「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オークション情報~メッシュプレートの古典管~

2018年08月31日 | オークション情報

「長いこと探し求められていたMHL4のメッシュプレートがオークションに出品されていますよ。一応お知らせしておきます。」

同じ「AXIOM80」愛好家として懇意にさせていただいているSさん(福岡)に上記のメールを送ったのは、つい先日のことだった。

ちなみにSさんが愛用されている真空管アンプはイギリスを代表する出力管「PP5/400」シングルアンプである。WE300Bと並んで直熱三極管の両雄とされる「PX25」の親分筋にあたる球である。

               

メインスピーカーは「タンノイ」さんのモニター・シルバー(口径38センチ:コーナーヨーク)なので、Sさんは生粋のブリティッシュ・サウンド愛好家である。

このアンプの前段管に使ってあるのが「MHL4メッシュプレート」で、プレート部分が板状のものは数あれど、メッシュ(網の目状)となるとたいへんな希少管となる。

(プレートが)メッシュと板状のものと、どこがどう違うんだと問われると困るが、専門家によるとメッシュの方が手間がかかるのでそれだけ丁寧に作られているし、一般的には板状に比べて「ノイズが少ない」ので出てくる音の透明度が高いと言われている。

上質のアンプやスピーカーになればなるほどその違いがはっきりと分かる仕組みになっているのはご愛嬌(笑)。

お目当ての真空管のオークションでの画像と解説は次のとおり。

           

MARCONI(GEC)の傍熱3極増幅管MHL4 です。 MHL4は増幅率ミューが20で、増幅管としては使いやすい真空管ですが、最近はあまり見かけなくなった球の一つです。

ヒーター電圧4V(1A)、プレート電圧200V、プレート損失は4Wとなっています。

出品していますのは、MHL4でも最初期の旧ナス管タイプのもので、プレートは細かいメッシュになっています。 1930年頃の製品。

どちらも新品元箱入りで、この時代のMHL4の未使用品は現在現地でも入手が困難になっています。 かなりの希少品。


ゲッタの色や輝き方に両者違いが見られるのは、それぞれ使用しているゲッタ材料の違いによるものです。

どちらも特性はTV7/Uで確認済みです。 測定値は、基準値50に対し94、96となっています。
入札価格は2本セットの価格です。 

 以上のとおりだが、出品者は非常に信頼がおける老舗のショップ(関西)さんなので、紹介する気になった。実を言うと、我が家のアンプにも使えるので大いに食指が動いたのだが今のところ「AC/HL」(=MH4)で間に合っているので、潔く譲ることにした(笑)。

スタート価格は2万円なり。まあ、高くても4万円前後で落札というところかなあと目星をつけておいたところ、落札結果(8月26日)を見てみると「51、900円」なり。高っ!

気になるSさんに「首尾はいかがでしたか?」と、問い合わせると「
いくら稀少なナス管メッシュのMHL4とはいえ、前段管に5万円オーバーは高過ぎです。私は途中で諦めました。古典管の値段も一段と異常な状況ですね。」と、すこぶる健全なご回答があってひと安心。

「桐一葉落ちて天下の秋を知る」ではないが、ことほど左様にこのところ希少な古典管の値上がりが激しい。

良し悪しは別にして素っ気なく聴こえるデジタルの音が普及すればするほど、響きが豊かで生身の人間の肌触りを思わせる「古典管」が珍重されていくような気がしてならないと思うのは自分だけだろうか。

 


 


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テレフンケン「RS289」アンプの波紋~その3~

2018年08月28日 | オーディオ談義

小さな池の真ん中に石を放り投げるとポチャンと音がして全体にゆっくりと波紋が広がっていく。

古来「一石を投ずる」という言葉があるが、それと同じようなことが我が家のオーディオシステムにも起こっている。さしずめテレフンケンの「RS289」アンプが石の役割を果たしているとでも言うべきだろうか。

と、ちょっと気取った書き出しになってしまって申し訳ない(笑)。

            

試聴用として借り受けたこのアンプがやってきてからおよそ3週間あまり、既存のアンプやスピーカーへの波紋に「ああでもない、こうでもない」と右往左往している毎日だが、まったく暇つぶしにはもってこいだ(笑)。

それでは波紋の実例を挙げてみよう。

☆ AXIOM80への波紋

残念なことに「RS289アンプ」(以下「289」)と我が家のオーディオの「レーゾンデートル」とでも言うべきAXIOM80(以下「80」)との相性があまりよろしくない。

低音域の量感と制動力に目を見張るものがある「289」と、低音域に弱点がある「80」との組み合わせはどう見ても「GOOD」のはずだが、これが見事に期待外れで実に「しょぼい音」しか出てこない(笑)。

理屈倒れはオーディオには付きものの現象なので、こればかりは実験を繰り返しながら原因を究明するしかない。

まず、比較するためにアンプを代えて既存の「171Aプッシュプルアンプ」(以下「171A」)で「80」を鳴らしてみると、こちらの方がずっと聴きやすい。

音に「おおらかさ」があって、長時間聴いても疲れない感じ。したがって「80」を聴くのなら「171Aプッシュプルで十分だ」となれば、「これにて一件落着」と、八方すんなり納まるのだがそうは問屋が卸さない。

返す返すも腑に落ちない。「289」があっさり「171A」に負けるはずがない・・・。

これは、むしろ「80」の側に非があるのかもしれないと思い至ったのは自然の成り行きで、あとは行動あるのみ(笑)。

まず、「80」を容れている自作のエンクロージャーの全面的な見直しを行った。

☆ 吸音材の変更

内部に張り付けていた厚いフェルト地を外し、その代わりにごく薄めの吸音材を張り付けて箱内部の容量の拡大を図った。これで、片チャン3ℓほどの容量が稼げて響き具合がもっと良くなるはずだ・・・。

同時にエンクロージャーの補強を行って、バッフルと本体の隙間から音が漏れないように目張りの板を2枚張り付けた。

☆ ARUの変更

「80」にとって「ARU」(背圧調整器)の存在は死活問題である。背圧とは周知のとおりSPユニット(コーン型)の後方側に出る音(逆相)のことで、これをいかに逃がすかで音は激変する。各メーカーとも工夫に工夫を凝らしている部分である。後面開放、バスレフ、バックロードなどさまざま・・・。

「80」のケースでは背圧を簡単に逃がさないようにして、その圧力をユニットの振動にうまく吸収させて低音域の量感を増やす仕組みになっている。これがARUだが、もう天才的な着想としか言いようがないほどの匠の技である。

これまで自己流のARUとしてエンクロージャーの底板にごく目の細かい金網を30センチ四方に張り付けていたが、さらに背圧を逃がしにくいように目の細かい網を中央部分に被せてみた。

これで絶対に音が変わるはずだが、はたして吉と出るか、凶と出るかこればかりは実際に聴いてみないと分からない。な~に、悪ければ外すだけのことで命まで取られるわけではないので、ま、いっか(笑)。

そして最後の対策としてプリアンプを変更した。現用中のプリアンプ(12AX7×6本)はトーンコントロールが付いていない。その点、「クリスキット・カスタム・マークⅥ」は2段階の低音ブースト機能が付いているので「80」には向いていそうだ。

ほんとうはこの機能を使わないのが一番だが、「80」に限っては仕方がない。

半日ほどかけて作業が完了し、いよいよ音出しへ~。

         

ワクワクしながら聴いてみると、おお、なかなかいけるじゃないか!(笑)

理想的とはいかないまでも以前よりも明らかに良くなっている。

やっぱり、じたばたしてみるもんですねえ。

一石が投じられて、他の機器の欠点をあぶり出す効果は確実にあったようでして(笑)。




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ふしぎな雑学読本

2018年08月26日 | 復刻シリーズ

万事に亘って「広く浅く」の「雑学人間」だと自認しているので、雑学系の本は大好きで図書館で見かけたら片っ端に借りてくる。このところオーディオがらみの話ばかりなのでたまには息抜きも必要だろう(笑)。

                

本書は私たちの身の回りにある森羅万象の「ふしぎ」の中から313個を選んだユニークな本だった。

以下、興味を引いたものをいくつか抜粋してみた。「そんなことはとっくの昔に知ってるよ。」という方がおられるだろうが、どうか悪しからず。

☆ なぜ「ご馳走」という言葉に「走」という字が入っているのか?

普段は粗食の禅宗のお寺でもお客が来ると精進料理ではあるけれど何品かでもてなした。しかし常備してある食材には限りがある。

そのため、食材集めに「まかない」が方々を「走り回って」(=馳走)集めた。そこから客をもてなす特別な料理のことを「馳走」と呼び、それが今の「ご馳走」につながった。禅宗には今も台所に「韋駄天」(いだてん)を祭っているところがある。これは走り回る神様である。

☆ 女性や子供の「甲高い声」をなぜ「黄色い声」というのか?

黄色い声というのは仏教のお経から来た言葉である。お経といえば眠くなるような単調な響きだが、中国から伝わってきたばかりの飛鳥時代にはもっと音楽的な高低強弱の響きがあった。

そして、どの箇所を高くし、どの箇所を低くするかはお経の文字の横に色で印が付けられていた。その色のうち「一番高い音」が黄色だった。そこから「甲高い声」を「黄色い声」というようになった。

今のように高低をつけず一本調子でお経をあげるようになったのは平安時代以降である。

☆ ひどく嫌うことをなぜ「毛嫌いする」というのか?

「毛嫌いする」というのはただ嫌いというのではなく、徹底して相手を受け入れないという意味合いが強い。しかも女性が特定の男性を嫌う場合に使われる。

それもそのはず、これは競馬の世界で血統馬の雌に種牡馬をかけ合わせるとき、オスがメスにどうしても受け入れてもらえない場合に「毛嫌いされた」と言っていたものだからである。だから、毛嫌いの毛とは栗毛、葦毛、黒毛などの馬の毛のことだ。

☆ 裁判官はなぜ黒い衣装をまとっているのか?

近頃は女性裁判官もちらほら見かけるようになったが、男女を問わず全員黒い衣装を身にまとっている。この衣装は法服と呼ばれ最高裁判所規則の中で制服ということになっている。

制服だから全員が着用しているわけだが、その色が黒なのは「どんな色にも染まらない」「どんな意見にも左右されない」という意味が込められているのだそうである。

☆ なぜ「匙を投げる」が諦めることになるのか?

匙(さじ)を投げることがなぜ諦めることになるのかと不思議に思わないだろうか。

この匙は昔、医者が薬を調合するときに使った「薬さじ」のことである。つまり、「どんないい薬を調合しても治る見込みがない病気」と医者が見立ててついに匙を投げたのである。

この医学用語が一般でも諦めるという意味で使われるようになった。

☆ なぜ「女心と秋の空」といわれるのか?

女心は秋の天気のように目まぐるしく変わるというのが「女心と秋の空」だが、秋は運動会や遠足が行われ晴天続きでそんなに目まぐるしく天気が変わるという印象はない。

むしろ春のほうが霞がかかったり満開の桜に雪や雨が降ったりと変わりやすい。しかし、この言い回しはやはり秋でなくてはならないのである。なぜなら「秋」と「飽き」をかけ、女心は飽きっぽく変わりやすいと言いたいからだ。

☆ 歌舞伎界のことをなぜ「梨園」というのか?

中国・唐の時代といえば「楊貴妃」とのロマンスで知られる玄宗皇帝がよく知られている。この皇帝は音楽に興ずるだけでなく宮廷音楽を演奏する人々の子弟を庭園に集め、音楽を教え、舞を習わせ、芸能活動に力を入れたことでも有名である。

その庭園に梨が植えられていたことからこの子弟たちは「皇帝梨園の弟子」と呼ばれた。

この故事から芸能のことを日本でも梨園というようになったが、江戸時代になると歌舞伎が盛んになり「梨園」といえば歌舞伎界を指すようになったとのこと。

以上のとおり、身近な生活の中で何気なしに言ったり使ったりしていることに意外と深い意味が込められていることを実感した。

                       


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テレフンケン「RS289」アンプの波紋~その2~

2018年08月24日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

およそ1か月ぶりに我が家にお見えになったYさん。クルマで10分ほどの近くにお住いなのでとても声がかけやすい。

遠路からわざわざ来ていただいた挙句に「しょうもない音だ!」となると、心から申し訳なく思うのでその点は実に気楽である(笑)。

それに日頃からYさんはフルートの名手として「生の音」に接しておられるせいかその耳は実に鋭い。我が家のオーディオ機器に変更があったときは「いの一番」に来ていただいてご判断を仰ぐことにしている。

ただし、Yさん宅の豪華なシステムの音は自分の耳にはあまり馴染まないのでその辺は割り引く必要がある。こればかりは個々の感性がまちまちなので100%当てにするわけにはいかない(笑)。

まずは、テレフンケンの「RS289」プッシュプルアンプから聴いていただいた。先日のブログに搭載したように「一つのエンクロージャーで3つのSPユニットを愉しむ」シリーズに沿って、グッドマンの「AXIOM150マークⅡ+コーン型ツィーター」、「ワーフェデールの赤帯マグネット+コーン型ツィーター」、JBLの「D123+175ドライバー」を聴いていただいた。

2時間ほどかけて、ひととおり聴き終わった後でご感想を伺ってみると、

「とても駆動力のあるアンプですね。流石にプッシュプルだけあってスピーカーを完全にコントロールしている感じです。カチッと締まった質感がとてもいいし、単なる綺麗ごとの音では済まさないアンプだと思います。しかし、既存のシングルアンプの良さもありますからここは思案のしどころですね。

スピーカーとの相性ですが、クラシックを聴くのならワーフェデール、JBL、グッドマンの順番だと思います。ジャズならJBL、ワーフェデール、グッドマンというところでしょうか。」


意外にもグッドマンが不評だった。自分のようにクラシックをしんみりと聴くタイプには、たまらなくいいのだが、日頃から「生の音」を聴き慣れたYさんにはスピード感が物足りなかったのだろう。

それにしてもワーフェデールの善戦ぶりは去る11日(土)の試聴会のKさんのときと同様に際立っていた。

                                       

ワーフェデールの「淡い色彩の水彩画」を思わせるような音と、このアンプが持つ独特の「濃厚な味わい」がうまくマッチしたようだ。

また、JBLの2ウェイを「RS289」アンプで鳴らしたのはこれが初めてだったが、「ワーフェデールに比べるとちょっと乾いた音ですけどとてもシャープでジャズにはもってこいですね。感心しました。」

実はこのJBL2ウェイには不安があった。

ちょっと専門的になるがそれはインピーダンスの問題。使ったネットワーク(高音域のボリューム調整付き)のインピーダンスが8Ω仕様なのに「D123」のインピーダンスは16Ωでそもそも合っていない。

Yさんにはっきり実状を告げて「違和感はありませんかね?」とお訊ねすると「別に感じませんよ。これでいいんじゃないですか。」「そうですか・・・。」

機器同士のインピーダンスの適合性は目立たないが無視できない問題である。あまり理論的に自信がないので明言はできないがこれと同様のことがアンプとスピーカーの間にも言えるかもしれない。

たとえばアンプの出力端子8Ωに16Ωのスピーカーをつなぐのは許されるが、逆に16Ωの出力端子に8Ωのスピーカーをつなぐのは「ご法度」とされているのは周知のとおりで、実践経験からいくと信号系統の流れに沿ってインピーダンスは「低 → 高」へと繋いで行けば無難なのかもしれない。

ちょっと歯切れが悪いが(笑)、我が家では8Ω仕様と16Ω仕様が違うだけでそっくり同じネットワークを2個づつ持っているので、これは後日の実験材料として大いに楽しめそうだ。

「RS289」アンプで2時間ほど楽しんでから、いよいよウェストミンスターの試聴に移った。

詳細は前回のブログで述べたように、クロスオーバー「5000ヘルツ」(-12db/oct)のチャンデバを使った2ウェイマルチシステムである。

          

結論から言えばなかなかの評価だった。

「これまでウェストミンスターでは大味なばかりの音だと思っていましたが、まったく印象が変わりました。すっきり爽やかでベールが一枚も二枚も取れた感じです。D130用のアンプが凄く利いてますね。」

             

何だか「WE300B・6A3兼用アンプ」から「後光」が差してきたような気がした(笑)。




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テレフンケン「RS289」アンプの波紋

2018年08月21日 | オーディオ談義

前回のブログ「凄いアンプ!」を4日間に亘って公開したところ、日ごとにアクセス数がうなぎ登りとなったのには驚いた。

具体的には17日(金)が閲覧数「1907」、訪問者数「816」、以下同様に18日は「2248」「916」、19日は「3416」「919」といった具合。

12年間に及ぶブログの歴史でこういうことは初めてで、通常は(アクセス数が)じり貧になるのがオチだ。

それだけ読者の興味を大いに引いたと推測されるわけだが、オーディオ機器は実際に耳で聴いてみないとその真価は分からないので、来たる「真空管アンプオーディオフェア」(10月初旬:東京)でこの「RS289」アンプをぜひ聴いてみてください。一聴の価値はあると思いますよ~。

さて、試聴用として借り受けたこの「RS289」アンプだがその実力の程は当然のごとく我が家の既存の真空管アンプ群の「心胆を寒からしめる」ほどだった(笑)。

           

この10日間ほどいろんなスピーカーに繋ぎ変えて大いに愉しませてもらっているが、当然のごとく我が家の4系統のスピーカーとアンプの編成にも大きな波紋をもたらした。

まず何よりもその「あおり」を一番先にくらったのが、これまでエース的な存在として栄華を極めた「6A3・WE300B兼用」アンプだった。

          

出番がすっかり少なくなり、見る影もなくなって実に可哀そう(笑)。

まさに「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理(ことわり)をあらわす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし 猛き者も遂には滅びぬ 風の前の塵に同じ」(平家物語)というわけ。

とはいえ、素性はとてもいいしこの逸材をそのまま眠らせておくのは実にもったいない。

そこで目を付けたのが我が家で唯一の大型システム「ウェストミンスターの2ウェイ」だった。

現状はクロスオーバーが1000ヘルツのチャンデバを使って1000ヘルツ以下はJBLの「D130」(口径38センチ)が担当し、1000ヘルツ以上はテクニクスの「EAS-25HH22」(ホーンドライバー)が受け持っており、これらを2台の真空管アンプで駆動している。

そこで、この「D130」に「6A3シングル」をあてがってみようという算段である。

ただし、「そのまま入れ替えるのも芸がない。」と、しばし黙考した。

これほどのアンプを投入するとなると1000ヘルツとまでいわず、ぜひそれ以上を担当させて活躍の場を広げてやりたいのが親心というものだろう(笑)。

幸いなことに手持ちのチャンデバの中にクロスオーバーが「5000ヘルツ」(-12db/oct)のものがあったので使ってみることにした。

そうなると5000ヘルツ以上を担当するのは必然的にJBL「075ツィーター」となり、ようやく出番がやってきて満を持しての登場となる。

    

くどいようだが次の組み合わせとなる。

<5000ヘルツ>以下

「6A3シングル」アンプ → JBL「D130」(口径38センチ:イン・ウェストミンスター)

<5000ヘルツ>以上

「171シングル」→ JBL「075ツィーター」

ちなみに「171シングル」の出力管は「トリタンフィラメント」仕様だし、前段管はヴァルボの昇華型フィラメント仕様なので、抜けの良さは他の真空管アンプの追随を許さない。075の能率が110dbもあるので小出力アンプにとっては草刈り場だ。

これでワクワクしながら聴いてみると、なかなかいいじゃないか!(笑)

雄大なスケール感のわりには繊細だし、まるで大型のフルレンジが鳴っているみたい。ジャズは言うに及ばず、JBL同士の組み合わせなのにクラシックも十分こなすなど、あらゆるソースが自家薬籠中のものになっている。

通常、口径38センチのユニットを5000ヘルツまで引っ張るのは常識外だが、耳にとって敏感な帯域に違う振動版のユニットが混ざらないメリットがたしかにあるし、「D130」ならではの高能率(102db)及びコーン紙(形状)の浅いカーブと中央のアルミ部分(円形)の効果のたまものだろう。

さっそく近くにお住いのYさんに連絡をとって聴いていただくことにした。フルート奏者として日頃から生の音に接しているYさんの耳に審判役を期待しよう。

ついでに「RS289」(テレフンケン:ドイツ)のアンプも3通りのスピーカー(グッドマン、ワーフェデール、JBL)で聴いていただくとするかな~。

さて、どんなご感想を洩らされることやら(笑)。

以下、続く。



 


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凄いアンプ!

2018年08月17日 | オーディオ談義

連綿と続いた「SPユニット遊び」もようやく一段落し、今度は我が家の6台の真空管アンプとの相性テストに移ろうとした矢先に朗報が飛び込んできた。

「今年の秋の真空管オーディオフェア(東京)に出品予定の真空管アンプがようやく完成しました。まだプロトタイプですが一度試聴してみませんか。」

新潟県の老舗の真空管アンプ工房「チューブオーディオラボ」のK村さんからだった。

「いやあ、それはまたとない機会ですね。ぜひ試聴させてください。」と、一つ返事。

それから3日ほどして我が家に到着したものの、あまりの容れ物の大きさに仰天した(笑)。

        

すぐにK村さんと交流のあるKさん(福岡)に連絡して、「かねがね話題に上っていたアンプが到着しましたよ。よろしかったら明日一緒に試聴してもらえませんか?」

「エッ、急な話ですね。多分うかがえると思いますが・・。」と、当然のごとく歯切れが悪い。

「どうも無理を言ってすみません。」

翌日の午後、予定通りお見えになったKさんともども新型アンプの試聴に入った。

      

アンプの概要を紹介しておこう。

プッシュプル方式で出力管は「RS289」(テレフンケン:1942年製)×4本、整流管は「83」(水銀蒸気入り:刻印)、アンプの要である出力トランスとドライバートランスは「TSMProducts」特注品というなかなか凝ったツクリ。

「RS289」は5極管(傍熱管)だが、それを3極管接続にしてあり、第二次世界大戦中のドイツ地上(戦車)部隊の通信用に製造された球である。
兵士の生命ひいては国家の存亡にかかわる真空管だからツクリの精度は民生用の比ではない。

70年以上も前の希少な球だし、さぞやあの独特のドイツ語の発音にも適応した優れた球なのだろう。戦後になってロシアから大量に出てきたりするそうで、おそらく戦利品として持ち帰ったと推測される。いまだに戦争の爪痕が色濃く反映された球として実に興味深い。

かっては、血まなぐさい戦いの中で使用されていた真空管が見事に現代に蘇り芸術鑑賞用として優雅な音で我々の耳を愉しませてくれるなんて、天と地ほどのあまりの境遇の違いに「これこそ本来の使命だ!」と、真空管もきっと喜んでいるに違いない(笑)。

これらの珍しい真空管の採用は「北国の真空管博士」のアドバイスを参考にされており、独自の「裏技回路」なども組み込まれているとのこと。

アンプのスイッチは2段階に分かれており、まず、整流管の「ヒートアップ・スイッチ」をオン、3分ほどしてアンプのパワースイッチをオン、傍熱管なので本格的なサウンドを出すまでには30分ほどかかるという代物である。気忙(ぜわ)しい人にはまず向かないアンプ(笑)。

テストに使ったスピーカーはワーフェデールの2ウェイ、CDシステムはdCS(イギリス)のトラポとDAC、プリアンプは12AX7を6本使った真空管式。

記念すべき最初の試聴盤はKさんともども愛好してやまない「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364」(モーツァルト)。

          

「五嶋みどり」と「今井信子」のコンビだが、
ヴァイオリンとヴィオラの押したり引いたりの「阿吽の呼吸」が神業としか言いようがないほどの素晴らしい演奏。モーツァルト一筋に40年以上に亘ってひたすら聴き込んできた自分が言うのだからどうか信じてほしい(笑)。

ほかにもパールマン盤やグリュミオー盤も持っているが「みどり・信子」コンビの方が断然上回っているので同胞としてまことにうれしくなる。

第一楽章から耳を澄まして聴いてみたが、Kさんともども「可聴帯域の周波数レンジをすべて網羅している印象です。これまで聞こえてこなかった音が聴こえてきますねえ。」と感嘆しきりだった。

プッシュプル方式だから中低音域の厚みとスケール感はほぼ予想した通りだったが、中高音域の透明感もシングルアンプと比べてそん色がないことに驚いた。

二人で驚嘆しながら次から次にCD盤を取り換えて鑑賞に耽った。マルサリスの「バロック デュオ」も素晴らしかった。ホーンタイプのユニットを使っていないのに、唾が飛んでくるほどのトランペットの迫力と勢いに圧倒された。サキコロ(ソニー・ロリンズ)のシンバルもバッチリ!

「とても我が家でこんな音を出すのは無理です。」とKさんが白旗を掲げられるほど(笑)。

さらにこのアンプはスピーカーを完全に牛耳っているところが頼もしい。両者の関係はケースバイケースで様々だが、あるべき姿はやはりアンプがスピーカーをコントロール下におく主従関係に尽きる。


それに、いかなるオーディオ機器もじっくり聴き込むと何かしら欠点が見えてくるものだが、このアンプに限ってはそういうことが感じられそうにない印象を受けた。

実を言うと我が家の6台の真空管アンプも相当なレベルに到達していると自負していたのだが、中低音域の分解能と分厚い響きには正直言ってとうてい敵いそうにない。

Kさんが辞去された後、K村さんに連絡した。

「このアンプはだいたいどのくらいのお値段を考えられているんですか。」と単刀直入に切り込んだ。

「う~ん、そうですねえ・・・・。〇〇万円ぐらいですかねえ。」と、まだ具体的なお値段までは想定されていなかったご様子。

実を言うと、このところ知人に委託して不要になったオーディオ機器をオークションに出品してもらったところ、その代金がかなり溜まっている。

いわば軍資金だが、たとえば3ペア持っていた「AXIOM80」のうち1ペアを処分したところ「278千円」と予想以上の価格だったし、真空管のWE300Bオールドは「300千円」近いお値段だったし、ほかにもいろいろあって「懐」はかなり潤っている状況だ。

それに、真空管「RS289」のストックにも限界があり「早い者勝ち」になることは目に見えている。

まさに「猫に鰹節」のような危険な(?)状況だが、はてさて、どうしようか・・・(笑)。




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魅惑のSPユニット(口径30センチ)の愉しみ~その5~

2018年08月14日 | オーディオ談義

連日の猛暑により「ブログにも夏休みをいただこう」というわけで、たっぷりと英気を養わせてもらって5日ぶりの投稿となった

さて、「魅惑のSPユニットの愉しみ」シリーズもとうとう5回目となった。

          

画像左からJBLの「D123」、グッドマンの「AXIOM150マークⅡ」、ワーフェデールの赤帯マグネット」と、いずれも口径30センチの面々で、一つのエンクロージャーでこれら3つのSPユニットを入れ替えながら愉しむという企画だったが、頭で考えるのと違って実際にやってみると想像以上に新しい発見があった。

そのうちの一つが「3ウェイ」方式と「2ウェイ」方式の比較だった。我が家のオーディオ環境ではという限定付きの話になるが、イギリス系ユニットは3ウェイには向かないということが分かった。

そこで疑惑の目を向けたのがJBLの「D123」である。アメリカ系のユニットだが、もしかしてこれも2ウェイの方が向いているのかもしれない。

よし、「D123」に「175ドライバー」を組み合わせて2ウェイにしてみようか。同じJBL同士である。すぐに取り掛かって、ものの10分とかからずに完成。

             

ネットワークのクロスオーバーは1200ヘルツである。

ワクワクしながら音出ししてみると、想像した以上にGOOD!

イギリス系の音ばかり聴いていると、ときどき無性にJBLを聴きたくなってしまうが、澄み切った秋の青空を思わせるような爽快な音で躍動するJBLサウンドに感激~(笑)。

そこで調子に乗って、ワーフェデールにも「175ドライバー」を組み合わせてみた。

         

興味津々だったが、これは明らかにアウト。両者の響きが合わず、木に竹を接いだような感じでやはりアメリカとイギリスのお国柄の違いがもろに出た。ワーフェデールには純正の「コーン型ツィーター」がベストのようだ。

これで結局「魅惑のSPユニットの愉しみ」シリーズの組み合わせ結果は次のとおりとなった。

1 JBL「D123」+「175ドライバー」

2 ワーフェデール「赤帯マグネット」+「コーン型ツィーター」

3 グッドマン「AXIOM150マークⅡ」
+「コーン型ツィーター」

まあ、順調なところかな(笑)。

なお、1のJBLの組み合わせで思い出すのが往年の名器「ランサー101」である。

            

これは「LE14A」(口径36センチ) + 「175ドライバー」の2ウェイ方式だが、もしJBLで本格的にクラシックを聴こうと思ったらこれに限るという話を知人から聞いたことがある。

おそらく、我が家の1の音と「よく似た音だろうなあ」という気がしている。

「ランサー101」について、ネットの記事を詳しく読んでみると「エンクロージャーのトッププレートに大理石を採用することで最低共振周波数を大幅に下げることに成功している。」とあった。

そこで思いついたのが「AXIOM80」を容れている自作のエンクロージャーである。板厚わずか1.5センチなので共振させるにはもってこいだが、もう少し重量を増やしてやると量感が増えるかもしれない。

加える重量の最適バランス点があるのだろうが、そこで実験的に載せてみたのが075ツィーターである。削り出しのステンレスホーン付きなので重さは10kgぐらいある。

          

これで実際に聴いてみると心なしか量感が増えたような気がする。

「ツィーター」を「重し」代わりに載せる例はおそらく世界広しといえども我が家だけだろうが(笑)、まあ、いずれ適当な庭石を見つけることにしよう。

 

 


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魅惑のSPユニット(口径30センチ)の愉しみ~その4~

2018年08月09日 | オーディオ談義

このシリーズもいよいよ「その4」へと佳境に入っていく。お天気も暑いがブログも熱い(笑)。

前回の第3案「JBL・D123の3ウェイ」に味をしめて、「柳の下の2匹目のどじょう」を狙ってみた。

「ワーフェデールの赤帯マグネット」を3ウェイに使ってみたらどんな音が出るんだろうか・・・。

思い立ったが吉日ですぐに行動に取り掛かった。そのためにはスコーカーとツィーターにきちんとした箱とバッフルを作ってやらねばいけない。

そこで日曜日(5日)の午前中、猛暑の中を玄関先で「木工作業」に取り掛かった。ドライバドリルとジグソーの大活躍である。

木屑が辺りに飛び散るので家内が嫌~な顔をしながら「後できちんと片付けておいてね!」、「フン、そんくらいのこと言われんでもわかっとるわい。」(笑)。

素人のずさん工事で採寸ミスがあったりして散々だったが半日ほどかかってどうにか完成した。

         

スコーカー(グッドマンのユニット)の箱は後面開放にし、ツィーター(ワーフェデール)は平面バッフルにして分けてみた。音像定位に有利なのでユニットの配列を「縦一文字」にするのが何よりの狙いだった。

これで胸をワクワクさせながら聴いてみると、ウ~ン・・・。

2ウェイのときの素晴らしさが鮮明に記憶に残っているので、どうも音の響きにイマイチの感あり。

3ウェイでは音の密度感が増した感じはするものの、肝心の「音の響き」が少なくなってはどうしようもない。そもそもイギリス系のユニットは人間の耳にとってことさら敏感な1000ヘルツあたりまでは振動板の違うユニットを組み合わせないように作られているのかもしれない。

ワーフェデールは2ウェイで聴くに限るようだ。

このことを胸に刻んで、さあ、最後はいよいよグッドマンの「AXIOM150マークⅡ」(以下「マークⅡ」)の登場だ。

    

今回の「魅惑のSPユニット」シリーズの掉尾を飾る真打の登場である。

画像左からJBLのD123、真ん中が「マークⅡ」、その右が「ワーフェデールの赤帯」だが、ご覧のとおりアルニコマグネットの大きさが並外れており、重量は他のユニットの1.5倍ほどある。

このマグネットで悪い音の出ようはずがない!(笑)。

イギリスのユニットなので頭から3ウェイは除外して2ウェイ方式のネットワーク(クロスオーバー:4000ヘルツ)により聴いてみた。

たしかグッドマン指定のクロスオーバーは5000ヘルツだったと記憶しているので準拠しているはず。

   

4000ヘルツ以上を受け持つツィーターはワーフェデールの「コーン型ツィーター」(赤帯マグネット)である。

いやあ、参った!

さすがに旧き良き時代のグッドマン、気品があって深々とした響きがクラシックにはもってこいの音である。

人生の酸いも甘いも噛み尽くしたような老成した音と言っていいかもしれない。ワーフェデール(口径30センチ)が淡いパステルカラーの水彩画のような音だとすれば、この音からは明らかに濃厚な油絵の匂いがする。

「もう言葉は要らない、あとはただひたすらモーツァルトに耳を傾けるのみである!」と、書いたら格好のつけすぎかなあ(笑)。


 


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魅惑のSPユニット(口径30センチ)の愉しみ~その3~

2018年08月07日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「SPユニット(口径30センチ)を愉しむ」シリーズも早くも3回目となった。当初はこんなに続けるつもりはなかったが、「理屈」をグダグダこねるよりも「実践編」の方がグ~ンと(アクセスが)好評のようでして~。

どうやら「文章を読む」よりも「画像を見る」方が好きな人が多いらしい(笑)。

前回で示した第2案は次の画像のとおり。

         

この3ウェイの構成を述べておくと、

~500ヘルツ → JBL「D123」

500~4000ヘルツ → グッドマンの「ミダックス」(スコーカー)

4000ヘルツ~ → テクニクス「EAS-25HH22」(以下、「EAS」)

今回の特徴は「EAS」の起用とホーンを取り外したことにある。このEASは1000ヘルツから使える優れものだが、4000ヘルツ以上で使う場合は付属のホーンを外した方がよりクリヤーになって良かった。

ただし、そのままでは音がきつ過ぎるので丸い木製の球を置いて音を拡散してみた。

   

これで、第一案よりもずっとよくなったがまだ十分ではない。やはり弱点はグッドマンのミダックスにある。このスコーカーは500ヘルツ以上を担当しているが、能力自体は700ヘルツ以上からしか使えないのでちょっと無理をさせている。

出てくる音に明らかにその兆候が表れていて、500~1000ヘルツあたりの音の押し出し感が弱いために全体的に「線の細い」音になっている。ただし、このくらいは好き好きの範疇ではあるが・・。

そこでスコーカーだけ代えて、グッドマンの楕円形ユニットを登場させたのが第3案。

        

もともとフルレンジ用なので500ヘルツ以上の使用はお手の物のはず。ただし、ウーファーの「D123」の音圧レベルが102dbと高いので、その辺がちょっと見劣りするが仕方がない。

ただし「EAS」がすっかりおとなしくなって拡散用の「木製の球」が不要になったのは不思議。

ツィーターとスコーカーは切っても切れない縁があって面白い。

この第3案でアンプをいろいろ試してみた。

すると「6A3シングル」は低音域が出すぎてアウト。「PX25シングル」は比較的低音域が薄いのでどうにか対応できた。

一番良かったのは「71Aシングル」(レイセオンのST管:赤ラベル)だった。前段管に例のヴァルボの「△△△」(ドイツ:バリウム昇華型フィラメント)を使ったやつ・・。何しろ出力1ワット前後だから前二者に比べて低音域がやや薄めだがそれが逆に長所となった。中高音域の抜けの良さは言うまでもないところ。

     

プリアンプのボリュームをぐ~んと上げられることで低音域と高音域のバランスが見事に取れた。

アンプはスピーカーに助けられ、スピーカーはアンプに助けられの「持ちつ持たれつの関係」であることを改めて痛感した。

それにしても何と「バランスのいい音」だろう。汗水流して獲得した音は格別のようでして!(笑)

 


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魅惑のSPユニット(口径30センチ)の愉しみ~その2~

2018年08月04日 | オーディオ談義

日頃から懇意にさせていただいているメル友の「I」さん(東海地方)は現在、母屋を改造中とのことでしばらくメールが途絶えていたが、久しぶりに近況報告をいただいた。

「前略。〇〇邸のAXIOM80の木製ホーンが取れてしまったのは少々寂しい気がしますが、システムはますます進化をしているようですね。 

ARUについては、どこかの本で「無限大バッフルと同じ効果がある」という解説を見た記憶があります。私も小型ボックスで効果を感じたことがあります。いずれJBL130Aウーファーボックスにも応用したいと考えていますが、でかくて手を付けるのが億劫で・・・ 

今は、オーディオをいじれる環境にないため、ブログでいろいろな人の記事を拝見しています。ジャズファンのブログも見だしました。 

私は「オーディオは人それぞれ」というのが基本なので、ブロガーが何を書かれていても、割と素直に読ませていただくのですが、ことジャズになると話は変わってきます。 

贔屓のジャズメンの違いです。 

〇〇様には私のジャズの好き嫌いを申し上げても何ら差し支えるものは無いと思って申し上げます。差し支えましたらお詫びいたします。 

例えばピアニスト! 

当方の贔屓は、年代順にいいますと、バッド・パウエル セロニアス・モンク ビル・エバンス もう少し足すとして ウイントン・ケリー マッコイ・タイナー くらいです。 

ジャズブロガーの方で、私の好みとダブル場合ももちろんありますが、なんでこのピアニストをと思うこと多々ありです。その方が多い! 

なんでやねんピアニスト達 オスカー・ピーターソン マル・ウォルドロン ハンク・ジョーンズ レッド・ガーランド トミー・フラナガン チック・コリア キース・ジャレット フレッド・ハーシュ等々 何度聞いても魂に響いてこないピアニストの皆さん・・・ 

薄暗いジャズ喫茶の壁際の席の体験が、当方のジャズライフ及びオーディオライフを今だに支配しているということでしょう。」

以上のとおりだが、当方はジャズに疎いもののパウエル、エヴァンスなどの「自己埋没型」のピアニストの良さは大いにわかるつもりです(笑)。

ところで、文中の「オーディオは人それぞれ」という言葉には大いに勇気づけられた。

実を言うと、日頃からいろいろ好き勝手にブログを書きなぐっているが、あまりの(オーディオに対する)「執拗」さに「この人ちょっとおかしいんじゃない」と、読者から奇異の目で見られているのではないかという意識が常に頭の片隅につきまとっている。

別に変人扱いされても実害はないのだが、少なくとも外聞に無関心ではおられない性質(たち)なのでまったく気にならないといえばウソになる。

したがって、「オーディオは人それぞれ」と気楽に読み流していただくと、当方もそれこそほんとうに気楽になります(笑)。

そういうわけで、またもや同じ傾向のお話を。

さて、
前回のSPユニット弄りでは「ワーフェデールの2ウェイ」がバッチリうまくいったのでひと安心だが、やはり気になるのはJBLの「D123」である。

やや乾き気味の音がクラシックにそぐわないとアッサリ廃嫡したが、何とか復活できないものか。実はこういうことを考えるのが、もう楽しくて楽しくて・・(笑)。

そこで、現用中のネットワークがスイッチ一つで「2ウェイ → 3ウェイ」に変更できるので試行錯誤をやってみた。3ウェイの場合のクロスオーバーは「500ヘルツ&4000ヘルツ」である。以下、後日のために実験結果を記録しておくことにしよう。

第1案

~500ヘルツ → JBL「D123」

500ヘルツ~4000ヘルツ(スコーカー)→ グッドマンのミダックス

4000ヘルツ~ → ジェンセンのホーン型ツィーター

手っ取り早く画像の方が分かりやすい。

   

これまで、3ウェイ方式はスコーカー(中音域担当)の調整が難しくて何となく敬遠していたが、実際にやってみると位相調整さえうまくいけば「音のたるみ」が少なくなって予想以上の良さを感じた。

D123(口径30センチ)をクロス500ヘルツでハイカット(-12db/oct)するメリットがたしかにあるようで、このクラスの大きさの箱ならむしろこちらの方が正解かもしれない。

ますます欲が出て今度はツィーターだけ取り換えてみることにした。   

以下続く。



 


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魅惑のSPユニット(口径30センチ)の愉しみ

2018年08月02日 | オーディオ談義

前々回のブログで述べたように「AXIOM80」を自作のエンクロージャーに移し替えてから始まったSPユニットの「玉突き異動」に大いに楽しませてもらっている。

最後に行き着くところはグッドマン指定のエンクロージャーにどのユニットを納めようかということになった。

候補は3つあって、いずれも口径30センチの旧いユニットになる。

1 JBLの「D123」(初期型グレイ:16Ω)

2 ワーフェデールの赤帯マグネット付きユニット(8Ω)

3 グッドマンのAXIOM150マークⅡ(15Ω)

これまで口径10センチから38センチのユニットまでいろいろ使ってきたが、耳が肥えた人は口径20センチクラスのスピード感を愛でる人が多いが、自分の場合は口径30センチが好き。

前述の3つはそれぞれブランドによる音の特徴があって「D123」は浅いカーブの形状のコーン紙による反応の速さに優れ、グッドマンはクラシック向きの雰囲気感の再現性に優れ、赤帯マグネットは丁度両者の中間あたりに位置する。

このエンクロージャーはバッフルと本体のネジ穴を鬼目ナットで合わせているので、自由自在にユニットの入れ替え可能である。つまり、一つのエンクロージャーでスピーカー3台分が楽しめることになる(笑)。

ただし、いずれもフルレンジとして聴けないことはないが、高音域がちょっと物足りないので相性のいいツィーターを組み合わせる必要がある。

まずは「D123」を装着してみた。クロス1200ヘルツのネットワークを使った2ウェイ方式である。「JBLのD123+パナソニックのホーン型ツィーター」。

          

これで2日間ほど聴いてみたが明るくて澄んだ音には大いに共感を覚えたものの、クラシックにはもう少し湿り気と情感が欲しいところ。

一抹の未練を残しながら今度はワーフェデールの「赤帯マグネット型2ウェイ」に入れ替えてみた。

         

高音域担当のコーン型ツィーターに1200ヘルツは無理なので、クロスオーバー4000ヘルツのネットワークに変更。

「非の打ちどころがないとはこういう音をいうのだろうか。これ以上欲張ると罰が当たるかもしれない。」と、思うほどの素晴らしい音に感激した。

丁度29日(日)にご近所にお住いのYさんに来ていただいたので、聴いていただいたところやはり赤帯マグネットの音の素性の良さに感心されていた。

「これをウェストミンスターに入れてぜひ聴いてみたいですね、どんな音がするんでしょう。」

「ああ、それなら予備軍としての赤帯マグネットをもう1ペア持ってますよ。無理を言って静岡県のTさんに譲っていただいたものです。惜しいことにボイスコイルのタッチがあってノイズが出ていますが、丁度いい修理屋さん(長野県)が見つかったところです。取り付け用の補助バッフルもすでに作ってありますよ。」

   

これで楽しみがまたひとつ増えたことになる(笑)。


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