「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

自宅待機中@鎌倉七里ガ浜(1) 二番底を考える

2020-04-25 13:22:16 | モノ・お金
COVID-19で外出自粛要請。私が仕事場に出ることはしばらくはない。自宅待機組なのであぁ~る。

じゃあ、ゆっくりいろんなことを考えよう・・・ってわけで、またマーケットのグラフを描いて楽しむことにする。グラフは見事なまでに雄弁だからね。

2/19に史上最高値をつけた米国株式市場(ここでは代表的指数のS&P500)はその後下げ続けて3/23に底を打った。その瞬間的高値と安値の差で見れば35%下がったことになる。株式を直接あるいは投信を通してお持ちのみなさんは恐怖を味わったし、株式市場はすでに今後の経済活動が萎むことを一旦織り込んだ形だ。だからその後米国の失業給付申請数が通常の20倍くらいの水準で発表されても特に驚きもしなかったし、株式市場は順調に回復して直前の暴落の多くを取り戻してしまった。しかしその過程で織り込まれてはいない、想定外で悲惨な悪材料が今後新たに出て来たならば、米国株式市場は結構下げるかも・・・。

ここまでは先週していたお話。そして今週は本当にそんなネガティブな材料があった。原油価格の暴落だ。

下のグラフはCRUDE OIL June 20(原油先物6月渡)の2月以降の価格の推移を表したものだ。


【出所: NYMEX 縦軸は価格で米ドル】

その前から産油国が増産ばかりして原油価格はずっと下落していたのだが、COIVD-19で状況がさらに悪化した。経済活動が停滞し、原油の消費量が落ちるからだ。余った原油は世界の貯蔵庫に貯まるがその貯蔵庫が満杯となる日が近づいて来たということが認識されるようになった。原油を持っている人たちは価格ヘッジのために先物を売っておくだろうが、原油を引き取っても置いておくところがないとなると、原油先物市場はパニックになる。この先物(6月渡)は今週月曜日(4/20)に瞬間安値でマイナス39.44ドルを付けた。当然ながら、ずば抜けて史上最安値。何ごとも一旦は「オーバーシュート」するのだねぇ(最近別の用途で日本でもよく使われる英語を使ってみた)。

これには株式市場も反応した。下のグラフがS&P500(米国株式市場指数)である。


【出所:S&P社】

先週金曜日(4/17)の高値から、週が明けて今秋火曜日(4/21)の安値までで6%ほど下げている。この下げにより米国株式のチャートは3/23以降の回復過程で2番目の小さな谷を作った。日本の株式市場のグラフは作っていないけれど、概ね似たような動きだ。相場が暴落した後は通常こうした小さな谷を繰り返し作りながら回復して行くものだ。しかし回復の速度や山と谷がつくる波もだんだん小さくなって行き、上がってはいるもののなんだか伸び切ったパンツのゴムみたいになり波動のうねりやエネルギーが消えうせ、やがてあれ?と思った時に今度は大きな二番目の下げがドスン!と来るはず。いわゆる 二番底 だ。だんだん私も予言者めいてきた(笑)。

まっすぐ回復し続けるなんてことはない。次から次と新たな材料が現れるだろうからね。大きく下げた相場がかなり戻した後だから、今後は好材料よりは、市場がこれまでに織り込んでいない悪材料に反応しやすくなるはずだ。その二番底って、あるのかないのか? あるとしたら、どんなのがあるのか? と思っていたらBofA(Bank of America)のグローバル・リサーチがとても楽しいレポートを発表した。

(1) 1987年のブラックマンデー
(2) 2002年のITバブル崩壊
(3) 2008年の金融危機(いわゆるリーマン・ショック)

それらのショック時の米国株式市場(S&P500)の急落とその後の回復を、VIX指数(=株式市場参加者が予想する今後1カ月の株式指数の変動性)と絡めてそのレポートは分析している。下のグラフがそのレポートにあったものなんだが、これじゃ何が何だかよくわからないね。


【出所:BofA Global Research】

近い将来の市場の変動性を予感させるVIX指数。3月8日以降何度かこのブログでもその指数について書いたので、ご記憶の方もあるかもしれない。3月初めにそれが急上昇し始め、その後市場関係者の予想通り株式市場は本当にものすごいことになった。今回VIX指数が最高水準に達したのは3/16である。その後米国株式市場が一番底に達したのはわずか5営業日後の3/23である。

上のヘンなグラフを簡単にして下に書き換えてみよう。今回のCOVID-19禍でのVIX指数とS&P500の関係だ。


【出所:CBOE、S&P社】

VIX指数のピークからS&P500のボトムまでの期間はわずか5営業日。ところがBofAのレポートによれば、通常大きな下げ相場において本格的に底を打って回復過程に入るのは、上記の(1)(2)(3)の例でも、VIX指数が最高水準に達してから1カ月半から4カ月はかかっていると言う。ということは、それを今回の下げに当てはめれば、VIX指数がピークに達した3/16を初めとしてそこから1カ月半~4カ月の間に大底があることになる。つまり3/23の底を一番底とすると、これから数週間ないしは2カ月ほどの間にもう一度大きな下げが始まり、その後二番底を見る可能性が大だね。

そうなったらその時もう一回少しだけ買い足しましょう。2008年の時なんて、一旦大底を打ってから後もタラタラと2009年まで暗い状況が続いたと記憶する。日本がゴールデン・ウィークに入り日本の金融機関が休んでいる間も海外市場は動き続ける。その間に何かあるかもね。


コメント (10)
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