夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ムーン・ウォーカーズ』

2015年11月18日 | 映画(ま行)
『ムーン・ウォーカーズ』(原題:Moonwalkers)
監督:アントワーヌ・バルドー=ジャケ
出演:ロン・パールマン,ルパート・グリント,ロバート・シーアン,スティーヴン・キャンベル・ムーア,
   ケヴィン・ビショップ,エリック・ランパール,トム・オーデナールト,エリカ・サント他

日曜日にシネ・リーブル梅田で2本。その1本目。
10時前に梅田スカイビルに着いたら、空中庭園の入場を待つ人の行列が。
ミナミは中国人ばかりだけど、スカイビルは欧米人がいっぱい。
確かに、ここは爆買いしようにも買うものがありませんから。(^^;

ご存じでしたか、この都市伝説
アポロ11号月面着陸の映像はスタンリー・キューブリック監督が撮ったものである」。
本作はそんな都市伝説をモチーフにしたドタバタコメディです。

1969年、まもなくアポロ11号が月に向けて発射されようかという日。
アメリカ政府はこれまで何度も月面着陸に失敗しているせいで、今回も悲観的。
もしもまた失敗してソ連に先を越されでもしたら、とんだ恥だ。
失敗したときに備えて、月面着陸成功の偽映像を用意しておこう。
ついては『2001年宇宙の旅』(1968)のスタンリー・キューブリック監督に
極秘で偽映像を撮らせようじゃないか、と考える。

さっそくロンドンに飛んでキューブリックに依頼すべし。
その任務を命じられたのはCIAエージェントのキッドマン。
ベトナム戦争で特殊部隊に所属していた彼は、
今もときおり戦場にいるかのような幻影と幻聴に苦しめられている。
今回の呼び出しはてっきり休養を取れということかと思ったら、この任務。

しかし凄腕の諜報員キッドマンは文句など言わない。
監督に手渡す企画書と大金を携え、ロンドンヘ。
キューブリックと懇意の映画プロデューサー、デレクのもとを訪ねる。

ところが、デレクの部屋にいたのは、彼のいとこで口先男のジョニー。
ジョニーは売れないバンドのマネージャーで、借金まみれ。
デレクに金の無心をしにいき、ちょうどデレクが席を外したおりにキッドマンがやってきたのだ。
ジョニーのことをデレクだと思い込み、話を進めるキッドマン。
大金が入っているとおぼしきスーツケースを前に、ジョニーは喉を鳴らす。

ジョニーは同居人で始終ラリラリのレオンを偽キューブリックに仕立て上げる。
なんとかキッドマンを騙し、大金を詐取するのだが……。

監督はCM畑出身で、これが長編映画デビュー作となるアントワーヌ・バルドー=ジャケ。
冒頭、ジミ・ヘンドリックスのレコードの上のう○こに、
なぜにこのごろゲロネタう○こネタばかりとため息が出ましたが、以後は平穏。
首が見事にぶっ飛んだり、ハダカの姉ちゃんがいっぱい出てきたりと、当たり前のR15+指定。

モチーフ自体が面白い上に、役者がちょっとキワモノ的。
『ヘルボーイ』(2004)のロン・パールマンは相変わらず人間離れしています。
“ハリー・ポッター”のロンのイメージを完全に払拭したルパート・グリント
映画監督レナータス役のトム・オーデナールトもキモくて○。

キッドマンの「こいつらアホだ」という台詞に対し、
ジョニーが「だって映画監督だもん」という答えたのに笑いました。
やっぱりアホじゃなければ楽しい映画はつくれませんかね。

ちなみに本作、アメリカ作品ではありません。
フランス/ベルギー作品。
このノリ、私は大好き。

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