「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

100円ショップの優れもの

2021年04月29日 | 独り言

仕事から帰ってきた家内がいきなり「これ使ってみたらどう、呼吸が楽になること請け合いよ~」と、差し出したのがこれ。



一見するとチャチな感じを受けたので咄嗟に「要らん」と、喉元まで声が出かかったが物は試しと実際に装着したところ、これまでのようにマスクに唇が直接触れないので実に「かけ心地」がいい。

それに唇とマスクの間に隙間が生まれるので発声も楽だし相手にとっても聴きとりやすいはず。

「これ、いいな。もらっとこう」

コロナ禍がどうも収まりそうにない。大分市、別府市では「カラオケ」絡みでクラスターが発生したばかり。

飛沫が飛ぶので、あれほど危険だと騒がれているのに「カラオケ」に行く「おバカさん」がいるのがどうしても信じられない(笑)。

こんなことではコロナ禍は当分収まりそうも無いし、マスクは絶対に欠かせない。

それにしても100円ショップはとてもアイデア商品が多い。日頃通っている「運動ジム」の斜め向かいに小規模のショップがあるのでときどき店内を巡回して便利グッズを探している。

な~に、オーディオがらみの小道具探しも兼ねているんですけどね(笑)。

おっと、それで思い出した。

<カーボン・ファイバー紛失事件>

数か月前に「カーボン・ファイバー」を購入した件については既にブログに記載したとおり。



CDの上に載せて使うもので振動防止対策などに効果ありとのことで、さっそく購入して試したところ目覚ましい効果があった。オーディオ仲間も実際に効果を実感してすぐに同じものを購入したほどだった。

そのたいせつな「カーボン・ファイバー」が何と消えて無くなったのである。台から落ちた可能性もあるので周囲の床を四つん這いになって探し回ったが見つからず、おそらく他のCDと一緒にケースに直し込んだのだろうと諦めた。

前述のように効果絶大だし、たかだか2000円程度なので買い直したいところだが、そのうちひょっこり出てくることも十分考えられるのでどうしようかと迷っていた。

そこで、当座凌ぎに100円ショップを巡回して見つけたのが薄い「コルク板」。これをCDの大きさにカットして使ってみようかと思い立った。

工作の結果がこれ。



実際に聴いてみた。



まずは音が出たことにひと安心、そして心なしか音が良くなったような気がする(笑)。

近頃はとんと「耳」に自信が無くなったので、そのうち仲間に聴いてもらって判定するしよう。



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歌が巧くて素敵な声の持ち主の「共通点」

2021年04月27日 | 音楽談義

ふるさと回帰のせいか、このところ日本の女性歌手をよく聴く。歌詞もポエムだし分かりやすい。


「島田祐子」さんのCD全集をはじめ、美空ひばり、五輪真弓といったところで、それぞれ定評のある歌唱力の持ち主だが「歌が巧くて素敵な声の持ち主には共通点がある」ように思える。

たとえば顔の造作について。

              

              

紹介するまでもないが左から「美空ひばり」、「五輪真弓」、そして「島田祐子」さん。

この3人の共通点として気付くことはどちらかといえば、やや顔のエラが張った幅の広めの顔の持ち主ばかりだとは思いませんか?

こういう顔立ちは歯並びが良くて「咀嚼力」(ものを噛む力)が強いだろうし、咽頭部が丈夫で「声帯」も強靭のような気がする。

そういえば世紀のソプラノ歌手(コロラトゥーラ)「エディタ・グルベローヴァ」(当たり役はオペラ魔笛の「夜の女王」)だって同じような顔立ちに見える。

              

ちなみに、政治家でも一般的に顎が細いタイプよりも幅の広い顔の方が「向いている」
とされているが、見た目の安定感とともに「よく通る声」が有権者の心を獲得しやすいのかもしれない。

まあ、これはすべての歌手に該当する話でもないがご参考までに提案してみた。

それはさておき、島田祐子さんの声があまりにも素晴らしいので、我が家の近くにお住まいで「歌心」の有る知人の「I 」さんにCDを貸してあげた。

地区の外れにある「I」さん宅にはご自宅に80坪ほどの地下室を有しておられ、そこで音楽鑑賞をするために我が家の余ったオーディオシステム一式を貸し出している。

グッドマンのエンクロージャーに入った「フィリップスのフルレンジ」(口径30センチ:アルニコマグネット)を朗々と鳴らされており、貸した後で「しまった!」と思うほど音がいい(笑)。

広い部屋で鳴らすのと狭い部屋とでは雲泥の違いで「色の白いは七難隠す」ではないが「部屋の広いは七難隠す」ことを痛感したことだった。

その「I 」さんから電話が入った。

「島田祐子さんのCDありがとうございました。さっそく聴かせていただきましたが、まるで心が洗われるようで日本人に生まれて良かったとつくづく思いましたよ。それにどの曲も詩的でとても言葉が美しい。とりわけ”あざみの歌”には感激しました。ぜひ他の4枚のCDも貸してください。」

「あざみの歌」は戦後の昭和25年、信州の諏訪湖畔で暮らした横井弘が人生観を「あざみの花」に託した歌詞に「八州秀章」が作曲したものであるとライナーノートに記されていた。

スコットランドの国花「あざみ」 → 

その美しい歌詞の余韻に浸りつつ終わりとしよう。

「あざみの歌」(試聴可)

山には山の 愁いあり 海には海の 悲しみや ましてこころの 花園に 咲きしあざみの花ならば

高嶺の百合の それよりも 秘めたる夢を ひとすじに くれない燃ゆる その姿 あざみに深き わが想い

いとしき花よ 汝(な)はあざみ こころの花よ 汝(な)はあざみ さだめの径(みち)は 涯(は)てなくも 香れよせめてわが胸に



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オークション情報~赤帯マグネットほか~

2021年04月25日 | オーディオ談義

このほどオークションに出品されていた英国グッドマンのSPユニット。
Goodmans AXIETTEアキシエッテ 8インチ アルニコマグネット






SPユニットは極端に言えば「マグネット」と「コーン紙の軽さ」で音の良し悪しが決まると思っているが、その点、グッドマンはいろんな製品があるけれども、(特に後期の製品は感心しないけど)「赤帯マグネット」を選んでおけば間違いなし。あの「AXIOM80」も赤帯マグネットだ!

オークションの質疑応答には次のようなコメントがあった。

「インピーダンスについてご質問頂きましたので、こちらにも記載させて頂きます。 
DCRにて、10.6Ω、10.9Ωですので、15Ω仕様です。(手持ちの市販のテスターですので精度はご勘弁ください) 
インピーダンスが高いのは、細い線を回数巻いているということですので、 小出力の真空管アンプに合わせた設計と思われます。 
このことで、低域はもちろん、中域の豊かさ、高域までの伸び、表現力が得られていると思います。 
当然、Max5Wで大入力に弱いという点だけは避けられません。
ただし、能率が高いので普通のお部屋で聞かれる分には十分かと思います。 むしろ表現力の高い良いアンプでドライブされることをお勧めします。」

以上のとおりだが、定評のある赤帯マグネットで口径20cmという使い勝手の良さも含めて好みの音が出ることはまず間違いないので「ぜひ欲しいなあ!」。
あとはお値段次第だが、開始価格が「3万円」だったので5万円前後なら「買い」だと決めた。

もし、「ワーフェデール」の赤帯マグネット(口径25センチ)を持っていなければ、10万円を越えても絶対に「買い」に走るんだけど・・。



興味津々で入札状況を見守る中、早々に5万円を越える状況になり結局落札価格は「8万9千円」に落ち着いた。予想外の高値でちょっと見通しが甘かったなあ(笑)。
口径20センチのユニットなら通常ではせいぜい2~3万円が相場なのにさすがに「赤帯」の価値をよく知っている方が多い。

まさか「グッドマンの赤帯マグネットを日頃から褒めそやしたのはどこのどいつだ」なんて責任追及する方はいないと思うが(笑)。

いずれにしても、喜ぶ方が一人でも増えれば本望です~。

次は「dCS」(英国)のDAコンバーターが出品されていた。



潜水艦のソナー探知を出発点とする「dCS」は世界のデジタル機器に君臨している存在だが、今回の出品物はDAコンバーターの「スカルラッティ」で、周知のとおり「dCS」はすべての商品に作曲家の名前を冠している。

我が家のCDトラポは「ヴェルディ」だし、DAコンバーターは「エルガー プラス」といった具合。



「エルガー プラス」を手に入れてから数年経つが、性能にまったく不満を感じないものの、より新しい「スカルラッティ」はどのくらいのお値段がするのか注意深く見守った。

何しろ定価が「307万円」の代物だから、中古とはいえおいそれと手が出る価格帯ではないと“はな”から諦めていたところ、結局「落札価格」は「682千円」だった。これはたいへんなお買い得ですね。

もっと人生の残り時間が多ければ確実に入札に参加したんだけどなあ。

なぜなら、15年ほど前の製品「エルガー プラス」の実力をいまだに身に沁みて感じているので「スカルラッティ」が悪かろうはずがない。

(エルガー プラスは)古いとはいえ「腐っても鯛」で、もう1台所有のアップサンプリング「192KHz」のDAコンバータよりも確実に聴感上はレンジが広くて情報量が圧倒的に多いのだから仕方がない。

デジタル機器の「アップサンプリングなんて信頼できるの?」というのが現在の正直な感想で「あまり当てに出来ないですね」と仲間と話し合っている。どうも音の印象が感覚的な表現で申し訳ないが「不自然」なんですよね~。

仲間によると他の文献でもアップサンプリングに対する疑問が近年多くなっているという。

我が家でもテレビの音を「192KHz」で聴くときはそれほどでもないが、CDトラポで「192KHz」で聴いた場合、「エルガー プラス」の「44.1KHz」で聴いた方が明らかに自然で聴きやすいのもその裏付けとなる。

このところ中国製の新作の「DAコンバーター」などがアップサンプリングをまるで競争するみたいに異常なほど伸ばして「768KHz」などと謳っているが、まるっきり否定するわけではないが「アップサンプリングが単純に“音質”に直結すると思うのはちょっと危険かな~」と個人的に思っている。

とはいえ、価格はdCSなんかに比べると月とスッポンみたいに安価だし、実際に聴いてみたわけでもないので断定はできないし、コスパは抜群という魅力があるし、個人個人によってどこまでが許容範囲なのかということもある。

いずれにしろ選択肢が増えるのは歓迎ですけどね。



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「音楽&オーディオ」に夢中になる理由~最終編~

2021年04月23日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「音楽&オーディオ」に夢中になる3番目の理由は次のとおり。

3 「音楽&オーディオ」の魅力を広く世間に伝えたい

「要らん世話」と言われたら身も蓋もないが「音楽&オーディオ」の魅力を出来るだけ世に広めたいという願望を持っている。

とりわけ衰退の一途を辿っているオーディオの行く末はいったいどうなるんだろうと考えると、夜も寝られなくなるくらい心配だ(笑)。

「一介の市井の徒」がそんなご大層なことを心配してもどうしようもないが、このブログを通じてオーディオの魅力に少しでも開眼され「音楽を好きなサウンド」で親しむ人が増えれば、ささやかながら何だか潤いのある社会づくりのお役に立てているような気がする。まあ勝手な思い込みだが。

ちなみに、全国津々浦々からちょくちょくメールをいただくことがあるが、過去に「貴方のブログを読んで感化され、オーディオに熱心になりました」というのが実際にあった。

そこで次のように返信したことだった。

「オーディオは感染力の強い伝染病みたいなところがありますね。性質(たち)のいい感染源になれたらいいのですが(笑)。
気に入った音を出す秘訣、それは”音の好みが合致した仲間を見つけていかにタメになる情報を増やすか”に尽きるような気がしています。」

という具合だが、このブログにしても内容について賛否両論あると思うが、肌合いが合わなければ読まなくて結構だし、合うと思えば参考にしてくれればそれでいい。

「この通りやれ!」と強制するつもりは毛頭ない。だってそれぞれ耳の形も違うし感性だってそれぞれ違うんだから己の個性を大切にしよう。

なお、ほかにもメル友さんの中で
いたくこのブログを気に入っていただき、何と14年前に遡って2006年以降のブログをすべて読破しますと宣言された方がいらっしゃった。

いやあ、気恥ずかしいので止めてください。」と、喉元まで声が出かかったが、ネットで公開している以上読むも読まないもご本人の自由なのでお任せすることにした。

そして、およそ2か月ほど経ってから「完読しました」というメールが届いたが、記事の総数が2500件あまり、どうもたいへんご苦労様でした(笑)。

実は、過去のブログについては「あんなことを書いたけど、まずかったかなあ。いっそのこと書かなきゃよかった。」という反省と悔恨が入り混じったものが相当数あることを正直に告白しておこう。

何よりも内容の勘違いやミス、そして前後する記事の矛盾があるのを承知のうえで、「実際に経験したリアリティ」をモットーに記載しているものの、奥の深いオーディオのこと「これは違う」と思っている読者も相当数あるに違いない。

さらには、著名なエッセイストの山本夏彦氏からして「エッセイなんてどうせ自慢話に過ぎないんだから」と喝破されているほどだが、つい身びいきなことを書いてしまうことを自覚している。

どうか一笑に付してくださいね(笑)。

以上、老人性難聴を契機にして「音楽&オーディオに夢中になる理由」を3つあげたことになる。

復唱すると、

1 自己実現の道具

2 芸術鑑賞

3 「音楽&オーディオ」の魅力を広く世間に伝えたい

そして、やや「志」が低次元になるが最後に2つの付帯的な理由を掲げておかないと「画竜点睛」を欠くというものだろう。

✰ スリル&サスペンス

毎日平穏無事で変化のない生活を送るのが一番いいが、それはそれとして時には「スリル&サスペンス」が欲しくなるのも事実だ。

ちなみに「スリル」と「サスペンス」の違いは、前者が未知の犯人を追い詰めていくこと、後者は最初から犯人が分かっていて正体を暴いていくことと本に書いてあった。

オーディオでいえば、有名ではない機器(真空管を含む)をハラハラしながら使うときがスリル、その一方高価なブランド機器を使うときに期待通りの効果が得られるかどうかがサスペンスということになるのだろうか(笑)。

我が家の場合、誰にも迷惑をかけずに気軽に「スリル&サスペンス」に満ちた刺激的な生活を味わえるのだからたいへんありがたい。

そして、次の付帯的な理由は、

✰ 暇つぶし

「毎日が日曜日」の人間にとって何をしようかと時間を持て余すほどつらいものは無いが、その点「音楽&オーディオ」は日常生活の中で身近な存在として機器のスイッチさえ入れればすぐに応えてくれる。

何しろ体力が要らない!

このくらい手軽で思いのままになる趣味は他には読書ぐらいだろうか。

おかげさまで命尽きるまで人生に退屈しなくて済みそうですよ~(笑)。



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「音楽&オーディオ」に夢中になる理由~中編~

2021年04月21日 | 音楽談義

前回からの続きです。

「音楽&オーディオ」に夢中になる二番目の理由は次のとおり。

2 芸術鑑賞

「音楽&オーディオ」のいいところは日常生活の中で手軽に一流の「芸術」に親しむことができるところにある。

モーツァルト、バッハ、ベートーヴェン、ワーグナー・・・。

ここまで書いてきて、ふと何の脈絡も無しに「一流の文化や芸術はその底流に死を内在させている」という言葉が浮かんできた。

仰ったのは「河合隼雄」(かわい はやお:故人)さん。河合さんといえば元文化庁長官で国際的な「ユング心理学」の第一人者だ。

以下、少々分け入ってみよう。

「この言葉の出典は2002年12月24日号の「エコノミスト」誌に特別寄稿されていた「現代病が中高年を襲う」だ。
                   

この記事は当時社会問題となっていた中高年の自殺についてその原因と対策を心理学の立場から分析したもので、およそ20年前のテーマだが現在でもいささかも古びていないと思う。

少々舌足らずだが要約して、箇条書きにしてみた。

✰ 人生の前半と後半では生きることの意味が変化することに早く気づくべき。つまり、前半は地位、財産が向上するが、後半は死に向かって下降していく

✰ 中年期は価値観の転換とともに「老」「死」に対する準備を始める時期

 そのためには、仕事だけでなく幅広く文化的なことや芸術に関心を向ける

 一流の文化や芸術はその底流に「死」を内在させていることに気付くことにより、「死」をいかに受け止めるか自然と考えるようになる。

 しかし忙しい現代人にはあまり悠長なこともいっておられないのでとりあえず「こころの出家」を薦める。

 「こころの出家」とは、日々の生活の中で今まで居たところから「出て」外から自分を眺めてみること。

つまり、大要は「中高年はもっと異なる文化や芸術に関心を持ち、心のゆとりを持って自分の世界を広げてみよう」ということのようである。

幸い音楽を通じて「こころの出家」は自分なりに実行しているつもりだが、前述した
「一流の文化や芸術はその底流に”死”を内在させている」
の真意がちょっと分かりづらい。

たいへん含蓄に富む言葉だと思うがこれは一体どういう意味だろうか?

人間はたかだか80年程度の回り舞台から消え去っていくだけだが、一流の芸術作品は何代にも亘って朽ち果てない永遠の生命力が吹き込まれていることと関係するんだろうか。


「死は最良の友だちです」とは父親あての手紙に書き記したモーツァルトの言葉だし、「五味康祐」さん流に解釈すると「一流の芸術には神がある。神とは民族の発生から終末にいたるその民族の人格に他ならない」と、人間を超越した神の存在に言及している。

最終的には河合さん本人に真意をお伺いするのが一番よいのだが、既にお亡くなりになっているので永遠に未解決だ。

しかし、むしろこうしたテーマは漠然とした意味のままに折にふれときどき考えることに意義があるのかもしれない。

以上、柄にもなく少々高尚なことを書かせてもらったが(笑)、この際だから音楽とオーディオの関係に言及しておくと、音楽に対する根源的な愛情が無い限りオーディオという趣味は長続きしない。

次に「音楽&オーディオに夢中になる」3番目の理由については長くなるので次回以降へ続く。



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「音楽&オーディオ」に夢中になる理由~前編~

2021年04月19日 | 音楽談義

春になったとはいえ、ここ2週間余り何だか肌寒い日が続いている。今朝(19日)の起床時の室内温度はといえば何と14度だった。18度以下だと不調を来たしやすいとのことで要注意~。

さて、先日のこと「お父さん、ちょっと耳が遠くなったんじゃないの、お医者さんに行ってみたら~」と家内がほざいた。

「エッ、エッと“しかめっ面”をしながら何回も聞き返す回数が増えた」というのがその理由だが、「バカ言え!」とムキになって言い返したものの内心ドキリ。

もちろん、医者なんかに行く気はサラサラないが思い当たる節はある(笑)。

どなたでもそうだが老化現象によって耳が遠くなるのは紛れもない事実だし、高血圧や糖尿病などの持病によっても症状が加速すると言われている。

それも、耳の中にある有毛細胞の疲弊によって「高音域の聴き取り」に顕著な影響が出るという。

自分にとって「音楽&オーディオ」が楽しめなくなったら生きている甲斐がないと思っているので、「耳」の機能はまさに「生命線」である。

フランスの哲学用語では、これを「レーゾン・デートル」というそうな。

我が家では、このところやたらに「低音域」に対して神経過敏になりだしたのも、高音域の聴き取りが鈍くなった反動かも知れない。

ただし、仮に命が尽きる間際まで耳の機能が衰えないとすると、この世に未練が残り過ぎても良くないと思うので、これらを考え合わせると老人性難聴は神様の思し召しかもしれないと多少なりとも自分自身を納得させている。

それにしても、こんな耳でよくもまあオーディオについて語れるもんだと思うけど、独り勝手に楽しんでいるだけなので誰にも迷惑をかけていない積りだが、はたしてどうかな・・(笑)。

それはさておき、こうまでして何のためにかくも夢中になって「音楽&オーディオ」に取り組んでいるんだろうと思うことがときどきある。

その理由を改めて整理してみることにした。

1 自己実現の道具

これまでの人生を振り返ってみると、学問にしろ、社会的な地位や名誉にしろ、さらにはお金の稼ぎっぷりにしろ何もかもが中途半端だったことは否めない。

外野席からは、「五体満足で何とか食っていけるだけでもありがたいと思え、贅沢を言うな!」と叱られそうだが、人一倍貪欲な性格が災いしているのだろうか(笑)。

まあ、そういうわけでせめて50年以上一貫して取り組んできた大好きな「音楽&オーディオ」だけは何としても成就(満足)した状態で心おきなく人生を終了させたいという思いが常に頭の片隅にある。

そして、今のところこの道程の「到達度」といえば、「山登り」にたとえると自己採点だがようやく「9合目」に差し掛かったところかなあ・・。

しかし、こういう価値観が世間さまに一般的に受け入れられるかどうかはまったく自信がありませ~ん(笑)。

次に「音楽&オーディに夢中になる」理由の2番目について・・。

以下、長くなるので次回以降へ続く。

なお、この「夢中になる理由」に関して気が向いた方は遠慮なく思いの丈を書き記してメール(メルアドは自己紹介欄にあり)でお寄せください。歓迎します。ご相談によってはこのブログに転載させていただきます(匿名可)。

ん、原稿料ですか・・。内容次第なので別途、協議といきましょうや(笑)。



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「点音源」の魅力

2021年04月17日 | オーディオ談義

我が家の4つのスピーカーの中で一番出番が少ないJBLの「LE8T」(初期版16Ω:口径20センチ)。



悪くは無いんだけど、ややタイトな音なのでもう少し「ゆったり感」が欲しいと常日頃思っていたのだが、先日のブログでも触れたとおり、思い切ってエンクロージャーを代えてみることにした。

徒労に終わる可能性が非常に高いが、何ごともやってみなくちゃ分からん(笑)。

思い立ったが吉日で、大分市郊外の大型「DIY」店までクルマを50分ほど滑らせて、大きな1枚板(厚さ12mm)を4枚カット(内2枚は予備)してもらった。バッフル作りである。

寸法は「縦51.5cm、横41cm」、代金はカット代を含めて「1580円」也(笑)。

さっそく持ち帰って、ジグソーで穴を開けてLE8Tを取り付けた。箱に取り付けるときのネジ穴の調整が厄介で、これに一番時間がかかった。

完成後の姿がこれ。



見映えがパッとしないが、どうせサランネットを付けるのでバッフルにペンキは塗らないことにした。

低音域(350ヘルツ以下)専用として鳴らしてもいいし、フルレンジで鳴らしてもいいし、MLBで大活躍している大谷選手のような二刀流だよ~(笑)。

はじめに「低音域専用」で音出ししてみた。200ヘルツ以上はこの箱に載っている「AXIOM80」(復刻版)だ。

駆動するアンプは「LE8T」が「PX25シングル」、「AXIOM80」が「WE300Bシングル」。

どういう音が出るか、固唾を呑んで耳を澄ますと想像以上の豊かな低音が出てきたことに驚いた。

凄いッ、これが口径20センチの低音なんて信じられない!

これも重量級の強力マグネットのおかげだろうか。

何しろ入れ換えたときの「トライアクショム」(グッドマン)よりも図体は小さいのに重さの方は同等かそれ以上だったのだから十分頷ける。

「AXIOM80」との相性も良く、口径20㎝だけあってさすがにスピード感では見劣りしないし、懸念した音色の違いもまったく問題にならない。

2時間ほどいろんなソースを聴き込んだが、ボーカルでは歌手の口元が小振りになって引き締まり見事に等身大の大きさになるのが非常に好ましい。

口径の大きなユニットを使ったシステムでは、カバのように大きな口元になるのを何度も聴いてきたのでとても気になるし、他の音楽ソースでも個別に楽器の姿がくっきり浮き出てくるというか、実在感があるので聴いていて楽しくなる。

それに、クラシックからジャズ、ポピュラー、演歌まで何でもござれの万能システムで、「AXIOM80」の相方としてはこのユニットで決まり~。

「LE8T」の実力を心の底から見直した。

ただし「LE8T」をグッドマン指定の「ARU」(背圧調整器)付きの箱で鳴らすなんて奇想天外だと思うが「無理を通せば道理が引っ込む」の典型的な例だね、これは~(笑)。

そういえば、以前、他県からお見えになったオーディオ愛好家に、「LE8Tを聴いてみませんか」とお誘いしたところ「いや、もうどういう音か分かってますので結構です」と、断られたことがあったが、その時は「さもありなん」と思ったが、こうして
別の大きめの箱に容れてやるとまったく印象が変わる。

改めて、この小振りのユニットは見かけとは大違いでエンクロージャー次第で豹変することを心に深く刻み込んだ。

次にフルレンジで聴いてみた。スピーカーのプラス線に挿入したムンドルフのコイル「6.8mh(ミリヘンリー)」を外すだけだから簡単そのもの。数秒あれば事足りる。



はじめに「PX25シングル」アンプで聴いてみた。前段管次第で音がくるくる変わるアンプだが今回はμが「30前後」とひときわ高い「AC/HL」(英国マツダ:初期版)だ。

フルレンジ特有の音像定位に優れた音で、低音もしっかり出る、それも小気味よくカツン、カツンと弾んできて気持ちがいいし、音の抜けもいいし、中高音域の表現力も不足ない。スピーカーの存在を意識させない自然な響きに満足の一言。

次に「WE300B」アンプで聴いてみたが、中高音域にかけてレンジが広がり音の重心がやや上がったが、音のコクとなるとPX25の方が一枚上かな。こればかりは好き好きだが自分なら「PX25」を選ぶ。

それに、つい最近のブログ「マダム・ピリンスカとショパンの秘密」にあったように、池の水にポチャンと落ちた穀物の種子から周囲へ波紋が広がっていく描写のように、これが「点音源」の良さの極致だろうと思わせる鳴りっぷり。何といっても音は空気の波紋なんだから~。


こういう音を聴くと「釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉を思い出す。

「フナ釣り」というのはシンプルな釣りの象徴という意味合いだが、これに倣って「オーディオはフルレンジに始まってフルレンジに終わる」とも言えそうで、こういう音を聴かされると「いったい自分は何年オーディオをやって回り道してきたんだろう」とさえ思う。

近々、我が家にご訪問予定のFさん(福岡県)にぜひとも聴いていただいて、歓談するのが楽しみになってきた。

「LE8T」騒動から派生して絶好のテーマが「棚から牡丹餅」のように降って湧いてきた
ことになりますねえ(笑)。



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「人生に無駄な経験は一つもない」というが

2021年04月15日 | オーディオ談義

「人生に無駄な経験は一つもない」と、何かの本に書いてあったがいまだに折にふれ過去を振り返って悔やむことが多い自分にとって、こういう前向きな言葉には大いに励まされる。

これまで長年にわたって散々拙い経験をしてきた「オーディオ」もそう思いたいところだ(笑)。

さて、およそ4年ほど前の話だがAXIOM80の復刻版をグッドマン指定の箱で鳴らしたことがある。

          

当時の画像になるが、左側の「AXIOM80」が自作の箱に容れた「初期版」で、一番肝心な「ARU」(ユニットの背圧調整器)は箱の底に付けている。その一方、右側がグッドマン指定の箱に容れた「復刻版」。

その違いはといえばスピーカーの板厚である。自作の箱が「15mm」、そしてグッドマン指定の箱の方の板厚が「40mm」。

この両者をオーディオ仲間と聴き比べたところ、二人の意見は一致した。


「自作の箱の方が伸び伸びとした音です。音響空間に漂う音の余韻が何時までも尾を引く感じがしてことのほか響きが美しい。その一方、指定箱の方は少々堅苦しくて、何だか会社員がキッチリとネクタイを締めてかしこまっている感じがします。」

軍配は明らかに自作箱の方に上がったわけで、板厚の重要性を改めて思い知ったことだった。

このことを裏付けるのが真空管専門誌「管球王国」(2017 SPRING Vol.84:ステレオサウンド社)だった。

                    

本書の172頁に「フルレンジユニットのチューニング法大公開」という特集があって、何と「AXIOM80」のオリジナルと復刻版の両方のチューニング法が公開してある!

今どき「AXIOM80」なんて時代遅れのSPを特集するなんてほんとうに奇特な記事としか思えない(笑)。

ただし、「AXIOM80」に関してはいくら場数を踏んだオーディオ評論家といえども、流した「血(お金)と汗と涙」の量はとうてい自分には及ばないはずなので、鵜呑みにするつもりはまったく無い。

案の定、やっぱり首を傾げる部分もあったが、記事の中で印象的だったのは「このユニットには板の厚みが薄い方が絶対に向いていると思います。」という言葉だった。そのとおり!

というわけで、この経験を生かしてこのほど製作した板厚がたったの「12mm」の小振りの箱に入った「AXIOM80」(復刻版)は信じられないほどの絶好調振りである。何といっても響きが美しい。

そして低音域(350ヘルツ以下:ー6db/oct)を受け持つのは同じグッドマンの「トライアクショム」だ。



この件はご存知の通り先日のブログ「トライ&エラー~スピーカー編~」に登載したところだが、さっそく去る3月23日に福岡からお見えになったFさんの知るところとなり、メールの交換によって再度の試聴日程が決まった。

今度こそ、元オーケストラの一員だったFさんを失望させるわけにはいかないと、細部の調整に余念がない毎日だ(笑)。



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映画「蜜蜂と遠雷」

2021年04月14日 | 独り言

いやあ、久しぶりに「音楽映画」を観て胸が震えるほどの感動を覚えました。

とはいえ、映画館に行ったわけではなく「光回線を利用した”ひかりテレビ”」(47チャンネル数)で鑑賞したもので、画像はソニーのテレビ(55インチ)、音は我が家のオーディオシステムで聴けるようにしたもの。

さて、その映画とは「蜜蜂と遠雷」。



原作者は「恩田 陸」女史で、本書は「直木賞」と「本屋大賞」を史上初のダブル受賞したことでも有名。

あらすじはこうだ。


「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスをもち、近年高い注目を浴びる芳ヶ江(よしがえ)国際ピアノコンクール。

ピアノの天才達が集うこのコンクールの予選会に、若き4人のピアニストが現れる。7年前の突然の失踪から再起を目指す元・天才少女、英伝亜夜(松岡茉優)。

“生活者の音楽”を掲げ、最後のコンクールに挑むサラリーマン奏者、高島明石(松坂桃李)。人気実力を兼ね備えた優勝大本命、マサル(森崎ウィン)。

今は亡き“ピアノの神”からの「推薦状」を持つ謎の少年、風間塵(鈴鹿央士)。熱い“戦い”を経て、互いに刺激し合い、葛藤し、成長を遂げ<覚醒>していく4人―。その先に待ち受ける運命とは。

以上のとおりだが、元天才少女と謳われた「英伝亜夜」が、急死した母親と一緒にピアノを弾く幼女時代の回想シーンで、野外の「雨音」を聴きながら、ショパンの「雨だれ」の演奏に入っていくシ~ンでは音楽の魅力全開で、あまりの美しさに思わず身震いがして鳥肌が立ったことを正直に告白します。

以下、ネットで「レヴュー」を抜粋させてもらいましょう。


「ひとつのコンクールに焦点を絞った作品なのに、4人の人物像をあれだけはっきりと浮かび上がらせ、さらには歩んできた道やこれからの未来までも想像させる点はすごいの一言に尽きる。

最後にコンクールの順位が映し出されるがあの順位はこの作品が描きたかったことを示す大きな意味を持つと思う。神童の復活でも、奇才の誕生でも、努力の勝利でもなく、才能あるもの達が高めあった日々を表すにはマサルの優勝が必要不可欠だったのではないかと思った。
演技、演出、演奏シーン、どれを取っても質の高い音楽映画。」


「音楽ってすばらしいなと思わせる作品
ピアノが弾けなくなった少女がコンクールでまた輝くという在り来りなストーリだが、展開がエモーショナルで終盤の演奏シーンは心が震えた」

「最初は恩田陸良かったね…という涙がずっと流れてた。
主人公が幼い頃に聴いていた雨音。それが馬のように跳ねて駆けていく描写が映像になっていて泣けた。ああ、映像化されるということはこういうことなんだなと。それにしてもクラシックと馬は合う。」

「思っていたより配役がスッと馴染んでいたし、何と言っても映像が美しい。構図のこだわり、落ち着いたテンポ、衣装までもが背景の一部のように映える単色。彩度が高め。ノルウェイの森を思い出す。撮影が海外の方というのがすごく分かる。クラシック映画と相性の良い品の良いお洒落さ。」

クラシック音楽がお好きな方で、まだご覧になっていない方はぜひ・・。



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トライ&エラー~アンプ編~

2021年04月12日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

AXIOM80(復刻版)とオリジナル版との差を縮めるために「トライ&エラー」を繰り返しているが、「スピーカー編」は一応目途がついたので次はアンプ編といこう。

1 プリアンプ

手持ちの3台のうち先日のFさん(福岡)に聴いていただいたのは「JADIS」(フランス)のプリアンプで、これも悪くはなかったけど気分転換のために「安井式」に変更。

これは「12AU7」を4本使ったプリアンプだが、銘柄次第でガラリと音が変わるのでテストのし甲斐がある。

初段の2本を東芝、ナショナル、シーメンス、RCA、ムラードと次々に代えて試聴したが、ひときわスッキリ爽やかで清澄感が冴えわたっていたのはRCA(赤文字付)だったので、これで決まり~。

2 PX25シングルアンプの登場

我が家のアンプ群の中でWE300Bアンプに次いで期待しているのがこのPX25アンプ。



「インターステージトランスが入っていると、とりわけ前段管で音が変わりますよ」とは、有識者(北国の真空管博士)の弁だが、このアンプを何とか「WE300B」並みのレベルに近づけたいというのが積年の思いである。

そもそもPX25はイギリス産の球なので「AXIOM80」には同じお国柄としてマッチしているはずとの思いが消えることはない。

そこでだが、自分に弄れるところは前段管と整流管の選択ぐらいなので、これまでそれこそいろんな球を「トライ&エラー」してみた。

まず、アンプのSN比と透明感を左右する「整流管」(交流を直流に換える球)については、「WE422A」(1958年製)で役不足は無かろう。

問題は前段管の選択である。

たまたま、このアンプはソケットの差込口を2種類、増幅率(μ=ミュー)の違いを3段階の切り替えスイッチで調整できるようにしてもらっている。



上段、左から「MHL4」(オスラム)「AC/HL」(英国マツダ)「GSX-112」

下段、左から「LS7」(GEC)、以下STC群の「3A/109B」「3A/107B」「3A/110B」の3タイプ

これまで、これらの7ペアをコツコツと収集し折にふれ試してきた。

はたしてそのバカさ加減を嘲笑されるのか、それとも執念深い熱心さに感心してもらえるのか、読者のご判断にお任せしよう(笑)。

今回の対象は小振りの箱に容れた「AXIOM80」なのですっかり様相が変わった。じっくりと時間をかけてこれらの7ペアを「ためつすがめつ」試聴してみた。

真空管アンプはこういう「球を差し換えて音の変化を楽しむ」ことが簡単にできるところが良い、これだから真空管アンプは止められない(笑)。

その結果
、これまで見向きもしなかった「MHL4」と「AC/HL」が急浮上したのには驚いた。

何しろ「μ」が前者は20前後、後者は30前後とこれらの中で大きい方なので元気が良くて溌溂とした音が出るのが特徴。

その点、STCなどは聴き疲れがしないし、品のいい音は出るんだけど「μ」が小さいだけにあまりにも控えめ過ぎて、もう少し野性味が欲しい気がした。

ただし、これも周辺環境次第でアンプ内蔵の「インターステージトランス」(UTC:Aー19)の容量が増えれば大いに挽回のチャンスがある。

いずれにしても、お値段が3倍ほど違うし部品も回路も凝りに凝っている「300B」アンプと比べるのは、はなから酷だがどうにか聴ける状態に到達した。


これらの2つの「秘策」を講じて「F」さんの再度のご来訪を迎える準備が整ったことになる。

Fさん、前回に懲りずにいつでもどうぞ~(笑)。

最後に、今回のスピーカーとアンプの「トライ&エラー」を通じて痛切に感じたことは、やっぱりオーディオはいろいろ理屈をこね繰り回すよりも、そんな時間があったら即行動に移す、つまり「やってみなくちゃ分からん!」に尽きますね~(笑)。



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トライ&エラー~スピーカー編~

2021年04月10日 | オーディオ談義

去る3月23日、福岡からクラシック音楽愛好家のFさんが試聴にこられたことは2回に分けてブログに登載したとおり。

勝手な思い込みかも知れないが、概ねFさんの期待に応えられたような気がしているものの、「AXIOM80」のオリジナル版と復刻版との音質の違いについて指摘されたのがちょっと気になっている。

何か解消する手立てはないものか・・。


ことオーディオに関しては「考え込むよりも動く」のがモットーなので「トライ&エラー」の繰り返しにより、この2週間余り退屈することがなかった。


メチャ忘れっぽいので記録に残しておくとしよう。

まずは、スピーカー対策から。


1 低音域のユニットの交換



ご覧の通り、低音域(350ヘルツ以下)だけを受け持たせるスピーカーは、当初はグッドマン「AXIOM150マークⅡ」にしていたが、悪くは無いんだけど低音が深過ぎてAXIOM80のスピード感にはそぐわなかった。

そこでコーン紙のカーブが浅くて音声信号に対する反応が早そうなJBL「D123」に変更してみたところ、AXIOM80のスピード感に遜色がなかったものの、今度は双方の「音色」の違和感が「?」となった。

Fさんが気にされたのもその辺に原因がありそうだ。

「D123」もいいところがあるんだけどなあ、と後ろ髪を引かれる思いでさらに変化を求めてグッドマン「トライアクショム」にしてみた。

比較的軽量のアルニコマグネットによりあっさりとした低音が持ち味だが、それがAXIOM80に合うかもしれないという淡い期待のもと、ダメなときはすぐに「D123」に戻すつもりだった。

この「トライアクショム」は同軸3ウェイのフルレンジで口径30センチ。このユニットを低音域だけ(350ヘルツ以下)だけ鳴らそうという算段になるが、自分で言うのも何だが実に贅沢な使い方だと思う。

ただし、コイル(ムンドルフ:6.8mh)を外してやれば、たちどころにフルレンジでも聴けるので、5番目のシステムが出来たようなものでもある。

15分ほどで交換終了。

寸分違わず、ネジ穴まで統一したバッフルをいくつも準備しているので実に楽ちん。前開きの箱の方はもともとAXIOM301が入っていたもので「ARU」(背圧調整器)付きの板厚4cmという頑丈な代物だ。

画像のとおり、下の方がトライアクショムだ。コーン紙が薄くて軽いのが特徴。



おそらくこういうシステム編成は自慢するわけではないが、世界で唯一の組み合わせに違いない(笑)。

そして肝心の音だが、期待以上に素晴らしかった!

さすがに、同じグッドマン同士の組み合わせなのでまるでフルレンジを聴いているかのように音色に違和感が無かったし、イ
ギリス系ユニットの低音域の表現力はアメリカと違って重量感よりも分解能を優先しているとつくづく思わされた。

「シマッタ、Fさんがお見えになったときに初めからこのシステムで聴いてもらえばよかったなあ・・」と、臍(ほぞ)を噛んだのは言うまでもない(笑)。

なお、我が家にはJBLの「LE-8T」(口径20cm:初期版16Ω)が部屋の片隅で眠っている。



このユニットだけを取り外してぜひ「AXIOM80」とセットで低音域だけ受け持たせてみたい。おそらく音色の違いがネックになりそうだが、実際に聴いてみなくちゃ分からん。

それに箱の容量が大きくなったときの「LE-8T」をフルレンジで聴いてみたい気もする。

とまあ、幸か不幸か我が家のすべてのオーディオ機器は骨の髄までしゃぶり尽くされる運命にある(笑)。

次に二番目の取り組みとして、アンプ対策といこう。

長くなるので、次回以降へ続く。



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「弱い者」いじめ

2021年04月08日 | 独り言

先日の「日経新聞」一面のコラム「春秋」に次のような記事が掲載されていた。



文面から官僚の「悲哀とため息」が聞こえてきそうな記事である。

「金儲けに興味はない、国のグランドデザインを描きたい」と高邁な理想を掲げて入省した官僚たちの夢は今いずこ。

随分昔の話だが戦後日本の目覚ましい復興を担ったのは、「勤勉な国民性」とともに「官僚が優秀だったから」という説が根強くある。

しかし、日本経済のさらなる発展、国際的な地位の向上など一流国家の仲間入りとともに官僚たちの役割が相対的に低下し、法律に無頓着の政治家たちが我が物顔に跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)するようになった。

与党は首相を始めとしてむやみやたらに官僚の人事権を振りかざすし、野党は何か問題が起きるたびに当該省庁の官僚を呼び出して膝詰め談判をしているが、国民の目からすると当たり所がないので、(両党ともに)「物言えぬ」官僚に対して「弱い者いじめ」をしているようにしか見えない。

もちろん官僚の味方をしているわけではない。

「官尊民卑」の風潮は明らかに良くないが現在のように粗末にしても良くない、もっと(政治家が)うまくヤル気を引き出して使いこなせばいいのにといつも思う。

このままだと、記事にあるように「私たちはやがて大切なものを失うのではないか・・・」

まったく同感である。

国家の命運と品格を左右するのは政治家と官僚の双肩にかかっており、経済界(企業)なんかの金儲け主義とはワケが違う。

「政と官」という本がある。



著者は「後藤田正晴」氏(故人)で、警察庁長官を務めた後に政治家に転身し、以後内閣官房長官などの要職を務めて大いに辣腕を振るわれた方である。

「官僚は腹の底では政治家をバカにしているが、獲得した票にはそれなりの重みがあるので敬意を払う必要がある」というようなことが書いてあった記憶があるが、「政治家の役割」と「官僚の役割」について両者の視点から明解に述べられた本書を関係者は今一度紐解いて欲しい気がする。

そして、何よりも焦眉の急は「政治改革」こそにある。

まず手始めに「参議院」を血祭りに上げよう!

コスト面とスピーディの面から、いまや日本国内で一番大きな無駄ともいえる存在だし、このままでは某国のような共産党一党独裁にしてやられて遅れをとるばかりである。

「言論の自由」と「民主主義」に手間と時間がかかるのは仕方がないが、やはりそれなりの改革は必要だ。

試しに「参議院不要論」でググってみると、まことにごもっともな意見が百花繚乱のように述べられている。

しかし政治家側から声を上げることは、自らの首を差し出すようなものなのでまず期待できそうもない。

そこで、国民側から一斉に大合唱といきたいものだが、まあ無理かな~(笑)。



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柳の下に二匹目のどじょうがいた!

2021年04月06日 | オーディオ談義

先日のブログ「柳の下の二匹目のどじょうを狙う」の続きです。

ブログの末尾に「以下、続く」としていたが、ブログのネタが多すぎて搭載のタイミングが1週間以上ズレ込みましたけど悪しからず。

さて「AXIOM80」(復刻版)用の箱に味をしめて、再度取り組んだ「小振りの箱」。それも板厚12mmという薄さなので独特の音が楽しめるはずと踏んだが、はたして「二匹目のどじょう」は見つかったのか。

それが実際にいたんですよねえ(笑)。



今回の箱には頑丈なユニット「スーパー10」(ワーフェデール:赤帯マグネット)を容れているので、遠慮せずにじゃんじゃんパワーを入れられる利点がある。



そこで、駆動する「300B」用のアンプには、始めから「WE300B」を挿し込んで聴いてみた。

一聴するなり、かなりの低音が出てきたのには驚いた。箱が箱だけにやや締まりがないというか、制動が利いてないという低音だがタンノイなんかよりは強力な「赤帯マグネット」を有しているだけ、マシかもねえ(笑)。

これなら単体でも小編成の曲目やボーカルなどには十分対応できそうで、まずはひと安心。

低音域(150ヘルツ以下)を受け持つウェストミンスター(スーパー12内蔵)との繋がりが一層良くなったのは言うまでもない。

もうこれで十分だと思いたいが、試してみたいことが一つ残っている。

それは・・。

オーディオに望むものは人それぞれだが、自分はシンプルに考えて大きく三つに分けている。

1 繊細で豊かな響きを持つ中高音域をいかに出すか

2 150ヘルツ以下の低音域をいかに自然に響かせるか

3 1と2の繋がりをいかにスムーズに演出するか

これらがうまくいけば、まさに「鬼に金棒」だが、こういう理想的なシステムはまず存在しないし、これまでの他家での武者修行でもまず聴いた試しがない。

とはいえ、一歩でも「神の領域」に近づきたい気が無いといえば嘘になる。

将来計画として機が熟したらウェストミンスターの上に、この箱に代えてもう一つの小振りの箱に容れた「AXIOM80」(復刻版)を載せてみようと秘かに狙っているのだ。

それには「AXIOM80」の低音域をローカットする必要がある。ウェストミンスターで聴くときはオペラやオーケストラを大音量で聴くのだから、繊細なツクリのAXIOM80をフルレンジで鳴らすと、途端にガサゴソとノイズが出だす。

これまで4~5回は修理に出しているが、そのたびに2万5千円取られるのだからたまったもんじゃない(笑)。

そこで思いついたのが「クロスオーヴァー200ヘルツの真空管式チャンデバ」だった。過大な低音を入れさえしなければまず故障することがないAXIOM80なので200ヘルツあたりでローカットできれば言うことなし。

オーディオ仲間で熟達の腕をお持ちのNさん(大分市)に持ち掛けてみたところ「チャンデバを作れないことはないけど、音質を劣化させるコンデンサーや抵抗をやたらに使うことになるので、ひときわデリケートなAXIOM80には向かないと思うよ。むしろ、容量の大きなコンデンサーを使ってシンプルに一発でローカットした方がいいんじゃない」との回答が返ってきた。

成る程!

すぐに方向転換して、ムンドルフのコンデンサーをネットでゲットした。



ちなみに、容量の47μF(マイクロファラッド)はどのくらいの周波数をローカットできるのかといえば「ネットワーク周波数早見表」により15Ω負荷で計算してみると「225ヘルツ」(ー6db/oct)となるのでピッタリ。

とりあえず、フラメンコダンサーのドスン・ガツンの音楽ソースを思い切って大きなボリュームで「AXIOM80(復刻版)+D123(JBL)」で聴いてみたところ、大型コンデンサーによる音質の劣化はいっさい感じられなかったし、一緒に聴いていたオーディオ仲間も同感だった。

そして、AXIOM80が壊れなかったのはうれしかった、内心ヒヤヒヤしていたのだが・・(笑)。

これで「神の領域」に向けて一歩前進・・。



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「マダム・プリンスカとショパン・・」の後日談

2021年04月04日 | 音楽談義

つい先日搭載した「マダム・ピリンスカとショパンの秘密」だが、オーディオがらみの記事で忙殺される中、軽く息抜きの積りで投稿したところ、これが予想外にも大好評。



初日の「3月30日」が290位(約300万件中)、以下31日が265位、4月1日が304位といつものオーディオ記事よりも軒並み上位を占めたのには驚いた。

読者はこういう記事を望んでおられるんですねえ・・。

こういう制御不能かつ予測不能
の展開があるからブログは面白くて止められない(笑)。

さて、ショパンが敬愛したのは「バッハ」と「モーツァルト」で「ベートーヴェン」が入っていないが、何だかわかるような気がする。なぜなら両者の作風は水と油みたいに違っていて融け合う気がしないから。

それはともかく、この記事では本からの引用が大半だったので、そればかりでは面白くないと、末尾で「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」という曲目を紹介したのはご承知の通り。

ショパンの作品の中では一番好きな曲目で現在手元にあるのは「クラウディオ・アラウ」と「アルトゥール・ルービンシュタイン」という往年の大家のCDだが、近年の演奏家を聴いておいても損はあるまいと珍しく「ユーチューブ」で漁ってみた。

4~5人、聴いてみたが一番感銘を受けたのは「反田恭平」(そりた きょうへい)さんだった。



とはいえ、そもそも楽譜すら読めない人間だし、うまいとか下手だとか論評する資格は無いので、専らハートで聴かせてもらったが、豊かな情感、ピアノの響きの美しさなど大いに感銘を受けた。

それに「ユーチューブの音」ってとても澄み切っていて、音楽のエッセンスを味わえるのに驚いた。

パソコンで聴く限り、周波数レンジとなるとせいぜい300~1万ヘルツあたりだろうが、音の透明感の重要性は周波数レンジを凌ぐものがあるのかもしれないと思わされた。

となると、わが家で熱心に取り組んでいるオーディオの存在意義って、いったい何だろうに行き着く。

オーディオシステムは大掛かりになればなるほど再生が難しくなるが、これはひとえに「低音域の処理」にあると思っている。

コンパクトな世界の透明感を確保しながら、いかに自然な低音域を再生できるか、これは永遠の課題です。



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仏作って魂入れず

2021年04月02日 | オーディオ談義

ウ~ン、口惜しい、口惜しい、口惜しい!

それに「都会のチーム」に負けたのがいっそう口惜しい。

人間のエネルギーの源は「怒り」「不満」「劣等感」そして「欲望」だと思っているが、このエネルギーをそっくりオーディオに向けるとしよう(笑)。


さて、「仏作って魂入れず」
という言葉がある。

その意味は、ご存知の方も多いと思うが
「仏像を作っても魂を入れなければ、単なる木や石と同じである」であり、そこから転じて「せっかく良いものを作っても、大事なものが抜け落ちていれば、作った努力もむだになる」とある。

そこでだが、ずっと昔に読んだオーディオ雑誌にこんなことが書いてあった。

「人間にたとえるとスピーカーは容姿にあたり、アンプはそれに魂を吹き込む役割を担っている。」

賛否両論あると思うが自分は賛成派である。何といってもスピーカーとアンプは車の両輪なんだから~。

何しろスピーカーはアンプ次第で「聖者」になったり「悪人」になったりするし、そういう体験をこれまで嫌というほど味わってきたが、つい最近も得難い体験をしたので記録しておこう。

✰ EL34プッシュプルアンプについて



我が家のオーディオは小出力アンプで能率の高い昔のSPユニットを鳴らすというのが基本的なポリシーである。

したがって、手持ちの真空管アンプ群はせいぜい出力5ワットもあればいい方で中には1ワットクラスもあるほど。

ところが彗星のように現れたこのプッシュプル・アンプにはほんとうに驚かされた。

30ワットのパワーに裏打ちされた力まかせの低音域の鳴りっぷりに、ついフラフラッと誘惑されてしまった。謹厳実直な生活ばかりしていると、たまには浮気心を起こしたくもなりますよねえ(笑)。

このアンプを手に入れた顛末はつい最近のブログ記事「これ以上道具を増やしたくなかったのに」に記しておいた。

その末尾に「(EL34と交換可能な)KT88(4本)余っている方はありませんかね」と、あつかましく記載しておいたが、もとよりダメ元のつもりだったところ快く反応してくれたのが横浜在住のKさんだった。

ときどきメールの交換をする方だったが、
「KT88(4本)余ってます。これから使う見込みがありませんので譲っていいです。ただし、真空管の寿命が定かではありませんので、ご自宅で試したうえで好きな値段を付けられてください。」

実に気前のいいお申し出にKさんの「おおらかさ」を感じたが、自分で値段を付けるほど難しいものは無い。もろに本性が露わになるのが怖い(笑)。

そこで、曖昧模糊は悪いのではっきりさせておこうと「破格のお値段で恐縮ですが、4本で1万円ではどうでしょうか。」と、事前に申し出ると「ハイ、それでいいですよ。一応使ってみて納得されたら振り込んでください。ご不満のときはそのまま返送せずに持っていて結構です」

これまた非常にありがたい成り行きとなった(笑)。すぐに丁寧な梱包とともに我が家にKT88が到着した。

そこで、27日にこのアンプの元の持ち主だったオーディオ仲間のYさんに来ていただいてアンプの説明書を見ながら「EL34からKT88」への「バイアス調整」を4本とも行った。想像していたよりも比較的簡単に終了した。



さあ、どんな低音(150ヘルツ以下)が出るか、Yさんともども固唾を呑んで耳を澄ましたところ、荒々しくて雄大な低音に二人とも度肝を抜かれた!

フラメンコ・ダンサーの床を踏み締める音が「ドスン・ガツン」から「ドド~ン、ガッツ~ン」と迫力が2倍になった感じ。

「EL34」が分をわきまえた上品な低音だとすると、このKT88はリミッターを外した野放図な低音とでもいえそうで、パワーはおそらく「片チャン30ワット」から「50ワット」ぐらいに増えたように感じた。

新たな「魂」を吹き込まれたウェストミンスターも、きっと「己にふさわしい低音」だと喜んでいるに違いない(笑)。

これでようやく「ワーグナー楽劇」を心ゆくまで堪能できそうだ。



Kさん、どうもありがとうございました。たいへん満足です。すぐにお金を振り込みますからねえ(笑)。



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