「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ愛好家のご来訪~♯1~

2012年09月29日 | オーディオ談義

 つい先日の9月20日(木)のこと、同じ別府市内の「Y」さんという方から突然のメールをいただいた。

趣旨は
ネット検索でクリプッシュから貴ブログに行き着きました。少し拝読させていただきました。実は小生もオーデイオ歴40年になり中学生のころからコーラルの25センチユニットを自作エンクロージャに入れて真空管アンプで鳴らしたりしておりました。というわけで親近感から、また別府の中にも同好の志のかたがおられることが少しうれしくメールを差し上げました。

「クリプッシュ」とは、8月26日付の記事「あのときに聴いた音は素晴らしかった!」のときのヴァイタボックス(イギリス)の「クリプッシュホーン」のことに違いない。

                         

30年ほど前に、とあるオーディオショップでエクスクルーシブ(パイオニア)の「M5」(アンプ)によって駆動されていたSPだったが、これまでのオーディオ人生の中でも屈指ともいえる典雅な音だった。

こういうビンテージのスピーカーに興味をお持ちとは、なかなか話が合いそうな方だと
お見受けした。

すぐに折り返しのメールを発信。

「お便りありがとうございます。地元、別府の方からメールをいただくなんて嬉しい限りです。
オーディオ歴が40年とはお互いに同じようなキャリアですね。おそらく似たような苦労があったことと推察しております。お暇なときにでもぜひお話をお伺いしたいものです。ブログでご承知のように、私は現在”AXIOM80”という時代遅れのユニットを使っておりますが、Y様はどういうSPを使っておられるのかよろしかったらお聞かせください。」

すると、大要、次のようなご返事が。

「私のシステムは現在進行形がやっと落ち着き、アンプ アキュフェーズDC-330(デジタルプリ) メインアンプ 同P-5000のBTL接続、CDは同DP-67改、SPは自作F-91トーテム改というものです。楽器(フルート)をやるものですから音楽の部屋を作っております。」

どうやらアキュフェーズの製品を愛好されている方のようである。「アキュフェーズ」という名前の由来を奈良のMさんから教えてもらったが、「アキュレート」(正確な)と「フェイズ」(位相)の合成語だそうだ。周知のとおり、オールジャパンでは随一ともいえる専門高級ブランドで、お医者さんあたりが使っているのをよく見聞する。さらに、
実際に楽器をいじられるので生の音にもよく精通されていることだろう。

阿吽の呼吸みたいなもので、折り返し我が家のシステムも次のとおり紹介させてもらった。

「私の装置ですが次のとおりです。CDトランスポート(ワディア270) DAコンバーター(ワディア27ixVer.3.0)
を共通部分にして2系統に分けてます。 

第一システム

低域(200ヘルツ以下)     アンプ 「L-01A」改(ケンウッド、片チャンネル各1台)  SP(フォステクスSLEー20
                    W、片チャンネル4発)


中高域(200ヘルツ以上)   アンプWE-300Bシングル(モノ×2台) SP(AXIOM80+JBLー075ツィーター)

第二システム

タンノイ・ウェストミンスター


低域    アンプ L-01A改(1台)  

高域    アンプ(PX25シングル・1号機) 
 
ほかにテレビ視聴専用の第三システムとして「AXIOM301+ミダックス」をPX25シングル・2号機で駆動しています。

低域はトランジスター・アンプで駆動し、中域、高域は真空管アンプによる駆動というのが自分のモットーです。市内でオーディオ好きの方と交流できるのはうれしいですね。今後ともよろしくお願いします。」

こういう流れになると、行き着く先はお決まりのコース(笑)。

Yさんから「フォステクスのエッジレス・ウーハーSLE-20Wとは懐かしいユニットですね。それも4発ですか。
私のところもフォステクスFW208Nを2発で使用しています。300Bのアンプも聴いてみたいです。突然不躾ですが今度お時間がよろしい時に聴かせて頂けないでしょうか?」とのメールが届いた。

そこで、「我が家は部屋もそれほど広くないし、散らかっておりますし、とてもお聞かせするのが恥ずかしいくらいです。それでよろしければ、いつでもお出でください。たぶん、あまりご参考にならないと思いますので、くれぐれも期待しないようにしてください。午前中はいつも居ります。」と、返信。

そして、決まった日程は9月26日(水)の午前10時から。

この試合の模様は次回でご報告ということに~。 

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「話題あれこれ」第3弾

2012年09月27日 | 独り言

≪自民党総裁選の結果≫

かねて注目していた自民党の総裁選挙が26日(水)に終了した。投開票の結果、新しく総裁に選ばれたのは「安倍晋三」氏で5年ぶりの返り咲き。

今回の新総裁は次回の総選挙の結果次第によるが、内閣総理大臣に就任する可能性が極めて高いので内外の注目を集めていたのは周知のとおり。

以前のブログ「話題あれこれ」で「石破 茂」さんを予想していたのだが、結果的には外れてしまった。ウ~ン残念。安倍さんは5年前にいくら病気とはいえ、「敵前逃亡」ともいえるみじめな退陣をした人物だが、この国難のときにはたして大丈夫かいな~。

最終的には国会議員のみによる決選投票で安倍さんが石破さんを破ったわけで、日頃の安倍さんをよく知っているのは身近にいる国会議員たちなのでおそらく「安倍さんでいける」と踏んだのだろう。

押し出しがいいし、育ちがよくて、威張らなさそうだし、人柄もクセがなさそうだし、まあ無難な選択といえるかもしれないが、一度致命的な失敗をした人間に再びチャンスを与えるというのは、いかにも日本人らしい優しさだなあと思った。これがアメリカやヨーロッパなどでは、そういう人間に対してはおそらくバッサリ見限るような気がする。

たとえば随分古い話で恐縮だが、太平洋戦争のときのこと、山本五十六提督がミッドウェイの海戦で致命的な敗北を喫したときに、欧米では情け容赦なく提督のクビを切っただろうが日本では責任の所在をあいまいにしたまま留任させ、そういう軍の体質そのものが最終的に敗戦を招いたという戦史を読んだことがある。

さらに2~3日前の朝日新聞に人口およそ13億人の中国において末端から這い上がってきた指導者たちの鍛えられ方が、日本人の政治家とはまるでレベルが違うと記載されていた。周知のとおり日本では親譲りの世襲議員が実に多い。安倍さんも代表的な二世議員だが、そもそも日本の悲劇の根源は政治家になる人材が限られた競争の中での選出にあるという気がする。

とはいえ、もともと日本は独裁者を輩出しない風土にあり、このあたりは歴史をみても明らかなので「神輿にかつぎ上げる人間」なんて
それでいいのかもしれない。

≪持つべき友とは”物くるる人”なり≫

前回のブログに記載したようにSPユニット「AXIOM80」にJBLのツィーター「075」を追加したが、そうなると「075」を取り上げられたテレビ視聴専用の「AXIOM301」が元の木阿弥になってしまった。

以前、湯布院のAさんが「グッドマン製のトレバックス(高域専用ユニット)なら差し上げますよ」という言葉を思い出したので「この前お伺いしたトレバックスですがちょっとお借りできませんかねえ」とストレートに電話してみると「あれはトレバックスではありませんでした。同じグッドマン製ですが”ミダックス”の間違いです。2セットありますので1セット差し上げますよ。丁度別府に行く用事がありますので25日の15時15分ごろに持っていきます。」と、非常にご親切なお申し出。

「ミダックス」だから「ミドル」→つまり、中域用のユニットかなという連想が働いたが、とにかく楽しみに待つことにした。自分のオーディオ人生にとって、Aさんは実に長いお付き合いになるがいつもありがたき存在である。

いきなり古典の話になるが兼好法師の「徒然草」の中に「持つべき友」というのは「医者」と「物くるる人」という段がある。

医者は病気になったときに頼りになるので分かるにしても、「物くるる人」なんて、世捨て人にしては兼好法師という人物、意外にも即物的な人間だなあ、と学生時代に思ったことをいまだに憶えているが、いざ、この歳になってみると「物くるる人」とは、実は「困っている物を親身になって世話してくれる人」という意味に解されるのではないかという気がしている。

つい日頃の教養がにじみ出てしまったが(笑)、当日の時間きっかりにAさんに持ってきていただいた「ミダックス」、タンノイのツィーターと同じような使い方で1200ヘルツ程度でクロスさせ、それ以上の周波数を受け持たせるのが通常の使い方だそうだ。しかし「接続方法」がてっきりハンダ付けで済むと思っていたのだが、どうもバナナ・プラグによる接続しかできないようである。

ちょっと不安だったので「一応、お預かりします」ということで、Aさんが帰られた後にすぐ現物を持って近くの大型電気店のオーディオ・コーナーに行ったところ、非常に親切な店員さんが応対してくれてバナナ・プラグ(オーディオテクニカの無ハンダネジ締め方式)の新品を封を切って挿入してもらった。するとバッチリ規格があって勇気百倍、早速、そのバナナ・プラグを購入して自宅に戻り接続してみた。

                         

周波数をカットするコンデンサーをいろいろ試してみたが、結局6μF(マイクロ・ファラッド)がベストだった。「クロスオーバーネットワーク早見表」によると、ミダックスのインピーダンスが15Ωなので2000ヘルツ前後でのクロスとなる。やはりAさんがおっしゃるようにタンノイの同軸2ウェイのツィーターみたいな使い方のようだ。

アンプをPX25シングルにして試聴してみると、「AXIOM301」単独のときよりも、レンジが広くなって随分耳触りのいい音になった。テレビ視聴専用なのでこれで十分という気がする。

Aさんに電話して「すぐに電気店に行ってバナナプラグを試したところ、規格が合いました。試聴しましたが随分良くなりましたので是非これから愛用したいと思います。しかし、タダというのはあまりに虫が良すぎます。購入された金額と照らし合わせて、いかほどお礼をしたらいいのか遠慮なく仰っていただけませんか。」

「代金は要りません。どうせ家に2セットありますので1セットは不要です。いくらで購入したか、お金の方はもう忘れました。有効に使っていただければ、それで十分です」と、ガンとして受け取ろうとなされない。

そういえば、このSPユニット「AXIOM301」も千葉のSさんからタダでいただいたもの。


兼好法師の時代と違って、今どきは医者なんて何ぼでもいる。ほんとうに持つべき友とは”物くるる人”が一番ではないかと思う今日この頃~。


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気難しいSPユニット

2012年09月25日 | オーディオ談義

先日メールをいただいた関西地方のSさん。

同じSPユニット「AXIOM80」(以下、「80」)の愛好家として100年の知己を得た思いをしたが、「80」にツィーター(高域用ユニット)を加えて使っておられるのがちょっと気になった。

素朴な疑問として「80にツィーターが要りますか?」と、よほどお訊ねしようかと思ったが、待てよ、自分で一度実験してみてからでも遅くはあるまいと実際にチャレンジしてみることにした。オーディオは理論も大切だが、実際にやってみないと断言できないところがあるのはマニアならおそらく心当たりがあるはず。

機器同士の相性も無視できないし、それぞれの電源環境の問題もある。

その前に改めてこの「80」の諸元を確認しておこうと「別冊ステレオサウンド」~いまだからフルレンジ~(1997年3月刊)を引っ張りだした。

   

本書にはダブルコーン形式で周波数帯域は20~2万ヘルツとある。メーカー発表はあまり”鵜呑み”にできないが、とにかくデータ上はツィーターの必要性はない。「45真空管アンプ」で「80」を鳴らされていた「瀬川冬樹」さん(故人)もツィーターは使っておられなかったと記憶している。

とにかく、この「80」はなかなかうまく鳴らすのが難しいSPである。本書によると「このユニットの本領を発揮させるには相当の力量が必要で、当時(1950年代)としても独特の繊細で、ふっくらした艶やかな響きを堪能していた人は稀だったと思う」(114頁)とある。自分の経験でも、駆動するアンプのえり好みが激しくて、相性が悪いとすぐに「ひねくれた音」を出すので閉口した経験が何度もある。

それにエンクロージャー、吸音材、背圧の逃がし方などいろいろ勉強させてもらったが、これにツィーターを付けくわえようというのだから正直言ってかなり勇気がいる。

ともあれ、先日のブログで「ツィーターは中域から以上の音に透明感が不足しているときに欲しくなるケースが多い。むしろ問題は高域ではなくて中域あたりに潜んでいるのでは」と偉そうなことを書いたばかりで「お前は舌の根も乾かないうちにツィーターの実験か」と、お叱りを受けそうでチョッピリ気が引けるがオーディオマニアは寛容な方が多いので許してもらおう(笑)。

ツィーターには「AXIOM301」に付けていたJBL075(以下、「075」)を外して持ってくることにした。この「075」は能率が110dbもあり小出力の真空管アンプで対応できるので実に重宝している。

「80」に付ける以上、中途半端なことはしたくないので、音の流れを滑りやすくしようと”ざらざら”している外面を磨き上げた。

            

先ず裏ネジを外して分解。次に二通りの方法でやってみた。

                  

効果があったのはナイロンタワシ(細目)の方で、これで随分光沢が出てきた。このナイロンタワシは洗面器についた温泉の湯垢を落とすのに重宝しているが、こういうときに役立ったので思わぬ効用。

さあ、いよいよ接続開始。必要なのはSPコードとコンデンサー。もちろん「80」と振動板の位置を目視で合わせた。

SPコードはウェスタン製の細い単芯を使い、コンデンサーの方は3種類準備した。ウェスタン社のオイル・コンデンサー2ペアとマイカ・コンデンサー1ペア。それぞれ試した結果、ウェスタン社のモノは「2.16μF」と「1.0μF」と数値が比較的高いため高域が出過ぎでいずれもアウト。マイカ・コンデンサーが透明感も含めて一枚上だった。

このマイカコンは値が「0.075μF」なので計算上では26万5千ヘルツ(6db/oct)と途方もない高い値でカットオフになるが、それにもかかわらずちゃんと高域が出てくるので単なるアッテネーターの役割を果たしているに過ぎないが、これがなかなかの優れもの。

試聴盤はツィーターのテストとくれば我が家の定番「サキコロ」に決まっているが、ほかにも「ワルキューレ」(ショルティ指揮)、「ちあき なおみ」などいろいろ。

明らかにツィーターを付ける前よりも音響空間が拡大して心地よく聴こえた。高域の隠し味にしては、予想以上の効果だが、天候の具合による湿気や体調の良し悪しなども含めて少なくともあと2週間くらいは時間が欲しいところ。しかし、Sさんのおかげで「80」の使い方の幅を広げることができたのは感謝である。

          

ツィーターの背後には吸音材として厚いスポンジ(黄色)を置いている。大分市にお住いのEさんに教えてもらったのだが、たしかにこれを置くとなぜか高域のアバレが少なくなるので不思議。

ところで、たったこれだけの作業に日曜日(23日)の昼から月曜日の午前中いっぱいかかってしまった。ここには記載していない細かい作業やノウハウがいろいろあるので仕方がないところ。

それにしても「80」の愛用者はかなり居られると思うのだが、「ツィーター」を付け加えている方はどのくらいの割合なんだろう?

全国の中にはこの気難しい「AXIOM80」を自分以上にうまく手なずけて鳴らしている方がきっといるに違いない。以前、「AXIOM80愛好倶楽部」を結成しようとこのブログで呼びかけたが、梨の礫(なしのつぶて)だった。せめて名簿でも作らせてもらうと情報交換が出来てお互いにメリットがあると思うのだが~。

 


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「話題あれこれ」第2弾

2012年09月21日 | 独り言

≪早とちり≫

先日のブログ「話題あれこれ」の冒頭に登場していただいた「ご婦人」に18日(火)の午後、運動ジムでようやくお会いできた。

開口一番「ネタ切れで困っていたので無断でブログの材料に使わせていただきました。どうもすみません~」と、ごあいさつしたところ、「いいえ、結構ですよ。しかし、あれには”第三の回答”があったのですよ」との意味深なご返事。

「えっ、それは大いに興味がありますね。ぜひ、その”第三の回答”とやらを聞かせてください」と思わず”にじり”寄った(笑)。ここでちょっと経緯を再掲させてもらおう。

つい先日のこと、日頃、通っている運動ジムで”ただ一人”自分のブログの存在を知っている顔見知りのご婦人から、「ブログ1回分を書くのにどれくらい時間をかけているんですか?」というご質問があった。

「そうですね~、頭が悪いもんですから文章がなかなか浮かんでこなくて・・・・。何回も推敲するのがクセになってますから、トータルすると3時間くらいはかけてますかね~」

「あ~、そうですか」と頷かれたが、続く言葉としておそらく「そんなに時間をかけるんですか(たった、あのくらいの文章に)」あるいは「やはり、そのくらいはかかるでしょうね」の”どちらか”なんだろうが、ご婦人の表情からは窺い知れなかった。

というわけで、つまり、こちらが一方的に予想した”どちらか”以外に”第三の回答”があったというわけである。はたしてその内容とは。

「実はウチの主人は完全なアナログ人間なんです。人に連絡するときに文章は主人が考えるのですが、パソコンに向かってメールをうつのはいつも私の役目です。その時にかかっている時間と比較する意味でお訊ねした次第です。」

成る程、成る程、そういうことですかあ!

よ~く考えてみると、相手のブログの作成能力(?)に及ぶようなきわどい質問を、いくら顔見知りとはいえ簡単に第三者がするはずないですよねえ。明らかに自己中心的に考えた自分の”早とちり”だった。

≪雷被害対策≫

19日(水)の午後、好天気のもとで車のワックスがけを3か月ぶりぐらいにしていたら、お隣で庭仕事をされている奥様と視線があったのでごあいさつ。「ようやく涼しくなりましたねえ」

すると奥様が「お宅は先日の激しい雷でパソコンや電話が故障しませんでしたか?」

「いいえ~」

「それは良かったですね。うちは2~3日使えなくてとうとう電気屋さんに来て修繕してもらいました。もう市内50軒くらいを修理に回ってますと電気屋さんがこぼしていましたよ。」

修理個所を詳しくお伺いしてみると、どうやら光回線のモデムの故障だったようである。

我が家も同じ光回線でパソコンと電話を使用しているし、地理的にも隣同士なので当然同じ被害があってしかるべきなのだが、まったく事なきを得たのはいったいどういう理由なんだろう?

思い当たることはただ一つ。

光回線のモデムの電源プラグを雷ガード付きのコンセントに差し込んでいたことくらい。(もちろんパソコンの電源プラグも同じコンセントに)

この程度のプロテクトでは「気休め、子供だまし」ぐらいだろうと、あまり当てにしていなかったが、ピンポイントの雷撃は別として、広範囲に影響を及ぼすような落雷のときには効果があるようだ。とにかく結果的に対策オーライだったことになる。「雷ガードさん、軽視してゴメン」と反省と感謝の日々。

電話は携帯があるので代替が利くが、パソコンを使えないとなるとやはり情報社会から隔絶された気分になって大いに困るのは間違いない。ブログも更新できなくなるしねえ(笑)。

ただし、今の社会人はほとんどがスマホだから関係ないかもしれない。しかし、このスマホ、この前、娘が使っていたので扱わせてもらったが画面を見るのはいいが、入力するのはちょっと大変そう~。

≪感心なワンコちゃん≫

真夏と違ってようやく昼間でもウォーキングが楽しめる季節がやってきた。運動ジムでエアロバイクを漕ぐのもいいが、ときには広々として空気が爽快な中を歩いてみようかと20日(木)の午後、久しぶりに別府港海岸ロードに出かけてみた。工期11年、162億円を投じた護岸改良工事によって平成23年度に完成したものである。

心地よい潮風に当たりながら「サッサ歩き」をしていると道路脇の松の木に括りつけられた面白い看板が目に入った。

      

あれえ、感心なワンコちゃん”だあ!何と手つきが器用で可愛らしいこと。おまけに尻尾をピンと立ててやる気十分。これから1日おきくらいのペースで来るのでよろしくね~。


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プリアンプの改造

2012年09月19日 | オーディオ談義

つい先日のこと、関西地方にお住いのさんという方からメールをいただいた。もちろんこれまで一面識もない方である。

ブログをやっていると、こういう予期せぬ交流があるので楽しくなる。趣旨は次のとおりだが、掲載に当たってさんのご了解をいただいていないが、別にご迷惑がかかる内容でもないと思うし、具体的な県名と氏名を明かしていないのでお許しをいただこう。

「同じAXIOM80(SPユニット)を愛用していることから貴殿のブログをいつも親近感を持って読んでいます。AXIOM80はオリジナルとリバイバルの2セットを使い分けしており、オリジナルはクラシック用に、そしてリバイバルはジャズ用に使っています。今回メールした趣旨は、自分が所有しているプリアンプの修理点検についてです。

以前のブログで、”奈良のMさん”という方がプリアンプの修繕をされ、見事な再生を果たされたとありました。この”奈良のMさん”はアンプの修繕をお願いすれば引き受けてくださる方でしょうか?信頼できる方に依頼したいと思っておりますので・・・。ご紹介いただけるようでしたら、先方の連絡先を教えていただけないでしょうか。突然勝手なお願いでまことに恐縮です。」

いやあ、口利きよりも何よりも、稀少品の「AXIOM80」を2セットお持ちになって使い分けしておられることに驚いた。しかも1セットはオリジナルだという。当方も2セット持っているが両方ともリバイバルでしかないし、1ペアは故障したときのための大切なスペア。

こうして現役のままで2セットも使うという贅沢な使い方をする人がいるとは、やはり世の中は広い~。とにかく同じ「AXIOM80」の愛用者というだけで、ハートが”ビビッ”と通い合う(笑)。

早速「口利きぐらいお安い御用ですよ」と、Mさんにさんのご依頼をメールで確認してみると同じ関西地方在住ということで親近感を持たれたようで、「何ぶんにも測定機器もLCRメーターとデジボルだけの素人です。万が一、(プリアンプを)壊してもよく、納期もこちらのマイペースの条件でよろしければ、どうぞ何時でもOKです」との回答が返ってきた。

ご謙遜である。測定機器は大したことはないかもしれないが、バッハを主体にクラシック愛好家としての音楽を聴き分ける鑑賞力(耳)は一流の方である。これはアンプ製作者に求められる何よりも必要な要素だと思っている。それに肝心のSN比もいつも凄い仕上がりぶり。納期にしても、いったん取り掛かると集中される方で最短期日で上げられる。

しかも依頼人への修繕中の経過報告に念が入っており、きちんと修繕個所を写真にとってメールで連絡されその都度、こまめに確認を取られる。そういう点はこれまで何台も修繕してもらったので自分が保証人になって太鼓判を押してもいいくらいである。

とにかく、Mさんの上記の回答をそのままさんに横流しして自分の役割は一応終了。以後はさんとMさんとのやり取りにお任せしようっと~。

とは言いつつも、実は正直言ってMさんが今回の修理に前向きになられるとは予想だにしていなかった。なかなか万事に注意深くて慎重な方なので、「一見(いちげん)さんの相手はお断りです」の可能性が8割と踏んでいたので意外!

本音を言うと自分も1台「バッファーアンプもどきのプリアンプ」を本来の「プリアンプ」に改造してもらおうと虎視耽々と狙っていたのだが、あまりに続けざまにMさんにお願いすると、ご本人はともかく奥様から「うちの主人をいつも忙しく働かせて困ります。身体の方が心配です!」と悪者扱いされそうな気がして遠慮していたのである(笑)。

アンプの修繕にあたってとかく気が乗らない真夏が過ぎて、ようやく涼しくなってきたのでぼちぼちお願いしようかなというタイミングでの今回の出来事だった。

そこで、厚かましくもこの機に乗じてMさんにメールを出してみた。

「実はお願いがあります。さんとの話がうまくいき、プリアンプの修繕が完成した後で結構ですから、以前”いじって”いただいた”バッファーアンプもどきのプリアンプ”を本来のプリアンプに改造していただけないでしょうか。ボリューム代はいくらかかっても構いません」

すぐに返答があるのがMさんのいいところ。

     

上記画像を添付したメールにより「どちらのボリュームを選択しますか?」ということから、本格的なやりとりが始まって、「バッファーアンプの送付」 → 「改造経過の報告」 → 「完了」と1週間もたたずにあっさり完結。

何だかさんの先を越したようでまことに申し訳ないが、以前にこのバッファーアンプの回路などを熟知していただいているので、こうして電光石火のうちに終了してしまったのだろう。

こうして17日(月)の午後4時頃に我が家に無事届いた「プリアンプ」。マイカ・コンデンサーを使った特注品で、RCAの「6FQ7」を2本使った極めてシンプルな構成である。レコード用のフォノ系が必要ない限り、プリアンプはシンプル・イズ・ベスト」が自分のモットーである。

               

このプリアンプは現在低域用に使っているトランジスター・パワーアンプ「L-01A」(ケンウッド)とセットになる。

さあ、ケーブルの接続が完了して、いよいよピ~ンと張り詰めた緊張と胸がワクワクする期待の中での音出し。

結果は想像どおり”満足”の一言だった。こういう時に、オーディオに優る楽しみがはたしてこの世にあるんだろうかと、いつも思ってしまう。

これまで音量調整に単体アッテネーターを使っていたのだが、やはりプリアンプの方が味が出てくるようで、何ともいえない豊かで魅力的な雰囲気が漂う。

ずっと以前のブログで「プリアンプはもう要らない?」と登載のうえ「プリアンプ不要論」を滔々と述べたことがあるが、あれは早計だったかもしれないなあ~。

「アッテネーター」と「プリアンプ」、それぞれの功罪について、改めて考えてみたいテーマである。

 


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話題あれこれ

2012年09月17日 | 独り言

≪ブログの留意点とは≫

つい先日のこと、日頃、通っている運動ジムで”ただ一人”自分のブログの存在を知っている顔見知りのご婦人から、「ブログ1回分を書くのにどれくらい時間をかけているんですか?」というご質問があった。

「そうですね~、頭が悪いもんですから文章がなかなか浮かんでこなくて・・・・。何回も推敲するのがクセになってますから、トータルすると3時間くらいはかけてますかね~」

「あ~、そうですか」と頷かれたが、続く言葉としておそらく「そんなに時間をかけるんですか(たった、あのくらいの文章に)」あるいは「やはり、そのくらいはかかるでしょうね」の”どちらか”なんだろうが、ご婦人の表情からは窺い知れなかった。


サッと文章が浮かんで来てすぐに原稿が出来上がる方がうらやましいが、自分の場合、推敲するのがあまり苦にならないので、それがおよそ6年近く続いている(ブログの)原因の一つかもしれない。

ところで、推敲するときの留意点としては、読む人にとって分かりやすい表現になっているかどうかが一番で、次に、こういうエッセイ風の書きものは、えてして自慢話に陥りやすいので、出来るだけ控えめな表現に~。なるべく嫌われたくないもので。

しかし、それでも「お前の話は自慢話”風”が多い」という感想をお持ちの方が多いことだろう。

実際にエッセイストの山本夏彦氏は「エッセイとは大なり小なり自慢話だ」と喝破されているので、たしかにそういう一面があっても仕方がないと割り切ることにしているが、やはり実際に登載した後で「あんな自慢げなことを書いて」と身のすくむような思いをすることがままある。

そういうときは、あっさり取り消したり修正すればいいものの、何だか自分の非を認めるみたいで癪なので、むしろ早めに更新して新しい記事を登載しようというのがこれまでの常套手段である(笑)。

≪気になる自民党総裁選挙の行方≫

15日(土)の午後、このほど告示された自民党総裁選の立候補者5名に対する討論会の模様がテレビで放映されていた。場所は日本記者クラブで、最前列に位置し、質問者として選ばれた記者たちが各候補に質問して答えてもらうというもの。

以下、これは自分勝手な「思い込み」なのでそのつもりで読んでいただくように、はじめにお断りしておこう。

まず、「近いうちに」行なわれる衆議院選挙の第一党は自民党だと踏んでいる。民主党は野田さんは近年にない名総理だと思うが、なにせ党自体がよろしくない。国民の期待を裏切り続けているので落選者続出だろう。

今、話題の「日本維新の会」は第一党にはまだ早すぎる。海のモノとも山のモノとも分からない候補者たちに日本のカジ取りを任せるわけにはいかない。

こうして消去法という形で残ってしまう自民党だが、当然のごとく今回選ばれた総裁が内閣総理大臣になるという可能性が高い。テレビ討論会でこうして5名の候補者たちの所見を聞くのは有意義なことで、これは日本国民である限り、あらゆる人が無関心でいられる話題ではないと思う。

さて、討論会の模様だが流石に日本を代表するジャーナリストたちで、各候補に対する質問の内容が熾烈を極め、歯に衣を着せない内容だった。

たとえば「安倍晋三」候補の場合。

「あなたは、5年前に国会の代表質問を前にして病気のため突然、総理を辞任された。正直言ってその時にあなたの政治生命は絶たれたと思っていました。2年前に開発された新薬のおかげで現在は体調が復調されたとのことですが、いきなり総理ということではなくて、閣僚程度になってもうちょっと(体調の)模様を見られた方がいいのではないですか」

安倍候補の退陣の状況は自分にもまだ鮮明な記憶が残っている。「まるで敵前逃亡みたいな辞め方だ、一国の総理たるものが何とまあ」というのが率直な感想。この辞任が尾を引いて他のふがいない総理たちの乱立が続き、その後の自民党凋落の一因を担ったことは確実。明らかにA級戦犯だと思っていたので今回の総裁立候補にはまったく唖然としてしまった。


まあ、人間に失敗はつきものだし、意欲さえあれば挽回のチャンスを与えるのが「人の道」かもしれないが、それにしてもねえ・・・・。

肝心の安倍候補の答弁だが、こういう質問に対して正面から答えられるはずもなく、ノラリクラリの抽象的な内容でさっぱり要を得ていなかった。それはそうだろう。

ほかの候補にも、たとえば石破氏には「過去に自民党を一度離党した経緯についてお聞かせ願いたい」、町村氏には「長いキャリアの割に遅れてきた総裁候補の原因は」
(人望が不足していることを本人の口から言わせようという意地悪な質問)、石原氏には「幹事長の要職にあるのになぜ谷垣総裁を押し退けるような立候補をしたのか」、林氏には「憲法上、衆議院の優位性が認められているのに、あえて参議院から立候補した理由をお聞かせ願いたい」といった具合。

5名とも脛に何らかの疵を持つ手合いである。この中で一番頼りになりそうなのは石破さんだろう。(娘も同感だと賛同してくれた。)

自分の見込みでは「国会議員200票+地方党員300票」の一回目選挙で石破さんがトップになるが、過半数に届かず、二回目の国会議員だけによる決選投票で石破さんと石原さんの争いになるが、谷垣 現総裁の足を引っ張った経緯や(石原さんのバックにある)長老支配への反発から石原さんの票が伸びず、結局は石破さんの総裁が実現すると踏んでいるが、はたして~。

希望的観測が入ったこの予想が当たるかどうか、26日(水)の開票結果が待ち遠しい(笑)。

≪寄らば大樹の陰≫

5年ほど前から光回線を利用した「ひかりTV」をNTTと契約している。その昔、周知のとおり地方はひどい「電波田舎」だった。都会よりも自然豊かな田舎の方が断然住みよいものの、「貧困極まる電波状況」ばかりは切歯扼腕したものだったが、こうして文明の利器により多チャンネルの恩恵に与(あず)かることはまったくありがたい限りである。

つい、1週間ほど前のことだった。「ひかりTV」で録画した番組を観た後、消去しようとリモコンの「黄」ボタンを押すも一向に画面上に反映しない。「おかしいなあ」と思いながらその他の操作をすると”ちゃんと”いうことをきく。録画した番組の消去だけが操作不能である。

別府は日本有数の温泉地なので立ち上る湯煙の中の硫黄ガスなどが大気中に常時漂い、アンテナの腐食ペースが他の地域に比べて非常に早いと聞いている。室内で使うリモコンにもそういう影響があるのかなあと、半信半疑ながら「ひかりTVカスタマーセンター」に苦情の電話をかけてみた。

長い順番待ち、要望に応じた番号の振り分けにイライラしながら待っていると、ようやく係に接続。状況を話すと、「光回線用のモデム2台の電源コードを引き抜いて、それぞれ30秒経過後もう一度挿入してからリモコンを試してください。5分後にこちらから操作結果の問い合わせをします。」、要するに「リセット」をして欲しいということだが、向こうから電話してくれるなんてなかなか親切。

きっかり5分後にかかってきたので「やっぱり駄目ですね~。録画番組の消去だけができない状況に変わりありません」と返答。

「そうですか、チョットお待ちいただけますか」と、何やら相談している模様だったが「すぐに新しいリモコンを送付しますので、それで試してみてください。うまくいったときは古いリモコンはそちらで処分されて結構です。うまくいかなかったときは、再度電話してください」

「エッ、リモコン代は無料なの」と、驚いた。リモコンは消耗品として扱っていないのだろうか。当方としては5年間ほど散々使ってきたので代金を請求されても仕方がないと覚悟していたのだが、これはまことにうれしい悲鳴。

他の企業ならおそらく抜け目なく代金を請求してくると思うので、さすがに通信業界のガリバー「NTT」という思いを新たにした。「寄らば大樹の陰」かな(笑)。

               

2~3日後に届いた新しいリモコン(画像右)。全体的に薄くて細長くなり、乾電池が「単三」(2個)から「単四」(2個)に変更されていた。すべて正常に操作できたので、やはり故障はリモコン本体にあった。

これでメデタシ、メデタシ。

 


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JBL「075」ツィーターの追加

2012年09月15日 | オーディオ談義

丁度1週間前の7日(金)に「音とものづくりの歴史資料館」で聴かせてもらったタンノイ・オートグラフだが、その時に一緒に聴かせてもらったのがグッドマン「AXIOM301」のシステム。

                

中央にペアで置かれたやや小ぶりのスピーカーシステムがそうである。これでSPレコード(78回転)を聴かせてもらったわけだが、まったく過不足のない音で華やかさの中に1本シンが通った音に聴こえた。

オーディオ仲間のAさんが、いち早く「これはグッドマンのAXIOM301ですね。」

「エッ、そうですか?現在自宅でAXIOM301を使ってますが、こんなにヴィヴィッドな音が出ないんですけど不思議ですねえ。」

「このシステムには301に加えて”トレバックス”というツィーターがついているからでしょう。よろしかったら、自宅にトレバックスがありますから差し上げてもいいですよ。」と、相変わらずご親切なAさん。

たしかによく見てみると、ボックスの前面の下側に小さな横幅の長方形の影が見える。ここがトレバックスの音の出口なのだろう。

「是非一度お借りして試してみたいですね」と、喉まで出かかったが、ふとJBLの「075」ツィーターを予備として持っていることを思い出したので「そうですねえ~。そのうちお願いします。」と、とりあえず生返事をしておいた。

正直言ってシステムにツィーター(高域用ユニット)を追加するかどうか、これはなかなか慎重を要する判断である。

これは自分ばかりではなく、広く迷っておられる方が多いのではあるまいか。それもいったん購入してはみたものの、付けたり、外したり・・・・。「チョッと聴き」はいいものの、長時間聴いていると耳(脳)が疲れてきたりといった具合。

あまり偉そうなことを言える身分ではないが、知人の意見と自分のこれまでの拙い経験とを重ね合わせると「ツィーターは中域から以上の音に透明感が不足しているときに欲しくなるケースが多い。むしろ問題は高域ではなくて中域あたりに潜んでいるのでは」という気がしている。

たとえば、上記の資料館でオートグラフを聴かせてもらったときに、いっさいツィーターの必要性を感じなかったが、これは中高域の透明感が際立っていたからである。つまり、部屋の状況や駆動するアンプの問題などが解決すればツィーターは要らなくなるというわけだが、もちろんケースバイケースで考えないと断言は出来ない。

資料館から戻った翌日にさっそく自宅で実験してみた。先ず現状のシステムは次のとおり。

        

右の画像でお分かりのように「AXIOM301」はメカニカル2ウェイなので、てっきり専用の高域ユニットが内蔵されていると思い込んでいたのだが、このユニットは中域寄りの、元々高域の伸びが足りないユニットだったとみえる。何せメーカーがオリジナルのツィーターをセットして販売するぐらいですからねえ。

日頃からテレビ視聴専用のシステムとして使っているので、これまで高域不足をそれほど感じなかったのが”うかつ”といえばうかつだった。

アンプにエース級を持って来れば違うのかもしれないが、我が家では第三システムの位置づけなので、やむなく控え的な存在の「2A3」真空管アンプの出番となっているのもツィーターをつけてみようかという要因のひとつ。

とにかく実験あるのみで、倉庫に奥深く仕舞い込んでいた「075」ツィーターを引っ張り出して接続してみた。もちろん、周波数を高い位置でカットするコンデンサーとSPコードが必要。その間の接続はもちろんハンダ付けである。

                               

左の画像はウェスタン社製のオイル・コンデンサーで1μF(マイクロ・ファラッド)のもの。理論上は周波数2万ヘルツ以下をカット(8Ωの場合)するようになっているが、実際にはアッテネーターとしての役割を果たしているに過ぎない。(「075」の)SPコードの行き先は前述した真空管「2A3」シングルアンプで、つまり一台のアンプで「メカニカル2ウェイ+ツィーター」としての使用ということになる。

ちなみに、この「075」ツィーターは不思議なことに、左右の位相が逆になっていて、赤端子が「ー(マイナス)」になっている。我が家では2ペアともそうなので接続するときは要注意である。もし「075」を使われている方があれば一度確認をされた方が無難で、もし中域と逆位相の接続になっていたら音楽鑑賞の大きな支障になるところ。

とにかく、この1μFで試聴してみたところまったく不自然な印象を受けなかったので一応合格の線が出たが、ここですんなり引き下がらないところがオーディオ・マニアのマニアたる所以(笑)。

次に、同じウェスタンでも、もっと評判がいいブラックのコンデンサーで試してみた。

        

肝心の値の方は2.16μFなので理論上では周波数を1万ヘルツ前後以下でカット(8Ωの場合)となる。砕いていえば、1μFのコンデンサーではおよそ2万ヘルツ以上の音しか聞こえないが、2μFだとおよそ1万ヘルツ以上の音が聞えてくるので高域がずっと賑やかになる。実際にこれで聴いてみると明らかに音が華やかで刺激的になった。

たとえばテレビ番組「お宝、何でも鑑定団」の中で品物鑑定中にチリ~ン、チリ~ンと左チャンネルからトライアングルのような高い音が出てくるが、以前よりも見事に鮮やかな音が出てきた。ちなみに、この左チャンネルのチリ~ンは左右ケーブルの差し替えミスのときにも威力を発揮してくれて、これまで何度助けられたことか分からない。

とにかく、テレビの音なので高域過剰の方が眠くならなくて”まあいいか”という感じ(笑)。もう一度、元に戻すのも手間だしねえ。

あまり細かいことを言わずに、しばらくこの状態で聴いてみようかな~。


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~「音と”ものづくり”の歴史資料館」見学~その2

2012年09月11日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「音と”ものづくり”歴史資料館”」で聴かせてもらったタンノイ・オートグラフが、どうしてこんなに「いい音」がするんだろうかと、つらつら考えてみると、素人なりに思いつく理由が2点ほど。

1 広い展示室の一角で鳴らしているので残響特性のバランスがいい

                    

このシステムに相対したときに、聴取位置の後ろには広大なスペースが確保されている。周知のとおり音の速さは摂氏25度のときに、1秒当たり346.18mなので、周囲や後方の壁に当たった音は瞬時に戻ってきそうなものだが、それが展示室全体にうまい具合に拡散されているのだろうと推測した。やはり部屋のスペースは無視できない。

2 パワーアンプとスピーカーの相性がいい

駆動しているパワーアンプは古典管「UX-50」(以下、「50」)のシングル。

      

製作者のH崎先生によると、18歳のときから50とUX45(以下、「45」)の真空管に魅せられ、多くのアンプを作っていく中で、独自に考案した2電源方式の直結アンプ(原型はロフチン・ホワイト二段増幅)が功を奏したのではないかとのこと。

専門的なことには弱いが、初めて聴いた「UX50」の管球アンプの良さは十分頷けた。オーディオ仲間のAさんも同感だと頷かれていた。

「45」がうら若き乙女の魅力だとすると、「50」が”臈(ろう)たけた”貴婦人の魅力と称されているそうだが、
「45」アンプといえば「瀬川冬樹」さん(故人:オーディオ評論家)が愛用されていて、これで「AXIOM80」を駆動されていたことを思い出す。

H崎先生の言によると、「45」の発展系として真空管「2A3」ができたが、「2A3」を聴いた連中は、満足できなくて再び「45」に戻ったというから、真空管の技術的な進歩とはいったいなんだろうと思うわけ。


名管のWE300Bもそうだが、真空管の世界では時代を遡って古い製品になればなるほど「いい音」がするのが不思議。通常の工業製品とはまったく異なる展開をみせている。

オーディオは端的に言えば「テクノロジー」と「感性」が対峙する世界だが、「感性」の優勢さを象徴する最たるものが「真空管」ではなかろうかと思いたくなる。

もう一つ、この「50」アンプには、右の画像の一番左側にある大きな整流管の効果も無視できないそうだ。型番をこっそり控えたので、オークションで見つけたらすぐに”買い”!

なお、この資料館は大学の「学長室」にお見えになったVIPたちにもご案内されており、中には気に入ってわざわざリピートされるお客さんもいるという。大学のイメージアップに随分役立っているようだ。

高校時代の同窓でこの資料館の管理人のU君は、いつでも好きなときに出かけて来てはこのオートグラフの音を自由に堪能しているというから実にうらやましいご身分である。癪に障るので、そのうち福岡に居る娘のところに泊りがけで居座り、この資料館に押しかけてときどき邪魔してやろうかなと思っている(笑)。

1階の展示室をひととおり見学し終えると、今度は6階の作業場へと移動した。ここはH崎先生が学生たちに手取り足取り真空管アンプの製作技術を教えている現場。

       

左の画像は全景、右はデジタル式の真空管測定器。そんじょ、そこらにはない機器でマニア垂涎の的だそうだ。我が家にも寿命を測定してもらいたい真空管が山ほどあるが、部外者の利用は無理だろうなあ!?

巡回中に巨大な真空管を見つけた。

                  

普通の真空管と比較してみると、その大きさがお分かりいただけるだろう。H崎先生はいずれこの真空管を使ったアンプを製作される予定だという。何せ、真空管の足を差し込むソケットさえも自作されるというのだからお手の物だろう。その時は「是非試聴させてください」とAさんともども切にお願いしたが、たぶん爆発的な音圧でぶっ飛ばされるかもしれない(笑)。

それから同伴のAさんはH崎先生とのオーディオ話が随分弾んでいた。先生がドイツ留学中に手に入れられ大切に使っておられるレコード・プレイヤーの「デュアル1019」はAさんも持っておられるそうで比類ない名器だがカートリッジの差込口だけが唯一の弱点とかでマニア同士、口角泡を飛ばして”うんちく”を傾けるシーンが印象的だった。

最後に、次の訪問時にはH崎先生のご自宅で秘蔵のアンプによる試聴をさせていただくことを楽しみに、U君ともども見学のお礼を述べさせていただいて、資料館を15時頃に後にした。

帰途の車中でAさんがおっしゃるには「資料館が塵一つなくきちんと整頓されていましたね~。展示されている膨大な真空管や機器にも埃(ほこり)がいっさい積もっていません。50アンプをラックから引き出したときに、綿ゴミがいっさい無かったのにはビックリしました。実に行き届いた管理がされていて、Uさんは几帳面な方ですね。」

「そういえば、そうでしたね~。」U君の豪放磊落な人間に見えて、非常に繊細な一面を垣間見る思いがした。

それにひきかえ我が家のオーディオルームを顧みるとまったく赤面の至り!


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~「音と”ものづくり”の歴史資料館」見学~その1

2012年09月09日 | オーディオ談義

高校時代の同窓生「U」君(福岡在住)から久しぶりに連絡(携帯)があった。いやあ、元気そうで何より!内容は先日のブログで福岡行きについて記載した件だった。

「福岡に来るのなら”音と”ものづくり”の歴史資料館(以下、「資料館」)を是非見学して欲しいな~。珍しい真空管などが山ほど展示してあるし、真空管アンプでタンノイ・オートグラフが試聴できるようになってるよ」。

U君は今年の4月からは非常勤職員として在職中から設立に携わってきた(大学構内にある)資料館の管理を任されている。出勤日は火曜日と金曜日の週2日。

こう言われてみると、久しぶりにオートグラフの勇姿が浮かんできて無性に聴きたくなったので、(U君と)打ち合わせた結果、早々と訪問日を9月7日(金)に決定。

高級スピーカーを一人で試聴するのは”もったいない”のでオーディオ仲間の湯布院のAさんをお誘いしたところ、「7日は丁度空いています」との嬉しい言葉が返ってきた。

当日は朝から快晴。二人とも日頃の行いが”いい”のだろう(笑い)。

自宅を8時50分に出発し、Aさんの自宅を経由して「高速~都市高速」を快調に飛ばして資料館へ一目散。いっさい”カーナビ任せ”だったが寸分たがわず大学の入り口の守衛室の前に着いたのが11時10分ごろ。

近代的で広い敷地と大きな建物の大学だったが、すぐに看板が目についたので、迷わず資料館の前で無事にU君、そしてこの資料館の膨大な展示品の所有者の「H崎先生」(元ドイツ語の先生)と落ち合った。U君とH崎先生は一度だけ3年ほど前に我が家のオーディオを試聴していただいたことがあり、その時にAさんも同席していたのでお互いに旧知の仲である。

挨拶もそこそこに、さっそく1階の資料館へ。広い展示室に入ると「わぁ~」と思わず声が出てしまった。凄い。オーディオ機器のみならず、カメラ、時計など精密機器がずらっと展示されている。しかも、すべてが今でも作動可能というから驚く。

とりわけ時計は日本海軍やソ連の潜水艦で使用されていた珍しいものもあって目を引いた。

ちなみに、H崎先生は真空管アンプのみならず、カメラも時計もすべて修繕出来る方で、特に精密時計は時計屋さんが手に負えないものを泣き付いてくるという。

先ずは一番興味がある真空管の陳列棚へ。

         

凄いですねえ~。貴重な真空管ばかりでもう”ため息”の連続。しげしげと時間を忘れてながめていると、広い展示室の対角線の方向から「いい音」が流れてきた。U君が気を利かせてオートグラフを鳴らしてくれているようなので、すぐに足を向けた。

            

遠くからでも「いい響き」だなあと耳をそばだてたが、いざ近くに寄ってシステムに相対すると、「こんな音が実際にあっていいのか!」と息を呑むほどの美音。

柔らかくて、繊細で、クリアーで、そして音に何とも言えない「品位」がある。

駆動しているアンプはH崎先生の自作で古典管「UX-50」のシングルだという。音源はレコード。これまでいろんなお宅でオートグラフを聴かせてもらったが「自分の好み」という点では明らかにベスト1である。                       

以下、続く~。


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「鵜の目鷹の目」+「生き馬の目を抜く」世界

2012年09月07日 | オーディオ談義

ネットオークションで掘り出し物を見つけるのが好きなので、日頃からアンテナを張ってチャレンジしているがどうも近年は”振られる”ことが多い。周知のとおりオーディオ人口はごくわずかなのに、熱心さの方が補って余りある好事家(こうずか)がどうやら油断なく網を張っているようで、自分のような疎い人間にはお鉢が回ってこないのがちと淋しい。

つい最近も、またもや”振られて”しまった。お目当ての機器はイルンゴの「アッテネーター」だった。

                             

「フ~ン、そんなものは知らねえ」という方が多いだろうが、これは真空管アンプ愛好家のバイブル的な存在である「管球王国」(ステレオサウンド社)で絶賛を博していたアッテネーターである。

何せテストされていた11機種の中で最高峰の折り紙つきで、たしかに「いい音」がするだろうと思わせるほどのツクリだった。当時(数年前))、喉から手が出るほど欲しかったが、価格が42万円もしたので諦めた記憶がある。スピーカーやアンプならともかく、アッテネーターにそれだけの投資をするのはいくらなんでもねえ。

ところが、8月30日(木)の午前中、ネットオークションでこのアッテネーターが出品されているのを偶然発見!入札価格を見ると何と3万円前後だった。ずっと頭の片隅にあった「イルンゴ」が信じられない価格で手に入りそうだ。出品者はリサイクルの専門業者で、「1円スタート」なのでこんなに安いのだろう。

落札期日を確認すると、何と当日(30日)の22時42分!”たった、あと半日”ではないか。
この時点で3万円前後とは、まだこの機器の本当の価値を知らない人が多いに違いないと踏んだ。「よ~し」と奮い立ったのは言うまでもない。

アッテネーターなら現在でも3台使っているし、超優秀なものなら何ぼでも使い道がある。

ただし、入札する覚悟を決める前に、もう一度確認しておこうと倉庫に入って「管球王国」のバックナンバーを漁ってみると、あった、あった。「2006年の春の第40号」。

                            

再度、記事の確認をすると、管球アンプの泰斗「新」さんが、「最初の音が出て、これは凄いと、見事に1本取られました」の激賞に続いて、他の評論家たちも絶賛に次ぐ、絶賛。

「やっぱり、そうだったか、記憶に間違いなし」といよいよ決意を新たにした。近年、物忘れがひどくなったが、オーディオ関連事項は絶対に忘れないのが不思議(笑)。

夕方になって、ほろ酔い加減の中でいよいよ落札価格の検討に入った。先日のパイオニアのA級アンプ「M4」がこのアッテネーターと似たような価格で推移しながら最終的に6万5千円で落札されている。

まあ「9万1千円」も出せば当選圏ではなかろうかと熟考の末に1回限りの真剣勝負の心積もりで入札した。(※具体的な価格を記載するのはちょっと抵抗感を覚えたが、「リアリティ」のために必要なので許してもらおう)

人によっては大したことはないだろうが、自分にとっては「清水の寺から飛び降りる」ような心境である。それでもオークションだから現品を手に取って見れないし、出品者が手放した事情も皆目見当がつかないことを割り引いての低めの価格だが、一方でこれぐらいなら大方、大丈夫だろうと踏んでいた。

さて、自分はどちらかというと冷静な人間に属すると思っているが、ことオーディオとなると人間が変わったようになることを自覚している。欲しいと思った機器が落札時刻寸前になって叩き合いになると、つい熱が入ってしまい見境がつかなくなることが正直言って怖い。

そこで落札価格がもし9万1千円を越えたときは運が無かったことにして潔く諦めようと、落札時刻を無視して21時ごろに就寝した。もちろん半分以上は落札に自信があってのことだが。

さあ、あくる31日(金)の朝。「博多行き」を控えて何かと慌ただしい中、朝一でパソコンのメールを見てみると、すぐに「高値更新」の非情な文字が目に入った。「あ~、駄目だったか」と、思わず天を仰いだ。結局、イルンゴとは縁がなかったんだなあ~。残念無念!

気を取り直して、「お気に入り」に登録していたこのオークションの最終落札価格を追跡してみると何と「14万1千円」の価格(入札件数52件)がついていた。こんなに高値がついたのかと驚くと同時に、これなら諦めもつくわいと涙ながらに納得した(笑)。


「鵜(う)の目鷹の目」+「生き馬の目を抜く」世界という言葉がピッタリ当てはまるのが、今どきのオークション。

「掘り出し物」に当たるのはどうやら至難の業(わざ)のようである。


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「マンション住まい」のオーディオ

2012年09月05日 | オーディオ談義

別府の片田舎から都会に出てくると、さすがに空へ、空へと伸びる街並みの立体感に驚く。8月31日から2泊3日の小旅行で福岡を訪れた感想が先ずこれだった。しかし、元々、福岡生まれの福岡育ちなので久しぶりに来てみるとやはり懐かしい。

この7月に大阪から福岡に転勤になった娘が住むマンションは「博多駅」から地下鉄で10分ほどの駅の近くの閑静な住宅街にあったが、見渡す限り周囲は高層マンションばかりで、これら
を眺めていると都会に住むオーディオマニアはマンション住まいがかなり多いのではなかろうかと、改めて思ってしまった。

比較的、気兼ねなく”デカイ”音を出せる「一戸建て住まい」と「マンション住まい」とでは、オーディオに対するアプローチも随分違うことだろうと推察する。

自分の場合、日頃からエネルギー(汗と涙)の7割近くを低音域に傾注しているが、後者の場合だといったいどういうところにポイントを置くんだろう?

もちろん、どちらが「いい、悪い」ということではなく、「音の姿」として「ピラミッド型」と「細長い2等辺三角形型」に分けられるとすれば、それぞれに応じた「スタイル」で楽しめばいいだけの話だが。

後者の場合はボーカル、室内楽などの小編成にはもってこいに違いないし、むしろ大型システムよりもシンプルなシステムの方が聴きやすいこともあるので、オーディオばかりは格差社会がそのまま通用しないところが実に面白い。

さて、先日、娘にトレードしたオーディオ・システムの実際の設置状況がこの画像。

                 

(トレードに)該当するのは中央の下方にある白い色の機器でアッテネーター(左)とアンプ、そして左右両端のスピーカーと合わせて三点セットだが、いずれも小振りなのでこの部屋のスペースにまさに”おあつらえ向き”だった。

初めにテレビの音を聴いてみたが、たしかに娘が嘆いたように非常によろしくない。すごく聴きづらいのでいったいどこにスピーカーが付いているんだろうと調べてみると、なんと画面の両端の真下から床に向けて音が出ていた。

こんなことをしていたら指向性に乏しい低域はともかく、中高域の音は完全に”ぼやけて”ひどい音になるはず。今どきのテレビはコスト優先のためにこんな”あくどい”ことをやっているのかと驚いたが、「音にうるさい人は別途お気に入りの音響システムを購入してください」というメーカーの思惑があるのだろう。そうとしか考えようがない。

しかし、(メーカー期待の)5・1チャンネルも映画鑑賞などでは威力を発揮するんだろうが、「音楽」を鑑賞するとなるとちょっと思案橋ではなかろうか。

その昔、オーディオメーカーや評論家に踊らされて「4チャンネル」を試したことがあり、結果的に「ひどい目」にあったので、今でも多チャンネル方式ばかりはもう”懲り懲り”の思いがしている。

音は空気の振動による「波紋」だからいろんな方向から聴取者に向かって(波紋が)押し寄せてくると音の洪水になって溺れてしまいそう。ふと、音が鳴り止んだときの深い静寂感とか大切な音像定位などがどうなるか、およそ想像がつく。

ここで音響実験を二つほどやってみた。

☆ ケーブルの交換

娘に内緒で自宅から運んできたのが「PAD」のケーブル2ペア(画像:左)。娘が現在使っているのは、ごくありふれたピンケーブル。(画像:右)

           

「PAD」のケーブルはずっと昔に購入したものだが、ちょっと理由があって今は使っていない。娘が拒否反応を示せばすぐにでも引っ込めるつもりだったが、「現在使っているのは長すぎるし、使わないのに黄色の(映像)ケーブルが付いているのはイヤ」というコメントで予想外の歓迎ムードにほっと一息。

交換してみると、テレビの音ではちょっと分かりずらかったが、(ブルーレイで)CDを聴いてみると明らかに情報量が増えた印象を受けた。「アッ、音が良くなった気がする!」と娘。

☆ スピーカー台

(最初の画像の)システムの設置状況を見て、オーディオ・マニアならピンと来られたと思うがスピーカーが床に直に置いてある。これは明らかに”ご法度”で絶対に改善の必要あり。1日(土)にショッピングに出かけた際に「鉢スタンド」を2個購入して敷いてみた。

                               

これで「音」も「見かけ」も良くなって一挙両得。ちなみにこのスタンドは1個100円なり。

このオーディオ・システムの将来の発展性として考えられるのは、真空管アンプの導入とスピーカーの交換ぐらいだろうか。手持ちはいくつかあるが娘の意向次第なのであまり押し付けるわけにもいかず、当面そっとしておこう。

最後になったが、1日(土)の夜は香椎の海浜で恒例の花火大会(20時~21時)があった。カミさんの実姉が香椎に住んでおり、招待を受けたので3人で行ってみた。香椎の海浜といえば松本清張の名作「点と線」の舞台となったところ。

                 

夏の夜空で華やかにパッと咲いては潔く散っていく花火を見ていると、つい、限りある生命の”はかなさ”を思いやった。

そこで一句、
「面白うて やがて悲しき 夜の華(はな)」

「夜の華」を「鵜舟かな」に置き換えると長良川(岐阜県)で詠んだ芭蕉の名句となる。これは明らかに盗作だ(笑)。

帰りのJRは花火客のために大混雑で最初の便は乗れなかったほど。マンションに帰りついたのは22時40分頃で、今日1日で歩いた距離は何と1万3千歩に達した。

都会はやっぱり疲れる~!
 


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「147ヘルツの警鐘」

2012年09月03日 | 読書コーナー

「読書の醍醐味」といえば人によって様々だろうが、まずは中身につい引き込まれてページをめくる手が”もどかしく”思われるほど我を忘れて読むことが挙げられる。とにかく読んでいて面白いことが第一。そして、それに匹敵するほどの存在なのが自分の好みに合った作家を(新聞などの書評に頼らずに)独自に発掘する喜び。

人後に落ちぬミステリー狂を自認しているが、「147ヘルツの警鐘」(2012年7月)が、まさにそれだった。

                           

例によって隣町の鄙びた図書館で見つけた新刊書だが、「147ヘルツ・・・」という題名を見ただけで、とても見逃すわけにはいかない。

人間の可聴帯域とされる周波数20ヘルツ~2万ヘルツの世界を、意識、無意識にかかわらず日夜、気にしているのがオーディオ・マニアと言われる人種。

「147ヘルツ」なんて数字を見ると、「ビオラの最低音域ぐらいかなあ」と連想しつつ、もしかして大好きなオーディオが絡んだミステリーかもしれないという期待を持ったのは言うまでもない。

31日(金)から2泊3日の博多行きに伴い、退屈なJRの車中で読もうと道連れにしたわけだが、読み始めてみるとこれがなかなか面白い。片道2時間、まったく時間を忘れて読み耽ったが、ちょうど真ん中あたりまで読み進んだところで博多駅に到着。カミさんから急かされるままにようやくホームに降り立ったが、着くのが早すぎる!(博多から別府の帰りの車中(2日)でようやく完読)

こんな面白い本を書く著者とは、いったいどんな人なんだろうと巻末の「著者略歴」を探ると「川瀬 七緒」(かわせ ななお)という女流作家だった。読者をこれほど引き込む筆力からして、とてもズブの素人ではあるまいと踏んだが、案の定、2011年「よろずのことに気を付けよ」で第57回江戸川乱歩賞を受賞と記載されていたので納得。

この乱歩賞は賞金1千万円の魅力もさることながら、ミステリー作家の登竜門とされており、過去にも東野圭吾(「放課後」)、高橋克彦(「写楽殺人事件」、井沢元彦(「猿丸幻視行」)など、錚々たる作家たちを輩出している歴史あるもの。

ミステリーなので種明かしは厳禁だが、許される範囲で本書の中味を紹介すると、「147ヘルツ」とは「ハエ」の羽ばたく周波数のことで、ちなみに他の昆虫たちからもっとも警戒される「ハチ」の羽ばたく周波数が「150ヘルツ」。

このように、ほとんど同じ周波数を持つことによって、他の昆虫たちが警戒し寄り付かなくなり、何ら武器を持たない「ハエ」が生存確率を高めているというわけだが、この独自の周波数が事件の解決に役立つというストーリー。

犯罪現場において犯人や被害者の遺留品とともに、残された昆虫の生態を分析することで捜査に役立てようとする女性「法医昆虫学捜査官」の活躍という新機軸に大いに感心した。才能に恵まれている!後は読んでのお楽しみ~。

ただし、ミステリーの掟の一つである「犯人はかなり初めのうちから登場しておくこと」に反するし、殺人の動機がちょっと弱いが、そう目くじらを立てることもあるまい。

その夜、「おい、川瀬七緒というスゴイ女流作家がいるぞ。」と、同じようにミステリー好きの娘に話すと、1日(土)に「福岡市総合図書館」に連れて行ってくれた。図書カードを持っているので、もし著者の作品があったら借りるという。この図書館は環境抜群のところにあった。

               

しかし、残念なことに肝心の蔵書数が全体的にイマイチで、この著者の作品もいっさい無かった。そこで今度は、福岡の中心地「天神」の大型書店に連れて行ってくれた。

すぐにミステリー専門の書棚に行ったところ、お目当ての「よろずのことに気をつけよ」(2011年8月)がちゃんとあった。

                         

題名が洒落てるし、「謎が謎を呼ぶ、呪術ミステリーの快作」なんて、なかなか気を”そそる”うまい宣伝文句。

なにせ乱歩賞受賞作なので”十中八九”内容にハズレが無いなのは充分承知している。これまで乱歩賞受賞作品はすべてと言っていいほど読み尽くしているから、これだけは自信を持って言える。

しかし、このところ5年ばかり娯楽本は図書館からの借り入れ専門にしており、購入はいっさいしないことをモットーにしている。さ~てどうしようかと、しばし迷っていると、娘が散々渋っているオヤジの背中を押すように「私が(本代を)出してもいいわよ。お父さんが読んだ後でもいいから」と殊勝な申し出。どうやら娘も読みたいらしい。

「本代はどうだっていいが、これ以上、蔵書が増えるとイヤだしなあ。そうだな、今回は”想い出づくり”のために購入するとするか~。お金はいい。」と、ちょっと恰好をつけてみた(笑)。

ところで、この川瀬さんという作家は1970年生まれで福島県のご出身。作家とはまったく畑違いの「文化服装学院服装科」をご卒業されているところにちょっと興味を引かれた。

「学歴」に関することは、いっぱしの社会経験のある方ならすでにご承知のとおり、自他ともにあまり触れないことが世渡りのコツのひとつでもあるが、東大(理一)を出ても、支離滅裂な言動を繰り返している「鳩山由紀夫」(政治家)さんみたいな例もあるし、学歴だけではまったく人を評価できないことをつくづく思い知らされる。

さて、次回のブログは、つい最近、新しいマンション住まいを始めた娘に譲り渡したオーディオ装置について触れることにしよう。実は今回の旅行のハイライトだったので”いの一番”に取り上げる予定だったのだが、思いもかけぬ面白い「ミステリー」の出現で計画変更に至ったという次第。

                      

 


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