夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『グラスホッパー』

2015年11月22日 | 映画(か行)
『グラスホッパー』
監督:瀧本智行
出演:生田斗真,浅野忠信,山田涼介,麻生久美子,波瑠,菜々緒,金児憲史,
   佐津川愛美,山崎ハコ,村上淳,宇崎竜童,吉岡秀隆,石橋蓮司他

4DX3Dを初体験したのが木曜日のことなので、話が前後しますけれど。

火曜日から木曜日までダンナが国内出張で、平日終業後の映画三昧ふたたび。
とはいうものの、火曜日は定例のパン屋、水曜日はそのパンをダンナ実家へ。
毎日劇場へ直行できるわけでもないから、
こんな予定と劇場の上映予定を突き合わせてにらめっこ。
最も無理なく、かつ効率的なスケジュールを組んで臨みました。
初日の火曜日、パン屋に寄ったあと、109シネマズ箕面にて。

好きな作家のひとり、伊坂幸太郎。
私の伊坂作品No.1は『砂漠』で、そのほか出版年順にお気に入りを挙げると、
『アヒルと鴨のコインロッカー』、『チルドレン』、『フィッシュストーリー』
『ゴールデンスランバー』『あるキング』『オー!ファーザー』あたり。
私が好きな伊坂作品は、バイオレンスの要素が濃いものではないのでしょう。
だから、本作や巷で人気の『魔王』にはあまり惹かれず、内容もほとんど覚えておらず。

シャチハタを押したような登場人物の名前紹介に、
お~っ、まぎれもなく伊坂幸太郎だと思いながら観はじめました。

ハロウィンの夜、渋谷のスクランブル交差点が血の海と化す。
ドラッグでラリった男が運転する車が暴走し、次々と人を轢いたのだ。
中学教師・鈴木(生田斗真)の婚約者・百合子(波瑠)も犠牲者に。

百合子との幸せだった日々を思い出し、悲しみに暮れていた鈴木は、
「本当の犯人は別にいる」という発信者不明のメッセージを受け取る。
そのメッセージによれば、黒幕はフロイラインという会社の会長・寺原(石橋蓮司)。
鈴木は教職を辞めるとフロイラインに就職、寺原の様子を探ろうとする。

フロイラインに潜入してみれば、明らかにまともな会社ではない。
キャッチセールスの仕事を任されるも、使えない鈴木に、
寺原の右腕・比与子(菜々緒)はイライラを募らせる。

ある日、仕事中の鈴木に元教え子だという女(佐津川愛美)が声をかけてくる。
彼女の名前をどうしても思い出せない鈴木。
比与子は女を事務所へ連れて行くと、そのまま眠らせて拉致。
寺原Jr.(金児憲史)のおもちゃにさせるつもりらしい。

ところが、比与子と鈴木の目の前で、
何者かによって寺原Jr.が赤信号の交差点に押し出され、車に轢かれて死亡。
比与子の指示で、鈴木は犯人のあとを追うのだが……。

車道にターゲットを押し出して殺す「押し屋」に吉岡秀隆、その妻に麻生久美子
ターゲットに首を括らせたり飛び降りさせたりして殺す「自殺屋」に浅野忠信
殺しの依頼を請け負うエージェントに村上淳
そのエージェントが受けた依頼に基づいて仕事をする殺し屋に山田涼介
ゴージャスな顔ぶれです。

首を掻き切る残忍な殺しの手口や、轢かれたり飛び降りたりして潰れた死体を丸映し。
こういうシーンは見せずに想像だけに留めさせてくれるほうが私は好み。
すべて映像にすることで一気に悪趣味になる気がして。
だから本作も相当悪趣味。直視に耐えないシーン多数。

伊坂幸太郎の作品を映像化するのであれば、
本作の瀧本智行監督よりも私は中村義洋監督の作品のほうが断然好きそう。
伊坂幸太郎の奇想天外な話を中村義洋監督が映画化すると、
思わず信じたくなるスケールの大きなホラ話を見せられている気分になるのですが、
本作は「んなアホな」で終わってしまった感。

それでも最後は泣いたんです。またしても(笑)。
心優しき男も演じられる生田斗真。
吉岡秀隆の凄みのある目つきと、キレッキレの山田涼介にも驚きました。

「解凍される」シーンには泣かされてください。
こうして、人は気持ちの整理をつける

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