「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管アンプ三昧

2014年09月30日 | オーディオ談義

我が家には現在、真空管アンプが10台ある。うち2台がプリアンプで、残りの8台はすべてメインアンプ(パワーアンプともいう)。

「そんなに沢山持っていて、いったいどうするんだ。どうせ同じような音だろうが。」と言われそうだが、ところがどっこい、それぞれに独特の持ち味があって、まったく手放す気にはならない。

真空管アンプを使っていて一番楽しいのは「球転がし」と「真空管アンプ転がし」だが、これらにとって欠かせない道具である。

しかし、もっと凄い人がいる。同じ「AXIOM80」仲間のKさんともなると、14台もの真空管アンプを所持してあり、それぞれ鳴らし比べをして楽しんでおられる。

それもこれもSPユニット「AXIOM80」の反応があまりにもシャープで繊細なので、アンプを替えただけでコロッと音の表情が変わり、その面白さにひかれてのことである。「AXIOM80」には持ち主を溺れさせる何だか麻薬みたいな魔力を秘めている。

さて、真空管といっても1940年代前後の旧い製造のものから近代管まで様々だが、この製造年代の違いについて、つい先日面白い体験をした。

27日(土)の午後のこと、先週に引き続いて近所のYさんがお見えになったのでアンプ(5台)の聴き比べをしてみた。ちなみにいずれも型式は直熱三極管シングルである。

出力管はそれぞれ「WE300B」(1950年代製のオールド)、「PX25」(GECの1950年代製)、「刻印付き2A3」(ヨーロッパの1940年代製」、「71A」(1930年代製)そして唯一、近代管の「VV52B」(1990年代製)。

前4台はそれぞれに魅力的な音を出してくれて大いに魅了してくれたが「VV52B」だけは「ただ音が鳴っている」というだけで引きつけられるものがなかった。Yさんもまったく同感のご様子で、どうやら出力管の製造年代の違いは真空管アンプにとって致命的のようである。

「真空管アンプは出力トランスが一番大切」と仰る方もおられるようだが、我が家に限ってかもしれないが「出力管」が一番大きなカギを握っていて、ほかの部品は引き立て役に過ぎないとの感を深くした。まあ、今更の話かもしれないが(笑)。

しかし、この「VV52B」の馬力(出力15ワット)は我が家のアンプの中ではナンバー1なので、以前どおり「JBL3ウェイ・マルチ・システム」の低音域担当にちゃんと収まった。やはり適材適所である(笑)。

            

ところで話は変わって、ここでオークションでの失敗談を。

つい先日、Sさん(東京)から「AXIOM80の初期版(オリジナル)がオークションに出品されてますよ。ただしカンチレバーの色と厚さがオリジナルとはちょっと違うようですが。」とのメールが舞い込んできた。

我が家の「AXIOM80」(2セット)は残念ながら復刻版なので、その愛好ぶりを常々標榜する以上「初期版」は何としても持っておかねばならない(笑)。

すぐにパソコンを開いてみたところ、非常にコンディションが悪くて、専門業者に持ち込めば何とかなりそうだが修理代が相当かかりそうである。ちょっと迷ったが、初期版は滅多に出ないし、入札価格の方もこの状態ではあまり値上がりしないと踏んで乗ってみることにした。

しかし、結果は残念ながらアウト!

顛末はSさん宛ての次のメール(発信:2014年9月29日8時12分)をご覧になっていただこう。

メールのタイトルは「無念!」。

「S 様  お早うございます。またもや涙を呑みました。落札日(28日夜)間際の時点で、13万円でしたので、これは楽勝とばかり233000円で入札して、あとは白川夜船を決め込みましたが翌朝、パソコンを開いてガックリでした。高値更新で最終落札額は272000円でした。終了間際にバタバタと値上がりした結果のようです。あのボロボロの状態でこの価格ですから驚きました。また、気長に待つことにします(笑)。」

というわけだが、前述の真空管アンプマニアのKさんが傷心の自分をこういって慰めてくれた。

「な~に、オリジナルも復刻版もそれほど変わりませんよ。むしろ低音域は復刻版の方が元気があるみたいで、私も復刻版を1セット欲しいくらいです。相性の悪いアンプで鳴らすオリジナルの音よりも相性のいいアンプで鳴らす復刻版の方が音質は断然上ですよ。」

ま、そういうことにしておきましょう(笑)。    

 


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「ピンチはチャンス」第二弾

2014年09月28日 | オーディオ談義

以前に投稿したブログのタイトルに「ピンチはチャンス」というのがあった。随分昔のことだと思って調べてみたら何と、たった2か月半ほど前の2014年7月14日付のことだった。

「記憶が不鮮明なのは年齢の割にボケが進行し過ぎているせいではないか」と恐ろしくなったが、もっと積極的に沢山の人に接して会話を交わした方がいいのかもしれない(笑)!

さて、このブログの内容だが「オーディオ機器の故障は誰もがイヤ。しかし仕方なく取り換えた新しい機器が期待以上の効果を発揮し、むしろ以前よりもずっと状態が良くなることがある。したがって、なにも機器が故障したからといってガッカリする必要はない、むしろ新しい展望が開けるチャンスに恵まれたと思った方がいい」という趣旨だった。

今回もそれとまったく同じ体験をしたので縷々述べてみよう。

NTTの光回線を利用したテレビの愛用をはじめてからもう5年以上になる。映画やエンタメ番組など37チャンネルもの番組が楽しめるので随分と重宝している。とりわけ「ミュージック」部門も月980円の追加料金で「聴きたい放題」なのもありがたい。

音質はFMよりははるかにいいし、もっぱら歌謡曲を中心に楽しんでいたところ1週間ほど前に、急に画面が映らなくなった。

明らかに故障なので、NTTさんの「ひかりテレビ・カスタマーセンター」に連絡したところ、「症状からみておそらくアダプター付きの電源コードに問題があります。」とのことだったが、
この際「新しいチューナー」(レンタル)に取り換えてもらうことにした。

非常に迅速な対応でもって3日後(24日)には無事到着。

今回のチューナーは3チャンネルが同時使用できるという優れもので、番組録画の時間帯がバッティングしたときに大いに威力を発揮しそう。

セッティングについては前述のカスタマーセンターに電話して、逐一手取り足取りして30分ほどの長電話(無料回線)で教えてもらった。非常に根気強く応対もソフトでさすがに旧「電電公社」(半官半民)の流れを汲む「NTT」だと感心した。しかし、いちいち顧客にこんなに丁寧な対応していると、マンパワーの面で丸儲けは出来ない企業体質かもしれないとちょっと心配~(笑)。

しかし、以前にもリモコンを無償で交換してくれたりして、利用するなら「寄らば大樹の陰」ということを痛感した。

それはともかく、大きく変化したのがミュージック部門だった。歌謡曲からジャズ、クラシックまであらゆるジャンルの40万曲ほどが聴きたい放題でお気に入りの曲は指定リストに登録しておけばすぐに頭出しが出来るというからたまらない。

以前と比べて画面も一新され非常に使いやすくなったので、まるで子どもが新しいおもちゃいじりに熱心になるように、お気に入りの曲目を次から次に指定リストに組み入れた。

たとえば坂本冬美の「なごり雪」「また君に恋してる」、久保田早紀の「異邦人」、美空ひばりの「思案橋ブルース」、前川清の「長崎は今日も雨だった」など、いずれもちょっと古い曲ばかり(笑)。

         

「百聞は一見にしかず」で上記のようなテレビ画面というわけだが、面白いのは本命のクラシック部門。

「魔笛」で検索すると先年亡くなったばかりのサバリッシュ指揮のアルバムを筆頭にズラリと表示されるのでこれは凄い!

ただし、オペラにつきものの「レチタティーヴォ」(叙唱. 歌唱法のひとつで、歌うというより、ふつうの話しことばに抑揚をつけたような歌い方)は省略されているのが惜しい。アルバムごとまるっきり「指定リスト」に入れられるといいのだが、今の段階では一曲ごとになっていて限られている。もちろん、業界に配慮してのことだろう。

拾い物をした印象を受けたのは、モーツァルトのミサ曲「KV.427」(バーバラ・シュリック)。いろんな歌手が入った「オムニバス」アルバムからピックアップしたが、8分ほどの小品にもかかわらず、いかにもモーツァルトらしい光と影が交錯した心に染み入る名曲だった。

KV(ケッフェル:作品番号)の400番台となると、モーツァルトの作曲内容が高度になって大衆から「難しい」とされ、段々と人気を失っていく時期と重なる。一般的なCDを利用する範囲ではまず聴けない曲だが、こういう発掘が出来るのは非常にありがたい。

最後に肝心の音質だが、CDにはやや劣るものの、これで十分だという気にさせられた。衛星アンテナを利用して宇宙からの電波をとらえる「空中戦」だとどうしても、音の実在感が物足りなくなる。これはクラシック専門チャンネル「クラシカ・ジャパン」(CS放送)でイヤというほど体験している。

それと比べると、これは「光回線」を利用して実際にコードを接続しているせいか、明らかに臨場感なり、力感が上という印象を受けた。

つまり「ひかりTVミュージック」の音質は「CD」と「クラシカジャパン」の間に位置していて、どちらかと言えばCDにより近い。

秋の夜長を迎えて、音楽ファンはこの際「ひかりTVミュージック」を導入
されてはいかがかでしょう(笑)。 


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オーディオの季節の到来

2014年09月26日 | オーディオ談義

このところ滅法、心地よい風が吹きわたっていく。

9月の時季に野を分けて吹く強い風を「野分」(のわき)というが、先日、彼岸での母の墓参りの折、道中でススキの茂った野原を強い風が吹き抜けていくのを見ていて、つい「疾風に勁草(けいそう)を知る」という言葉を思いだした。勁草というのは「(風になびかない)強い草」のこと。(そういえば勁草書房という老舗の本屋さんがある)

興味のある方は意味をググってもらうとして、これまで、疾風に出会うと立ち向かうどころか、むしろ“しり込み”するタイプなので、秋風とともに自分の情けなさが骨身に沁みてくる(笑)。

さて、ようやく本格的な「音楽&オーディオ」にいそしむ季節がやってきたようで、人の往来も活発になってきた。23日(火)と25日(木)と相次いでお客さんが試聴にお見えになったのでその顛末を記してみよう。

☆ 9月23日(火)

市内のYさんがお見えになった。クルマで10分程度の距離ということもあって、電話1本でその日の段取りが決められるのですこぶる快感。この日もそうだった。

Yさんはフルートに堪能な方で日頃から生の楽器で耳を鍛えてあるので、どういうご意見が伺えるのか興味津々。それにお見えになる都度、いつも珍しいCDを持参される。前回は「藍川由美」さんの唱歌集だったが、今回は次のとおり。

          

どうやらYさんは女性ボーカルがお好きなようで、仰るには「人間は胎内にいるときに母親の声を聴いて育つので本質的に女性ボーカルを好むようです。実際に知り合いのオーディオマニアはすべてと言っていいほど女性ボーカルが好きなのもその辺に理由があると思いますよ」。

成る程!その伝でいけば、人間は胎児の頃に母親の子宮の中で羊水に浸って育つので、大人になってもそういう素地
でもって「水遊びが基本的に好きだ」という説を聞いたことがある。

それはさておき、YさんがボーカルのCDを頻繁に持ってこられるのは、もうひとつ理由があってそれは我が家の「AXIOM80」がボーカルの再生を得意としているからだと秘かに睨んでいる(笑)。

「有山麻衣子」さんの可憐なボーカルを聴きながら例によってアンプのテストを行い、順に「PX25・シングル」、「71Aシングル」そして「刻印付き2A3シングル」と進めた。音声コードとSPケーブルの付け外しの手間もあってWE300Bアンプの試聴は時間切れとなり次の機会へ。

「アンプによって随分音が変わりますね~」と仰ったが、アンプの順位付けは遠慮されたようで取り立ててコメントなし(笑)。

最後にJBL3ウェイマルチシステムを聴いてもらったところ、さすがに専用のスコーカー(JBL375)とツィーター(JBL075)が付いているだけあってスケール感と躍動感には一目置かれたようだ。

図体が大きくて場所もかなりの部分を占めているので、それなりの音を出してくれないと困るわなあ(笑)。

☆ 9月25日

先日(14日)に開催された「クラシック音楽会」で偶然お会いしたOさん(大分市)。たしか我が家にお見えになったのは2年ほど前のこと。

「お宅で聴かせてもらったAXIOM80の音がいまだに忘れられません。これまでいろんなお宅で音を聴かせてもらいましたが、単体のユニットでは一番いい音ですね。ことボーカルとヴァイオリンの再生にかけては右に出るユニットはありませんよ。」と、Oさん。

「そうですか。1年ほど前にAXIOM80のオリジナルボックスを手に入れましたので、よろしかったらいつでもどうぞ。」と申し上げておいたところ、ようやく実現の運びとなった。

実はOさんが感心された「AXIOM80」の音というのは、当時「タンノイ・ウェストミンスター」のエンクロージャーに収納していた時の話だった。

当時「盲目蛇に怖じず」で、SPユニットの背圧の処理なんかまったく考えもせずに単純に「大きな箱に入れれば、いい音が出るのでは」と「AXIOM80」に補助バッフルを付けてウェストミンスターに取りつけていたのだが、ソースによっては絶大な威力を発揮することがあって、そのときの音がOさんの耳にこびりついているようだ。

ただし、ほかにも「あのときのAXIOM80の音が忘れられない」という方も別に居て、オーディオでは常に平均点の獲得に終始する「優等生」がいいのか、音楽ソースによっては100点もあれば0点もある「やんちゃ坊主」がいいのか、ちょっと考えさせられる。

何といっても人の印象にずっと残るのは100点のときだからねえ(笑)。

この日は「当時のシステムとは随分違いますが」と、最初にお断りしてからOさんが持参されたヴァイオリンのCDをソースに次々とアンプを切り替えながら聴いていただいた。

結局、4台のアンプの中で一番気に入っていただいたのは「71Aシングル」。何とダントツだそうで~。

           

実はこれにはちょっとした秘密があって、今回挿していた出力管は型番を固く口止め(?)されている“とっておき”の「〇〇71A」(笑)。それに整流管もヘタっていると全体的に音がナマルので新品に差し換えていたものだった。

試聴の途中で興味深いことを言われていた。

「真空管アンプからトランジスターアンプに切り替えたときは、音質の劣化がそれほど目立たないのに、今度はトランジスターアンプから真空管アンプに切り替えたときは目を見張るほどいい音になるのに気付きますね。」

どうやら我が家の場合も効果的な観点からアンプの試聴の順番を考えた方が良さそうだ(笑)。

最後にJBL3ウェイシステムを聴いていただいてお開きとなったが、「いいバランスで鳴ってますよ。これは“おおらかさ”を楽しむシステムですね。」と好評だった。

2時間半ほど試聴していただいて、ラッシュアワーにかかる前の16時半ごろに帰途につかれたが、Oさんの繊細な耳の感覚は相変わらずだと感心したことだった。
 


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粒ぞろいの真空管アンプ

2014年09月23日 | オーディオ談義

つい先日(14日)、お寺の大きな本堂で開催された「クラシック音楽会」(ブログ掲載済)。

いろんな曲目を聴かせてもらったが、中でも「オッ、これはいい!」と魅せられたのがコレッリの合奏協奏曲(OP.6)だった。実は昔から、この曲が大好きでイ・ムジチ(フェリックス・アーヨ版)のレコード(4枚組)を繰り返し聴いたものだった。

レコードからCDに切り替えたときに、アーヨ版のCDが復刻して発売されないものかと執念深くずっと追いかけたがとうとう発売されず仕舞い。

とりたてて高邁な(?)曲ではないが、弦合奏の響きが実に心地よくて聴いているだけで天国的な気分に浸れるのがいい。

今回聴かせてもらった演奏はイ・ムジチとは違った斬新さがあったので注目したわけだが、演奏者を確認したところ「エイヴィソン アンサンブル」(イギリス)というのが分かったので、すぐにメモして帰宅するなりHMVに注文し、ようやく自宅に到着したのが20日(土)の午後。

          

いずれも2枚組の「SACD」だが、画像右側のヴィヴァルディの「和声と創意への試み」(「四季」)は、これも昔イ・ムジチの演奏で一世を風靡したものだが、
買い物ついでのおまけ程度で一緒に注文した。

音楽を聴くのにふさわしい季節になったことだし、土曜の午後から月曜にかけてずっと聴き耽ったが100%満足かと問われると、まあ85%ぐらい~。

あの大きな本堂で聴かせてもらったときの豊かな音響空間の拡がりには到底かないっこなく、それに比べると我が家の音はまるで箱庭で聴くみたい(笑)。

俗に「(女性の)色の白さは七難隠す」という言葉があるが、広大な音響空間に恵まれるとシステムのアラはすべて覆い隠されるといっても過言ではあるまい。

それにしても、このCDの録音の良さは特筆すべきで所有している中ではまさにダントツの存在。「LINNの超ハイファイ録音」ということに心から納得!これから「リファレンスCD」として大いに活躍してもらうことにした。

そこで、このCDをテスト盤として丁度よい機会とばかりに手元の4台の真空管アンプの聴き比べを行ってみた。スピーカーはもちろん「AXIOM80」を使用。それぞれのアンプの個性がよく分かって実に楽しい実験だった。

はじめにトップバッターとして「71Aシングル」の登場。

          

71Aは知る人ぞ知る名管である。さんざん真空管遍歴を重ねた人が最後に行き着くのがこの71Aとも言われている。このすっきりと見通しのいい透明感を知っているマニアは幸せなるかな!

こんな音を聴かされると、低音不足なんかどうでもよくなってしまうから不思議。以前、どなたかから「(周波数)レンジを追いかけるとキリがないよ」と忠告された記憶があるが、その言葉の持つ意味がこのアンプの導入によってようやく分かってきた。

優れた真空管は持ち主を大いに啓発してくれるが、このアンプの出力がたかだか0.5~1ワット程度とはとても信じられない!

次に「刻印付き2A3シングル」。

         

音の重心が少し下がってきて、全体的にうまくバランスが取れた音になる。情報量も十分だし、響きも艶やかで注文を付けるところがない。これ1台あれば、もうほかのアンプは要らないと思わせるほどの説得力がある。先日の「AXIOM80愛好者の集い」(4名)でも評判がもっとも良かった。「刻印付き2A3」はどうしてこんなにいい音がするんだろう!

次に「PX25シングル」。

         

最近、「71A」や「刻印付き2A3」に押されて、なかなか出番の来ないアンプだったが、ようやく久しぶりの登場となった。一言でいって過不足のない音でとりたてて不満はないが、いかんせん、絶対にこの音でなければいけないという魅力に乏しいようだ。

欧州の名三極管とまで言われる「PX25」が、こんなはずではないと思ったので出力管を純正のPX25(イギリス VR40)に交換。これまで聴いていたのは実はチェコ製のPX25だった!ついでに本気度を示して整流管を「WE422A」と奮発。

差し換えて一聴した途端に「これだ、この音なんだ!」と思わず頷いた。中高域方向に独特の音づくりがしてあって、ヴァイオリンが実物以上に美しく聴こえる!しかし、この辺は“装飾過多”として好き嫌いが大きく分かれるところだろう。自分は大好き~(笑)。それにしても出力管次第でガラッと印象が変わるのだから真空管は奥が深い。

最後に真打の「WE300B(オールド)シングル」の登場。

            

これは手持ちのアンプの中でもっとも“金食い虫”のアンプである。おそらく現在の時価総額に引き直しても“まあまあ”のレベルに到達するはず。もともと、根が貧乏性のせいか元を取り返したい一心なので一番良く鳴ってほしいアンプである(笑)。

先日の「AXIOM80愛好者の集い」では惨敗を喫したが、あれからいろいろチャレンジするうち一番効果があったのがドライバー管を英国マツダのAC/HL(μ=35)からムラードのTT4(μ=6)に差し換えたところ、これがバッチリ。

さて、その試聴結果は?

“四番煎じ”は好ましくないのでここではクドクド言うまい!「美は人を沈黙させる」(小林秀雄)とだけ述べておこう。

総括すると、4台のアンプそれぞれが他では得られない持ち味を発揮してくれて、よくもこれだけ粒ぞろいのアンプを揃えたものだと我ながら感心した。誰かの言葉ではないが「自分で自分を褒めてやりたい」(笑)。

最後に、前二者のアンプの試聴はDAコンバーター(ワディア製:ボリューム付き)にプリアンプを接続した方がGOODだったが、後ろの二者のアンプは出力に恵まれていたせいか、プリアンプを外した方が聴きやすかった。

この辺りはプリアンプの功罪を含めて研究の余地がまだありそうで、次回に「AXIOM80」仲間がお見えになったときに比較試聴のうえ確認してもらうことにしよう。


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「ペンは剣よりも強し」とはいうものの

2014年09月20日 | 独り言

つい先日のことだった。家内に向かって「おい、朝〇新聞の契約はいつまでになってるんだ?」

「はい、9月までです。」

「丁度良かった。もう9月いっぱいで購読打ち切りだからな!」

「エッ、朝〇新聞がどうかしたんですか?」

「お前は新聞の社会面をまったく読まないのか!」と一喝したいところだが、「倍返し」が怖いので無言「・・・・」(笑)。

とにかく慰安婦問題、原発の吉田調書の誤報など、朝〇新聞の失態は目を覆うばかり。国際的な影響を考えると、罪は万死に値する。

その報いを当然受けるべきなので、長年愛読してきた朝〇新聞とはこの際きっぱり縁を切ることにした。したがって10月から我が家は“郷土色”豊かな地元紙だけになる。ちょっと淋しくなるが仕方がない。

ちなみに、この地元紙の社長さんはオーディオの名門「ウェスタン」の音響機器のマニアとして知られている。ずっと以前、東京出張の折にウェスタン専門店を訪ねたところ、店主との雑談の中で「大分県といえばN社長さんですね」と名前が即座に出てくるほどの、その道では有名な方である。

大きな新聞社専用のビルの一角に、あらゆるウェスタン関係の機器が厳密な空調管理のもとに所狭しと並んでいると“まことしやかに”噂されている。こういう社長さんのオーディオセンスを反映してか、この新聞は地方紙の割には報道ぶりがなかなか“垢ぬけ”しているといつも思う。

さて、これだけテレビやネット情報が氾濫していると新聞の役割も当然見直されてしかるべきで、全国紙による「世論の形成」といった“ご大層な使命”も、もはや時代遅れとなっている感が強い。これからは地元の情報に特化した「郷土紙の時代」がやってくる!?


それはともかく「ペンは剣よりも強し」という懐かしい言葉があって、新聞社が「剣=暴力、権威」に屈しない姿勢は大切だが、今回の朝〇新聞のような事例もあるので「正しいペンの使い方」についても一考の余地がある。

ちなみに、この標語は東大進学率で超有名なK高校の校是としても知られており、日本の知識層の精神的な支柱になっているといえばちと大げさかな(笑)。

さて、ネット情報だって活字なのでいわばペンと同義語みたいなものだが、はたしてどれが正しくて、正しくないやら、まるで玉石混交の状態。質の高い情報を得ようとするためには個人ごとの「メディア リテラシー」が強く求められるところ。

翻って自分のオーディオ関係のブログもこの10月で丸8年になり、登載した記事は現在時点で1220件に上るが、中には間違った内容がかなりある。

記載するときは正しいと思っていたことが後になって間違いだったと判明するわけだが、いちいち過去記事を見る人は少ないので、ほったらかしである。無責任といえば無責任だが、こればっかりは責任の取り様がない。

一般的に、ブログを含めてネットにはそういう怖さがある。

しかし、読者の方々もその辺を割り切っているようで「この人、おかしなことを書いてる」と気が付かれても、わざわざ訂正を求めてくるメールはほとんど皆無である。

皆さん、適当に読み流しているし、自分もつい適当に書き流しがち~。それに、書いてある内容を押し付けようとは金輪際、思っていないし、あくまでもワン・オブ・ゼムとして勝手に取捨選択していただければそれで十分(笑)。

以上は目による情報の取得だが、次に耳による情報の取得について。

新聞、テレビ、ネットはいずれ融合していくものとされているようだが、その中でテレビの優位性はまず動かない。耳は目と違って脳の認知機能のごく近くに位置しているので耳情報の方が記憶に残りやすいし情感にも訴えやすい。

以前、「モーツァルトで免疫力を高める、老化を防止する、快眠へといざなう」(和合 治久著)という本を紹介したことがあるが、その中で次のようなことが書かれていた。

☆ 聴覚は心臓が停止した30分後まで残っている感覚

人間は外部からの刺激を聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚という五感でキャッチしているがその中で聴覚は最後まで生き残っている感覚で心臓が停止した後も30分間くらい働いている。したがって、意識のない病人の枕元で悪口を言ったりするのはとんでもないこと。(そんな人はいないだろうが・・・)

聴覚が休みなく働くことは(危機をいち早く察知するという点で)動物にとって極めて重要な機能で五感全体が脳に送っているエネルギーのうち85%以上が聴覚によるものである。

この聴覚に特化した“遊び”が「音楽&オーディオ」というわけだが、我が家にお客さんが見えたときはつい耳の形に目がいってしまう。それこそ耳の形は人によって千差万別だが、これだけそれぞれの耳の形が変わっていると聴こえてくる音も違うはずだから音の好みが個人ごとに違っていて当たり前であるといつも思う。

耳というのは見れば見るほど不思議な形をしているが、これに関して面白い本があった。現役のお医者さんの著作「芥川症」(2014.6.20刊)。

                  

7編に分かれた短編集だが、その中に「耳」というのがあって次のような箇所がある。(90頁)

「耳に関するエピソードで面白いのはモーツァルトの耳の形が異常だったという話だ。天才作曲家の耳が歪(いびつ)だったというのは、自然の悪戯にしても皮肉が利きすぎている。

ある医学雑誌によれば、モーツァルトの左耳は生まれつき形がおかしく、大きさは普通だが、耳輪が耳たぶの下にまわり込み、対輪の下が渦巻くように跳ね上がっていたらしい。


モーツァルトはそれを気にして、肖像画は右側から描くことを求め、左側から描くときはかつらで耳を隠したという。しかし、耳の畸形は悪いことばかりではなく、モーツァルトの死ぬ年に生まれた息子が、弟子のジュスマイヤーと妻コンスタンチェの不義の子ではないかという噂が流れたとき、息子がモーツァルトと同じ形の耳をしていたことから疑いが晴れたという逸話が残っている。」

後半の話はちょっと余計だが、モーツァルトほどの絶対音感の持ち主が耳の形が歪だったということは、耳の形と音を聞き分ける能力とはどうやら関係がないようで、我が耳の形と照らし合わせてまずは“ひと安心”(笑)。


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初めての体験「ハイレゾを聴く」~最終回~

2014年09月18日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

よく考えてみたら、「ハイレゾを初めて聴く」なんてタイトルは、自分のマイナス部分をモロにさらけ出すようでちょっと不穏当だったかもしれない。

心なき人から「今ごろハイレゾを初めて聴くなんて無知にも程がある!」なんて攻撃を受けそうだが、“ありの~、ままに~ → 「リアリティ」”がこのブログのモットーなので仕方がない(笑)。

まず会場の全景を再掲しておこう。

          

それなりによく考えられたシステム配置である。両端のスピーカー(タンノイ・ウェストミンスターR)の真ん中に反響機器を置いて音の中抜けを防止しているし、それぞれ両脇には厚い板を補強している。

会場に着いたときにはすでにレコードによる音楽が再生されていたが久しぶりに聴くウェストミンスターの同軸2ウェイの音が懐かしかった。我が家のは「TWシリーズ」だが、これはそのひとつ前の「Rシリーズ」。

しかし、音の良し悪しは別にして個人的な意見を言わせてもらうと、(日頃「AXIOM80」ばかり聴いているのでそれとの比較になるが)タンノイ独特のやや硬質な中高音域、大きな図体の割にローエンドまでスッキリ伸びきらない低音域に「やっぱりなあ~」と落胆。

これが嫌で自分は「TW」を改造してJBLシステムとの混成旅団に再編成したのだが、改めて「正解だった」と確認した。

ちなみに、同じタンノイの最高級システムでも「オートグラフ」と「ウェストミンスター」ではまったく別物で、前者には欠点をさらけだしながらも逆に居直って、「これでどうだ、文句あっか!」という独特の“ふてぶてしさ”が見られるのが一流の役者たる所以。

そうこうするうち期待の「ネットオーディオ入門」の講演が始まった。パイオニアの原賀さんという方から非常に分かりやすい解説があった。

冒頭に「パイオニアのオーディオ部門(子会社:パイオニア・エレクロニクス)が無くなるという話がありますが、これからオンキョーさんと手を組んでやっていくのでまったくご心配は要りません」という趣旨の話があった。

折しも昨日(17日)の朝刊(朝日)に、「パイオニア2200人削減」という小見出しが躍っていた。オーディオ事業の売却などで人員を削減し、今後は「カーエレクトロニクス」事業に集中していくのだという。

俗にいう経営の「選択と集中」というわけだが、画期的なカラオケ・システムやカーナビの開発普及がなければとっくの昔にパイオニアは潰れていたに違いない。しかし、何といっても「プラズマ テレビ」の失敗が大きな痛手だったかなあ~。

余談はさておき、自社のミュージックサーバー「N-50」(ネットオーディオ用機器)を使って、乱立するパソコン・ラジオ局の音を拝聴させてもらった後、いよいよ「ハイレゾ」音源による曲目を聴かせてもらった。

ちなみに「ハイレゾ」とは周知のようにハイレゾリューション(高解像度)の略語。“ハイレゾ音源”とは、CDを超えてよりマスターソースが持っている情報量に近い高解像度の音源(データ)のことを指す。 CDよりも情報量の多いハイレゾ音源ではきめ細やかな音になり、CDでは再生できない空気感と臨場感を表現する事ができます。」(ネットより)というもの。

ソースは日本人の女性ボーカリストだったが一聴した途端に「オッ、これは凄い!」。まるで録音現場を再現したような臨場感が広い会場を支配した。まったく想像以上の音質!

これまで聴いてきた音とはまったく次元が違っていて、我がオーディオの歴史の中でもエポックメーキング的な音だった。

それに、あの気になっていた「タンノイRシリーズ」の音質がまったく気にならないのにはほんとうにビックリした。音の入り口が次元を越えたクオリティだと、システムのアラをすべて覆い隠すということを身をもって体験した。

原賀氏によると、ハイレゾはマスターテープの段階から掘り起こしての録音収録作業になるので音声データを圧縮したCDとはまるっきり別物とのことで、音質が抜群なのも十分頷ける。

こういうことなら我がシステムもすぐに(ハイレゾに)移行したいところだが、何せ1枚のアルバムをインストールするのに「4000円」程度というのが大きなネック(笑)。ちょっと高い!

いくら“いい音”だって、個人の経済レベルの矩(のり)を越えて投資べきではないというのが自分のポリシーだが、その一方では“お気に入り”のアルバムを厳選して100枚購入するとしてその代金がおよそ40万円、それ以外は手持ちのCDで間に合わせるというパターンも許される範囲かもしれない~。

夜の飲み屋とはいっさい縁がないし、ゴルフとも無縁だし、カーマニアでもなし、せめて「音楽とオーディオ」ぐらいは贅沢させてもらわなくっちゃねえ(笑)

それに、投資効率から考えると、オーディオシステムを「音の入り口 → 増幅系(アンプ) → 変換系(スピーカー)」に図式化すれば、すべての段階に良質なものを揃えるのに越したことはないが、物理的には概ね一定のレベルに達している増幅系にはあまりお金をかける必要がないのかもしれないと思った。

たとえばアンプに50万円をそっくり投資するのと、10万円をアンプに投資して残りの40万円をハイレゾ音源に突っ込むのとでは、どちらに軍配が上がるのか、それはもう各人の考え方次第だが自分なら後者を選択する。ただし、ちっぽけで頼りなげなUSBメモリーによる(アルバムの)デジタル保存に頼りなさを覚える向きは別(笑)。

ちなみに、今回使用されていた「N-50」はDAコンバーターを兼ねておりプリアンプに直接接続(アナログアウト)できるのがいい。お値段の方もネットでググってみると市場で5万円前後のようで性能の割には安い!

              

既存のシステムとの相性を一考する必要があるが、これからネットワークオーディオを真剣に検討してみる価値は十分あると思った。

会場を後にするときに主催の「〇〇ムジーク」の店主「H」さんに「どうも貴重な機会をいただいてありがとうございました。」と、ご挨拶すると
「いやあ、終了後にウェストミンスターを搬出するのがたいへんです。」

そうですよねえ。重さ100キロもあるスピーカー(2台)の搬入・搬出など準備万端を考えると、音楽会の開催はたいへんな負担になったはずで、これを契機に販路の拡大を祈ってます~。


それはそれとして、ふと、我が家の「AXIOM80」をこの広い会場に持ち込んで「ハイレゾ」を聴いたらどういう音がするんだろうと思った。

もしかして「天国的な音」で「至上の音楽」が聴けるかもねえ(笑)。
 


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初めての体験「ハイレゾを聴く」

2014年09月16日 | オーディオ談義

昨日(15日)、ミステリー「蜂に魅かれた容疑者」~警視庁総務部動植物管理係~を読んでいたら、5頁に次のような“くだり”があった。

                

「須藤(主人公の警部補)は9月初めのこの季節が好きだった。今日のように暑さを感じるときもあるが、真夏特有の、湿気を伴った不快さは既にない。冬へと向かう物寂しさがある一方、空気は澄み、自然と身が引き締まってくる。」

あまりにも今の自分の思いとピッタリなのでつい引用させてもらった。(ちなみに、この本はちょうど真ん中辺りまで読んだがなかなか面白い!)

とにかく春夏秋冬の中でこの時期が一番好きである。そういえば「セプテンバー ソング」というのがあるが、歌のタイトルにもなる情趣漂う月といえば一年の中でこの9月をおいてほかにないのではあるまいか。

そして「音楽&オーディオ」の虫がそぞろ蠢き、胎動してくる季節でもある(笑)。

この季節にふさわしい「催し」のお知らせが1週間ほど前に飛び込んできた。

「Classic音楽会のお知らせ」

日時 :9月14日(日) pm1時30分~pm5時45分頃まで

ところ :〇〇寺・本堂にて(大分市)

pm13:30~15:00  フリータイム JAZZ・POPS

pm15:00~16:00 ネットオーディオ入門編

pm16:30~17:45 TANNOYウェストミンスターRでクラシック試聴会

使用機器

TANNOY ウェストミンスター/R  マランツ SA-11S3(SACD) カンノ KP-300プリ 300BMNパワー/モノ×2台) オラクルDelphi mkⅢ(プレイヤー)+Grado トーンアーム  パイオニア ミュージックサーバー N-50
(ネットオーディオ使用機器)

主催は県内で唯一の専門オーディオ・ショップ「〇〇ムジーク」さん。

今から30~40年ほど前のオーディオ全盛時代には県内でも有名百貨店やレコード店などにオーディオ部門が併設されていて、それはそれは賑やかな時代だった。

あの頃の我がシステムは、当時「黄金の組み合わせ」と言われていたラックスの真空管プリメインアンプ「SQ38FD」とスピーカーは「タンノイⅢLZ」(オリジナル・イン・キャビ)、レコードプレイヤーはマイクロ精機でカートリッジはオルトフォンのSPU-GTE、STSの455Eなどで聴いていた。あのころは暇さえあればオーディオ店をハシゴしていたなあ~。

それがオーディオの退潮とともに一抜け、二抜けと段々撤退していって、とうとう今では孤軍奮闘状態となってしまった「〇〇ムジーク」さん。

そのムジークさんからの「お知らせ」とあれば、ぜひとも参加しなくては~。それと、もうひとつ興味を引かれたのが「ネットオーディオ入門編」の講演。パイオニアの営業マンの方が実際にお見えになるというのだから、これは絶対に逃がす手はない。

この「ネットオーディオ」だが一般的に高齢のオーディオマニアは、アンプやスピーカーにはやたらに詳しいものの、やや手薄になっているのが音の入り口部分、つまりパソコンやデジタル関係にあることは否定できない。

ブログ程度の読み書きとは違って、複雑な(?)パソコン操作と聞いただけで苦手意識を持つのはおそらく自分だけではあるまいが、少額の投資でCD以上の音質が手軽に聴けるとなれば、食わず嫌いのままには放っておけない。すべては「いい音」のためだから、がんばらなくっちゃあ(笑)。

いざとなれば高校時代の旧友で我が家に定期的に来てくれるパソコン博士のU君に「お助けマン」となってもらう積もり~。

さて、興味津々のもと、自宅を12時半ごろに出発してクルマを会場近くのオーディオ仲間のMさん宅の駐車場に置かせてもらって連れだって会場に到着したのが丁度開演時の13時半頃だった。

            

以下、続く。


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掘り出し物!

2014年09月14日 | オーディオ談義

このところオークションで漁っているのはもっぱら真空管(古典管)ばかり。

真空管といっても高いのから安いのまでいろいろだが、狙い目はいわば小物といわれる電圧増幅管や整流管。

この8月以降に購入したものを時系列でザット整理してみると次のようになる。

 PHILCO 80 ブラックプレート刻印整流管2本 吊りヒーター

 欧州管 Zaerix 電圧増幅管MH4(2本) ソケット付

 OSRAM 電圧増幅管MHL4(2本) 

 Cunnigham 出力管トリタン球CX-371 ナス刻印(1本)

 RAYTHEON 整流管VT-244(5U4G) 軍箱2本

 MAZDA 電圧増幅管AC2/HL×1本ナス管

 RAYTHEON 整流管80

 TRIOTRONの電圧増幅管A430N(=REN904)

 COSSOR 電圧増幅管41MRC

 RAYTHEON UNILINE 電圧増幅管6FQ7(2本)

 RCA 出力管UX-171 トリタン ナス刻印(2本)

 VISSEAUX 出力管2A3(1本) 

 ナショナル 電圧増幅管12AU7 初期型 (4本)

13件ものオンパレードで大忙しだった。自分で言うのもおかしいが、涙ぐましい努力である(笑)。

どうしてこうも真空管に固執するのかというと、周知のとおり(真空管は)消耗品だが、マニアにとってお気に入りの真空管がイカレテしまうのは恐怖の的であり手足をもがれた様なものである。

そこでスペアとして補充するとともに「もしかして、今の真空管よりももっといい音が出るかもしれない」という期待から購入するわけだが、真空管次第で音楽鑑賞の趣がコロッと変わるのだから恐ろしい世界である。

もちろん、中にはオークションにつきもののハズレも当然あるがそういう時は賭けごとに負けたときと同じで声を小さくしている(笑)。

この中で一番の掘り出し物(値段が安くて性能がいいという意味)は、最後尾に記載したナショナルの「12AU7」(4本)である。この12AU7は電圧増幅管の中でも最もポピュラーといってもいい球で、我が家でも5台の真空管アンプの初段管に使っている。

         

オークションの説明文にはこうあった。

「自作のアンプでノイズ等の問題無く動作したものです。1本の価格で出品しますので、落札後本数をお知らせ下さい。4本とも程度は一緒できれいと思います。初期のプレートの長い管です。動作で問題はないと思いますが、すみませんが、ノークレーム、ノーリターンでお願いします。」

「初期のプレートの長い管」という言葉に思わずピ~ンときたねえ(笑)。

なぜかというと、国産でも初期の古典管ともなると丁寧に作られたものが多くて、お値段のわりにとても性能がいいし、同型なら真空管のプレートは長くて大きいに越したことはない。

しかも、スタート価格が1本当たり1000円。これはメチャ安い!結局、1本当たり1300円で運よく落札。もちろん、4本まとめて購入した。

真空管のご到着は12日(金)の午後だった。送料が安い「定形外郵便」で発送してもらったが、実に丁寧な梱包でこれなら安心。

さっそく、WE300アンプの12AU7(RCAのクリアトップ)と入れ替えて聴いたところ、アッと驚いた。音響空間が明らかに拡大したのである!これはまったく情報量の増加の賜物だし、二段目の電圧増幅管、英国マツダのAC/HLとの相性もグッドだったのだろう。たいへんなお買い得に思わずニッコリ。

さっそく、同じ「AXIOM80」仲間のKさんにご注進。

「ナショナルの初期型ロングプレートの12AU7を購入して鳴らしたところ、メチャいい音でした。とんでもない買い得でしたよ!」

「それは大正解でしたね。私も同じものを5本ほど持ってますが、とても音がいいので“12AU7”の中でエース的な存在にしています。」

ウ~ン、残念!見事にKさんを出し抜いたと思ったのだが、上には上がいた~(笑)。
 


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ミステリーを読む

2014年09月12日 | 読書コーナー

福岡市内の病院に入院している親族のお見舞いを兼ねて1泊2日(9月6~7日)の小旅行に行ってきた。

昔は博多まで片道3時間半かかっていたのが、今ではおよそ2時間(JR特急)と随分便利になったが、それでも車中は退屈なので、図書館から借りてきたミステリーを読み耽って、ちょうど往復の4時間で読了。

                             

作者の「翔田 寛」(しょうだ かん)さんは「誘拐児」で推理作家の登竜門とされる「江戸川乱歩賞」(賞金1千万円)を受賞されている。

乱歩賞受賞作といっても、自分に言わせればピンからキリまであって中にはとても読むに堪えないお粗末なのもあるが、この「誘拐児」はAクラスといっても過言ではない作品だったので爾来「翔田 寛」さんには注目して、すべての著作を見逃すことなく読破してきた。

今回の「探偵工女」も期待にたがわぬ快作だった。あらすじをかいつまむと、

「日本の近代化を推進する原動力として、明治新政府が総力を挙げて建設した富岡製糸場。開業翌年の明治5年、この大規模器械式製糸場内で、若き工女が惨殺死体となって発見された。密室殺人の裏に隠された意外な真相に、被害者の傍輩である工女が迫る。」

明治維新後まもなく、不平士族の反乱など騒然とする世情の中で警視庁から派遣されてきた敏腕刑事と15歳の工女が事件の解決に当たるというもので、読了してしまうと「仕掛けは他愛ない」の一言だが、なかなか息も継がせぬ展開ぶりはさすがだった。

久しぶりにミステリーの面白さに触れて、娘の所に泊まった折に書棚から2冊ほど失敬してきた。

          

出す本が次々にベストセラーとなる東野圭吾さんも過去に「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞している。当時は正直言って大した才能ではないと思ったが、随分と成長がめざましいようだ(笑)。

ミステリーといってもトリックばかりではなくて登場人物の造型がしっかりしていないと「駄作」に堕ちてしまうが、「容疑者Xの献身」(直木賞受賞)では犯人像の見事な設定と人物描写に思わず唸ってしまった。今や押しも押されもせぬ日本を代表するミステリー作家と言っていいだろう。

ちなみに、最近「ひかりテレビ」で映画「容疑者Xの献身」を観たが、犯人の「堤 真一」の存在感があまりにも強くて主役の「福山 雅治」(探偵役)の方がすっかり陰が薄かった。二枚目といっても形(かた)無しで、映画に出演する俳優同士ってのは、演技を通じてお互いに「喰うか、食われるか」の強力なライバルなんだなとつくづく思った。

ずっと以前に観た洋画「ギルバート・グレイプ」でも生まれつきの痴呆役を演じた「ディカップリオ」が凄い演技で、お兄さん役の「ジョニー・デップ」をすっかり喰ってたことを憶いだした。

さて、「麒麟の翼」も期待にたがわぬ佳作だった。トリック、意外な犯人、しっかりした人物像などまったく言うことなし!

「新参者」もこれから楽しく読ませてもらうことにしよう。ところで、宮部みゆきの話題作「ソロモンの偽証」がようやく文庫本となってこのほど2冊刊行された。3か月おきに順次2冊づつ刊行されていくという。

娘が既にこの2冊を購入しているので「お父さんが先に読んであげる」と、言って持って帰ろうとしたところ「ダメ~ッ」。

全巻そろってからゆっくり読むのを楽しみにしているという。「いいじゃないか、先に読んだからといって活字が薄くなるわけでもあるまいし~」と言うのだが、頑としてきかない。まあ、いっか(笑)。

最後に、親族が入院している病院は福岡市の郊外にあるのだが、JRの駅の近くに見上げるような高層マンションが建築中で、その前の立札には「完売」の文字が躍っていた。

こんな大きなマンションでも建築中に「完売」になるんだから、田舎者には驚くばかり。福岡でこれだから、東京、大阪、名古屋となるとこれ以上なんだろうなあ。

連想して、おそらく都会に住んでるオーディオマニアの大半はマンション暮らしなのだろうと思った。騒音に配慮し、上下の階と両隣に気がねしながら音楽を聴くのはたいへんかもねえ。

近年、小音量でも音像がぼやけず、あくまでもクリヤーな音質が求められるのも一つにはこういう理由があるのかもしれない。

となれば、けっして大きな音量を求めない「AXIOM80」(以下、「80」)の人気も“むべなるかな”(笑)。

昨日(11日)の午後、近くの公園をウォーキング中に「夢の途中」(携帯のテーマ音楽)が鳴り響いた。「80」愛好家のKさんからだった。

「耳よりのニュースです。AXIOM80の未使用の最初期のユニットがオークションに出品されてますよ。」「オッ、そうですか。いくらで出品されてますか?」

「それが~、何と即決60万円ですよ。」

ウ~ン、これはまったく狂気の沙汰だ!(笑)


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オーディオの「限界」と「見切り」

2014年09月10日 | オーディオ談義

およそ2週間前に実施した一連の4つの試聴会があまりにも印象的だったので、いまだに尾を引いていて、そのときの状況をときどき憶い出す。

その中で、とりわけ深く脳裡に刻まれているのが「AXIOM80」(以下、「80」)愛好家の4名が我が家に集まって開催した試聴会(8月26日)。

皆さんいずれも、「80」とは似た者同士のような穏やかな英国風の「紳士」ばかり(笑)。したがってシステムの欠点について直截的な“ものの言い方”はされなかったものの、およその雰囲気で自ずと分かるものである。

一番の問題点は「80」の低音補強用として一緒に鳴らしていた「AXIOM301」(以下、「301」)にあったことは、時間が経つにつれておいおい分かってきた。今さらだが、何しろ自分は鈍感で疎いのでね~(笑)。

                  

(画像を)ご覧のとおり「80」をフルレンジのままで鳴らし、およそ200ヘルツあたりをハイカット(6db/oct)して「301」で低音域を補強するという鳴らし方である。駆動するアンプは真空管「PX25」シングル・アンプで、「80」の方は「WE300B」シングル・アンプ。

ソース(CD)によってはうまくいくこともあるが、一方では低音域が中高音域に被ってきて聴きづらいこともあるので一長一短である。

オーディオでは「音の分解能」と「音の量感」の両立は旧くて新しいテーマだが、この相反する要素は“さじ加減”が実に難しく「どちらを大事にする傾向があるか」によって、それぞれのマニアの個性が大きく色分けされている。

ただし、「80」に限っては量感(スケール感)に重きを置くことは折角の個性を台無しにする恐れがあり、まったく「木に縁りて魚を求む」ようなものである。

たぶん試聴会のお客さんたちはその辺を勘案して「301は付け加えない方が無難ですよ」ということだったのだろう。

試聴中に“どなたか”から「私は80に(本格的な)低音を期待していません」という発言があったが、その辺の事情を示唆した言葉といえよう。

つらつら考えてみるに、80の一番の持ち味は音声信号に対する反応の速さ(スピード)にある。シャープな音像とその彫の深さをひたすら楽しむユニットなのに、その一方で(低音域への)周波数レンジを求めるのは、とんでもない欲張りというものでまったくのお門違いだったということにようやく今ごろになって気が付いた。

いったい、何年オーディオをやってるんだ!(笑)

もちろん、アンプやエンクロージャーなどの適切な活用によって最大限の努力はすべきだが、「限界」と「見切り」はちゃんと考えておくべきで、その辺を“わきまえる”ことなく際限なくレンジの拡大を求めた「お馬鹿さん」がここに一人いたというわけである。何しろ「オーディオシステムは(心理的に)8割方うまく鳴れば良しとすべし」なんだから~。

こうして“反省しきり”の心境のもとで昨日(9日)、ようやく一大決心して早朝の起き抜けに「301」を外した。こういう力(ちから)仕事は元気のいい“朝一番”しか出来ないがそれでも腰を痛めてしまった(笑)。

                   

この設置スタイルの方が、音響面からも後ろのJBLシステムにとっていいようだ。ちなみに袴型のスピーカーにSPベースを敷くのは経験上どうも思わしくなく、床(我が家ではコンクリート)に直置きが一番いいようである。要らん世話だが(笑)。

それにしても、こうまで深く(?)思考させ、手間暇(てまひま)かけさせる「80」への愛情と魅力とはいったい何だろう。その点、同じ「80」仲間のKさん(福岡)といつも次のように確認し合っている。

「ほんとうに性能のいいスピーカーに巡り会えて私たちは幸せものですよ。長年使ってもまったく飽きが来ず、汲めども汲めども尽きない泉のようなところがあります。アンプをはじめとする周辺機器の能力をたちどころに明らかにするので常に新たな発見があります。このユニットを聴き慣れると、他所様(よそさま)のどんなシステムに接し
てもけっして驚くことがありませんし、大ポカ(無駄遣い)をしなくて済みますね~」。

ただし、うまく鳴らすのは極めて難しいSPユニットだと老婆心ながら申し上げておこう(笑)。

ところで、先日のオークションに「本物、名器グッドマンAXIOM-80ペア昭和26年初期型」のタイトルで程度のいい「80」が次のような解説文とともに出品されていた。

           

「出品に当たり大阪のリテルマネジメントさんへ送り、点検調整していただきました。前所有者様はすでに亡くなられていますが、昭和26年に購入されたと聞いております。

再発売されたAXIOM80とは全く別物という話を聞きますが、確かにべークのカンチレバーの厚みを測りましたら0.4ミリととても薄く、コーン紙は息を吹きかけるとふっと動くといわれますが、そのぐらい軽く動くという話で、実際には軽くふいただけでは動いたかな?という感じですが、おそらく強く吹けば動くと思いますが、怖くてできませんでした。

出品に当たり軽くならしてみましたが以外と低音も出そうな雰囲気でしたが、何よりも魅了されたのは弦楽器の音でバイオリンの音色がこれ以上ないといういつまでも聞いていたいような素晴らしい音に感じました。

ただ60年以上も経過してますのでコーン紙の補修跡などありますので、そのあたりはご理解ください。センターのコーン紙はいかにも堅そうな黒光りしてるタイプで、左右そろっております。」

この「80」は自分のような復刻版所有者にとっては大いに気になる存在だが、残念なことに自分が探している最初期型ではない。今回も深く懊悩しながらもやむなく見送った。ちなみに最終的な落札価格は「301千円」だった(9月6日付け)。

わざわざ「オリジナルの80が出品されてますよ」のご一報をいただいたSさん、そういうことなのでまたもや気長に待つことにします。

「待てば海路の日和あり」ですよね~(笑)!


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アース接続の新兵器

2014年09月04日 | オーディオ談義

先週の「オーディオ週間」の掉尾(とうび)を飾ったのは、同じ別府市内のYさん宅のオーディオ・システム。

            

エソテリックのCDトランスポート、TADのDAコンバーター、パワーアンプはマークレヴィンソン(モノ×2)、自作のSPユニット群という構成である。

Yさんは実際に趣味で楽器(フルート)を演奏されていて、日頃から耳の鍛え方はとても常人には及び難く、ご自宅のオーディオシステムの音も「生の音」にできるだけ近づけるように日々の調整に余念がない。

我が家のJBL3ウェイマルチシステムの方にはほとんど関心を示されることがなく、辛うじて「AXIOM80」の持つ「生の音らしさ」を醸し出すハイスピードとフルレンジ・ユニットの持つ自然な響きに唯一興味を示されているだけ。

したがって今のところYさんと自分を繋いでいるのは「AXIOM80」だけという危うい関係である(笑)。

29日(金)に我が家へ「AXIOM80」を試聴に来ていただき、新たに導入されたオーディオアクセサリーが話題となって、一度拝聴させてくださいというわけで、翌日の30日(土)にお伺いした。

その新兵器とは次のとおり。

           

Yさん宅のオーディオの電源は大型バッテリー駆動(実に澄んだ音がする!)だが、その横にある“木で出来た箱”がそれである。スウェーデン製の「テルス」という名前で“アース接続専用の機器”だという。

Yさんは先取の気性に富んでおられ、新兵器の導入に実に積極的でいつも参考にさせてもらっているが今回もそう。我が家ではアース対策はやってないも同然なので詳細に伺ってみた。

機器周りの環境次第でアースの取り方も様々のようだが、Yさん宅では「DAコンバーター」からだけアースを取るのが一番効果があった模様。

「あの堅牢無比なツクリのDAコンバーターからアースを取る個所がありますか?」と率直な疑問をぶつけてみると、「入力、出力端子のいずれかのバランス接続の1番端子(アース端子)から引っ張り出せばいいですよ」

「成る程!しかし1番端子にアース線を結びつけるのが難しそうですね」

「そこで、以前秋葉原に行ったときにアース取り専用のプラグを買ってきましたよ。ほら、これです。」

「これは良さそうですね。我が家でも実験をしたくなりました。もし使ってなければ、お借りできませんか」

「ええ、いいですよ」というわけで、厚かましくも強奪してきた。持つべきものは「気前のいいオーディオ仲間」である(笑)。

図に乗って「オーディオ・テストCD」もついでにお借りした。日本オーディオ協会が企画し、日本コロムビアが製作した「インパクトCD-2」。

         

「チェック用音源」がいろいろ入っており、ボーカルやフルート、オーボエ、ヴァイオリンなど実に重宝しそう。

第一トラックには「ガラス粉砕音」が入っているが平たく言えばコップの割れる音をどれだけリアルに再生できるかというわけで「AXIOM80」のハイスピードにはもってこいのソース。これで人を驚かすのには十分(笑)。

2時間ほど拝聴してYさん宅を辞去し、我が家に着くとさっそくアースの結線作業に取り掛かった。ワディアのDAコンバーターのバランス端子(イン)に専用プラグを差し込んで、曲がりなりにもすでに設けていたアース専用取り付け口に接続してみた。

これで試聴してみると、心なしか音響空間の静けさが一段と増したような気がする。これは、これは!

オーディオ仲間たちのおかげで我が家の音は日々向上していく~(笑)。
 


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オーディオ訪問記

2014年09月02日 | オーディオ談義

暦も9月に入ってそろそろ夏もお終いに~。今年の夏は天候不順による長雨冷夏だったので“暑がりや”の自分には大助かりだった。(災害に遭われた方にはお気の毒だったが・・・。)

例年にも増して「音楽&オーディオ」三昧の日々だったが、とりわけ印象深かったのが先週(24日~30日)のオーディオ週間での試聴会。2日に1度のペースによる試聴会により、長い我がオーディオの歴史においてこれほど充実した週間も珍しい。

24日(日)はGさん宅(福岡)でウェスタンのシステム(計4名)、26日(火)は我が家(別府)で「AXIOM80」(計4名)、28日(木)はSさん宅(福岡)で「タンノイ・コーナーヨーク・シルバー&AXIOM80」(計5名)、30日(土)はYさん宅(別府)での試聴会と目白押しだった。

いずれの試聴会とも「得るところ大」で、一回り大きく成長(?)させてもらいました(笑)。

前二回はすでに投稿済みなので、今回は28日の試聴会の概要を後日のため記録しておこう。

このたびの試聴会は、つい最近我が家にお見えになったNさん(福岡)の「音のいい三極管の中でもWE300Bと並んで最高峰とされるPP5/400真空管の音を是非聴いてみたい」とのご要望で実現したもので、同行者はNさんのほかにKさん、Mさんの計4名、自分にとってSさん宅はこれで3度目だった。


             

Sさんは圧倒的な「ブリティッシュ・サウンド」党で、使ってあるスピーカーは「タンノイ・コーナーヨーク・シルバー」と「AXIOM80」の2系統のシステム。

老舗ブランドのタンノイのユニットは自分のおぼろげな記憶によると(モニター)ブラック、シルバー、レッド、ゴールド、HPDへと変遷を遂げており、初期のブラック、シルバーはまずお目にかかることがない珍品だが、Sさんは知人のイギリスのディーラーを通じてようやくこのシルバーを手に入れられたそうだ。当時はモノラルの時代だからステレオ方式として程度の揃った2本を手に入れるのは至難の業だったろう。

製造のロットナンバーがN0.4(写真右)、片方が200番台とのことで非常に珍しい初期タイプのシルバーである。

これらスピーカーを駆動しているのは、これまた世界に2セットしかない珍しいアンプ。      

BBC放送局の技術者が個人的な趣味で作ったアンプだそうで、製作当時ヨーロッパのアンプ選手権で「グランプリ」の栄誉に輝いたもの。出力管は前述したように「PX25」真空管の親分筋に当たる「PP5/400」で(現在オークションでは35万円で出品されている!)トランスはパートリッジ(イギリス)を使用。

なおCDプレイヤーはつい最近手に入れられたフィリップスの「LHH2000」。これはマニアの間で名器として知られているものの、何せ古い製品なのでピックアップが“へたっている”ものが多いが、今回の購入に当たって別途に程度のいい一式に入れ替えられたそうで念が入っている。

はじめに「タンノイ・シルバー」を聴かせていただいたが、「AXIOM80」と音質がそっくりなので、「AXIOM80にしてはえらい低音が出てますね」「いいえ、鳴っているのはシルバーです」とのご返事に思わず赤面(笑)。

あのタンノイ独特の鈍重な音(もちろん、それがいいという人も沢山いるが!)がすっかり影を潜めてメチャ繊細な音がするのに驚いた。同じタンノイといいながら、ユニットが違うとまったく別物との感を深くした。

滅多に聴けない音を聴かせていただき大満足だったが、実は今回の試聴会で我が家からアンプを持参させてもらった。26日(火)の試聴会で好評だった「刻印付き2A3」シングルアンプ。

         

Sさん宅の「AXIOM80」は最初期のオリジナルユニットで我が家の復刻版と違ってどういう鳴り方をするのか大いに興味があったのでSさんのご了解のもとに持参したわけだが、さすがに「PP5/400」には位(くらい)負けするものの期待以上の善戦だった。

同行したKさん(福岡)が持参されていた「2A3の1枚プレート」(アクチュラス)、「4ピラー」(レイセオン)ともそれぞれ差し換えて比較試聴したが、個人的にはやはり「2A3の1枚プレート」に一日の長があるように思った。

オークションにも滅多に出ることがない球だが、今後手に入れたい真空管の筆頭である。

およそ4時間ほど、心ゆくまで“品のいいイギリスの音”を堪能させていただいて一同帰途についたが、座元のSさんは夏季休暇を終えられて31日(日)の夕方に勤務先の東京に戻られたが、その一方で長期間の休暇に入るオーディオ機器群をこのまま遊ばせておくのは実にもったいない(笑)。


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