがかかる。それは音の伸びを妨げ、周波数レンジを狭める。同様に重いケーブル自重や、きつい撚り合わせも芯線にストレスを与える。ケーブルに限らず、あらゆるコンポーネンツに与えられる「ストレス」と「ダンピング」は音楽の躍動感を殺す2大ファクターだ。

もう一度ウーファーのボイスコイルの太さに戻って考えて欲しい。質の良い低音をケーブルの太さに求めるのは本筋ではない。もっと別のところ、つまり電気の通り道の太さにではなく、振動の通り道の明快さに求めるべきだ。

☆ その他(特記事項)

 ケーブルをひもやビニタイで縛らないこと。どうしても必要な場合はゆるゆるの状態に。また、シールド線は被せないこと。効果がないばかりか、逆にアンテナとして働く場合の方が多い。

 +側と-側のケーブルはツィストしても、しなくてもよい。前者では音像型になり、ハムに対しても若干強くなる。後者ではレンジの広い音場型になる。当社はこちらを好む。なお、ツィストする場合はけっしてきつく撚りあわせないこと。芯線にストレスがかかり、レンジが狭く歪っぽい音になる。したがって、1ターンあたり3cm以上の緩いツィストにすること。とにかく「ケーブルにストレスをかけない」これがもっとも重要なキーワード。

とまあ、以上のような内容だった。

極細の銅線を用いたSPケーブルの効果は我が家の「AXIOM80」の2セットで既に実証済みである。こうして理論的支柱を得たので、大いに自信が付いた。

実を言うと、あまりにも良かったものだから我がJBL3ウェイ・マルチ・システムの方にもこの銅線を使おうと再度オークションで購入して40m分を確保していたのだが、「理論と現象」の両立の観点から今一つ確信が持てなかったので躊躇していたところだった。

ど~れ、これからさっそくケーブルづくりに取り掛かるとするかな(笑)。
 


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秘密兵器

2014年02月04日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

今回の一連の試聴会では3日間で延べ5名のオーディオ仲間に我が家のシステムを聴いていただいたが、細かいニュアンスの差があるとはいえ、大筋では5名ともほぼ同様の音質評価に落ち着いたのは実を言うと意外だった。

「人間の耳は百人百様とはいいながら、音に対する感受性はそれほど変わりはない」というのは新しい発見。第一、それほどオーディオには熱心でない80歳近くのY先生が的確な判断を示されたのには少々驚いた。

「先生、我が家のシステムをひととおり聴いていただいたのですが、順番をつけるとしたらいかがでしょう?」

この、ぶしつけな質問に対して(前回のブログでも紹介したように)Y先生が即座に回答されたのがこの順番で、他の4名の方々も同様のご判断だったがほんとうに恐れ入りました(笑)。

第1位 「オリジナル・エンクロージャー入りのAXIOM80」(PX25真空管アンプ使用)

第2位 「自作エンクロージャー入りのAXIOM80」(WE300B真空管アンプ使用)

第3位 「JBL3ウェイ・マルチ・システム」

ただし、第2位のシステムを出力管WE300B(オールド)で駆動したときは、1位と2位は「入れ替え」の可能性が大いにある。スピーカーを生かすも殺すもアンプ次第なのはマニアならご承知のとおり。

なお、
WE300B(1988年製)の持ち主としてはオールドとの差をできるだけ少なくして有効活用したいのは山々なので、何とか実力をフルに引き出そうと、去る土曜日(2月1日)から日曜日にかけてこのアンプの定格に見合った整流管を引っ張り出していろいろテストしてみた。

整流管とは電気回路の中で交流を直流に代える役目を果しており音質とは直接関係のない、いわば脇役のような存在だが、この整流管と出力管のマッチング次第で音が千変万化するのは広く知られている。

        

左から順に現在使用中の「WE422A」(傍熱管)に加えて「STCの5R4GY」(直熱管)、「マルコーニの5U4G」(直熱管)、「CV378(太管)」(傍熱管)の計4種類。アンプがモノ×2台なので整流管もペアで2本要る。

これらをとっかえ、ひっかえして相性を探ってみた結果、俗な言い方になるが醸し出す「色気」がまるで違う。WE300B(1988年製)に一番マッチングしたのは「CV378(太管)」で、逆に悪かったのはSTCの5R4GY。そして、オールドには「WE422A」が一番相性がよかった。いやあ~、実に興味のある実験だった。

真空管アンプの音質は出力トランスの種類や回路などによっても左右されるが、手軽に変更が利くという点では「出力管と整流管」はセットで使い分けを考えたほうが良さそうだ。

したがって、これからは「WE300B(1988年製)=CV378」、「WE300B(オールド)=WE422A」のコンビで使用することに決~めた。

ちなみに、整流管の最高峰とされているのは衆目の一致するところWE274Bである。ここでも相変わらずWE(ウェスタン)が登場する。真空管マニアが最終的に行きつくところは結局「ウェスタン」なのか(笑)。

およそ60年以上も前の1950年代前後に現代の技術を駆使しても及びもつかない真空管の魅惑の世界が既に完成していたことはどうしても認めざるを得ない。

日進月歩で進化するデジタルの世界だが、その一方で既に完成しきった真空管オーディオの世界がはるか昔から厳として存在していたことに、改めてオーディオの「永続性と新風性」の融合を感じる。「不易(ふえき)流行」(芭蕉)という言葉を噛みしめたくなる所以である。


さて、登場するのが遅くなったがタイトルの「秘密兵器」について述べておこう。

もったいぶらずに明かすと、31日の両名のお客さんが目敏く気が付かれたのが両方の「AXIOM80」に使っているSPコードだった。

「こんな細い線をSPコードに使って大丈夫ですか?」異口同音に驚かれた。

            

そりゃそうだろう、わずか直径0.6ミリの細い銅線をプラス側に、そしてウェスタン製の単線をマイナス側に使用して両者を軽くねじっている超ユニークなSPコードである。

おそらく全国どんなマニアでもこんなお粗末なコードはきっと使っていないに違いない。この細い銅線を手に入れたのは昨年後半のことで、オークションでサーフィンをやっていたところ、たまたまこういうこういう記事を見かけた。

「1930年代にまで遡る、ドイツ製綿巻単線の出品です。20mずつスプールにされており、KLANGFILMもしくはSIEMENSのロゴが入ったゴワゴワの紙に包まれています。」

それほど高価でもなかったし、一昔前の古い製品にはことのほか弱いので(笑)、騙されたつもりで購入して使ってみたところ、予想以上に良かった。

SPコードは以前はPADのコロッサスなども使ったが、最近はベルデンの安物の撚り線タイプを使っており、これにはまったく不満はなかったものの、今回の「いっちょう試してみるか」の軽い気持ちが功を奏したようで、単線のメリットを明らかに感じた。

「濁りのないスッキリした音」これに尽きる。

ただし、銅線を巻いている綿が薄いのでこれをプラス、マイナスの両方に使うのはちょっと怖い。したがってしっかりした被膜を持つウェスタンの単線をマイナス側に使っている。下記の写真(再掲)のようにエンクロージャーの中までこのコードを使って徹底している。

           

お客さんのN島さん、N松さん、ともども「こんな細い銅線をよく使う気になりましたね。でも実際にこうして“ちゃんとした音”が出ているのだから、説得力がありますよ。自宅でもぜひ試してみたいです。」と感心されていた。

そうなんです。「研究の成果は実験の数によりますよ~」。

まあ、「小保方」女史とは違って理論もへちまも無い、カンと好奇心だけに頼っているのがちょっと怖いところだが
(笑)。
 


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お客さんラッシュ

2014年02月01日 | オーディオ談義

このところ「お客さんラッシュ」でうれしい悲鳴だった。

28日(火)の午後が地元・別府市にお住いのY先生、29日(水)が大分市にお住いのMさんとOさん、そして昨日の31日(金)がこれまた大分市からのN松さんとN島さんで、いずれの方々ともに我が家のシステムを試聴されてそれぞれ貴重なコメントを頂いた。

「音」についての受け止め方は人それぞれで、結局自分さえ良ければいい世界だが、百人百様のご意見を頂けたのは実にありがたくて参考になった。

はじめに80歳前後になられる航空力学を専攻されたY先生だが、試聴の翌日になって次のようなメールが届いた。

「我が家の音と〇〇さんのとはレベルが違いました。しかし何回か繰り返し聴いているうちに、何時ものペースで音の検査官の役目を忘れていました。時々は耳に良い音を聞かせて、ゼロ点補正をしておく効用はありそうです。人間の耳は敏感であると同時に、知らぬ間に座標軸がずれていくといういい加減なところもあるのを感じました。雑談にも熱が入ってつい長居をしてしまいました。では又。」

「そうなんです。人間の耳はいい音にしろ、悪い音にしろ次第に慣れていくところがありますね。いい音楽の前では音の良し悪しなんて小さなことかもしれませんから、悲観するには及びませんよ。」とは、陰の声。

結局、Y先生の耳によると気に入った音の順番は第1位「オリジナル・エンクロージャー入りのAXIOM80」、第2位が「自作エンクロージャー入りのAXIOM80」、第3位が「JBL3ウェイ・マルチ・システム」だった。

ウ~ン!

次に29日の試聴会について。


この日は自分なりに次のテーマを設定した。

1 自作エンクロージャー(以下「自作」)とオリジナル・エンクロージャー(以下「オリジナル」)に入った「AXIOM80」の鳴り方の比較

2 「自作」に容れた「AXIOM80」を駆動している真空管アンプの出力管WE300Bの1988年製と1950年代製(以下「オールド」)との比較

3 JBL3ウェイ
・マルチ・システムの試聴

試聴盤は「ホリー・コール」のアルバム「テンプテーション」から17トラックの「ザ・ハート・オブ・サタデイ・ナイト」で、システムの比較がしやすいようにこの曲目でずっと通した。

         

それでは、まずから。

圧倒的に「自作」の評価が高いだろうと予想していたところ、意外にもそうでもなかった。25日(土)にAさん(湯布院)に試聴していただいた後に、「オリジナル」に超細目の金網を「ARU」に付け加えたことを前々回のブログに記したが、どうやらその効果が如実に出たようだ。

当初は「同じユニットでもエンクロージャー次第でこんなに音が変わるもんですか!」と、驚かれていたが、「強いて言うならばオリジナルが録音エンジニア向きの音で、自作はコンシューマー向きの音ですね」とのコメントをいただいた。

成る程!

前者は全帯域に亘って緻密な表現に終始しこれといった破綻を見せないが、後者はやや低音域が膨らんでフォーカスが甘くなるがゆったり気分で聴けて心地よいということだろう。

いずれにしても、両方のシステムに対してまったく拒絶反応を示されなかったのはうれしい限り。「AXIOM80」についてはこれまで数知れず実験を繰り返してきたがどうやらその成果があったようだ。

そういえば、このたび簡単な刺激により万能細胞が出来ることを発見して世界を驚かせた「小保方」女史(30歳)の哲学は、「研究の成果は実験の数による」そうで、この言葉に“これ幸い”と便乗するようだが(笑)、まさに「我が意を得たり」。

オーディオに関してもまったく同様のことが言えると思う。

次にについて

結論から言えば、「これが同じWE300Bですか!」というほどの違いに驚かれていた。音の艶といい、透明感といい、諧調力といい、低音域の制動力といい、オールドに圧倒的に軍配が上がった。「皆さんが
眼(ちまなこ)になって、オールドを手に入れたがる理由がようやく分かりました」。

先日のAさんの絶賛ぶりといい、オールドの実力は並々ならぬものがあるようだ。これがもっと古い「刻印」タイプとなると、いったいどういう音がするんだろう(笑)。

ところで、先日のオークションで落札された程度のいいWE300Bオールドがぺアで61万円だったが、よく考えてみると安い買い物だと思う。

この真空管は丈夫なことで有名で、適正値で駆動してやると寿命が30年以上とのことだから、10年ほど使ってオークションに出したとすると、そのときはおそらく100万円を超えているだろうから、楽しんだあげくにより以上の高価で売れるのだから、結果的に大変なお買い得だとは思いませんか(笑)。

最後にについて

JBL3ウェイ・マルチ・システムは例によって実験用システムの気安さから「ああでもない。こうでもない」の繰り返しで、自分なりにネットワークのコイルやコンデンサーの値を代えたり、アンプを入れ替えたりして楽しんでいるが、どうしても贔屓目になるのでこうしてときどき仲間の評価を頂くのは中間テストみたいなもので非常にありがたい。

あくまでも現在進行形のラインナップだが、紹介すると次のとおり。

低音域(~500ヘルツ)  JBL・D130ユニット(アンプは2A3シングル・真空管アンプ)

中音域(500~7000ヘルツ)  JBL375ドライバー(16Ω:アンプはPX25シングル・真空管アンプ) 

高音域(7000ヘルツ~)  JBL075ツィーター(特注のステンレスホーン付き:アンプは71Aシングル・真空管アンプ) 

「以前よりもバランスの取れた音になりましたねえ。十分、チューニングが出来てますよ」との高評価をいただいて、“まだまだ”だとは思うがどうやら課題をクリヤーできたようだ。

実は、このシステムのミソは075ツィーターにKさん(福岡)からお借りしている71Aアンプを組み合わせたことにあると思っている。

一世を風靡した有名な075だが組み合わせるアンプには一考の余地があるようで、あまりにも能率が高すぎて(110db!)、どうしても「目立ち過ぎる、騒ぎ過ぎる」傾向にあるのは否めない。

ツィーターの鳴らし方は実に難しい。出しゃばってもいけないし、おとなしすぎても物足りない。低音域の“ボンつき”とともに使っている人間のオーディオ・センスがもろに出てくる部分である。

「075はあまりにも性能が良すぎるツィーターです。本来の実力を発揮させるためには、出力がたかだか0.5ワットクラスの71Aアンプを組み合わせるのがベストです。私の仲間は、このアンプを使いだしてからいっさい不満を口にしなくなりました」と、Kさん。

たかがツィーター、されどツィーター、システム全体の音質の「品」を左右するのであだやおろそかにできない部分である。

以上、29日の試聴会は楽しく盛況のうちに終わった。

次は31日(金)の試聴結果について。ここでは使っている「秘密兵器」が大いに話題になった。

以下続く。
 


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