「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~オーディオ訪問記~

2007年08月30日 | オーディオ談義

音楽・オーデイオに極めて熱心な方(仮にBさんとしておく)が○○市に在住されており、まるっきりの初対面だが「いつでもどうぞ」ということなので知人のMさんと連れ立って音楽を聴きにお伺いした。

暑い盛りのある日、途中で手土産を購入して午後2時過ぎに予定通り到着。市の中心部からクルマで20分ほどの場所で敷地も十分余裕があり、専用のオーディオ・ルームを擁する建物も立派な洋館風で、音の方もさぞかしと思えるたたずまい。

互いに自己紹介をして早速オーディオルームに案内してもらった。まず目に飛び込んできたのが巨大なアンプなどの機器がずらりと鎮座。

大型の電源供給機器をはじめプリアンプ、CDトランスポート、DAコンバーター、プリアンプ、チャンネル・デバイダー、それにパワーアンプ3台(A級)。驚いたことにすべてが国産随一の高級ブランド「アキュフェーズ」の製品で見事に統一されている。

Bさんはオーディオ歴50年近く、ご年齢は70歳前後の方。好きな音楽のジャンルはクラシック一辺倒で、音楽は人類が残した最大の遺産だと言われる。これまで随分長く音楽を聴いてきたが、結局最後はバッハ、モーツァルト、ベートーベンに尽きるとのことで、その発言に年月の重みを感じた。

始めの試聴曲はベートーベン、それからバッハの無伴奏バイオリンソナタ、モーツァルトのK136、ストラヴィンスキーの春の祭典、また映像では大型の液晶テレビでNHKのBSハイを録画した小澤征爾指揮による演奏を聴かせてもらった。

結局のところ、約2時間ほどお邪魔しただろうか。丁重にお礼を述べてBさん宅を後にした。

以下、帰りの車中でのMさんとの会話を再現してみた。

T「Bさんの音楽に対する情熱にはまったく頭が下がるけど、はっきりいって音質がいまひとつ物足りない。オーディオはお金を掛けさえすればいい音が出るというものではないようで、何だかがっかり。」

M「そのとおり、しかし、考えてみるとお金を掛けないとやはりいい音は出ないのかという挫折感を味わうよりは我々にとっては逆にいいことなのかもしれない」

T「とにかくスピーカーがアンプに負けている感じ。音のバランスが悪くて、大音量でとても疲れる音。アンプに使う金をもっとスピーカーに回せばいいのに、誰か率直に意見をする人がいないんだろうか」

M「音量はこれでいいですかという気配りがないことひとつをとってみても、マイペースの人で他人の意見に素直に耳を傾ける感じの人ではなさそう。年齢も年齢だし、自分でよいと思っていればそれでいいんじゃないの」

T「高級ブランドの機器をポンと置けば簡単に好みの音が出ると信じ込んでいるタイプ。しかも、スーパー・ツィーターまで欲張っているので、かえって音を悪くしている感じ。それぞれの機器の能力が十分に発揮されていない。何だかもったいない気がする」

M「アキュフェーズの実力はあんなものではないと思うが・・・。電源の極性の点検、各音域のクロス・オーバーの見直しなどを詰めると、もっと音が良くなるはず。とにかく欲張りすぎている感じ。録音された音源をすべて再生するのが一番いいとは限らない」

T「再生音というものは、人間のイマジネーションで補う余地を残しておくことが重要な場合もあるということ? たとえば80点の点数を取って残りの20点は想像力としてイメージの世界で広がっていくような感じの音。小説でいえば行間を読んでいく感じ・・・。」

M「そうそう。写真も同じで被写体を寸分たがわず写すのがいちばんいいとは限らない。解像力と想像力のぎりぎりのバランスは、もちろん写し方にもよるが今でもドイツの昔のレンズに一日の長があるように思う。」

T「とにかく、もっと仲間がいて相談できる人がいればあんな無駄遣いに近いことをしなくて済むような気がして、Bさんにとっても大変不幸なこと。」

M「オーディオは自分ひとりの世界に閉じこもるとやはり発展性がなくなる。もっと他流試合をして広く他人の音を聴き耳を鍛えて情報を仕入れるといいのに・・・・」

T「知人のAさんもBさん宅の音に興味を示していたけど、今日の結果をどういう風に伝えようか本当に迷ってしまう」

M「・・・・・・・・」。


 



 

 

 

 


 


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釣り紀行♯11~釣果は魚の食い気次第~

2007年08月28日 | 釣り紀行

日ごろ慎重な物言いのNHkテレビの天気予報の担当が珍しく改まった口調で、今日(8月27日)を境に秋の気配に転じますという早朝アナウンスをしていた。

ということで27日(月)は、猛暑の締めくくりかもしれない日だが、とにかく暑いという実感がこもる中、潮の具合がよさそうだし、土、日は所要があって動きが取れなかったせいもあって満を持しての釣行となった。自分の健康(熱中症)の心配よりも魚の型が優先するのはいうまでもない。

目指すは相変わらずY半島のF防波堤だが、今日は大潮の2日目で、午前中が引き潮のグッドタイミング。前回引き潮で良型が来たので大潮の日の引き潮はさぞかしという期待に大いに胸が弾む。

引き潮のタイミングにあわせて、やや遅めの出発で現地到着は通常より1時間遅れの9時到着。相変わらず広い波止は誰もいない。今日は干潮が13時前後なのでヤマ場は12時前後だろうとの予測で早速マキエ開始。

ところがお目当てのクロの動きがまったく鈍い。とにかく食い気がない。ゆったりと動いてマキエに群がらない。釣果の方も開始2時間で5,6匹程度。エサ取りの数が滅茶苦茶に多い。

いくらヤマ場が12時前後とはいえ、開始2時間でこの状況では今日はダメかもしれないというアキラメムード。どんなに秘術を尽くしても魚に食い気が無くては完全にお手上げである。サッパリ原因がわからない。なぜ食い気が無いのか魚に聞いて見たいほど。

ようやく11時前後から散発的に当たり出したが、手の平に近い木っ葉(こっぱ)グロ程度ばかりでほとんどがリリース・サイズ。考えてみるとこんなに暑いと魚の食欲も無いし、それにこれほどの快晴だと警戒して良型は底深く潜っているはず。

結局のところ釣果は手の平クラスで30匹前後だったが、この真昼間にこれだけ釣果があればオンの字かもということで13時半ごろ納竿。

しかし、自宅に着いても写真を取る気力はさすがになし。今日は完全に当てが外れた。こちらは遊び半分だが、魚の方は命が掛かっているということで納得。しかし、自然が相手の釣りはやはり難しい。

と  き   2007年8月27日(月)   快晴、無風

ところ    Y半島F波止場

釣り時間   9時15分~13時30分

潮       大潮

釣 果     手の平クラス30匹前後

メ   モ    魚の食い気は何に左右されるのだろうか。
         潮、干満、海水温、天候、マキエの食べ過ぎ、マキエの種類   


 


 

 


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オーデイオ談義~複製盤の音質~

2007年08月24日 | オーディオ談義

随分昔の時代では、本格的な音楽鑑賞といえば周知のとおり王侯・貴族が豪勢な邸宅に楽団を招聘して演奏させ、それを聴くといった方法に限られていた。

それが近代では、録音・再生機器などテクノロジーの進歩で自宅で手軽に音楽を聴けるようになり、それも気に入った曲を何時でもどこでも繰り返して聴ける非常に便利な世の中になった。

若い頃は、それほどレコード盤を購入できる余裕もなかったことからNHKのFM放送をメインソースにして「FMファン」という雑誌で好きな曲の放送時間をチェックし、せっせとカセットテープに録音したものだった。

それだけでも十分恩恵を受けたわけだが、それがいまや、デジタルの時代になりCDの出現で雑音の無い優れた音質でもって生の演奏会にかならずしも行かなくても済むようなレベルで楽しめる状況になっている。

CDの利点はいろいろあるが、取り扱いが簡単、好きな曲の頭だしが便利、所蔵場所が少なくて済むなどだが、何よりも複製が簡単にできる点も大きな利点となっている。

もちろん、複製については著作権法により「個人的な範囲を超える使用目的で複製する」ことは厳として禁じられており、これを逸脱しない範囲という条件付での利用に限られるのはご承知のとおりで、ちょっとした旅行やドライブなどのときに、複製盤は便利がよい。

パソコンなどのコピー機能を使えばごく短時間にそれも簡単に複製できるわけだが、さて、その複製された盤とオリジナルのCD盤とは音質にどのような違いがあるのだろうかというのが今回のテーマである。

理論的には、デジタルからデジタルへの録音は音の劣化がないとされるが、音質はいまだに完全には科学的に解明されていない領域が大いにあり、一人ひとりの耳や感性に負うところが大きい。以下は自分の経験を踏まえた個人的な感想なので念のため。

(1)あまり音質をうるさくいう人でなければ、まずその差は分らない。それほど複製盤はよくできている。一昔前のカセット録音とは雲泥の違い。

(2)次に、音質にうるさい人の場合
CDのオリジナル盤といってもかってのレコードの時代の古いマスターテープの録音から焼き直したCD盤と新しいデジタル録音したCD盤とでは違うので、一律には論じられない。

古いアナログ録音をソースとしたCD盤を複製した場合はほとんど遜色がないし、むしろ、複製盤の方が聴きやすくなる場合がある。

問題はデジタル録音をソースとした比較的新しいCD盤を複製した場合で、やや微妙な世界になるが低域、中域はそれほど変化がない。難点は高域で、伸びや繊細さにやや欠けるところがあり、やはりオリジナル盤の方が優っている。

ただし、人間は年齢を重ねるにつれて耳の機能が衰え低域に比べて高域の方の音が聞こえづらくなるので、中高年になるほどその差が段々分らないようになっていく。

結局のところ、総合的にみると複製盤でも十分音楽鑑賞ができるレベルにあるということになる。

また、作品の持つ芸術性は音質などを超えるものがあるから、音楽鑑賞においてオリジナル盤、複製盤にこだわる必要はあまりないというのが最終結論。




 



 


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独り言~野球の魅力~

2007年08月20日 | 独り言

猛暑の中、日本の夏の風物詩「炎天下の甲子園」もいよいよ佳境(20日現在ベスト4に向けて熱戦中)にさしかかっている。さらにプロ野球ではセリーグでは首位争いが激烈、またアメリカ大リーグの方も日本人選手の活躍が常に注目の的。まさに日本列島、野球一色の感がある。

考えてみるとスポーツの種類は野球以外にも実に沢山あるが野球ほど日本社会に根を下ろしているスポーツはほかにない。サッカーも人気があるが野球に比べるとまだまだ。その原因は一体なんだろうかと、ときどき考えていたら、野球の魅力をいろんな観点から解剖した本に出会った。

「随想集:偶然のめぐみ」(2007年6月15日:日本経済新聞社)

著者:清岡卓行(きよおか・たかゆき)氏、1970年「アカシヤの大連」芥川賞、法政大学教授、セ・リーグ事務局で13年間試合日程編成、2006年6月逝去。

本書の207頁~241頁にかけて鼎談(清岡卓行、清水哲男、平出隆各氏)により「日本人にとって野球は何か」というテーマで分析がなされている。自分なりにまとめてみた。

・野球という言葉の由来

明治時代に欧米の文明を輸入する時に様々な訳語を漢字の新しい組み合わせで行ったが、野球も最初はいろんな訳語があった。「底球」「基球」「塁球」「球遊び」とかあったが結局「野球」が定着した。

「ベースボール=塁球」でもおかしくないと思うが、野あるいは野原というのは明るく開放的で、大変清々しい雰囲気があるし音節も短く、発音もしやすい。原っぱとか広っぱとか町の隙間を見つける感覚から「野球」という言葉が日本語として定着した。
これは名訳の一つであると思う。

・いろんな要素が重なるスポーツ
野球は9人の選手がそれぞれの個性に見合った特殊な守備位置や打順に着き、その総合力でチームの勝敗を争う団体競技。

個人と全体の微妙なバランスによって成り立つスポーツで、日本全体の近代的な発展を象徴する形でもあり、日本人向きといえる。おまけに、投手と打者だけをクローズアップすれば、昔の侍の一騎打ちみたいな素朴な要素も含まれている。

いろんな要素が重なるスポーツとして野球ほど複雑なものはなく、そういう意味で明治以降の日本にうまく合致した。

・野球の進展

野球人気の中心となったのは始めは一高対三高戦、ついで六大学リーグ戦でいわば若い知性の突端が野球の前衛となった。
一方、新聞社が野球に熱心で朝日新聞が「夏の甲子園」、毎日新聞が「春の大会」および都市対抗野球、読売新聞がプロ野球組織の中心となった。この潮流は高度産業社会に見合った分業時代の一つの象徴で実に日本的。

・ヨーロッパではどうして野球が盛んにならないか
①野球の特殊性
サッカー・ラグビーは双方に陣があってお互いに攻めあうが、いつ攻め返されるか分らないという対称性が常にある。

一方、野球の場合は攻守ところを変えてというところはルールで縛っており、ある時間帯を区切って守るだけ、攻めるだけとなっている。

ヨーロッパの感覚では
国境を越えたり越えられたりという侵略意識といったものがうまく国民的なスポーツになっている。

一方、アメリカ、オーストラリア、日本など野球が盛んなところは歴史的にも国境という意識が希薄なところがあり、その部分に野球が根付いている側面がある。

それにホームランという無限性があり、守る側は「無限」を背にして守っているわけでこれはヨーロッパの感覚では受け入れられない。

②知的で人工的な野球

ヨーロッパは歴史的に見て哲学的ないし科学的な知性による仕事の蓄積と疲労がいちばん著しいところ。したがってスポーツが知性とは対称的な位置づけにあり本能への遊び、慰め、楽しみである側面が大きく、ルールが単純明快、ポジションもそれほど個性的でない気安いスポーツが受け入れられ普及している。

これに対して野球はルールがとても複雑で知的かつ人工的なので、ヨーロッパ人にとって知的にわずらわしくて不自然で面白くないという感覚がある。さらに一方ではホームランというまるで試合の知的な要素すべてを一挙に吹き飛ばすような摩訶不思議なものがあり、ある意味不自然な印象を受ける。

概略、以上のとおりだが、ヨーロッパで野球が盛んにならない理由の一つとして国境の侵略意識と陣地争いを絡めているところがややこじつけの感もあるがなかなか面白い見方。

そういえば、以前、石原莞爾氏(昭和初期の軍事思想家)の文献によると
「ヨーロッパの連中は三度の飯より戦争が好き」といった表現を見た記憶がある。世界史については疎くてあまり自信がないが、ヨーロッパの歴史=戦争の歴史なのだろうか。


       







 


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釣り紀行♯10~引き潮で良型が~

2007年08月18日 | 釣り紀行

8月16日(木)は40.9度を記録した地域が全国で2箇所あり74年ぶりの記録的な猛暑とのこと。しかも明けて17日(金)はペルー大地震により北海道から沖縄まで太平洋沿岸は津波注意報のお触れ。

こういう悪条件にもかかわらず、何だか魚が食べたくなったので釣りに行くことにした。場所は釣果が確実に見込めるY半島F防波堤。前回(8月11日)はこの場所で涼風により秋の気配を感じたが、猛暑の昨今、どういう体感が味わえるか確認する興味もある。果たしてあの涼しい気配は見せかけだったのだろうか。

到着したのが、7時50分。予想どおり平日とあって釣り人は誰もおらず広い防波堤は独占状態。早速釣り開始。今日は前回と違って全然風が吹かないようだ。さぞやと覚悟したがそれが不思議なことにあまり暑くないのである。第一に汗が全然出てこない。とにかく蒸し暑くないのでさわやかである。やはり海上の方が秋に一歩近づいている感があり、陸上とは随分違う。

さて、釣果の方だが始めから案の定の入れ喰い状態。型の方は全然期待していないので、機械的に取り込むだけだが、3匹に1匹ぐらいの割合で手の平未満をリリース。

今日もそこそこ釣ったら帰り支度でもするかと思っていたところ、12時前後の引き潮5分目(ごぶめ)ぐらいになってかなりの良型が浮いてきた。一般的に
釣れる時合いは上げ3分、下げ7分という言葉があるが、もちろん上げ(満ち込み)向きの防波堤と下げ(引き潮)向きの防波堤と二つのタイプがある。ここは、どうも引き潮向きのタイプのようだ。

こうなると竿の曲がりが気持ちよくなり、俄然やる気が湧いてきて、マキエが完全になくなるまで釣った。納竿は13時15分。

結局、足の裏サイズが10匹前後、手の平サイズが50匹前後は釣れただろうか。全体的に型も良くなり、このF防波堤で良型を全然期待していなかっただけに今日はうれしい誤算だった。この場所はもしかすると夕まずめの干潮前後は大穴場かもしれない。これは是非試してみる価値がありそう。なかなか魅力ある防波堤である。

なお、津波の影響かなと思わせる不自然な波が午前中に突然30cmくらいの高さでザブッと押し寄せてきた。

                       

と   き       2007年8月17日(金)、快晴、海上無風

と こ ろ       Y半島F防波堤

釣り時間       8時10分~13時15分

潮           中潮

釣   果       足の裏サイズ10匹前後、手の平サイズ50匹前後

メ   モ        集魚剤は効果大なので是非使用のこと
             今後、金具のヨリモドシは使用不可








 

 

 


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独り言~クルマの走行距離~

2007年08月16日 | 独り言

交通事情の悪い地方では、クルマはなくてはならない貴重な足で必需品。魚釣り、運動ジム通い、買い物などにフル活用だが、所詮は消耗品なのでいつかはガタがきて寿命がくる。

さて、問題はその寿命の来かたで、出発時点での故障ならいざしらず、到着地での故障に出会った時は悲劇の極みで、特に遠方の人里はなれた魚釣りなどに行ったときのトラブルは想像しただけでもゾッとする。

現在乗っているクルマは、購入後7年半ほど経過しており、走行距離も16万6千キロだから、故障がいつ起きてもおかしくない立派な
有資格車(?)である。

特に連続した猛暑日となり、エンジンなどに負担がかかる時期になるとこの信じられないくらいの走行距離がつい気になってしまう。これまでに大きな故障はないし、丈夫なクルマとの信頼感を持ってはいるが事前に故障の予兆なり徴候を察知できればそれに越したことはない。

果たしてクルマは通算してどのくらいの距離を走れるものだろうか。

クルマの心臓部はなんといってもエンジンなので、今更でもないが一通りの知識をと思ってクルマの解説書を探してみたところ適当な本が見つかった。

『林教授に訊く「クルマの肝」』(2006年4月19日、著者:林 義正、(株)グランプリ)である。「クルマの肝」というだけあって、エンジンについて詳しく、それも素人向けにQ&A方式で分りやすく書いてある。

著者:林 義正氏は九州大学航空工学科卒業後、日産自動車でエンジン開発に長い間携わり、現在は東海大学動力機械工学科教授。普通の教授と違うところは最高峰といわれる国際レースで活躍する高性能エンジンの開発を手がけた超一流のエンジニアとのこと。

「直6エンジンとV6エンジンの違い」「新車であってもエンジンの当たりハズレがあるか」「頻繁なアイドルストップは本当にエコなのか」「ガソリンタンク内の除水は必要か」など興味ある問答がズラリと並んでいるが、エンジンのメンテナンスでもっとも大切なエンジンオイルの働きについてピックアップしてみた。

☆ エンジンにとって潤滑オイルはどのような働きをしているのか。また、高級オイルを使用した方がいいのか。

エンジンオイルは車両のメンテナンスでもっとも重要なものの一つであり、エンジンを構成するあらゆる部品は必ず油膜を介して接しているので、決して切らさないことが絶対条件。(減摩作用など六つの作用がある)

しかし、
潤滑オイルはいまだに定説のない技術で多くの企業や技術者が研究しているがまだ分らないことだらけ。理屈が解明されていなくても現象が優れていれば使うといういい例がこのエンジンオイルの現状。(そういえばオーディオ・ケーブルも似たような存在)

オイルの性能は、エンジンに入れてから500~2000kmまでの間にどんどん下がってきて、それ以降は、そのオイルが持っている底辺の性能で安定する。底辺の高さがどのレベルかということは、ベースオイルの性能に拠るところが大きい。

高級オイルによる恩恵はいろいろな面で受けることができる。出力の向上、回転フィールも軽やかになるし、熱による変質が少なければ長い期間初期性能に近い状態が維持できるので使用価値あり。以上。

なお、この本ではオイル添加剤の使用を否定する傾向にあったが、当方のクルマはターボ付きだが、添加剤を入れると必ず燃費がよくなりモトが取れてお釣りまでくるので古い車には有効だと実感している。

最後に最新ニュースを一つ。

トヨタが「プラグ・イン・ハイブリッド」の開発に着手したとのこと。
ハイブリッドから電気自動車への
「進化の一過程」だそうで家庭用電源で手軽に充電でき、充電が切れた時はガソリンで走行できる優れもの。現状のバカでかい、しかも高価な蓄電池も不要となり、走行性能も燃費も格段に向上するそうで、どんなクルマが登場するのか楽しみ。


       



 

 

 


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愛聴盤紹介コーナー~ブルー・ベルベット~

2007年08月14日 | 愛聴盤紹介コーナー

アメリカン・ポップスのジャンルに入るが、ボビー・ヴィントンという歌手が歌った「ブルー・ベルベット」という曲がある。

「She was blue velvet」とさりげない出だしで始まるこの曲は最近、クルマのCMのバック音楽に使われているのでご存知の向きがあるかもしれない。随分昔の学生時代の頃にアメリカで流行った曲だが、しっとりとした唄い方でいい曲である。ブルーという言葉が入っているのでおそらく感傷的な、それも追憶の歌だろう。

過去のビルボード誌で調べてみると1963年9月21日から10月5日まで第1位を3週間続けており、年間チャートでは第6位というビッグ・ヒット曲である。

自分は当時、黒人のリズム&ブルースにはまっていたのでさほど気に入るほどでもなかったが、先日テレビで流れているのを聴いて実にいい曲だと見直した。やはり年齢とともに嗜好も変わるものらしい。

早速手に入れたいと思い、オークションで調べたところ何とこの曲が入ったCD盤(輸入盤)が8月7日23:17の期限で1枚だけ入札にかけられていた。今のところ入札者は誰もなく、開始価格は1000円。しめしめと思って少し幅を取って1300円で入札。ところが翌8日の朝になって残念なことに誰かが1400円以上で落札していた。

手に入らないと益々欲しくなるのが人間の常で仕方なく、「HMV」のホームページに入り込んで、ボビー・ヴィントンで検索したところずらりと並ぶ外国盤の提示。それが何とオークションに出品されていた同じCD盤がずっと安い1000円以下で販売されていたのには驚いた。送料を含めても「HMV」の方がずっと安上がり。

おそらく落札者も自分が落とした価格よりもネットで新品が安く販売されているとはつゆほども知らなかったに違いない。オークションの場合相手に負けたくないという競争心理が働いてつい妥当な価格を上回るケースがままあるようだ。

オークションの利点は「手に入りにくいものが購入できる」「価格が安い」ことに尽きるがこの場合は価格が安い上に見も知らぬ人間から購入するよりもHMVから購入した方がはるかに安心できるし、新品の方がいいに決まっている。早速、もっといい盤を見つけて購入手続きを取ったがつくづく「オークション=安い」の先入観は落とし穴であると思った。

これから、CD盤の入札に参加する時は「HMV」での販売情報を必ず下調べすることにしたが、とにかく手に入りにくいCD盤が手軽にネットで購入できる便利のいい世の中になったものだ。何といっても輸入盤が国内盤と同じように簡単に手に入るところがいい。

そういえば隣接の大分市で一番大きなCD販売店が最近とうとう店をたたんでしまった。自分のようなネットによる購入者が多くなったせいだろうか。これまで随分利用してきたので何だか申し訳ない気がするが、ネットは最初から割引価格で販売するので市場原理が働くのはやむを得ないところだろう。

おそらく、大分市に限らず地方ではCD販売店(専門店)が廃業もしくは縮小するところが多いのではあるまいか。生き残るためにはネット販売に負けない魅力づくりが必要だろう。

それで思い出したが、大分市の廃業したCD販売店のクラシック販売担当の女性はなかなか魅力的だった。ペルゴレージの
「スターバト・マーテル」(宗教音楽)はありますかと尋ねたところスッと迷いもなく棚からCD盤を取り出してきた凄腕で、細身のすこぶる美人だったが、彼女は今どこでどんな仕事をしているのだろう?

思わず、ブルー・ベルベットの曲のイメージと重なり合ってしまった。なお、注文したCD盤は予想以上に早く8月10日(金)には到着した。

P.S:2007.8.25

「ビルボードナンバー1・ヒット」(1990.9.20音楽の友社)によると、ボビー・ヴィントン本人はこの曲がヒットするとはまったく思わなかったらしい。「たった10分で録ったんだぜ。それに、甘すぎて可愛すぎる。ロック志向のヤングには受けないよ」「悪い結果が出ても知ったこっちゃないよと思っていたよ」


     

 

 



 


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釣り紀行♯9~海上は秋の気配~

2007年08月12日 | 釣り紀行

お盆が近づき、どうやら猛暑も峠にさしかかったようだ。夏の風物詩「炎天下の甲子園」も白熱した好試合が続いている。

さて、8月8日(水)に釣行したばかりで、あまり日にちが経っていないが8月11日(土)は中潮の後の大潮の日。もしかすると大物が釣れるかもしれないと思うと我慢ができず思い切って釣行してみた。それにお盆休みで大阪から娘が帰ってくるので新鮮な魚をという物欲も重なり合っている。

通常、土、日は釣り場所が混むし、休日にしか行けない釣り人に場所を譲る意味合いもあってなるべく遠慮することにしているが、この日だけは特別。

場所は、前回(8日)、大漁でいい思いをしたY半島のF防波堤。果たして柳の下にどじょうが2匹いるだろうか。前々回のT防波堤に比べて、距離としては25分ほど近くなり往復50分ほどの時間短縮となる。この差は大きい。その分じっくりと腰を据えて釣ることができる。

到着したのは7時35分。真夏の釣りは誰もが避けるのだろうか、釣り人が誰もいない。よく考えてみるとこんな炎天下に釣りをするのは自分ぐらいのよほどの釣り好きのおバカさんだけかもしれない。

熱中症対策はゆめゆめ怠りなくということで、なりふり構わず盗人(ぬすっと)スタイルでタオルを頭から被せ、野球帽と偏光グラスで目元だけ出し、こまめな水分の補給は欠かせない。ところが、釣りだしてみるとそれが思いのほか涼しいのである。

ときどきの強い風とともに爽やかな微風が気持ちよく肌を撫でるように吹き抜けていく。これはたしかに秋の気配である。海上では一足先に季節が動いているのを実際に体感した。結局、用意していたペットボトル3本のうち2本の補給で済んでしまった。

さて、肝心の釣果の方だが数のほうは予想通りといったところ。大潮なのでもっと大物を期待していたが、ほとんどが手の平サイズだった。それ未満はリリースしたが、T防波堤でもあまり大きくはなかったが、それ以上にF防波堤は内陸部に近いだけあってやや型が小さいようだ。それでもクーラー6分目、キープした数は70匹前後はいただろうか。

しかし、40代の頃と違って同じような型が連続して釣れると13時ごろにはもう根気が尽き果て疲れてきたので、マキエとエサが3分の1ほど残っていたが全て海にばら撒いて帰途についた。これだけ釣れればもういい。

なお、釣っていると黒い子猫がそばに来てお行儀よく足をそろえて魚を欲しそうにじっと見ている。あまりに可愛かったので釣ったばかりの小クロを投げ与えたところ走って持っていった。

結局、都合2回ほど持っていったが、クロがおいしいのならもっと来るはずなので"猫またぎ”というほどではないが今の時期はあまりおいしくないのかもしれない。

                     

と   き     2007年8月11日(土)  海上ときどき強風、常時微風

ところ       Y半島F防波堤

釣り時間     7時50分~13時

潮          大潮

釣  果      クーラー6分目、手の平サイズ70匹前後

メ  モ       錘の打ち方に要注意、食い気のないときは外すこと

 







 





 


 


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釣り紀行♯8~場所替え~

2007年08月09日 | 釣り紀行

台風5号が大分を文字通り縦断した(8月3日)が、その後天候不順の日々が続いている。やや不安を持ちながらも、潮の状況がいいので8月7日(火)に釣行を予定していたところ、雨の予報が50%以上なのでやむなく8日(水)に変更した。

前々回の大漁(7月23日)のときは、小潮が3日連続した後の長潮の日だったが、7日も同じで3日連続の小潮の後の長潮の日という好条件だったのだが、8日は1日延びて若潮の日となる。

これがどう釣果に反映するのか、とにかく前回(8月1日)の雪辱を期しての出発となった。それに潮の状況と釣果の因果関係が研究できるチャンスでもある。

場所は同じくY半島T防波堤。ここには連続6回と足繁く通っているが、知人から毎回同じ場所に行くのだねと言われた。

たしかに、ごもっともな意見。これまでの経験でいえることは、釣り場所は毎年同じように釣れるわけでもなく、1~2年もすると全然釣れなくなる場合が意外に多い。やはり自然が相手なので黒潮の流れや海水温の影響で釣り場を取り巻く環境が刻々と生き物のように変わっていく。したがって、同じ場所で釣れる間は徹底的に釣り上げようというわけ。

予定通り、8時着。早速釣り開始だが、これが予想外にサッパリ釣れない。エサ取りの小魚の数がものすごい勢いで群がり、クロが食べる余地がない。6回も続けて来て、1週間に1度の割合で大量のマキエをまいたので、どうやらエサ取りが味をしめて居ついてしまったようだ。

これでは潮の研究どころではなく、釣果も上がらず結局3時間で10匹程度でがっくり。今更ながら、クロ釣りがこんなに難しいとは思わなかった。型の文句を言うどころではない。早々の退散で場所替えとなった。

いさぎよく道具をたたんで、Y半島のつけ根の位置にある別のF防波堤に移動。到着したのが12時10分。このF防波堤は初めての釣り場だがT防波堤が釣れないときはと、かねてから目をつけておいたところで周囲の地形や汐の流れ具合からいかにも釣れそうな嗅覚がはたらく。平日なので誰も釣り場にいない。

駐車場から約5分と非常に便利もよく足場もよい。早速の釣り開始だが予想通りだった。はじめから入れ喰いの状態で次から次に面白いように釣れる。結局全部で60匹程度(大型クーラーで約5部目程度→写真)ぐらいになっただろうか。

釣りはやはり場所が一番重要と改めて認識した。この場所はエサ取りが非常に少なく釣り荒れていないので、これに味をしめて当分連続してこの場所に来ることにした。

結果としてはT防波堤が釣れなかったおかげでF防波堤を発見できたので、何が幸いするか分らない。

なお、家内の話ではクロの味が梅雨時に比べてサッパリした味になっており、油分が少なくてコクが無くなったとのこと。やはり、梅雨グロという旬は伊達ではなかった。

                      

と き     2007年8月8日(水)   海上、強風・突風

ところ     Y半島T防波堤 → F防波堤

潮       若潮

釣り時間    T防波堤(8時15分~11時15分)、F防波堤(12時30分~15時30分)

釣  果    足の裏サイズ10匹前後、手の平サイズ50匹前後

メ   モ    集魚剤の種類は一考のこと
         竿のせいで右手首痛し、次回はリストバンド着用のこと

 

 

 


 


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独り言~松井選手の月間MVP~

2007年08月07日 | 独り言

ヤンキースの松井選手が7月の月間MVPの栄冠を獲得した。打率が3割以上、本塁打が13本、打点が28と並み居る大リーグのスラッガー達を押しのけての堂々たる快挙である。

日本の長距離打者として鳴り物入りでヤンキースに入団した松井も今年で5年目となりようやく一時的にでも花が開いた感じ。もちろんまだシーズンが終わっていないのでなんともいえないが、月間13本の本塁打は大リーグ記録の14本まであと1本なのでとにかくすごいの一言。

今シーズンの松井は4月から6月までとにかく冴えなかった。左足太ももの肉離れ、打率の低迷、少ない本塁打数でこのままいけばシーズン後にはトレードかもとの心配もどうやら杞憂に終わりそう。

シーズンに入る前のブログでは、今シーズンの成績が松井の過去最高のものになると予想していただけにうれしい。

いちばん気になったのは、6月中後半の不振でネット情報によると松井が不眠に悩んでいるとあった。150キロ以上の剛速球を相手にコンマ0秒以下の世界、どう打つか一瞬の判断が要求される世界で睡眠不足は致命的であり、これで松井の選手生命も危うくなったと本当に心配した。

しかも、オールスターでのあのイチローの活躍ぶりが対照的で誰もがイチローの方に軍配を上げたことは確実だろう。しかし、ここはそれを跳ね返すように蘇った松井の精神力を讃えたい。

最近のバッティングは従来のものとは明らかに違っている。ボールを遠くに飛ばそうという意図がはっきりと感じられるスウィングである。チームのために短打でもいいからあくまでも打点をといった姿勢がここにきて変わってきている感じ。

松井の心境にどういう変化があったのだろうか。以前、イチローが松井に「お前はホームランが打てるのだから打率にこだわらずそれに特化しろ」といったアドバイスをしたと聞いたことがあるが、改めて真に受けて実行する気になったのだろうか。

とにかく超ノンビリ屋さんだがやる気になったときはスゴイ。

8月6日現在で、本塁打22本、打点78はリーグでともに上から6位という堂々たる成績。胸も腕もはちきれんばかりの筋肉に包まれた大リーガーたちの中で体格が劣る日本人選手の活躍ぶりに、久しぶりに
最後のというイメージが浮かんだ。

野球の華はやはりホームランである。躍動するパワーとスピードの中で、ゆっくりとベースを回る静止した時間は何ものにも換えがたい。投手と打者の勝負ではっきりと決着がつくのはボールが観客席に飛び込むときぐらいのものだろう。

これまで松井の成績に「日本の長距離打者はこんなものではない」と切歯扼腕してきたがようやく溜飲が下がった思い。

イチロー、城島には悪いがマリナーズに比べるとヤンキースの方が魅力ある選手が多く、試合の方もやっぱりそれなりに面白いのでこれからもせっせと観戦して松井選手を応援したい。



 






 



 

 


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読書コーナー~日本人の矜持~

2007年08月05日 | 読書コーナー

藤原正彦氏の著作は共感できるところが多々あるので全て目を通すようにしているが、「日本人の矜持」~九人との対話~(2007年7月15日、著者:藤原正彦、新潮社刊)も面白かった。

藤原氏が、日本人の矜持(きょうじ:誇り、自信、自尊心など)について様々な角度から各界の人物との対談を通じて味わい深く語り尽くしたもので、まさに談論風発とどまることをしらない話が展開される。

その九人とは次のとおり。

☆齋藤 孝(教育学者、明治大学教授)
「日本人らしさ」をつくる日本語教育

☆中西輝政(国際政治学者、京都大学教授)
論理を盲信しないイギリスに学べること

☆曽野綾子(作家)
真実を述べる勇気を持つ日本人に

☆山田太一(脚本家、作家)
人間の弱さを感じること、傷つくことで得る豊かさ

☆佐藤 優(起訴休職外務事務官・作家)
アンテナが壊れシグナルが読み取れない日本

☆五木寛之(作家)
昔の流行歌には「歌謡の品格」があった

☆ビートたけし(映画監督、タレント)
人生すべてイッツ・ソー・イージー

☆佐藤愛子(作家)
心があるから態度に出る 誇りが育む祖国愛

☆阿川弘之(作家)
「たかが経済」といえる文化立国を

対談相手の9人全てにハズレがないのがいいが、この中で特に興味を引かれたのは中西輝政佐藤優阿川弘之の各氏との対談。

中西氏と藤原氏は政治学、数学と分野は異なるが、ともにケンブリッジ大学に在籍経験あり、という共通項を踏まえ、知り尽くしているから語り合える英国論が展開される。日本との相違点、また意外な共通点を挙げながら、繁栄を経験した国のあり方を考えている。

イギリスの哲学者の言葉に「三段論法は地獄への道」というものがある。彼らは形式的な論理にはこだわらない。人種や社会の構造は日本と正反対だが、論理を盲信せず現実や史実に即して行動するという点でイギリスには学ぶことが多く、アメリカやドイツの幼稚な形式論理の影響を防ぐうえで、極めて有用。

歴史的に見ると日本はアジアの一国といえず、現在でも少し疎外されているところがある。イギリスも同じで、イギリスでヨーロッパといえば大陸のみを指し自分達は入らない。しかも日英両国ともアメリカとの関係が非常に重要なので、こうした共通点を踏まえて外交上手なイギリスからいろんなことが学べる。

1902年の「日英同盟」に続き「第二次日英同盟」の提案が面白い。

外交官でロシア通として知られる佐藤氏ならではの話として「北方四島の返還の突破口」についてのユニークなアイデアが盛り込まれている。

まずアイヌ。いま、国際的な流れとして先住民が歴史的に住んでいた土地に対して自治を要求できるようになっている。それをアイヌの人たちが主張する。ロシアは先住民の権利を法的に求めているから北方領土に居住していたアイヌ人が声を上げれば国際法が味方をしてくれる。

次に知床の世界遺産登録は大失敗。これは有効なカードになりえた。生態系は繋がっているから、知床、北方四島、ウルップ島とあえてロシア領のウルップ島を入れて、日ロ共同提案の形で世界遺産にするべきだった。ロシアには極東の自然環境保護をやる余裕はないしむしろ開発を進めているわけだから、保護者たる資格なしと訴えて結果的には日本が北方四島の管理をもらうなど、知恵を絞ればお金をかけずにできることは山ほどあるとのこと。

「山本五十六」などの著作で知られる作家阿川弘之氏の場合は、海軍の教育を通じてイギリス文化とアメリカ文化の比較論が述べられる。

同じアングロサクソンでもイギリスとアメリカは全然違っており、イギリスは伝統を大事にして古いものを大切にする、アメリカは新しければ新しいほどいいという風潮が際立っている。イギリス人は、内心ではアメリカ人をバカにしているという。

イギリスではユーモアが紳士の大切な品質証明となっており、危機的状況になったときに、機知を発揮したり精神の余裕、フレキシビリティを持つことが深い意味を持っている。そうした人間的なキャパシティを持たせるという観点から日本の教育制度、教育のあり方を問い直し、つまるところ日本は経済繁栄よりも文化立国へ志向すべきだと話が展開されていく。

                     




 


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魔笛の指揮者・歌手達~パパゲーノ編~

2007年08月04日 | 魔笛の指揮者・歌手達

魔笛の歌手達のしんがりはパパゲーノ役(バリトン)である。劇の中ではメルヘン的な雰囲気を醸し出す重要な役どころだが、自分が見るところ、視覚的にはともかく、歌唱の面ではやや難易度が低く、ドラマティックな盛り上がりにも乏しいので正直言って他の歌手達と比べて最後まであまり気が乗らなかった。

第一幕の「愛を感じる殿方には」、第二幕の「パパパ・・」(いずれも二重唱)という劇中のハイライトはあるのだが誰が歌ってもそれほど差は感じない趣。

これは、最初の上演時(1791年)に興行主のシカネーダーがパパゲーノ役を演じたことから、モーツァルトが素人向けに歌いやすく作曲した経緯もある。

そうはいっても、この役を欠いては画竜点睛になるのでこれまでのスタイルに沿って作ってみた。

1 ビーチャム盤(1937年)
ゲルハルト・ヒッシュ(1901~1984) ドイツ
リート歌手として名高く、知的で端正な歌唱力を示した。タンホイザーの全曲盤はないが、日本初演でヴォルフラムの役を演じた。オペラでの代表的な録音はパパゲーノ役だった。

2 カラヤン盤(1950年)
3 カイルベルト盤(1954年)
エーリヒ・クンツ(1909~1995) オーストリア
戦時中から戦後にかけてウィーンでフィガロといえばクンツの独壇場だった。喜劇的なセンスの素晴らしさは舞台上で様々なアドリブやギャグなど多くのエピソードがあるが録音で聴く限り実に立派なバス・バリトンの声を持っている。いかに舞台上で笑いをとっても、音楽的な表現は決して犠牲にしていないところがさすがの第一人者。

4 フリッチャイ盤(1955年)
7 ベーム盤(1964年)
ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ(1925~ ) ドイツ
今世紀最高のバリトン歌手の一人。リートの歌唱、オペラ歌手として最大級の賛辞をほしいままにした。ビロードのような艶を持つ美声に最高度の技巧、さらに見栄えのする長身で舞台では他を圧倒するものがあった。一つ一つの役に入念な研究を加えなければ気が済まなかったためレパートリーはさほど多くはなく、パパゲーノ役などは録音のみで歌った。知的すぎるという評価もあるがいずれも名唱ばかりである。

5 ベーム盤(1955年)
6 クレンペラー盤(1964年)
10 サバリッシュ盤(1972年)
ワルター・ベリー(1929~ ) オーストリア
ウィーン大学で学んだ後、ウィーン国立歌劇場のメンバーとなり35年間に亘って活躍した。温かみあふれる音質、豊かな声量で現代オペラを含めた幅広いレパートリーで大活躍した。

8 ショルティ盤(1969年)
ヘルマン・プライ(1929~1998) ドイツ
モーツァルトのオペラ、シューベルトのリートの第一人者として活躍、レパートリーが実に広く録音も多い。あのディースカウとバリトンの人気を二分してきた。プライの魅力は無邪気さと直情径行にある。52年にデヴューしてからの半生は自伝「喝采の時」(93年)に詳しい。フィガロ役として馴染み深いが、元来カヴァリエ・バリトンに属し、伯爵役としてのほうが声楽的に無理がない。
 

9 スイトナー盤(1970年)
ギュンター・ライブ(1927~ ) ドイツ
東独で幅広いレパートリーで活躍していたが、カラヤンがザルツブルク音楽祭で起用して人気を博した。

12 ハイティンク盤(1981年)
ヴォルフガング・ブレンデル(1947~ ) ドイツ
美声だけでなく、舞台上での表情豊かな演技で聴衆を魅了し続けている名歌手。パパゲーノ役は若い頃の当たり役であり、ベレンデルかプライにしか出せない愛すべき味わいがある。

14 アーノンク-ル盤(1987年)
19 クリスティ盤(1995年)
アントン・シャリンガー(1959~ ) オーストリア
詳細不明

16 ノリントン盤(1990年)
アンドレアス・シュミット(1960~ ) ドイツ
ディースカウの弟子として有名。師の当たり役であったヴォルフラムで成功を収めた。

17 マッケラス盤(1991年) 
トーマス・アレン(1944~ ) イギリス
「ドン・ジョバンニ」歌いで一世を風靡した。しかも”フィガロ”の伯爵はもとより、ベックメッサーのような本格的なドイツ・オペラの役までも手がけた。

以上、こうやって見ると、結構大物歌手が名を連ねているが、パパゲーノ役は「この歌手ではないと」という特定は難しい。個人的には、ワルター・べリーが一番好きだ。

なお、近年のバリトン歌手はまだ資料に乏しく詳細がよく分からないので、分り次第順次補充していく予定。特にアントン・シャリンガーには注目している。





 


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釣り紀行♯7~猛暑対策~

2007年08月02日 | 釣り紀行

梅雨が終わって、猛暑日が続いている。8月1日(水)は暑さ対策に気を配っての7回目の釣行となった。

日焼け、紫外線の防護対策としてなりふり構わず、ご婦人用のつばの広い帽子を買ってきて、早速試してみたが、結果は無風の時はいいのだが、この日は台風5号の影響で海上ではときどき突風が吹き荒れ、広いつばに風圧がかかって帽子が飛ばされそうになる。夏の時期の限定用として風さえ強くなければという条件付きでは使えそう。

さて、前回(7月23日月曜)の大漁の原因は潮変わりの日(3日連続の小潮の後の長潮の日)を選んだ結果だったが、今回も同様に潮変わりの日(3日連続の大潮のあとの中潮の日)を選んでみた。長潮と中潮の違いがどう出るのか興味があるところ。

結果は、残念だが惨敗と言ってもよい結果だった。よく考えてみるとこれまで中潮の日に沢山釣った記憶がない。潮変わりの日といっても効果はなかった。とにかく大潮→中潮はよくない。

それでも中小クロ30匹前後、あじが20匹程度は釣れただろうか。(面倒くさかったので写真省略)。贅沢はいえないところだろう。

さて、元農林水産大臣の故中川一郎氏(中川昭一現自民党政調会長の父親)は野性味にあふれ、歯に衣をきせぬ政治家だったが、人間の心理を抉って次のような面白いことを言っている。

人は初めてお金をもらう時はありがとうと言い、
二回目にもらう時は当たり前と思い、
三回目にもらう時は少なすぎると文句を言い出す。

ワタシをこのたとえに当てはめると、

初めての場所で釣果があった時はありがたいと思い、
二回目に釣果があったときは当たり前と思い、
三回目に釣果があったときは型が小さいと文句を言い出す。

もっと大きな型を釣りたいのはやまやまだが、やはり、型の良いものを本格的に釣るならば”お天とうさん”が隠れ気味の
「朝・夕のまずめ」に限る。過去の経験では、朝方にその日いちばんの大物がきたり、あるいは夕方の18時前後から大物が海面に浮上してくる。とにかく昼間は大物は警戒して深みに潜っていて、まず釣れない。

ワタシがお目当ての海辺の近くに小さな家を購入したい、あるいは借りたいと思うのも
夕まずめにゆっくりと釣りたいのがいちばんの理由だが、カミさんの許しがないうえになにせ先立つものがない。この上は、寝泊りができるスペースを持った車を購入するのが今のところささやかな夢である。

ワタシの趣味は、音楽・オーディオ、読書、釣り、MLB観戦だがこの中でいちばん違った面白さがあるのは釣りである。とにかく青空のもと、大自然の中で狩猟本能を満たしていると夢中になって悩み事が小さくなるところがよい。(趣味三昧の生活でもやはり悩みはある!)

と き     2007年8月1日(水)   快晴、海上ときどき突風

ところ     Y半島

釣り時間    8時20分~14時

潮       中潮

釣  果    中小クロ30匹前後、あじ15cm前後20匹

メ   モ    これからは中潮の日は絶対に釣行しないこと
         飛ばしパン粉は不可。通常のパン粉にチヌパワー(集魚剤)を混ぜる  
         こと
         米ぬかはアミ2角に1袋程度にとどめること。
         次回はウキ下20cm程度に。        
    


 


 



 


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