「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

独り言~2007年MLBの日本人選手成績検証~

2007年10月31日 | 独り言

2007年2月24日付のブログ(独り言)で個人的に開幕前の2007年MLB日本人選手の成績予想及びワールドシリーズの覇者を予想していたが、10月29日(日本時間)をもってMLBの全ての日程が終了したので検証してみる。

≪野手の部≫ 
      

イチロー (マリナーズ)
予想 → 打率3割4分前後で首位打者のタイトル獲得     
実績 → 打率3割5分1厘、打率順位は2位に終わる
首位打者オルドネス(タイガース:3割6分3厘)の成績が良すぎたの一言

城島  (マリナーズ)
予想 → 打率3割前後、本塁打22本
実績 → 打率2割8分7厘、本塁打14本
予想したほど成績が伸ばなかった。捕手というハード・ポジションなのでせめて3年ほどは経験を積ませてやる必要があるのかもしれない

松井秀樹  (ヤンキース) 
予想 → 打率3割2分、本塁打33本、打点120
実績 → 打率2割8分5厘、本塁打25本、打点104
5年目の今季こそはと期待していたが、守備も含めてハッキリと伸び悩みの傾向、7月の月間MVP(本塁打13本)は一体何だったのだろうか。9月の不振は目を覆うものがあった。いまだに打撃に迷いがあるようで、高給をもらっている割には好不調の波が激しすぎる。これが限界だとしたら、日本の本塁打王も淋しい限り。

岩村  (デビルレイズ)    
予想 → 打率2割8分、本塁打20本
実績 → 2割8分5厘、本塁打7本
1年目にしてこの打率は立派だと思う。よくやったと思うが来季は長打力が課題。

≪投手の部≫

松坂  (レッドソックス)
予想 → 18勝9敗 防御率3.7
実績 → 15勝12敗 防御率4.4
成績がイマイチに終わったが、故障もなく1年間きっちりローテーションを守ったのは大いに評価される。やはり慣れない中4日の登板は終盤になって息切れを招いたようだ。来季に期待。1億ドルの投資は無駄ではなかったとアメリカ人に確信させてやりたい。

井川  (ヤンキース)
予想 → 14勝10敗 防御率4.1
実績 → 2勝3敗 防御率6.25
日本人選手の中で最も期待を裏切った選手。情けないの一言。ヤンキースがペナントを取れなかった大きな一因にあげられる。アメリカ、日本両方のファンに失望を与えてしまった。課題はコントロール。球を離す位置が一定しないとの評。来季はどこまで修正ができるか。

≪ワールド・チャンピオン≫
予想 → 投手陣が充実しているレッドソックス

実績 → レッドソックスがロッキーズ相手に4連勝
これは予想がバッチリ当たった。想像以上に打線も活発だった。

以上、全体的にみて、予想を上回った成績を挙げた選手はイチローを除いていなかった。これでは相当に希望的観測だったと認めざるを得ない。大リーグはやはり甘くない。

なお、さほど活躍を予測していなかった日本人選手の次の3人には深く脱帽する。

松井稼頭央  (ロッキーズ)
打率2割8分8厘でチームの貴重な戦力となってワールドシリーズに出場した。これまで、腰痛に悩まされたが、今季の復活は見事の一言。自信がプラスとなって来季はさらなる飛躍を!
松井稼頭央の活躍は渡り鳥が長い行程の中で先頭集団になったり後方集団になったりする隊列の順番を思わせる。長い目で見るゆとりを持とう。

岡島秀樹  (レッドソックス)
防御率2.22 3勝2敗5S
正直言って1年目でここまで活躍できるとは予測できなかった。レッドソックスの貴重な戦力としてワールドチャンピオンに大きく貢献。立派だった。しかし、球威がないだけにクセを覚えられた来季が課題。

斉藤隆  (ドジャース)
防御率1.40 2勝1敗39S
大リーガー相手にこれだけの成績は奇跡に近い数字。クローザーとして人知れぬ努力と工夫があったのだろう。日本の誇りとなる選手。
        

 


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読書コーナー~読書あれこれ~

2007年10月27日 | 読書コーナー

「ニセモノはなぜ、人を騙すのか?」(著者:中島誠之助、2007年8月、角川書店)

本書の略歴紹介によると、著者は古美術鑑定家、エッセイスト。1938年、東京生まれで古伊万里磁器の専門家として世に広まる。テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」に出演、鋭い鑑定ガンと歯切れの良い江戸っ子トークで人気がある。「いい仕事してますね」の名文句で96年度のゆうもあ大賞を受賞している。

「開運!なんでも鑑定団」は自分も日ごろから親しんでいる番組で、骨董品の値付けもさることながら、その由来、あるいは出品したいきさつなどに興味があるので、毎週飽きもせず、また退屈もせず録画して視聴している。

この鑑定団のトップに位置するのが中島鑑定士で、たしかに迷いのない自信を持った語り口が視聴者の幅広い信頼感を勝ち得ており、本書でも実に歯切れがよく分かりやすい。

本書のテーマは”目利き”の一言に尽きる。
ニセモノを見抜く目を養い目利きとなるための心得をこう説く。

世の中はニセモノだらけである
ニセモノにひっかかる三つの法則
骨董業界の厳しい修行方法

感性を鍛えるには「現場を踏む」
番組以外で絶対に鑑定をしない理由
許せるニセモノもある

とにかく、掛け軸の90%、焼き物も80%がニセモノだといってよいそうだが、そもそも骨董品に限らず世の中にはあらゆる分野でニセモノが氾濫している。

騙す人間と騙される人間の双方によってニセモノは成立するが、架空の投資話で被害を受ける人があとを断たないのもその一例で、騙される人間も欲の皮が突っ張ってしまいモノゴトの真贋を見極める力に迷いが生じた結果といってもよい。

しかし、本書ではニセモノはニセモノなりの存在意義を認めており、「ニセモノがあってはじめてホンモノが光ってくる」「人間は投機性のあるものを好むので、運試しをしたい気持ちを適えさせる」などの姿勢が始めから終わりまで一貫しており、随分おおらかな気持ちにさせてくれる。

こうした”
気持ちの余裕が逆にニセモノを見極める”目利き”の秘訣なのかも知れない””実害が伴わなければニセモノと分かっていて騙されるのも一興かもしれない”などと勝手に思ったりした。

このように、本書は本当に愉しく面白いままに一気に読ませてもらった。結構、人生の生き方に役に立ちそうだし読んでいない方にはご一読をお薦めしたい本。

                           

「山本七平の叡智」(著者:谷沢永一、2007年8月、PHP研究所刊)

本書は冒頭から谷沢永一氏(たにざわ・えいいち:関西大学名誉教授)の歯に衣をきせない次のような文章によってはじまる。

「自分のリクツを見せびらかすために本を書く人びとがいる。例をあげるなら、和辻哲郎や丸山真男などである。どうです、私は頭がいいでしょう、と反(そ)っくり返って見せるわけであるから、たしかにいい気分ではあるだろう。」

「その正反対が山本七平である。読者の一人ひとりが自分の考えを練ってゆくのに、少しはご参考になるでしょうかと、ごく控えめに思うところを差し出すのである。山本七平は自己顕示のパフォーマンスを嫌う。読者の役に立ちたいと願っている。知識を振り回さない。知恵を提供しようとする。」

和辻哲郎、丸山真男といった日本を代表する知性に対してなかなか手厳しいが、その反作用で山本七平をより一層際立たせているようだ。

山本七平はご存知のように昭和45年イザヤ・ペンダサンの筆名で「日本人とユダヤ人」(冒頭の有名な語句「日本人は安全と水はただで手に入ると思っている」)を書いた著者で、ユニークなものの見方で知られる典型的な日本の知識人。

本書は副題に「日本人を理解する75の視点」とあるように、山本七平が述べた75の視点をもとに著者が鋭く日本人を分析した著作である。

正直いって内容は少々硬いが、第6章「現代社会への直言」第7章「処世の知恵・偉人たちの教え」など、日本社会と日本人を理解するための好著の一つであり、昨今の混沌とした社会の羅針盤に十分なり得る著作だと思った。興味のある方は一読しておいても損はしない本。

                       









 




 


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釣り紀行♯19~秋の大漁~

2007年10月25日 | 釣り紀行

10月24日(水)は、好天に恵まれ潮の状況も良いようで釣りにはベストのコンディション。前回の釣行は18日(木)なので1週間ぶりとなる。

早朝6時に出発して、Y半島T防波堤に到着したのが8時15分。釣り道具を満載した荷車を押して、防波堤の入り口にさしかかったところ「コラッ!立ち入り禁止の看板が目に入らないのか」という大きな怒鳴り声が左斜め後方から聞こえた。

地元の漁師とのトラブルはマズイので「スミマセーン」と一言いって低姿勢で事情を聴いてみると、つい最近他県の人が夜釣りで防波堤から海中に転落して  這い上がれず亡くなってしまい、それ以来立ち入り禁止にしたとのこと。

「死ぬつもりなら釣ってもいい」とのことだが、こちらはそのために最新のエアベストを購入して着用したばかりなので「大丈夫です」と粘ろうかと思ったが、どうも理屈が通りそうもない人の感じで、問答無用と心得てあっさり撤退することにした。

気を取り直して、今度はクルマで10分ほど離れたK防波堤に移動。結果的にはこれが正解だった。

平日なので誰もいない波止に上がって突端に悠然と釣り座を構えてマキエを一投したところ、アジの大群が押し寄せてきた。それも15cm~20cm前後の型で、このクラスのアジは通常、昼間は深く潜っていて海面に浮いてこないはずなのにこんなことは初めての体験。

それにエサ取り名人のおちょぼ口のウマズラハゲの数もすごい。早速、今日はクロ狙いからアジ、ウマズラハゲ狙いに切り換えた。したがって、エサの方もオキアミ小粒から別途用意した大粒サシアミに変更。結果的に大粒サシアミの威力は絶大だった。

当初は「片潮=一つの場所」をモットーに、干潮時の12時24分を境にして場所を移動するつもりだったが、間断なくアジとウマズラハゲ、それに良型のクロもときどき混じって大忙し、これ以上の釣果はどんな場所でも望めないのでずっと居座ることにした。

結局9時から16時40分まで一つの場所で約8時間釣りまくったが、こんなことは珍しい。途中ウキ下を30cmから3mまでいろいろ変えたが、30cmにがん玉8号1個の組み合わせが一番良かった。

釣果はアジが85匹、ウマズラハゲが25匹、クロが16匹、サバ1匹で、アジとウマズラハゲをこんなに釣ったのは生涯で初めてだった。ウマズラハゲは見かけは悪いがタンパクな味なので使い途が多く、焼き魚、味噌汁、吸い物、鍋物などに良く合う。

帰る間際に隣に初老の方が2人サビキ釣りの道具を持ってやってきた。聞くと、隣県の熊本から4時間がかりで夜釣りにやってきたという。

知る人ぞ知るこの人里離れたY半島の釣り場も有名になってきたようだ。オオイタの県南の釣り場は北九州の釣り人が開拓したという話をよく聞くが、熊本も一翼を担っているみたい。かなり残ったマキエを差し上げたところ、大喜びされた。

夕闇迫る中、空きっ腹に羽を生やし飛ばしに飛ばして自宅に到着したのは、すでに夜の帳(とばり)につつまれた18時15分だった。

                            

と     き        2007年10月24日(水) 快晴、海上無風

と  こ  ろ        Y半島K防波堤

釣り時間          9時~16時40分

潮              大潮(干潮12時24分)

ツケエ            大粒サシアミ、オキアミ小粒

マキエ            オキアミ1角、アミ4角、グレパワー、ヌカ、パン粉

釣     果        アジ85匹、ウマズラハゲ25匹、クロ16匹、サバ1匹

メ      モ       仕掛けの準備が足りず、次回には怠りなく。
               秋~冬は、アミ(マキエ)とサシアミ(ツケエ)のコンビで。


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オーディオ談義~真空管アンプ~

2007年10月23日 | オーディオ談義

現在使っている3台の真空管アンプのうち中域(JBL375ドライバー)用のアンプの真空管PX25(イギリス製、約50年前の製品)の調子がどうもおかしい。2本のうち片方の1本が出力が低下しており、左右のバランスがうまく取れない。

仕方なく2本とも仕舞いこんで、ストックしていた2本を引っ張り出して新たにソケットに差し込んでみたところ、最初の4時間程度は良かったが、次の日電源を入れたら片方の真空管がピンク色になってウンともスンともいわなくなった。新品なのにもう使い物にならない。製造が古い真空管はこれだから怖い。2本セット16万円で購入したので一瞬のうちに8万円がパーとなってしまった。

こういうことはよくあるようで、そっくり似た事例が、先日オークションで出品されていたPX25アンプの説明記事に記載されていた。この方の場合は有名ショップで測定データが箱に貼ってあるもの4本のうち3本がダメになったとのことで、泣き寝入りになったとのこと。(因みに自分も有名ショップで測定データ付で購入。)

古典菅を購入するときは、1週間程度使用して異常が生じたら返品できるように販売元と保証を交わしておくことが大切だと身に沁みて分かった。

まったく、真空管は手間が掛かって世話がやける代物。しかも、トランジスターと比べて物理特性もさほどではなく、そのうえ寿命も短いので常にスペアを準備しておかねばならない。しかし音質に独特の艶と潤いと明瞭さがあり、欠点を補って余りあるので使っている。何といっても我が家の装置の音決めをしているのは真空管アンプ!

もちろん、真空管にもいろんな種類があって音色も違うし寿命にも大きなバラツキがある。さらに、同じ型番の真空管でもメーカーによっても差がある。

寿命が長くて音質もいいということで真空管の王者として昔から君臨しているのはもちろんウェスタン社のWE300B。一時製造が中断されていたものの近年の真空管ブームに乗って再開されたが、現在のものはペアで約8万円前後(ネット上)だが、これが1950年代製造のオールドものになると、戦争に実用されていた名残もあって入念に作られた高信頼菅(なにせ人の命がかかっている!)ということで20万円以上。しかし、これが実は音質もよくて一番安上がり。

この300Bオールドは20年使っても劣化しないといわれている。つまり極論すると無限の寿命といってもよい。とりあえずこの時点で1年当たりに換算するとわずか1万円となる。

拙宅の300Bオールドも生産後50年以上経過しているが、使い始めの時点で中古品(三重県のWEC・5さんから購入)だったにもかかわらず、以後約10年間ほとんど毎日使っているがビクともしないので驚いている。

これがあえて国名を外すが近年のアジア製の300Bになるとペアで3万円前後だが1~3年前後で劣化するとなると1年当たりに換算すると同じ1万円。しかも音質には明らかに差がある。どちらが得かは明らかだろう。

マッキントッシュの有名なMC275アンプに使用されているKT88(4本)もたしかに音質は迫力があっていいのだが毎日使った場合、約2年ほどで劣化するそうで不経済なことこのうえない。

これから新たに真空管アンプに挑戦する方がもしいるとすれば、WE300Bアンプにしておくのが、あとあとスペア菅の入手などいろんな意味で無難だし音質もよくお薦めである。

ただし、オーディオの常道としては、まず好みのスピーカーを設置し、次にその駆動に適したアンプを選ぶのが順番だろう。真空管アンプは出力があまり出ないので、使用しているスピーカーの能率が低い時には不適である。

あるオーディオ誌に、アンプは人間にたとえれば性格とか精神性とかの内面を映し出し、スピーカーは容姿などの外見を表わすとあった。

オーディオの華としてどうしてもスピーカーに目がいきがちだがアンプの存在も縁の下の力持ちでどっこい無視できない。スピーカーを生かすも殺すもアンプ次第というわけ。

どうも、真空管アンプ礼賛に傾いてしまったが、最近お会いしたAさんからデジタル・アンプの性能が随分良くなってきているとの情報をもらった。

考えてみると今の若い人が使っているのは、デジタル・アンプが主流であり、少なくともトランジスター・アンプまでが一般的で真空管アンプとはまるっきり縁遠いはず。デジタル・アンプなどは頑迷固陋の一部のマニア(自分を含めて)だけが安かろう悪かろうの先入観のもとに聴かず(?)嫌いだけなのかもしれない。

デジタル技術は日進月歩なので、性能対価格比の面で常に注目しておくべきで、ヤマハ、オンキョーなどからいい製品が出されているそうで、機会があれば試聴してみたいと思っている。

ただし、心配なのは2点あって、
技術と音楽性のバランス
あまりに性能が良すぎてスピーカーの能力が追いついていけるかということ。少なくとも、磁石の原理で紙を振動させるスピーカーの原理は大昔から変化していないので最新の高度なデジタル技術とのマッチングがうまくいくのかどうか、その辺がやや気にかかるところ。

                  
                                        PX25(左)とWE300Bアンプ


 


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健康コーナー~東大のがん治療医が癌になって~

2007年10月21日 | 健康コーナー

「東大のがん治療医が癌になって」(2007年5月、著者:加藤大基、中川恵一、(株)ロハスメディア刊)

この本は、表題どおり、東大付属病院で放射線治療に従事していたがん専門の治療医(34歳:東大医学部卒)が、突然原発性肺癌を宣告(2006年5月)された後、どうしてがん患者となり、どのような治療を受けたのかその経緯を詳細に追ったものである。

がんという誰もが恐れる病気をがん治療の専門医としての立場とがん患者としての立場との二つの視点から解説した内容が実に新鮮で目新しく医学についてまるっきりの素人にも分かりやすく語られ、興味津々で読み出したらもう止まらず一気に読み上げてしまった。

まず、生死の瀬戸際にあった己を題材にして冷静かつ客観的に分析して表現するのは常人にはなかなか及ばないことでその点で著者に対する畏敬の念を覚えてしまう。

著者(加藤氏)は、普通の健康な青年でタバコは1本も吸わず、家系もそれほどのがん家系ではない。幾多の患者を見てきた中でがんに関する知識も当然豊富であり、まったくがんには無縁の存在だったわけだが、一体なぜ罹患したのか自問自答するところが身につまされる。

思い当たるのは、小学校時の焼却炉でごみを燃やす作業(ダイオキシンの発生)にひんぱんに従事していたことぐらいで、これも決定的な要因とは断定できないが、現在でも私たちが日常的に行っている行動の中にも後の世になってみて改めて発がんなどの危険性が判明する可能性は十分あるとのこと。

「自分だけは大丈夫」と大多数の人が思っているガンは年齢を問わず誰にでも罹る可能性のある病気であり、この本の一節に「本書を読んでいる貴方にもひそかにがんの病変が忍び寄っているかもしれない」というくだりには実感がこもっている。

本書の構成は、

第1章   癌患者になる
第2章   がん治療医として考える
第3章   プロフィール
第4章   加藤君の闘いの意味(中川恵一:東大付属病院放射線科准教授)

第5章   苦難の勤務医生活
第6章   社会に戻って


第4章では、「がんとは」「がんの治療とは」「がんの転移とは」「がんの手術とは」「がんの放射線治療とは」について実際にがん治療に携わる第一線の医師からがんに関する最新の知識・情報が得られる。

第5章では医師としての職業の実態にも触れており、世間で思うほど高給かつ優雅な職業ではなく、額に汗しても報われない過酷な勤務の実態がこと細かく語られ、これから医師を志そうと考える人はよほどの気構えと体力が必要とのこと。

第6章では「運と運命」「死と向き合って」「患者の気持ち」「死を忘れるな」「自殺はもったいない」などの項目と並んで「検診のススメ」があり検診の重要性が語られている。著者の場合前年の胸部エックス線検査では異常が発見されなかったものの、翌年の検査で発見されたこともあり、検診は万能ではないが、是非受診することを勧めている。

エピローグに代えて、本書に対する著者の思いが次のように綴ってあった。

がん治療に携わる者ががんに罹ったときにどのような対応をして、どのように考えたかを社会に還元したい

国民の2人に1人は罹る「がん」という病気を、身近な問題として多くの人に考えてもらいたい

本来身近であるはずの自分の死を意識して生きることの必要性を医者としての経験に基づいて訴えたい

勤務医の劣悪な労働環境を知ってもらい、患者および患者予備軍であるすべての人に医療問題について真剣に考えてもらいたい

現在の医学にも限界があり、最善を尽くしてもどうにもならないことが少なからずある、世の中には抗(あがら)いがたい運命のようなものがあることを心得たい

なお、「がん」「癌」の表現の使い分けでは意味するところが微妙に異なる。前者は悪性疾患一般の総称であり、後者は肺癌、胃癌など上皮性の悪性腫瘍のみに限定して用いられるとのこと。

とにかく、本書は「明日は我が身」の可能性があるがん疾患について改めて身近に向き合う意味で誰もが読んでおきたい本だと思った。
                           

PS

後日(2016.11.2)このブログを読み返しながら、加藤大基氏のその後の経過を知りたいと思い名前をググってみたら、現時点で再発なしにご健在だった。ヨカッタ!






 

 


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釣り紀行♯18~釣り場の栄枯盛衰~

2007年10月19日 | 釣り紀行

気持ちのよい秋晴れがここ数日続いているが、18日も朝から好天気。今回の釣行は久しぶりに場所を替えてS市のO島(離れ島)に渡ってみた。

このO島は40代以降毎週といっていいほど通いつめた場所だが、
栄枯盛衰のならいのとおり近年は釣れなくなり廃れてしまっている。果たして今日はどうだろうか。

早起きして自宅を5時40分に出発、途中、釣具店によってマキエを手に入れ7時45分に波止場に到着した。釣れない場合に備えて釣り場を移動するため、通常の1・5倍のマキエを購入。フェリーに乗って現地の釣り場に到着したのは8時30分。

平日なので細長く伸びた波止には誰もいない。結構風が強いが向かい風ではないのが助かる。馴染みの場所に釣り座を構えたが、この波止は水面から非常に高いため、いつも7m前後の長竿を使用している。この日もこの竿で浮き下を3m程度にとって固定仕掛けで深場狙い。

マキエ開始後20分ほどでウキが気持ちよく消しこんだ。急いで竿を上げたところ、何と穂先に糸が絡まっており無理してリールを巻いたため、先端がポキリと折れてしまった。長竿はこれだから困る。

急いで糸を手繰り寄せて、かなり大きめのクロを捕獲したが、仕掛けを再度やり直し。竿の方も接着剤で応急処置。幸先よくクロがかかったのに、時合いがいたずらに過ぎてゆく。

以後、気を取り直して釣ったが小鯛が深場に群れており微妙なあたりでずっと悩まされた。クロも型のほうはなかなかだが散発程度で、とうとうあきらめて13時30分に納竿。

結局この場所ではクロが10匹前後だった。やはり、昔日の面影はないようだ。場所替えで14時のフェリーでS市に戻って今度はY半島に行くことにした。T防波堤に到着したのが14時50分。

日没まで時間があまり残っておらず、かなりあせる。沢山残ったマキエをどんどん投げ込んで魚を一気に寄せてみた。

始めのうちは15cm程度のアジがかかっていたが、16時15分ぐらいから待望のクロが浮いてきだした。潮の方もあまり良くないのに、太陽が落ちて暗くなりだすと警戒心を解いてくるようだ。ウキも見づらくなる中でカンをフルにはたらかせて、ばたばたと40分程度で13匹、それも良型を釣り上げた。

終わりよければすべて良し、それに今日は前回よりも釣果が上がり、後味のよい釣行となった。自宅に到着したのは、18時30分でもう真っ暗。例によって道具洗いは翌日回し。

朝早くから夕方まで、今日は潮風に吹かれて釣り三昧の満足できる一日だった。

                       

と     き       2007年10月18日(木) 晴れ、海上風かなり強し

と  こ  ろ       S市O島(8:45~13:30)
              T市Y半島T防波堤(14:50~16:50)

潮             小潮(満潮13:26)  

釣     果       クロ23匹、あじ20匹前後、チダイ10匹前後、はげ1匹

メ     モ        夕まずめは潮の良し悪しに関係なく釣れる場合が多い
               O島はやはりダメで、冬場のチヌ狙いにとっておくこと

  

 



 


 


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釣り紀行♯17~釣果上がらず~

2007年10月13日 | 釣り紀行

10月8日(月)から9日にかけて台風15号の余波のため九州地方は雨が降り続き、ようやく10日の明け方になって雨が上がった。

朝の天気予報では、午前中曇りで午後からは晴れるそうで、潮の方は大潮の3日目、午後が満ち込みの好条件なのでそれならばと急遽、6時に釣具店へエサの解凍を予約した。

出発は、午前9時で現地到着は11時30分。ところが、F波止はものすごい強風が吹き荒れ激しい波が防波堤に打ち寄せて波しぶきが高く舞い上がっている状況。これではとても釣りができる状態ではなく、命の方も危険との予感。低気圧が去ったすぐあとは風が強くなるのは分かっていたが、これほど強烈とは想像だにできなかった。

この地域一帯がこういう状況なのは間違いないので、どこに行っても同じこととあえなくスゴスゴと退散することにした。改めて、翌日出直すことにした。

自宅に戻って早速解凍したエサの保存に取り掛かる。クルマのトランクに入れたままにして、保冷剤、氷をバッカンに入れた。これで大丈夫、真夏なら無理だが今の時期なら明日ぐらいまでは何とか保てるだろう。

翌11日(木)は朝から快晴。10時30分に出発。現地到着は12時30分。今日も強風だが昨日ほどではないが、波のほうはうねりがあって釣れないほどではないが、やはり釣りにくそう。

一晩保存したエサの鮮度は大丈夫のようで、12時50分から釣り開始。マキエを一投しただけで小魚のエサ取りがワッと集まってくる。7月以降1週間に1度ぐらいのペースで10回以上も来て大量のマキエを撒き散らしたのでものすごい数が居ついている。

とてもクロの口に届くどころではない。それに外道のウマズラハゲの暗躍も目に余るし、何といっても強風、波のうねりに悩まされる。これでは満足な釣りは出来ない。


F波止にはこの夏随分楽しませてもらったが、どうやら見切りの時期にきたようだ。北西の季節風にまともに直面するので、秋、冬に適した釣り場ではない。やや未練はあるが、次回からは心機一転で場所を替えることにした。

納竿は16時40分。結局、今日はときどきクロが掛かる程度で14匹の釣果だった。往時とくらべると雲泥の差。


                         

と      き     10月10日(水)強風波浪のため引き返し
             10月11日(木)12:50~16:40  晴れ、強風、波高し

と  こ  ろ      Y半島F波止

釣      果     クロ14匹、はげ6匹、あじ8匹

メ      モ     クロが浮いてこない時期になったので次回からは仕掛け替え
  




 

 

 

 


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オーディオ談義~オーディオ訪問記~

2007年10月11日 | オーディオ談義

オーディオ仲間のMさんから、電話が入りスピーカー(SP)を補強したので聴きに来ませんかという自信満々の雰囲気でお誘いがあった。

アンプなどと違って、SPは音質に一番大きい影響力を持っているので、どれどれとオーディオ愛好家特有の好奇心丸出しで10月上旬のある日、お宅にお邪魔した。

”北京秋天”を思わせるような青空のもと、クルマでスイスイと飛ばして40分ほどで到着した。

MさんのSPはアポジーといって約20年ほど前の平面型SPだが、このたびオークションで運よく定価の2割程度で同型をもう1セット手に入れられ、結局2台を前後に重ね合わせて使用しておられた。単純に考えると低域の面積が2倍になった勘定だが、これは平面型SPだからこそ出来る荒業。

おそらく日本はおろか世界中でも例をみない試みだろう。

試聴CD     ちあき なおみ全曲集~黄昏のビギン~
          パールマン「モーツァルトのヴァイオリン協奏曲5番2楽章」
          アバド指揮、シカゴ交響楽団
「ベルリオーズの幻想交響曲」
          フジ子ヘミング「ショパン夜想曲集」
          ヒラリー・ハーン「バッハの無伴奏パルティータ」

ヴォーカル(人声)、ヴァイオリン、オーケストラ、ピアノとひととおり聴かせてもらったわけだが、音質の変貌ぶりには心底驚いた。

これまで、アポジーの音は上品で奥行き感に優れ落ち着いた音質というイメージを持っていたが、今回はそれに加えて低域が充実したことによりひときわ雄大さが感じられた。

低域の解像度と豊潤な質感が両立した感じで、なかなか簡単には到達できないレベルの音質・音楽だった。

アポジーの当時の定価はたしか1セット50万円前後なので、2セット分で計100万円のSPということになるが、それ以上の相乗効果をもたらしていると思った。

Mさんのあまりお金を掛けずに音質を良くするアイデアと嗅覚には本当に恐れいってしまう。ただし、2台のSPの接続と設置場所、2台のアンプからの配線方法などはMさん独自の工夫がなされているので誰がやってもこんなにうまくはいかない、やはりつまるところMさんの聴覚と電気技術のなせる技なのだろう。

あとは、とりとめのない雑談に移った。

まず、試聴盤の一つ、ベルリオーズの「幻想交響曲」の話から。

この曲を福田総理が好きなのはたしかな話だが、ネット情報では自宅の広い試聴室には250万円程度のSPが設置されており、どうもタンノイらしいとのこと。当然、忙しい方なので、オーディオに割く時間は無くて業者まかせでSPをポンと置いただけだろうなどの話。

有名人はいくらオーディオが好きでも時間の制約を受けてオーディオ通になれないから可哀想だとのことから次のような話。

Mさんが昔の都内在勤中の思い出話で、当時演劇の世界では神様と崇められていた滝沢修氏(故人:演出家、俳優)のご自宅に、オーディオ機器を修理に伺ったところ、ご当人は随分詳しく熱心な愛好家にもかかわらず、「オーディオに関してはあなたが先生です」と実に腰が低く丁重にもてなしてくれたことなどの逸話を聞かせてもらった。

さて、この機会に俎上に上った
「幻想交響曲」について豆知識。

「音楽の世界には「出世作イコール生涯唯一の傑作」という作曲家がかなりいる。典型的なのはカヴァレリア・ルスティカーナのマスカーニ(1863~1945)と、道化師のレオンカヴァルロ(1858~1919)。この二人はデヴュー作品ただ1曲でイタリア・オペラ史に不滅の名前を刻んだ。

これにならって、エクトル・ベルリオーズ(1803~1869)のことを幻想交響曲だけの一発屋と呼んだら大方の不興を買うだけだろうか。以後の作品は全て見劣りのする作品がただ並んでいるだけ。

失恋の痛手から阿片を呑んで自殺を図った若い芸術家(もちろんベルリオーズのこと)が、もがき苦しみながら見た奇っ怪な悪夢を音楽にした幻想交響曲があまりにも未曾有の大傑作に仕上がったので結果としてその後は一発屋のごとくなってしまったが、「幻想」だけで彼の名前は永久に不滅となった。

ベートーヴェンの第九初演(1824年)からわずか数年、誇大妄想気味のフランスの青年作曲家が生み出したこの型破りな交響曲は瑕疵が若干あるものの、そのパワーとファンタジーで少々まずい実演に遭遇しようが、ボケた録音で聴こうがほとんどその価値を減じない。

とにかく幻想交響曲の存在しない音楽史など考えられない。CD盤はミュンシュ指揮、パリ管弦楽団のものが胸躍らせる。」

以上、出典は「名曲の歩き方」(1998年、著者:渡辺和彦、音楽之友社刊)の”音楽史の一発屋が放った大ホームラン”から。

                            









 


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音楽談義~ディヌ・リパッティ~

2007年10月09日 | 音楽談義

 

ディヌ・リパッティ(著者:畠山陸雄、2007年6月15日、(株)ショパン刊)

著者はルーマニアに在住し、当地出身のクララ・ハスキルやリパッティを研究されている方とのことで、伝説の名ピアニスト「ディヌ・リパッティ」(1917~1950)の生涯を実に丹念になぞった力作だった。

あのクラシック音楽の”聖人”五味康祐氏が「ショパンの演奏はリパッティ」とうわごとのように言っていたピアニストで30代前半で若くして夭折したため今だにその才能を惜しむ人が多い。

読み進むにつれて、クララ・ハスキル、トスカニーニとの出会いなど古き良き時代の名前が次々に出てくるので懐かしかった。

日本でのリパッティのまとまった伝記は本書が初めてとのことでその面では貴重な書籍だが、惜しむらくはリパッティの生涯の軌跡に集中するあまり、肝心の演奏に関する記述があまりにも少なすぎるように思った。

ピアノの優雅な音が匂い立ってくるような情緒的な雰囲気に乏しく、その辺は彼の全てのCD盤についての個人的な感想、解説で補えばよかったのにと思った。本当にリパッティの演奏に愛情を感じるのであればそこまでやってしかるべき。

ただし、なにぶん、リパッティは50年以上も前のピアニストなのでいい録音で残されたCD盤が少ないが、この機会に自分なりに
リパッティ再発見でその真髄に触れてみたくなった。

リパッティの演奏はずっと以前、レンタルでショパンのワルツ集を聴いて好感を持った覚えがあるが、何といっても五味さんがあれほど推奨しているのでまず間違いのないピアニストとの確信が持てる。早速オークションにアクセスして”リパッティ”で検索。

その結果「リパッティの肖像」(4枚セット)が見つかった。バッハの「主よ人の望みと喜びよ」、ショパンのワルツ集、グリーク、シューマンの各ピアノ協奏曲など彼の代表作が目白押しで入っていたので迷うことなく即決して落札した。

出品者のご好意で2日後には到着し、目を見張るスピードで手に入れることが出来た。

なお、余談だがこれでトスカニーニのオペラ集(10枚セット)、クライバー指揮の「ばらの騎士(DVD2枚)」、メニューインのヴァイオリン協奏曲(5枚セット)に加えてこのリパッティ盤と、未試聴の盤が次々に積みかさなっていく。しかも、まだ読んでいないコナン・ドイルのミステリーもたまっているし、釣りの仕掛けも作らねばならない。

もっと時間が欲しい!

                     








 


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釣り紀行♯16~釣りはリズムに乗って~

2007年10月07日 | 釣り紀行

開高 健さんの著作「釣り人語らず」の巻頭に中国の古いことわざが載っていた。

1時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい
3日間、幸せになりたかったら結婚しなさい
8日間、幸せになりたかったらブタを殺して食べなさい
永遠に 幸せになりたかったら釣りを覚えなさい

前回の釣行(9月25日)から1週間以上経過したものの、その間、いい潮と好天にめぐり会えず切歯扼腕しつつ、ようやく10月5日(金)に白羽の矢を立てた。

テレビの天気予報では午前、午後ともに降水確率0%で平年より5度ほど高めの気温で日中は結構暑いといっている。

当日は3日連続の小潮のあとの長潮で、干潮が9時前後、あとは満ち込み一筋で海水温が上昇する午後にポイントを合せて自宅を出発したのが9時頃。

丁度、ヤンキースのプレーオフ初戦が7時15分から放映中。1回表の凡退に続き4回表の松井の三振で後味悪い気分を味わいつつ出発した。

途中、釣具店に立ち寄り現地に着いたのが、11時15分。相変わらず波止場には人影なし。釣り開始は11時40分からで以後約40分ほどひたすらマキエに専念。しかしクロがなかなか浮いてこない。

エサ取りの小魚の数はものすごいが、どうもクロの動きが鈍いようで今日はダメだと早くもアキラメムード。夏の時期とは明らかにクロの活性度が違う。

13時ごろから、ようやくクロが浮いてきておなじみのパターンに入ったが、どうもいつものリズムに乗りきれない。

通常のパターンでは、まずエサ取りの小魚に専用のマキエを被せ、本命用のクロのマキエを遠投し、正確に竿を振ってウキをその地点に落とす、クロが寄ってきて当たりウキが消しこむと同時に静かに竿を立ててクロを引き寄せて取り込む。この一連の動作がスムーズな流れにならない。

まず、風のために正確な投入が難しく、しかも波のうねりのためウキが投入地点からすぐ動いてしまう。加えてエサ取りの、足が速くて大きめのウマズラハゲが出現しクロのマキエを食い荒らす。

これらは秋特有のパターンで、釣りの腕が落ちたわけではないので、我慢、忍耐、粘り強くと自分に言い聞かせながら浮き下をこまめに替え、錘をうち替えながら、こつこつと丁寧に釣りにいそしんだ。16時前後からは満潮時となり潮の動きがパタリと止まって、まったく釣れない。

結局、16時30分に納竿。今日は、手の平サイズ未満のリリースは3匹程度で、型の方はそろっていてこれまでで一番良かった。クロは計37匹。この時期にこれだけ釣れれば贅沢はいえない。しかし、これから季節の推移とともに気温が冷え込んできて釣果の方はじり貧になること間違いなしで、覚悟しておかねばならない。

         

と   き   2007年10月5日(金)

と こ ろ   Y半島F波止

潮       長潮  満潮16時前後

マ キ エ   オキアミ2角小粒、パン粉、グレパワー、アミ3角(マキエ用、米ぬか)

釣   果   クロ37匹、はげ2匹、あじ2匹

メ    モ   クロの食い気がなくなったので、マキエ、集魚剤などの見直しを。
         潮どまりの対処の仕方にひと工夫がいる。
         この時期は夕まづめにこだわるよりも潮の満ち引きのほうが重要。 


 


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独り言~秋二題~

2007年10月03日 | 独り言

秋にちなんで二題。

始めに秋の七草。春だけではなく秋にも七草がある。

春の七草がおかゆなど食用として楽しまれるのに対して、秋の七草は和歌などにも多く詠みこまれ鑑賞することに主眼が置かれている。

ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ

「万葉集」に詠まれた山上憶良(やまのうえ おくら)の歌

秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種の花

古代の宮廷人たちは秋の野を散策しながら和歌や俳句にして楽しんだが、茶の湯や生け花が浸透してから一般人にも知られるようになった。

ちなみに、昔は秋の七草の一つであるキキョウを「アサガオ」とよんでいたが、平安末期に中国からいまのアサガオが薬草として輸入されたため、そちらの方を「アサガオ」とよぶようになった。それで昔ながらのアサガオはキキョウという名に変えられてしまった。

二題目は
重陽の節句。9月9日が「最高の日」とされる理由とは?

今年は既に過ぎ去ってしまったが、9月9日は中国に起源のある重陽(ちょうよう)の節句。日本では菊の節句ともよばれ菊を鑑賞しながら菊酒を飲むと長寿になるといわれていた。

この日の前夜、菊に綿をかぶせておき、朝に露で湿った綿で体をふくと若返るとの言い伝えも残されている。

ただし、日本では菊薫るのは11月なのでどうなっているのだろう?)

とにかく、9月9日という日にちには、特別な意味がある。数は1から10で表される。もっとも大きな数は10だが、古代中国では「満ちては欠ける」という思想があった。つまり、
頂点を極めてしまえば、後は衰退していくだけなので、頂点を最高とするのは良くないと考えた。そこで最高の数は10ではなくて9となった。

この最高の数が二つ重なるのが9月9日の重陽の日で、いいことが重なる日とされた。

余談だが、9という数字は苦労に繋がるということで日本では嫌われる傾向にあるが、自分にとっては、縁起が良くラッキー・ナンバーになっている。

以上、出典は「日本のしきたりがよく分かる本」(2007年7月27日、PHP研究所刊)。

                         


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オーディオ談義~クロスオーバーと平面波SP~

2007年10月01日 | オーディオ談義

音楽を聴いているときに、演奏に集中すればいいのにオーディオ愛好家特有の悪いくせが出てつい周波数の強弱がときどき気になってしまう。

やや専門的になるが一般的に人間の耳に聞こえる周波数の範囲は低いところでは20ヘルツから高い方では2万ヘルツまでといわれている。

つまり、音楽を聴くときに、この低音から高音までの間に強調(山)されている部分がないか、あるいはギャップ(谷)がないのか常に神経を使うというわけ。もちろん、オーディオルームの形状などによって適当に強弱があったほうが良い場合もあり例によって理論だけでは解決できない世界である。

ただし、全ての周波数帯域を1個のスピーカーユニットで再現できればオーディオの課題はかなりの部分が氷解するといってもよいが、そういうユニットは現在どこにも存在しないから仕方なく通常2~3個のユニットで区分して聴いている。

これが俗に言う2~3ウェイ方式で例えば、低域専用ユニットで500ヘルツ以下を受け持たせ、同様に中域専用ユニットで500~7000ヘルツ、高域専用ユニットで7000ヘルツ以上といった区分(クロスオーバー)が一般的である。

しかし、音は自然に減衰していくものだから低域と中域の音が500ヘルツ前後で重なり合い、中域と高域が7000ヘルツ前後で重なり合う。

オーデイオの難しさの一つは、この重なり合う部分を濁りがないようにしていかに自然に近い感じで聴きやすくするかというところにある。

逆に、たとえばタンノイの大型スピーカーはご承知のとおり2ウェイ方式で音像定位は抜群だが低域と中域のクロスを1000ヘルツに取っているので、中低域は自然に聞こえるメリットがあるが1000ヘルツから以上の中高域を1つのユニットで分担しているのでやや無理があって高域の伸びが不足気味である。タンノイはジャズに不向きでシンバルの音が物足りないといわれるのはこの理由。

市販の既製品のスピーカーを愛用している方(おそらく大半だと思うが)は、販売時にメーカーのほうで専用の部品でもって既にクロスオーバーを調整しているのでこの帯域の区分を意識することはまずなく、したがって苦労することもないが、逆にいうとオーディオの楽しみをある程度奪われているともいえる。

おそらく音楽を聴く上でこういうことは”わずらわしい”という方が大半なのだろうが、一方では自分好みの音質には近づけない方でもある。しかも、ほとんどのメーカーの対応もこの部分の調整に関してはコスト面から手を抜く傾向にあり、質的に決して万全でないように思っている。

低域、中域、高域をどの帯域区分でカットするか

カットするためにどういう部品を使用するか
特に低域と中域のクロスオーバーの調整は生命線となっており、いちばん神経を使うところ。この調整次第で音がガラリと変わるので自分の場合、いまだに3ヶ月に1回程度は気になってああでもない、こうでもないと言いながら愉しくいじくりまわしている。

おそらくこれは永遠の課題だろう。

低域、中域、高域の区分のうちどこを重点に置くか知人のAさんやMさんの話を総合してみると、一番重要なのは中域でそれも150ヘルツ前後から3000ヘルツ程度までとのこと。人間の耳にとって音楽の一番おいしくて重要な部分。この部分が一つのユニットできちんと再現できればいい音質になることはまず疑いを容れない。

従来、この部分を一つのユニットで再現できる本格的なスピーカーはないといってよかったが、最近、新製品として新しい原理によるMCMA方式の平面波スピーカーが販売されているとの情報が入った。

これは
低域が140ヘルツ以下
中域が140~6000ヘルツ
高域が6000ヘルツ以上
という理想的な区分になっている。もし意識して中域の周波数をこのように設定したとしたら、設計者は相当オーディオを研究された方といっていいだろう。

最高クラスのものがセットで定価が42万円。手が届かない範囲ではないが、今のシステムを破棄して購入するとなると私的にやや問題が残る。

いまのところ息を潜めて、試聴結果の情報がネットで飛び交うところをじっと待っているところ。

このスピーカーが物理特性に加えて音楽性を兼ね備えていればオーディオに大革命が起きることは間違いないし、我が家では早速カミサンのご機嫌をとらねばならない。

因みに、我が家のクロスオーバーは現時点(2007年10月1日)で次のとおり。

低  域   上限330ヘルツ(6db:フィルターによるカット)

中  域   下限500ヘルツ(6db:ウェスタン社のコンデンサーによるカット)
        上限7000ヘルツ(6db:フィルターによるカット)

高  域   下限7000ヘルツ(6db:ウェスタン社のコンデンサーによるカット) 

                            
                            コンデンサーによるカット(高域)
 


 


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