「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

可愛げのないスピーカー

2016年08月30日 | 独り言

おそらくこのブログをずっと続けて読んでおられる方ならお気づきのことと思うが「このところ、さっぱりAXIOM80の話が出てこないが、あれほど愛好していたはずなのにいったいどうして?」。

           

そうなんですよね~、いささか気にはなっているんですがけっしてオークションに放逐したわけではありませんからどうかご安心を(笑)。

理由は「あまりにいい音が出すぎて自分の色合いを盛り込む楽しみがないので休養させている」というのが真相。

これには「お前、いったい何のためにオーディオやってんだ」というツッコミが入りそうだし、
何ともはや贅沢な悩みだがこればかりは心情的に如何ともしがたい。

「いい音を出したい、しかし、いい音が出てしまうと逆に面白くない。」このパラドックス、もしかして思い当たる方がいるのではあるまいか(笑)。

「出来が悪くて手のかかる子供ほど可愛い」とは巷間よく聞くところだが、その気持ちわかるような気もする。

ま、ありていに言えば「AXIOM80」は優等生過ぎて「可愛げのないスピーカー」ともいえるわけだが、この「可愛げ」という言葉は世の中を上手に渡っていくうえで仇やおろそかに出来ない言葉なのである。

6年前のブログに「可愛げのある人、ない人」と題して投稿したことがあるが、すでに忘却の彼方にある方が大半だろうからちょっと加工して以下、再掲させてもらおう。

「先日のブログでマリア・カラスの「歌に生き、恋に生き~歌劇”トスカ”より~」を登載したところ、これを見て懐かしい高校時代の同級の「K」君(千葉県)からメールが来て、「20世紀最高のソプラノ」を一つ聴かせてはくれまいかと所望があった。

もちろん、こちらも望むところ。

名曲に一人でも多くの人が接して心を動かしてくれれば無為徒食の音楽愛好家としてこの上ない喜び。

早速、日曜日の午前中に送付したところ、無事到着したとみえて水曜日の午前中に電話が掛かってきた。

「今、2周り目を聴いてるけどマリア・カラスってやっぱりすごいなあ。どうもありがとう。」

「やあ、無事着いたようで何より~。」

「ところで先日のブログに書いてたけど谷沢永一の”可愛気が一番”という話は実によく分かるんだよね。」
 

「へェー、どんな風に?」

「実は以前、自分が部長をしていたときに他所の部門から異動してきた部員がいてね、適齢期なのに課長になり損ねて回されてきたんだ。」


「ほぉ~」

「元の部門の部長とはざっくばらんの仲だったけど、『○○君を課長に出来なかったけど、お前のところで是非、課長にしてやってくれよな』なんて虫のいいことを言うから、思わず『そんなことを言うくらいなら、なぜお前のときに強力に推さなかったんだ?』と言ってやったんだ。」

「ウン、ウン、そのとおりだよ」

「すると、そのときの彼の弁がふるっていて『だって、彼、可愛くないもんな~』だって」

「その○○君、学歴もいいし、真面目で仕事もそこそこできるんだけどねえ。人間には可愛さが大切だって改めて思ったよ」

「なるほど!」

因みに、このブログに登載した谷沢永一氏の"可愛げ"云々をご参考のため次に再掲。

※「才能も知恵も努力も業績も身持ちも忠誠も、すべてを引っくるめたところで、ただ可愛げがあるという奴には叶わない。」~谷沢永一「人間通」(新潮選書)~

以上の話、組織に従属して働いた経験のある方なら体感的に納得されると思うが、どんなに”きれいごと”を言ってみたところで所詮、人間は感情の動物であることを物語っている。

さ~て、問題はこの「可愛げ」ってモノが先天的なものなのか、あるいは後天的に身に付けられるものかどうか、そこがポイントなのだが、谷沢氏の書きっぷりによるとどうも先天的な資質の方に比重を置いているようだ。

これを我が身に置き換えてみると、まず典型的な「可愛げのないタイプ」のようである(笑)。まず世渡りが下手だったし、それほど偉くもならなかったのでだいたい分かる。

とまあ、以上のような内容だったが「可愛げ」の根底には先天的、後天的な資質いずれにしろ相互の信頼感や好き嫌いなどの感情がいろいろ織り交じっているような気がする。ほら、口には直接出さなくても「以心伝心」という言葉がある・・。

我が身を振り返ってみて「可愛げのなさ」を
客観的に分析してみると、第一に「何といっても気が利かない」こと、二番目にはどうも他人行儀というのか「遠慮し過ぎる」ようなところがあったようだ。

いい意味で、人にある程度の手間とか負担をかけさせる、ひいては「寄りかかる」ことも大切なことではなかったかと年甲斐もなく反省している今日この頃。

以上、愛用のスピーカーから人生の教訓を学んだ一幕だったが、つべこべ言ってみても、もう手遅れなのは言うまでもない(笑)。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

埋もれた名曲

2016年08月27日 | 音楽談義

8月もようやく最後の週末(27日~)を迎えることになった。ちょっぴり朝晩涼しくなってようやく秋の気配が忍び寄ってきたように感じるが、まだまだ日中の暑さともなると油断できず、きっと残暑の厳しさも尾を引くことだろう。

振り返ってみると今年の8月は「スーパーツィーター月間」とでも言うべき月だった。この新しい“おもちゃ”が7月31日に我が家にやってきてから、ああでもない、こうでもないとやってたところすっかり夢中になって暑さそっちのけだった。

その意味では記憶に残る1か月だったが、その間我が家の音を聴きに訪れていただいお客さんも4回にものぼるが、ブログのネタにさせてもらおうと思っていたものの、システム中のアンプをトッカエひっかえしていたところ何が何やら時間の前後感が判らなくなってとうとう投稿するタイミングを逸してしまった(笑)。

それでも、ひつとだけ忘れていないことがあってそれは「試聴盤」。

せっかくお見えになっていただいたお客さんには出来るだけいい音といい音楽を聴いていただこうといつも気を配っているが、音の方はそれぞれ好みの問題もあって自信がないが、音楽ともなると話は別であまり有名ではない曲目をつとめて紹介するようにしている。いわば「埋もれた名曲」の発掘。ま、勝手に名曲だと思うだけだが(笑)。

8月のお客さんたちに主に聴いていただいたのは次の3枚。


           

左からアッカルドの「クライスラーへのオマージュ1」(ヴァイオリン独奏)、「シュワルツコップの芸術」(ソプラノ)、「シュトラウスの4つの最後の歌」(バーバラ ボニー)

まずアッカルドのCD盤の聴きどころは5番目のトラックの「精霊の踊り」。

ドイツの作曲家グルックの代表的オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」の中のバレエ曲で、このオペラ自体は、現在では滅多に演奏されることはないが、オペラの第2幕第2場で天国の野原で精霊たちが踊る場面で演奏される「精霊の踊り」、これは聞きしに勝る名旋律ですねえ。

もともとはオーケストラとフルートによる曲だが、去る8月14日(日)の「クラシック音楽館」(NHK/Eテレ)では、オーボエ奏者のフランソワ・ルルーが「オーボエ協奏曲」(リヒャルト・シュトラウス)演奏後のアンコールに応えてオーボエでこの曲を演奏していた。

まったくの偶然で、「あれっ、これって精霊の踊りではないか」
と驚いたが、名曲はフルートでもオーボエでもどんな楽器で聴いてもいいものだが、ヴァイオリンともなるとひときわ哀愁を帯びて胸を打たれる。やはりアッカルドはいい。目下の愛聴盤。

次に、シュワルツコップのCD盤だがタイトルに「世紀のソプラノ エリザベート・シュワルツコップの芸術」と銘打ってある。たしかにけっして大げさではなく「世紀のソプラノ」にふさわしい歌唱力の持ち主だと思う。美声もさることながら、なにしろ表現力が豊かで顔の表情まで見えてくるような歌いっぷりに心の底から参った!

すべての曲目がお気に入りだが、とりわけリヒャルト・シュトラウスの「四つの最後の歌」のうち、三番目の「眠りにつこうとして」(ヘッセ詩)がいい。歌唱の間にヴァイオリン・ソロが入ってくるのだがこれが天国的な心地よさ。ホトホト「生きていて良かった」と思わせてくれる(笑)。

また3番目のCD盤のバーバラ・ボニー(ソプラノ)も好きな歌手で、この盤でも「「四つの最後の歌」が収録されており、「眠りにつこうとして」では、ついシュワルツコップと聴き比べてしまう。ボニーも悪くはないがソロの部分がヴァイオリンの代わりに何とピアノになっている!

ヴァイオリンとピアノの一騎打ちだが、自分だけかもしれないがピアノの音には心情的に冷静さを要求されるような気がしてどうも酔わせてくれないところがある。琴線に触れてくるヴァイオリンの音色とは大違いだ。しかし、このボニー盤もなかなか捨てがたい味わいがある。

ところで、これらの名曲に関して先日のブログで紹介させていただいた「シューマンのピアノ協奏曲」にゾッコンだったS子さんからメールが舞い込んだので、そのやり取りを紹介させてもらおう。匿名なのできっと無断掲載を許してくれることと思う(笑)。


「ご無沙汰しています。S子です。今年の暑さは異常ですね。在宅中はエアコンを無しでは過ごせずにいます。

今日は、久しぶりにブログを拝読しましたが、暑さのせいか、自身が電池切れなのか、最近はクラシック音楽を聴く気力不足みたいです(笑)。

たまに聴くのは、シューベルトのピアノソナタ18や21番やジェラルド・フィンジやシャルル・ケクランでしょうか。フィンジの悲しい生涯に思いを馳せながら聴くと、その温かな優しい音楽に涙が溢れます。

>ジムで汗を流してきて帰宅するなりまず冷えたビールをぐいっと1杯、そのあとで焼酎にカボスの汁を垂らし込んで、氷で割ってちびりちびりとやりながら、モーツァルトを聴く。至福の時間である。

こういう夏の過ごし方もいいですねっ!」

ハイハイ、モーツァルトが好きになったことは人生最大の収穫でしたよ~(笑)。ついてはS子さんにメールをこう返した。

「お久しぶりです。今年の猛暑は格別のようでお互い様です。昼間は無理なので、夕方から冷房を入れてクラシックを聴いてます。

ただし、オーディオと違ってクラシックの話はブログの読者の興味をあまり引きませんので記事にするのはあえて封印してますが(笑)。

最近、テスト盤として使用しているのは二つあります。

一つ目はシュワルツコップ(ソプラノ)が歌う「最後の4つの歌」(リヒャルト・シュトラウス)の中の「眠りにつこうとして」ですね。これほど抒情的な歌をほかに知りません。そして中ほどのヴァイオリンソロが素晴らしいです。

もう一つは「サルバトーレ・アッカルド」のヴァイオリンソロです。「精霊の踊り」(グルック作曲)からのメロディですが、これは名曲ですね。

先日のNHK・Eテレの「クラシック音楽館」ではリヒャルト・シュトラウスの「オーボエ協奏曲」をやってましたがアンコールでフランソワ・ルルーがこの曲をやってました。もともとフルートの曲ですがオーボエでも十分聴けますね。まだまだ自分が知らない名曲が沢山あるようで気が抜けません。」


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「柳の下の二匹目のどじょう」を狙う

2016年08月25日 | オーディオ談義

「柳の下の二匹目のドジョウ」という言葉がある。

ご存知の方も多いと思うが、辞典によると「一度柳の木の下でドジョウを捕まえたからといって、いつも柳の木の下にドジョウがいるとは限らないことから、たまたま幸運なことがあったからといって、いつも同じようにそれを得られるわけではないということ。 」

ところが、その「二匹目のドジョウ」が居たんですよねえ、しかももっと上質なドジョウが!(笑)

以下、経緯を記してみよう。

このたびのスーパーツィーター騒動も前々回の記事のように「フルレンジ+高音域の味付け」でようやく「自然な佇まい」となって一段落をみたわけだが、あまりの上出来ぶりに味をしめてこのやり方だと別系統のシステム「AXIOM300+ワーフェデールのコーン型ツィーター」にも、適用できるかもしれないと気が付いた。

思い立ったが吉日、すぐに行動にとりかかった。

        

左の画像が元のシステムで、右が新しいシステム。

な~に、SPボックスの上に載せているツィーターを「ワーフェデールのコーン型ツィーター」から「JBL075ツィーター」(以下、「075」)に取り換えただけだが、その鳴らし方となると月とスッポンほど違う。

元のシステムでは、ディバイディング・ネットワークを使ってクロスオーヴァー4000ヘルツ(12db/oct)で中低音域と高音域を2分割していたのだが、今回のケースでは「AXIOM300をフルレンジとして使い、075は味付け程度に使う」という、まさに「スーパーツィーター」のときの二番煎じだが、「グッドマン+JBL」の意外な組み合わせに誰もが眉を顰めるに違いない。しかし、結果は大いにGOOD(笑)。

50年近くなるオーディオに飽きない理由の一つ、それは自由奔放さにあると秘かに睨んでいる。

それにしてもワーフェデールの音も気に入っていたのだが「もっといい音にならないか」という欲の深さと移り気には自分ながら呆れてしまうが、むやみやたらにやっているわけではなく「シンプル イズ ベスト」でディバイディング・ネットワークを使わない共通のメリットはやはり無視できない。

075をローカットするマイカコンデンサーには「スーパーツィーター」のときの残りの2個を使って「0.1+0.075=0.175」でバッチリだった。なにせ075はジャズのシンバルの再生にはたいへんな威力を発揮するがクラシックとなると弦の響きが人工的になってはなはだよろしくないが、こういう味付け程度の使い方だとだとまったく気にならない。それに能率が108dbもあってメチャ高いのでスーパーツィーター代わりにも十分使えるのが心強い。

また、何よりも「AXIOM300」をフルレンジで使えることのメリットは大きかった。音を聴くのではなく、音楽を聴くのならやっぱりグッドマンのアルニコ・マグネット型に尽きるようで渋くて品のいい弦の響きは惚れ惚れするほどで他のユニットの追随を許さない。また、公称の周波数帯域が12000ヘルツまで伸びてはいるものの単なる味付け程度でもツィーターがあるのとないのとでは大違い。

本来の使い方であればグッドマンの専用ツィーター「トレバックス」を使うといいのだろうが、稀少品とあって滅多に出てこないし、こういう音が出てくれればトレバックスは別に欲しくもない。

それにしてもスーパーツィーターの導入のおかげで巡り巡ってグッドマンがうまく鳴ってくれたわけで、むしろ目的以上の効果をもたらしてくれて非常にヨカッタ!

スピーカー周りの作業がひととおり終えると次は組み合わせるアンプの物色に移った。スピーカーが変わったのだからその能力に応じてもっと相性のいいアンプがきっと出てくるはず。

2日がかりの実験の結果、予想に違わずこれまでダメだったアンプが見事に息を吹き返したんですよねえ。

以下、続く。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高値を呼ぶオーディオ機器

2016年08月23日 | オーディオ談義

日曜日(21日)の朝方のことだった。

オーディオ仲間のSさん(福岡)から連絡があって、
開口一番「オークションに出品されたPP5/400がペアで25万円もの高値を呼んでますよ。お気付きでしたか?」

           

「はい、PP5/400は我が家のエース級なのでちゃんとチエックしてウォッチリストに入れてますけど、たしか昨日までは8万円前後だったと記憶してます。そんなに値上がりしましたか!これはあまり評判のよろしくない後期版でしたよね。最初期版ならともかく、25万円にも高騰するとはちょっと意外ですね。」

たいへん音が良いよされる直熱三極管のうちでもアメリカの「WE300B」(1950年代以前のオールド)と並んで双璧とされるイギリスの「PP5/400」(英国マツダ)だが、これにも前期製造分と後期製造分とがあって両者の間には微妙な音の差があるとされ後期分は若干値が下がるのが普通である。これまでのオークション相場ではせいぜい20万円もいけば上出来といったところだろう。

するとSさんが「そうなんですよ。いかにも脇に元箱みたいなのが映ってますが、純正箱ではもっと大きくて分厚い土気色のような箱のはずです。どこがいいのやら・・・・。後期分は新品を4ペア持ってますので買うつもりはありませんが、こう値上がりするとうれしいような悲しいような気持ちです。実は初期分が1ペアしか持ってないので欲しいんですけど、こうなるともう高嶺の花ですかね~。」と嘆かれる。

鵜の目鷹の目、生き馬の目を抜くオークションといってもどうもよくわからないところがあって、台風みたいに瞬間風速がときどき吹き荒れることがあって始末に負えないが、これは中国の景気動向に左右されるのも一因のような気がする。

むしろ景気が悪いときに基軸通貨「元」を信用しない中国の富裕層が万一のときに備えて、「元」を貴金属や絵画などに代えて保管する話をよく聞くが、オーディオ機器だって名門ウェスタンなどのヴィンテージ物はその傾向にあるという。

このPP5/400だってその資格は十分にあるので、今後も要注意だ。

結局、冒頭のPP5/400は一昨日(日)の夜「入札54件:266000円」で落札された。高っ!

ちなみに、当方が初期物の「PP5/400」(新品同様のペア)をこれのほぼ半値近い格安で落札したのは2014年の12月31日の大晦日だった。今でも覚えているが珍しく昼間に落札時刻が設定されていたのでタイミングが良かったのだろう。

誰もが忙しい年末のどさくさに紛れて掴んだ幸運だったが、仲間うちでのルール「先に発見した者が優先」に沿って落札したものの今でもSさんからその時の悔やみごとを聞かされる(笑)。

もう一つ高値を呼んでいる機器をSさんから教えてもらった。

THORENS REFERENCE レコードプレイヤー  トーレンス

          

見るからに超弩級ですねえ。

現時点(2016.8.23 早朝)で入札件数68件、3、001,000円。

今さらながら巷には熱心なオーディオ愛好家が居ることに感心するが、前述したとおり背後に中国系の匂いもしないでもない(笑)。

「やたらに調整箇所が多くて使いこなすのが大変だそうです。少し弄っただけで音が激変するそうですからね。しかしアームが3本付けられるのは便利です。カートリッジをMC型、MM型、モノラル型に分けておくとどんなレコードもOKですから。」と、Sさん。

「名にし負うS財閥でしょうから購入資格はあると思いますが、どうされますか?」

Sさん曰く「現在使っているEMTで十分だと思ってます。ちなみに現在レコードとCDを聴く割合の比率は9:1くらいです。レコードに聴き慣れると、CDの中音域の薄さには我慢できなくなります。〇〇さんもそろそろレコードに代えたらいかがですか」

「レコードまで手を広げたらもう身の破滅です。第一、忙しくて時間が足りません。CDを何とか工夫して好みの音にするので精一杯ですよ。」

非常に危険な誘惑を一言のもとにはねのけた。この歳になっての深入りは禁物(笑)。

50分ほどとりとめのない話をしたわけだが最後に九州地方と東北地方のオーディオ愛好家の気質の違いに触れた話を紹介しておこう。単なるひとつの断片をあたかも全体現象のようにとらえるのは危険な話だが、あくまでも「傾向として」という意味なので念のため。

当方の知り合いに、非常に珍しくて貴重な古典管を大量に収集され保管されているマニアがいる。全国の真空管愛好家から問い合わせがひっきりなしに舞い込む状況だが、その方の言によると地方によって傾向が違うとのこと。

たとえば九州地方では、猫も杓子もといっていいくらいウェスタンやJBL、アルテックのスピーカーが多いせいかアメリカ系の真空管の問い合わせが多いそうで、その一方、東北地方からはクラシック向けともいえるヨーロッパ系の珍しい真空管の問い合わせが多いそうだ。

前者が「明るめの音=ジャズ=躁(そう)気質」とすると、後者は「暗めの音=クラシック=鬱(うつ)気質」とも言えるわけで、この狭い日本の中でも地方によってそういう傾向があるというのはたいへん興味深かった。素人考えだが、ひとえに気候すなわち雪深さとか日照時間の差が影響しているような気がしてならない。

そういえば、このブログを通じてメールをいただくのは圧倒的ともいえるほど東北の方が多い。10年近くブログをやっているが、九州管内の見知らぬ方からメールをいただいたことはこれまで一度もない。

自分はどうも九州では異質の存在で、どちらかといえば東北向きの気質なのかもしれないと思う今日この頃です~(笑)。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーツィーターの魅力を引き出そう~その4~

2016年08月20日 | オーディオ談義

「スーパーツィーター」を導入してからおよそ3週間、これまで培ってきたノウハウを動員して何とかその魅力を発揮させようと躍起になっているが、なかなか思うようにいかない。とうとうシリーズ4回まで引っ張ってしまった。

そもそも大したノウハウではないんだから仕方がないかな、ヤレヤレ(笑)。

しかし猛暑にもめげずに、あれこれやっているとどうにかトンネルの出口の光が見えてきたのはありがたい。

以下、第3回からの続きになるが、結果論からいくと実験的に真空管アンプを2台使った2ウェイ・マルチ・チャンネル方式はうまくいかなかった。どうしても音質に違和感がつきまとうのである。

聴いたすぐは「思い入れ」が増幅作用の役割をしてくれるせいか「よし、これでいい!」となるのだが、1~2日間よく聴きこんでみると、「どうもしっくりこないなあ~」(笑)。


何といってもツィーターは「生かさず 殺さず」が一番よろしいが、せっかくクロス4000ヘルツからクロス9000ヘルツへ変更したにもかかわらずどうも(我が家の「スーパーツィーター」は)自己主張が過ぎるのである。

2台の真空管アンプのボリューム調整をいろいろやってもダメだし、そもそも低音用と高音用の2台のアンプの音色の違いが気になる。もしマルチ・チャンネル方式にするのなら使うアンプも同じ型番じゃないと無理のような気がする。ただし、これは真空管アンプを使う場合に限っての話だが。

そこで、とうとう行き詰まってしまい「原点回帰」でメル友からアドバイスをいただいたとおりにしてみた。

「スーパーツィーターは本来1万ヘルツ以上で味付けに使うものかと思います。例えば、1~0.5μFのマイカコンデンサーを直列に入れて、現行のツィーターと並列にして味付けしてみてはいかがでしょうか?」

さあ、ここでいよいよマイカコンデンサーの出番ですぞ!

その前に念のために「マイカコンデンサーって何?」に答えておこう。 

マイカコンデンサーとは、誘電体に天然の鉱物であるマイカ(雲母)を用いたコンデンサーのこと。雲母の薄くはがれる性質を利用したものだが、その性格上、誘電体の厚さを極端に薄くすることが出来ない。そのため外形が大きくなり、加えて高価である。ただし、容量温度係数が小さく一定で、容量の精度も高いうえ誘電正接や誘電体損失は非常に小さく、高周波特性も良い。(ネットから)

真空管オーディオの世界では「マイカコンデンサーを要所、要所に使うと音が良くなる」という伝説が流布されている。これはプロ級の人たちからも何度も聞かされた。ただし、伝説は独り歩きするし「聴感と電気特性の相関は実証されていない」ので、こればかりは自分の耳で実際に聞いて確かめるしかない。

したがって、これは実際に使ってみての感想だが普通のコンデンサーに比べるとまるっきり音の透明感が違う。物凄い威力を発揮するが、天然の雲母を使う以上、容量の大きなモノが作れないため、やむなく(容量が)小さくても使用できるカップリング・コンデンサー用や高音域のネットワーク用として使用されることが圧倒的に多い。

その昔、JBL075ツィーターで散々実験を繰り返したので手元にはマイカコンデンサーが12個あるものの惜しいことに容量が小さいものばかり。

内訳は、0.1μF(マイクロ ファラッド)が2個、0.075μFが8個、0.0375μFが2個。

とうとう、これらをパラレルに組み合わせて2日がかりの実験と相成った。

その結果、「スーパーツィーター」に組み合わせるのは片チャンネルに「0.075μF×3+0.0375×1≒0.25μF」を繋ぐのがベストだった。意外に小さな値で済んだので助かった。この余ったマイカコンデンサーが後々、大きな意味を持つことになるわけだがそのときは知る由もなかった(笑)。

それにしても、「フルレンジ+高音域の味付け」でいろんなテスト盤が過不足なく「自然な佇まい」で聴けるようになったのは大助かり!

           

ちなみに接続の状況は次のとおり。

真空管プリアンプ1号機 → パワーアンプ「真空管71Aプッシュプル」 → ここから2本のSPコードに分けて、

フルレンジ → SPコードにムンドルフの0.15mhのコイルを挿入(6db/oct) → 「フィリップスのユニット」

高音域(味付け)→ SPコードにマイカコンデンサーの0.25μFを挿入(6db/oct) → 「スーパーツィーター」

なお、マイカコンデンサーの0.25μF使用時のクロスオーヴァー周波数を公式により計算してみるとおよそ8万ヘルツになる。理論上では、人間の聴力がはるかに及ばない範囲だが、実際に音が出ているのがはっきり判るのででこうなるともう計算外の話でマイカコンデンサーが単なるボリューム代わりの役割を果たしていることが分かる。

とにかく小難しい話は抜きにして、聴感上違和感がなければそれでいいのだ(笑)!これで満足度の自己採点では90点は上げられるだろう。

そしてこの実験結果により思わぬ余波がグッドマンの「AXIOM300」(アルニコ・マグネット型)システムに及んだことを次回に記述しよう。

我が家に試聴にお見えになったKさん(福岡)が「グッドマンはやっぱり最高のスピーカーですね!」と絶句される一幕も・・・。

以下続く。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真夏の独り言

2016年08月19日 | 独り言

お盆休みで帰省した娘に付き合わされてクルマで15分ほどの公園をウォーキングしていたら、ふと目についたのが「百日紅」(別名:サルスベリ)。真夏の猛暑にもめげず、こんな鮮やかな花を咲かせるなんて~、感心!

        

サルスベリは中国南部を原産とする夏を代表する花木の一つで、冬は落葉します。日本にやってきた正確な時代は不明ですが、大和本草(1708年)に載っているところから、それ以前だと考えられます。

春に伸びた枝の先端に夏から秋にかけて花を咲かせます。花色は白、ピンク、紅、紅紫などがあります。花びらは6枚でフチが強く波打ちます。満開時期の姿はよく目立ちます。花後に球形や楕円形の果実をつけ、熟すとはじけてタネが散ります。タネには薄い羽のような翼(よく)が付いています。

樹皮は褐色で所々はがれて白い肌があらわれ、縞模様になります。樹皮のはがれた部分はつるつるしているところから、「猿も滑って落ちる→猿滑り」というのが、名前の由来とされています。漢字では「百日紅」という漢字を当てますが、これは開花期間が長いところにちなみます。(ネットの解説)

真夏のトレーニングは冷房の利いた「運動ジム」ときめているが、こういう目の保養を味わえるとなると少々暑くても一考せざるを得ない(笑)。

60分ウォーキングが済むと、これまた付き合わされて本屋に立ち寄り興味を惹かれた雑誌とオーディオ関係の本を購入。

           

滅多に買わない週刊誌だが、このところ新聞の見出し広告で「医者不信」のタイトルをよく見かけるようになった。きっと売れ行きもいいに違いない。

群馬大附属病院の手術ミスによる18人もの大量死がきっかけかもしれないが、権威のある国立大学の附属病院がこんな体たらくだから、患者側も自己の症状と照らし合わせて自衛手段を講じざるを得ない風潮になってきたのだろう。

卑近な例だが自分のかかりつけの医者もあまり感心できない。やたらに薬をどんどん出す。副作用らしき症状を訴えても、薬を代えるだけでその後の症状を詳しく訊くわけでもなくホッタラカシ。

「患者のことを親身になって考えてくれるのが、ほんとうのいい医者です」と、いつぞやのテレビで高名な医師が言っていたが、いい医者に出会うのも難しくなった。

それはそれとして、週刊誌情報を鵜呑みにするわけにもいかないのでやや斜めに構えてザット目を通したが、巷には危険な薬、危険な手術がワンサと氾濫しており、これからはあえて「薬を飲まない」「手術をしない」ことも治療の有力な選択肢の一つとして考えざるを得ない状況のようだ。

さらにこの週刊誌には132頁に興味のあるインタビュー記事が載っていた。

「元東大総長による問題作。開けっぴろげなエロスと次々繰り出される謎に、読者も奇妙な世界に誘われる」。

「犬が人間を噛んでもニュースにはならないが、人間が犬を噛むとニュースになる」という言い伝えがあるが、「ポルノ作家がポルノ小説を書いても記事にならないが、元東大総長がポルノ小説を書いたらニュースになる」とはこれいかに~(笑)。

このほど「三島由紀夫賞」を受賞した「伯爵夫人」という作品。作家は「蓮實 重彦」(はすみ しげひこ)氏(80歳)。1997~2001年にかけて第26代東大総長を務めた仏文学者である。

「本作では二朗(主人公)が伯爵夫人に射精させられたり、“金玉潰しのお龍”や“魔羅切のお仙”が登場したりとポルノ的な場面が頻出します。しかし、彼女たちの口からあふれ出る露骨に猥褻な言葉はカラッとしており、思わず笑ってしまうシーンもたくさんありました」

作者の蓮實氏によると「笑劇として読んでいただけるとありがたいです」とのことで、なるほど、この歳になると「ポルノを笑い飛ばす」余裕と心境が分かるような気もするところ(笑)。

なお、同時に購入した「マイ オーディオライフ」~32名による私のリスニングルームの公開~は、じっくり目を通してから後日、内容をupすることにしよう。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーツィーターの魅力を引き出そう~第3回~

2016年08月17日 | オーディオ談義

前々回からの続きです。

スーパーツィーターが我が家にやってきてからおよそ3週間、何とかその魅力を引き出そうとあれこれやってみるのだが一歩前進かと思えば二歩後退したりと、なかなか手を焼いているのが実状だ~(笑)。

とうとうシリーズ前2回のアンプ対策を諦めて今度は方向転換してネットワーク側から攻めてみることにした。

読者の中には「ネットワーク」と聞いただけで思わず身を引きたくなる方がいるかもしれないが(笑)、な~に慣れてみると簡単そのものである。

パワーアンプとスピーカーを結ぶSPコードの間ににそれなりの道具を挿し込めばいいだけの話で、現在使用しているのはパイオニアの「DNー6」2ウェイ仕様のネットワーク。

           

この機器の仕様はクロスオーヴァー(以下「クロス」)が4000ヘルツ(12db/oct)となっている。つまり低音域と高音域の境界を周波数4000ヘルツで分けてそれぞれ別のSPユニットで鳴らすというやり方である。

その一方、スーパーツィーターの方は(カタログ仕様では)5000ヘルツ(12db/oct)以上から使用できるようになっているものの、12万ヘルツまで伸びているツィーターなのでせいぜい7000ヘルツ以上で使うのが妥当なところのような気がする。実際4000ヘルツもの周波数を入れるとどうも音が濁る、歪っぽくなる、そういう感じがした。

実は真空管オーディオのベテランのお二人さん(関西)からもメールで同じ趣旨のアドバイスをいただいた。

「スーパーツィーターは本来1万ヘルツ以上で味付けに使うものかと思います。例えば、1~0.5μFのマイカコンデンサーを直列に入れて、現行のツィーターと並列にして味付けしてみてはいかがでしょうか?」

そうなんですよねえ、これが王道なんでしょう!

このご提案はたいへんありがたく大切にとっておくことにして、実はその前にどうしても実験したいことがあった。

<実験活用その1>

4か月くらい前に購入したYL音響の3ウェイ用ネットワークを使う。

           

この高音域のクロスが9000ヘルツだ!この部分だけ流用させてもらうことにしよう、すると低音域はどうする?このYL音響製は低音域のハイカットが1100ヘルツなので使えない。

そこで窮余の一策としてSPコードをコイルに接続して周波数をハイカットするしかないが、これまた以前購入していたムンドルフの「ゼロ抵抗コイル」(0.15mh:ミリヘンリー)がある!これが<実験活用その2>

数年前、わざわざ3か月かけてドイツから取り寄せてもらったコイルの決定版である。ず~っと大切に保管してきたが、まさかここで出番がやってくるとは夢にも思わなかった。

                 
 

ここからやや専門的な話になるが、どうか最後まで付き合ってほしい(笑)。

「クロスオーヴァーネットワーク早見表」によると、スピーカーのインピーダンスが8Ωのときに、0.15mhではクロス8500ヘルツ前後(6db/oct)になる。

しかし、このスピーカーのインピーダンスというのがいい加減で、音声信号によって変化するし、信号を入れないときの実測値では概ね6~7Ω前後に収まるのが大半である。つまり、この辺の数値は大ざっぱに構えて神経質になる必要はない。

この場合、せいぜいクロス7000ヘルツ前後と勝手に仮定すると、スロープ特性は7000~14000ヘルツにかけて6db減衰することになる。

その一方、高音域のクロス9000ヘルツ(12db/oct)のスロープ特性となると9000~4500ヘルツにかけて12db減衰することになる。すると、9000ヘルツを境にして両者のスロープの重なり具合が丁度いい頃合いになりそうだ。

ほんとうに大雑把だが(苦笑)、ネットワークの設定はまず杓子定規にはいかないのが常識なので実際に試聴してみて違和感を感じなければそれでいいと思っている。

そして、実はこれを2ウェイマルチ方式でやってみたいのだ!

つまり、低音域と高音域のユニットをそれぞれ別のアンプで鳴らす方式。

低音域(~7000ヘルツ:6db/oct)  

プリアンプ1号機 → パワーアンプ「71APP」 → コイルの挿入(7000ヘルツでハイカット) → スピーカー「フィリップス」(口径30センチ:アルニコ型)

高音域(9000ヘルツ~ :12db/oct )

プリアンプ1号機 → パワーアンプ「171シングル) → YL音響ネットワークの挿入(9000ヘルツでローカット) → スピーカー「リボン型スーパーツィーター」

というわけで、いそいそと結線して胸を弾ませながら鳴らしてみた。ところが・・・。

以下続く。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ以上の「西部劇」があるのか!

2016年08月16日 | 独り言

昨日(15日)の夕方、所要があって「北国の真空管博士」に連絡をとったところ、ご当地では夜の気温が20度以下になり、早くも秋の気配が漂いだしたという。お盆も過ぎたことだし、九州でもあと一息で涼しくなればいいのだが。

さて映画鑑賞といえば大好きなミステリーや音楽ほどには時間を割いておらず、二次的な趣味の扱いだしそれほど詳しくもないがそれでもいつまでも記憶に残る映画というものがある。

「あなたが一番好きな外国映画は何ですか?」と問われたら、ためらうことなく「それは<リヴァティ・バランスを射った男>です」と答える準備がいつでもできている。昔、テレビ放映を録画したこの作品をもう何度繰り返して観たか分からないほどだが、そのたびに新しい発見があって見飽きない。こういう映画も珍しい。

この大、大好きな傑作西部劇が明日(17日)、NHKBSプレミアムで「13~15時」にかけて放映される。まだご覧になってない方はこの機会に是非にとお薦めしたい。

                        

監   督:ジョン・フォード

キャスト:ジェームズ・スチュワート、ジョン・ウェイン、リー・マーヴィン、ヴェラ・マイルズ

製作年:1962年

映画の素人がつべこべ論評するよりも熱心なファンの方が参考になると思い、ネットで検索してみたところ大いにシンパシーを感じたレヴューを2件紹介させていただこう。

「自由と平等を真に守る力は何か。ジョン・フォード監督の西部劇。ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュアートの二枚看板を擁した傑作。

二大スターの初共演というのは古今東西ギャンブル要素が強いもので、映画ファンなら期待も心配もしてしまうところ。
なんだけど、さすがはジョン・フォード。

二人の個性を殺すどころか魅力を引き出しつつ、詩情とロマンあふれるお得意のテイストをベースに、ミステリー要素までも加えた、一段高いレベルの西部劇を作り上げてしまった。


夢を見る者はGO WESTの時代にやってきた法の道を志す若者にジェームズ・スチュアート。古き良き西部の男にジョン・ウェイン。悪名高き無法者「リバティ・バランス」にリー・マーヴィン。このメイン3人が絵に描いたようにハマっており、ぐいぐい作品を引っ張る。

イデオロギーの衝突、男の友情、不器用な恋のトライアングル、男の意地と誇りを賭けた闘いなど、まさに西部劇の醍醐味が描かれる中で、やはりジェームズ・スチュアートの存在が異質。こういうタイプはこれまで観た西部劇にはいなかった。

彼は、早撃ちはおろか、銃もろくに使えないが、法律を勉強し、街の人に言葉を教え、違うやり方で街のリーダー的存在になっていく。当然、面白くない無法者リバティ・バランス。頼れる存在として誰からも一目置かれているジョン・ウェインも巻き込んだ彼らの争いの決着はどうなるのか。そして、その後、彼らを待つ運命は…。

西部劇ファンはもちろん楽しめると思うけど、苦手な人でも、展開で楽しめるかもしれない、ひと味違う作品。」

そして、もう一件ご紹介。

「西部劇の中で、そしてジョン・フォードの作品中最も素晴らしい作品。西部の神話とその虚構性、サボテンの花という叙情性。そしてジェームズ・ステュアートとジョン・ウェインという世界的俳優の素晴らしい演技が堪能できる。悪役のリー・マーヴィンも素晴らしく、一切の欠点のない作品である。」

最後に、自分の感想を一言。

「自分を不幸にすると分かっていながら愛する女性のために行った男らしい振る舞い(狙撃)とその心情には正直言って泣けた!」 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーツィーターの魅力を引き出そう~その2~

2016年08月14日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

次に登場するのが「171シングルアンプ」(インターステージ トランス入り)。


             

このアンプの構成は初段管に「AC/HL」(英国マツダ)~インターステージ トランス~出力管「171」(トリタン仕様)~整流管「80」(レイセオン)。

例によってこれも一般的ではない球ばかり(笑)。

このアンプもいつものように球転がしをやってみた。何しろスーパーツィーター様が相手だからこれまでの常識は通じない。

          

左からMH4(マルコーニ:メッシュプレート型)、AC/HL(英国マツダ:クリヤー管)、AC/HL(英国マツダ:メタルコート管)だが、この中で一番相性が良かったのは真ん中のクリヤー管だった。これまで大切に保管してきたので新品同様品の勢いと溌剌さに見るべきものがあった。しかしこのまま使うのは勿体ないので中古のメタルコート管を引き続き使うことにした(笑)。


このアンプも全体的に良かった。ST管ながら整流管が凄い威力を発揮した。並みの整流管に比べて音の表情が豊かになるのでさすがはレイセオン!

「真空管アンプは整流管をケチるとすべて台無しになる」と実感している。古典管を愛好する仲間たちとの合言葉がある。「真空管アンプは球からトランスまですべて手を抜けないが、最後の決め手は整流管だ。」

折しも、つい最近オークションで落札したのがフランス・マツダ・ブランドの整流管「5Y3GB」。本日(14日)到着の見込みだが、この球で71APPアンプがどう変わるか楽しみ~。

              

それにしてもこのスーパーツィーターはプッシュプルアンプとシングルアンプの特徴を如実に出してくるのでほんとうに面白い。

前者は音に力強さはあるものの、やや中高音域の粒立ちが荒い、その一方後者は元気さにやや欠けるもののクセのない高音域は安心して聴ける。強いて言えばジャズを聴くならプッシュプルアンプ、クラシックならシングルアンプかな。結果としてこのアンプも自己採点で80点。

両方のアンプともに合格点ギリギリの80点だが、このリボン型を使う以上せめて85点は取りたいところだが、チョット難点があって~。

それは、どうしてもボーカルを聴くときにちょっと音がきつくなるのだ。たとえばシュワルツコップ(ソプラノ)のCDを聴くとどうしても子音が刺激的になってしまう。

            

こうなると、アンプの責任分野ではなさそうで疑いの眼をネットワークに向けたのは必然の成り行き。

このリボン型をクロス4000ヘルツ(12db/oct)で使うのにそもそも無理があるのではなかろうか?

以下、続く。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーツィーターの魅力を引き出そう~その1~

2016年08月13日 | オーディオ談義

パイオニアのリボン型スーパーツィーター(以下「リボン型」)が我が家にやってきてからおよそ2週間が経った。その間、再生周波数帯域が12万ヘルツまで伸びているという物珍しさも手伝ってあれこれ弄ってみた結果ようやく全貌がおぼろげながら見えてきたような気がする。

はじめに、あれこれ弄った内容を紹介する前に「そもそも論」から述べておこう。

人間の耳が聞き取れる周波数の帯域は周知のとおり低音器から高音域まで「20~2万ヘルツ」なので、そもそも12万ヘルツも出せるツィーターなんて要るのかという説がきっとあるに違いない。

その一方ではSACD(ハイレゾ)の帯域が10万ヘルツまで伸びているのは伊達ではないぞというわけで、サイン波では2万ヘルツまでしか聞こえなくても倍音では認識することができるので(スーパーツィーターは)有効だという説もある。さらには(高周波は)耳では聴こえなくても肌や産毛で直に感じ取れるという触覚説まである。

このように諸説紛々だが、私たちは経験上、味覚や視覚、触覚などの人間の感覚は物理的数値で割り切れるものではないことを熟知している。聴覚だって推して知るべしだろう。

したがって、こればかりは実際に自分で試して体感してみるしかないと思うし、さらには個人毎にもそれぞれ感覚の格差があるのを無視できない。何しろ人によって耳の形がそれぞれ違うんだから、聴こえてくる音だってそれぞれ違うのは当たり前だ(笑)。

というわけで、入り口論にちょっとこだわってみたわけだが周波数12万ヘルツまでの再生に向けて先入観なしの白紙状態で臨むことにしよう。

まず、このリボン型の全体的な所見では我が家のJBL075ツィーター(超重量級ステンレス型ホーン付き)に比べると、剛直感はないものの実に柔らかくて繊細かつ透明感あふれる高音域を出してくれるので比較的倍音成分の多いヴァイオリンなどの弦楽器を聴くにはもってこいだった。とても素性のいいツィーターの感を深くした。

あとはこの魅力をどこまで引き出せるかに尽きるわけだが、結果的には自己採点でどうにか85点くらいには引き出せたような気がしている。

それではその取り組みの一端を後日のために記録に残しておこう。
「アンプ側からのアプローチ」と「ネットワーク側からのアプローチ」に大別されるが、本稿ではまずアンプ側からいこう。

前述したように、このリボン型は高音域が12万ヘルツまで伸びている触れ込みだったので、はじめに高い方の音が冴えない真空管アンプでも使えると踏んだのだが、逆にアンプの欠点をモロに出してしまった。

結線して順次5台のアンプを鳴らしてみたところ2台のアンプがあえなく脱落。両者とも高音域にサーというノイズが目だってどうしようもなかった。

生き残ったのは3台のアンプで、1台は前々回記載したWE300Bアンプだが、いろいろやってはみたものの合格点80点に届かず75点だったので捲土重来を期してもらうことにして、残る2台のアンプに運命を託した。

1台目は「71Aプッシュプルアンプ」。

          

このアンプの構成は初段管(画像 一番右)が「127」(アークチュラス:青球)~位相反転用に「327」(カニンガム) → 出力管「71A」4本~整流管「5Y3GT」(レイセオン)。

こうやって書いてはみたものの皆さん一様に「?」だろう。

極めてマイナーな真空管オーディオだが、さらに輪をかけたように1920年代前後の知らない球が続々出てくるので「サッパリ判らん、まるで別世界だ」と思われる方が大半に違いない。仕方がない。真空管オーディオの魅力にとり憑かれてしまうとどうしても90年ほど前の球に行き着いてしまうのだから~。どうか許してくださいな(笑)。

それにしてもこのリボン型は真空管の個性をハッキリと出してくれるので実に楽しくなる。このアンプの初段管には初めに「G 27」(マジェスティックス)を使っていたのだが、これはこれで悪くはなかったが試しに「青球」を使ったところ、見事に繊細かつ優美な音に変身。

さすがに北国の真空管博士が推奨された球だけのことはある。この「青球」じゃないと出せない音なので心配になってスペアを探したところ、もう1ペアきちんと保管していた。これで後顧の憂いなくブログに書いても大丈夫(笑)。

この「71APP」アンプなら合格点を上げられる。自己採点で80点を計上しよう。

次は「71Aシングルアンプ」(インターステージ トランス入り)だ。

以下、続く。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心頭滅却すれば火もまた涼し

2016年08月09日 | オーディオ談義

連日35度を越える猛暑に「暑い、暑い、こう暑いとオーディオどころではない」と、言いたいところだが、織田信長の焼打ちに遭ったお寺の高僧が唱えたように「心頭滅却すれば火もまた涼し」。心の持ちよう次第で猛暑も何とかなる。

           

前回のブログで紹介した「リボン型スーパーツィーター」(以下、「リボン型」)を導入してから1週間余経ったが、この間、暑さを忘れる程に夢中になったのでその経過を記してみよう。

このリボン型を据えつけて初めて音出しをしたときの印象は「澄み切った青空のように、どこまでも広がる爽快感」の一言に尽きる。まるでオーディオルームの天井を取っ払ったかのような気持ちがして、我が家でも他家でもこれまで聴いたことがないような音。

並々ならぬ素性の良さを感じて思わず舞い上がったが、初めてのスピーカー・ユニットをポンと置いてうまく鳴ってくれるほどオーディオは甘くない(笑)。

難点を言えば中低音用ユニットとのマッチングがイマイチかなあ。どうしてもリボン型の存在感が目立ち過ぎるのだ。

「いい音はスピーカーの存在を忘れさせてくれる」

これが50年近くやってきた自分なりのささやかなオーディオ哲学だが、とりわけツィーターの存在は生かし過ぎても、殺し過ぎてもまずい。さっそく対策を講じてみた。まず、

☆ 音圧のレベル合わせ

周波数4000ヘルツ以下を担当しているフィリップスのユニットはカタログデータがないので詳細は分からないが長年のカンで音圧レベルは「96db」ぐらいだと踏んでいる。一方、この「リボン型」は「98db」なので少しオーバー気味。そこで手元にあった同じパイオニアのアッテネーターを噛ませて音圧調整を試みた。

ところが何ともまあ冴えない音になってしまい、あの独特の輝きと艶がすっかり失われてしまったのだ。これはいけませぬ。急いでアッテネーターを外した。あまりにも(リボン型が)デリケート過ぎてちょっとしたことにも反応してしまうようだ。「シンプル イズ ベスト」で、少々リボン型がヤカマシイぐらいでもアッテネーターが無い方がまだマシ。

直接的な働き掛けによる音圧のレベル合わせはアッサリ諦めて今度はアンプ側から攻めることにした。

さあ、ここからがとても一筋縄ではいかなかった。

我が家には現在活用できる真空管アンプが6台ある。そのうち「PX25シングル」アンプは「AXIOM80」との「黄金の組み合わせ」なので絶対に外すわけにはいかないので、残る5台のアンプによる相性探しとなった。

どうせ実験用のシステムなので気楽なものである。

☆ アンプ転がし

第一弾 WE300Bシングルアンプ(1950年代製オールド)

まず最初に登場するのは半年以上ご無沙汰だった「WE300Bシングルアンプ」。球が相当古くておそらくオシャカ寸前だろうと思うので勿体なくて使う気になれないアンプだが、新しいスーパーツィーターに対面ともなると乾坤一擲の出番となった。

            

しばらく慣らし運転をしないと即断は禁物とばかり、2時間ほど鳴らし込んでみたがこれはこれで悪くはないものの、どうも手放しでOKというわけにはいかない。高音域の抜けはいいんだけどカットオフ周波数の4000ヘルツ以下の音がやや薄味気味かなあ。

このアンプは一次増幅管が「12AU7」、二次増幅管が「AC/HL」だが、いろいろ真空管を交換して可能性を探ってみた。

まず二次増幅管を「AC/HL」から「MHL4」へ変更。ミュー(増幅率)を30前後から20前後に落とし、その代わり一次増幅管の「12AU7」(ミュー=17)を「E80CC」(ミュー=27)へと差し換え。

そして、この「E80CC」について4種類の球転がし。

        

左から「シーメンス」、「タングスラム」、「フィリップス」、「ヴァルボ」。いずれも業界では名が通ったブランドである。

この中では「ヴァルボ」がベストというか一番相性が良かった。「フィリップス」も高音域の爽快感は「ヴァルボ」を凌ぐものがあるが中低音域の力感がもうちょっと欲しくなる。その点ヴァルボは全体的なバランスがよく取れている。やっぱりお値段がよく知っている(笑)。

こうやって書くとほんの数行程度だが時間にするとおよそ4日あまりかかった。まさに「光陰矢のごとし」(笑)。

ちなみに、現在オークションで「E80CF」という型番のフィリップス製が出品されている。(オランダ)フィリップスとあれば見逃す手はないので「北国の真空管博士」に「E80CC」との互換性をお訊ねしたところ、次のようなメールが返ってきた。

「ヨーロッパスタイルの球の番号について解説します。
 

たとえばE80CCは、E=6.3Vヒーター、80=単純な番号、C=三極管、C=三極管。  

上記のルールからE80CCは6.3Vヒーターの双三極管であることがわかります。 
 
一方、E80CFの場合は、E=6.3Vヒーター、80=単純な番号、C=三極管、F=五極管 
 
E80CFは6.3Vヒーターの三極管と五極管の複合管です。

つまりE80CCやE180CCと互換性はありません。E80CFの主な用途はテレビの高周波管です。」

さすがは博士、良く判りました!いつもご丁寧な解説をいただきありがとうございます~。

これでWE300Bアンプはひとまず落ち着いた。まあ、こんなところだろう。自己採点では75点。意外に辛い(笑)。

次はいよいよ「71Aプッシュプルアンプ」の登場だ。「71A」真空管の素直で透明感のある音質がスーパーツィーターをどう調理してくれるんだろうか。胸がワクワクする。

真空管アンプ弄りはどうしてこうも楽しいんだろう(笑)。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リボン型スーパーツィーターの登場

2016年08月06日 | オーディオ談義

2年ほど前のこと、「CDとSACD(ハイレゾ)とでは音質が段違い」という話があったのでそれを真に受けてSACDを導入してみた。

ところが、たしかにCDを上回る音質であることは確認できたが、掛かるお金の割には、これをコスト パフォーマンスというのだろうが、それほどでもないというのが当初の正直な感想だった。

なにしろSACD盤はCD盤の5倍以上もの値段がするが、古典管のナス管を用いた真空管アンプを使う限り、普通のCDでも魅力的な音がするのでこれで十分かな、ま、個人的な思い込みもあるのだろうが(笑)。

だが、しかし。

SACDの周波数の範囲は高音域が10万ヘルツとなっているが、現在我が家で使っているツィーター(高音再生機器)の周波数はせいぜい2万ヘルツが限界なので、物理的数値の世界でははるかに及ばない。

そこで「10万ヘルツまで再生できるツィーターを使ってこそはっきりとモノが言える。」とばかり、この件についてはあえてずっと封印してきたが、このほどようやく公に口を開く資格が出来た。

「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」(フィリップ・マーロー)の、その資格という意味である(笑)。

「パイオニア」というメーカーは今となってはまったく冴えないが、ひところは「エクスクルーシブ シリーズ」など凄い製品を出していたので今でも気になって当時の掘り出し物がないものかと、オークションでときどきチェックしてきたが、この地道な努力がようやく実を結ぶ時が来た。

ついに「リボン型スーパー ツィーター」を発見。見た瞬間に「ええ音が出そうやな~」とピンと閃いた。

           

何と「元箱付きの新品同様品」でっせー。興奮したときはつい生まれ育った博多弁から関西弁が入り乱れるクセが在るのでご容赦願いたい(笑)。

オークションの解説にはこうあった。
 

「銘機と謳われた「PTーR9」をさらに進化させたリボン型スーパートゥイーターの最高峰!Pioneer PT-R100ペアを出品致します。メーカー希望小売価格298,080円です。

振動板には軽量かつ高剛性のベリリウムを使用し、120kHzまでの超高音域高品位再生を実現しました。お手持ちのスピーカーシステムと組み合わせることにより、超高音域の加わった本格的でかつ音の深みをあますところなく伝える、広がりのある音場を実現することができます。

共振しにくい高剛性のアルミダイキャストを採用し高級スピーカーシステムにマッチする真鍮製のスパイク付き木製ベースを付属したインテリア性に優れたボディーケース。

外観は、片側の左側面に小傷と底面部に台座のスパイクが接するので小傷がございますが、その他は目立った大きな傷もなく艶もあり綺麗な状態でございます。ユニット保護のパンチメタルに薄いへこみがございますがリボンへのダメージはなく動作も問題なく良好な状態でございます。

掲載写真も参考にして頂ければ幸いでございます。是非、スピーカーシステムに加えて頂きお楽しみ下さい。
付属品は、元箱・取扱説明書(コピー)・専用の台座(若干の傷有り)です。

現在の中古の市場価格は、〇〇をご参考下さい。

商品の詳しい特徴や仕様は、メーカーHPをご参照下さい。

型式 :リボン型

インピーダンス :8Ω
再生周波数帯域 :5kHz~120kHz
最大入力 :100W(EIAJ)
出力音圧レベル :98dB/W/m
カットオフ周波数 :5kHz以上(遮断特性:12dB/oct)
外形寸法 :W180×H120×D163
質量 :3.2kg」

リボン型ツィーターの優秀性はかねがね耳にしていたものの、出力音圧レベルが低いのが難点だと思っていたが、この機種は「98dB」なので、これだけあれば十分。インピーダンスが8Ωなのでフィリップスのユニット(8Ω)とも組み合わせOKなのも気に入った。

ただしカットオフ周波数が5千ヘルツがちょっと気になる。我が家のネットワークのカットオフ周波数は4千ヘルツ(12db/oct)だが、小出力の真空管アンプで駆動していることだし、その差の1000ヘルツくらいはまあ大目に見てもらうことにしよう。

というわけで、即決で落札。落札価格はヒ・ミ・ツ。このブログは娘が見ている可能性があるので母親に秘かに注進でもされたらチョット煩わしい。母親の腹の中に10か月余分に入っていたせいか、母娘の固い絆には父親でさえもどうしても割り込めないのだ(笑)。

出品者と連絡を取り合って、7月31日(日)の昼ごろに無事到着。さっそく結線を済ませた。駆動するアンプは久しぶりの出番となった「WE300Bシングル」(モノ×2台:1950年代オールド製)。

           

血沸き肉躍らせながら聴いたその第一声は・・・。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

また故障か!

2016年08月04日 | オーディオ談義

我が家のオーディオにとって鬼門となっているのがCDトランスポートである。

このPCオーディオ全盛時代に「今さらCDを鳴らす道具なんて時代遅れだ!」と、一笑に付されそうだが旧石器時代のオジサンにとってはなくてはならない代物である(笑)。

それなのに、まあよく故障すること!

以前持っていたワディアの「270」はCDを出し入れするトレイが動かなくなって修繕に出し、完了して戻ってきたものの、程なくオークションに放逐。

その代わりに購入した「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS:イギリス)も1年半ほどして、やはりトレイが動かなくなった。それほど長時間酷使した覚えはまったくないにもかかわらず。

首を傾げながら、やむなく修繕に出したものの直るのになんと半年以上もかかった。その間、馴染みのオーディオショップ「SIS」(東京)さんから、同型機を貸してもらっていたので実害はなかった。

しかるに、またもやその直ってきた「ヴェルディ・・・」が故障したのである!音声信号の読み取り機能がおかしいのか、音がピピピと滑り出したのが一つ、SACDの再生が出来なくなったのが二つ目、そして最後にまたもやトレイの開閉がぎこちなくなった。

もう、まったく頭に来るなあ!

製造元の「dCS」は潜水艦のソナー探知のデジタル技術で名を挙げたメーカーだが、回転系のメカはどうも苦手らしい。

怒りにまかせて「SIS」へメールを発信。

「1か月ほど前からまたもやスカラの調子がおかしくなりました。トレイの開閉が不自然ですし、SACDの再生ができずCDとしてか再生できません。これは根っからの不良品ではないでしょうか。いっそのこと交換できませんかね?」

かなり厚かましい申し出に対して翌日、さっそく担当のSさんから携帯に連絡があった。

「どうもご迷惑をおかけして申し訳ありません。幸いにも同型機の在庫がありましたので試運転をした結果OKでしたので本日発送しました。今度は大丈夫だと思います。」

良かった。極めて迅速かつ良心的な対応にホット一息。やはり、このショップから購入しておいて良かった。

オーディオシステムのうち、大型機器はオークションではなく、なるべくしっかりしたお店で購入するように心がけているがこういう時にモノをいう。とにかく「SIS」さんの在庫量は半端ではないが、歴史が長い上に担当者がくるくる変わらないので大いに助かる。

7月29日(金)の午後に現物が無事到着。

何しろ図体が大きいので目立つ。誤解されないように当日の朝、家内へ一言。「おい、今日大きなオーディオ機器が届くが、けっして購入したんじゃなくて無料交換だからな!」

やりたい放題のようにみえても結構、気を使っているのである(笑)。

          

使い馴染んだ機器なのですぐに結線を終えて、まず聴いたのがエンヤ(イギリス)の最新作で7年ぶりのアルバム「ダーク・スカイ・アイランド」。
いつもの重厚なサウンドが音響空間に響きわたった。満足この上なし~。

                     

日頃「音楽はモーツァルトのオペラに尽きる」と声高に叫んでいるものの、実はエンヤが好きで好きでたまらないのである。我が輩は表向きの顔と裏向きの顔とがあるので怪人2面相だ(笑)。

今回のアルバムも1日に一度は聴いているほどだが、このCD盤についてはメル友の「I」さん(東海地方)という同好の士もおられるのでたいへん心強い。先日も次のようなメールが到着。
 

「~前略~

結果は・・・最近試聴盤に加わった「エンヤ」です・・・1曲目と2曲目を使っています。その2曲目の「SO I COULD FIND MY WAY」を涙で聴くことになりました。 
 
なぜ涙が?
 
① 老化で涙腺が緩んでいるだけ
 
② エンヤの力で、私自身のこれまでの数々の悪行が洗い流されていく過程での反応
 
③ 予想外のいい音に感激 
 
比率はたぶん、4・4・2だと思います。素晴らしいCDでした。」

自分の場合でも涙の比率が「I」さんと丁度同じ4:4:2くらいなのであまりの符合に驚く(笑)。

「数々の悪行」とあるが、人間、生きていくうえで知らず知らずのうちに周囲を傷つけていることっていっぱいあるような気がするし、そもそも(人間は)他の動物を殺して糧にしているので生きることそのものに罪があるという説もあるが、そういうときの「悪行」に対する癒しにエンヤの音楽はもってこいである。

また、オーディオシステムのグレードが上がれば上がるほどエンヤのサウンドは音響空間いっぱいに漂い、そして鮮烈に響きわたってくれるのでテスト盤にはもってこいだと思う。

CDの利点を生かして「希望者にはコピーして差し上げましょう」と気軽に言いたいところだが、表向きは法律で禁止されているので弱りましたねえ~(笑)。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする