音楽の喜び フルートとともに

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ヘンデルのラルゴ

2009-10-05 23:15:06 | 名曲
ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(1685年~1759年)作曲の歌劇「クセルクセス(セルセ)」(1738年)の中で、クセルクセスによって歌われるアリアの一つがラルゴです。
Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più
こんな木陰は今までになかった
どれよりも愛しく、愛らしく
そして優しい

序奏の後、クセルクセスが、歌います。クセルクセスは婚約者がいながら、弟の恋人に恋をして、愛を告白し、振られてもあきらめず、弟が心変わりしたと嘘をいって、自分の方を振り向かせようとしたり、挙句の果てに相手に同意無く、父王を使って、勝手に結婚を認めさせたり。
ついに彼を愛する婚約者が自殺を図るにあたって、ようやく自分の非を悟り、反省して元の鞘におさまり、弟カップルも無事結ばれてめでたしめでたし。

偉い人を間抜けに描いて楽しむ庶民のための歌劇で、ロンドンで初演されましたが、当時はあまり受けませんでした。ラルゴは、木陰などを恋人にたとえて大げさにたたえるクセルクセスの、大らかな間抜けぶりを笑うためのアリアです。テノールもしくは、アルトにより歌われます。