音楽の喜び フルートとともに

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グロブレーズとカミュ

2008-06-01 00:58:27 | 近代

グロブレーズの「ロマンスとスケルツォ」とカミュの「シャンソンとバディヌリ」を勉強中。グロブレーズは今年一度舞台に上げましたが、そのDVDが出来上がってきました。演奏の後、激落ち込み。練習の方がよかったとか、くよくよ。DVDを見てよかった。課題はいっぱいだけど、自分が思っていたほどひどくもなかった。ひどいけど等身大がわかってほっとしました。

今勉強中はカミュの「シャンソンとバディヌリ」。資料を見ていてこの二人って同時代人だったんだと気づきました。あの、ゴーベールとも。この頃のパリ音楽院って本当にすごい。「ベルエポック」に思春期を過ごした二人のスタイルは似ています。たゆたうような、しっとりとしかし明るくさわやかな前半部分。後半はフランスのエスプリとも言う茶目っ気のあるカミュに対して、グロブレーズは8分の15拍子の力強く華やかな展開になっています。本当にフルートを吹くものにとって、美しくありがたい曲です。

調べたこと忘れないように、ここに書いておきます。興味の無い人は退屈なので、飛ばしてね。

フルートはドイツのテオパルド・ベームの改良により現在の形になりました。つまり木製から金属を使ったフルートが出来上がりました。

このフルートを好んだのはドイツ人ではなく、フランスの人たち。パリ音楽院で花開きました。
卒業試験の課題曲に、毎年作曲されたフルート曲は1898年のガブリエル・フォーレ以来、100年。素晴らしい曲を生み出し続けています。

グロブレーズは1879年生まれで1927年に「ロマンスとスケルツォ」を、カミュは1885年生まれで、1917年に「シャンソンとパディヌリ」を課題曲として作曲しています。

グロブレーズはフォーレに師事し、ピアノ課の教授で、パリオペラ座の音楽監督もした人です。1879年生まれフィリップ・ゴーベールと同僚で、曲はゴーベールにささげられています。
カミュについてはよくわかりません。タファネルの後を継いでパリ音楽院の教授になったエネバンにささげられています。彼の作曲の1920年「12の練習曲」はフォーレからの近代的演奏法が網羅されています。

参照:近代フランス作品集楽曲解説 加藤元章 佐野悦郎 三上明子