出張「音楽であそぼう!」
今日は一人で行って、いつも一緒にいる児童会の子ども達としました。
『大丈夫かなぁ?』いつも自由にあそんでもらっている子ども達が、私のプログラムに付き合ってくれるかとっても心配。
一人では、どうしても出来ないことがあるので、K先生にもお願いしなくてはなりません。打ち合わせはせいぜい5分。
勤務の前に、準備をしておいて、保育。いつものおやつの時間に10月生まれの子どもたちの誕生会の中でワークをします。
自分の中でいろいろ役割を変えないといけない。こんな器用なことをしたことはないので、とっても心配でした。狭い一部屋に全員集まって地べたに座るのも心配です。じっと座っていられるかな?
まず、フルートを吹くと知っている子ども達の前で、服の下に隠しておいたリコーダーを取り出し、「みんなこれ知ってる?」
「リコーダー」「そんなん知ってるわ。」
「そう、リコーダー。後で、別の笛も吹くのでどう違うか聴いて下さいね。」
「こぎつね」を吹いたら、みんなきょとんとしてしまった。
「それ、何の曲?」1年生はまだ知らないようです。
吹き終わる前に、4年生の女子が「ええから、はよ、フルートふいてーや!」お、きたきたまずい。ここの子ども達は、いつもこんな感じ。
「はい、はい。吹きますよ。では、これはフルートです。どうかな?さっきとちがうかな?」
モーツアルトのソナタk285の一楽章のほんの抜粋。3分ないです。演奏しだすと、ざわざわしていたのが、すぐに空気が変りました。『聴いてる。聴いてる。』
さすがモーツアルト。しかし、何か起したい子ども達もいます。後5小節のところで、小2女子に楽譜立てをひっくり返されました。
しかし、覚えていたので最後まで何事も無かったように吹ききったら、「あー!覚えてる!」と異常に受けました。
静かに聴けるようだったら、何曲か吹こうと思っていましたが、この事件で、とりやめ。今日のメインイベントを出します。
「みんなさっきから気になっていると思うけれど、これはメロディベルです。次の曲は、みんながベルで手伝ってください。メロディベルとフルートで演奏します。」
「ベルをやりたい人、手を上げて出てきてください。ふざける人はやめておいてください。」
さっと手を上げたのは、4年生ばかり。そうなると、下の学年の子ども達は遠慮して手をあげません。
「数はたくさんあるから、大丈夫だよ。やりたい人出てきてよ。」
何度か促しましたが、だめ。子ども達の世界も階層社会です。
「今年で最後だから、4年生優先でいきましょうか。」と、指導員の先生も言うので、4年生だけでやることになりました。
「では、まず練習ね。」ベルの持ち方を説明し、3拍子の頭の音だけを順番に指示しながら練習します。4年生の演技なので、いつもうるさい子ども達も、おとなしく待っています。あれ?「れ」の音をする人が足りない。「誰かしませんか?」というと、指導員の先生が一人協力してくれました。
「まだあるよ。他の人もしない?」というと、さっき楽譜立てをひっくりかえした小2女子が、「私、やる。」
「じゃあ、行くよ。立って。」というと、「座ってやる。」「ベルは立ってするのがルールなの。」「座ってやるよ。」「じゃあ、やらなくていい。置いといて。」
不満そうな顔をしていましたが、今度は黙って座って聴いてくれました。
そして、本番はK先生に指示だしをしてもらって、私はフルートを吹きます。
千と千尋の神隠しの「いつも何度でも」ベルのやさしい音と、フルートの音が混ざった途端、またまた、ざわつきかけた空気がガラッとかわりました。4年生も真剣な表情で、2回くりかえし。大拍手。
猛々しかった部屋の空気が優しい空気に。
やっぱり音楽はいいです。いつも、やんちゃで先生達ももてあまし気味の3年のAくん、帰りかけに、「先生、あの曲なんていう曲やったん?」「千と千尋の神隠しと、モーツアルト。気に入った?」
「うん、よかった。」演奏中も、正座して神妙な顔で聴いていました。
一年生の男子「吹いてるとき変な顔やった。」「そうやねん、あんな顔しないとフルートは音ならないんだよ。」「ふーん。」
いつもはさようならして帰ってくるけれど、影響を知ることができてとてもおもしろいです。
私は、なんとか、終えることができてほっとしました。ここで、出来たらほとんどの小学校はOKです…きっと。